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ICH E10 臨床研究における対照群の設定法 6 2021/1/17 Ver. 1.0

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External control 同時に実施しない対照を利用する方法 • 対照グループと被験薬グループは完全に同一とみなせない • 文献、他の施設での研究、他の研究などを用いる • 優越性、非劣性研究で用いられる • ベースラインからの変化を調べるものも含む

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External control: バイアス低減 対照との完全な比較はほぼ不可能 • ランダム化と盲検はできない • 文献から差が出やすい対照を選ぶバイアスが起こりうる • 文献からの対照を後ろ向きに選ぶバイアスもある • 大きな統計的有意性がないと効果を証明できない

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External control: バイアス低減 対照との完全な比較はほぼ不可能 • 病状の予測性が高く、効果が大きいとき以外は使えない • 厳密に同等な対照の選択、投与計画等が必要となる • 選択する対照については事前に厳密に決めておく • 複数のExternal controlを使用する方がよい

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External control: 倫理的問題 治療法がなく、被験薬の効果が確かなら使用できる • 効果が明らかでないときには致命的病状で行うべきではない • 病状の進行が不明瞭なときは通常用いない • ランダム化した研究の方が効果の証明には有用

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External control: 用途 効果が確かで、他の治療より優れていることが条件 • 他の対照を選択できず、病状が予測可能なときに使える • 通常はランダム化、同時検証の対照を使用するべき • 交絡の明確化、大きな有意性、適切な対照の選択が必要 • 適切な系を用いても、説得力が足りないことが多い

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External control: デザインの変更等 早期に中断が行われるプラセボ対照研究で同時使用する • 初期はプラセボとの比較で確実な効果を調べる • 後期はプラセボがないため、External controlを用いる

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External control: 利点と欠点 治療は確実に行われるので、患者や医師は受け入れやすい • 処置間に特定可能/不可能、測定不可能な差が生じうる • 非盲検によるバイアスを生じる • 比較結果が不確かなものとなる • 効能を大きく見積もる傾向がある