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知能のコモディティ化と、 株式会社ではなく社会運動だった話 倉貫 義人 株式会社ソニックガーデン 代表取締役 2025.1.24 ソニックガーデン 全体会議 2025/01

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© SonicGarden 2 話したいこと ● 知能がコモディティ化された社会における文化 ● 「いいソフトウェアをつくる」ための社会運動

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© SonicGarden 知能がコモディティ化された社会 における文化 3

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© SonicGarden 4 どう人工知能に取り組むか ● 会社にとっては、もしくは個人にとって、脅威か機会か ● 開発者の観点と、経営者の観点の違いを、どう捉えるか ● イノベーションのジレンマに陥らないためにどうするか

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© SonicGarden 5 技術的進化とエンジニアの生産性向上 1940〜50年代: パンチカードからの脱却 1950〜60年代: コンパイラとアセンブラの登場 1960年代: タイムシェアリングシステム 1960〜70年代: オペレーティングシステムの進化 1970〜80年代: 高水準プログラミング言語の普及 1980〜90年代: IDEの登場、モジュール化・オブジェクト指向 1990年代: インターネットとリモートコラボレーション 2000年代: オープンソース革命、クラウド技術の登場 2010年代以降: 自動化技術の進化 by ChatGPT

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© SonicGarden 技術の進化は、 一人当たりの生産性と多能性を高めてきた 6

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© SonicGarden 7 人工知能がもたらすもの ● 一人当たりの生産性・出せる価値の増大化 ● 知能に対する価値の低下、コモディティ化 ● 労働者の削減、マネジメント人材の需要増

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© SonicGarden 知能の提供だけでは価値になりえず、 主体的な動機をもって、 成果を出そうとするマネジメントに価値が移る 8

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© SonicGarden 9 人工知能に内発的な動機付けはありますか? ● 人間のような内発的動機づけ=“自分自身の興味や欲求” をAIが持 つわけではない。 ● あくまでプログラムされた報酬・アルゴリズム上の仕組みがあり、 それを“擬似的な内発的動機づけ”として利用することはある。 ● したがって、今のところAIの「興味や好奇心」といったものは、研 究者が設定したアルゴリズムの枠内で機能しているに過ぎず、主観 的な体験を伴うものではないと考えられています。 人間が感じるような“ワクワク”や“楽しいからやる”といった内発的動機 づけをAIが本質的に持つには、まだまだ研究的にも哲学的にも大きな ギャップがある、というのが現状です。 by ChatGPT

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© SonicGarden 10 ソニックガーデンに優位性はあるか ● 内発的動機付けを前提にしたマネジメント ● 人を増やさず成果をあげるマインドセット ● 工数を直接的に換算しないビジネスモデル 量志向 ではなく 質志向

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© SonicGarden 11 ソニックガーデンの目指す方向性 ● 人を「人件費」と考えない。削減でなく活用を考える ● より主体性・視野&視点・生産性の高い人材を目指す ● 経済の拡大ではなく、余暇を生み出し文化に投資する

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© SonicGarden 「いいソフトウェアをつくる」 ための社会運動 12

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© SonicGarden 13 ソニックガーデンの経営理念 いいソフトウェアをつくる。 社会 顧客 仲間 一緒に悩んで、いいものつくる。 いいコードと、生きていく。

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© SonicGarden 14 なぜ「納品のない受託開発」だったのか ● お客さまの求めるソフトウェアを無駄なく作り続けたい ● プログラマが健やかにジレンマなく創造性を発揮したい ● 理想とする「いいソフトウェアの作り方」を証明したい

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© SonicGarden 15 経済活動か社会運動か ● そもそも、n2jkも事業活動というより文化活動だった ● 採用やDevRelやマーケではなく、文化活動と捉えたい ● ソニックガーデンは、経済活動の前に社会運動だった 納品のない受託開発

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© SonicGarden 16 経済活動と社会運動の違い 項目 経済活動 社会運動 目的 利益の追求、経済成長 社会的正義、環境保護、権利拡大など 動機 経済的合理性、資本の効率的運用 価値観や理念、道徳的使命 主体 企業、投資家、消費者 市民団体、コミュニティ、個人 時間軸 短期的な成果(利益、売上)を重視 長期的な変化(意識改革、制度変更)を重視 手段 商品やサービスの生産・流通 教育、抗議活動、政策提言、コミュニティ活動 評価基準 財務的な成果、収益、成長 社会的インパクト、意識の変革、制度の変化 by ChatGPT

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© SonicGarden 17 ソニックガーデンの資本戦略 経済資本 (土地・現金etc) 関係資本 (顧客・仲間etc) 文化資本 (影響力・認識etc) 広がる 投資していく

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© SonicGarden 18 ソニックガーデンの目指す方向性 ● 文化活動そのものの目的・ゴールを採用・集客としない ● うまく事業活動とリンクさせていくことがマネジメント ● 「プログラマの生きる道」を整えていく=育成を広げる

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© SonicGarden ソニックガーデンは会社というよりも 「いいソフトウェアをつくる」ための 社会運動だったのではないか 19

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© SonicGarden Social Change (変化の希望になる) 20 ソニックガーデンの理想 Embrace Change (変化を受け入れる) Drive Change (変化を率先していく)

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© SonicGarden 21

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© SonicGarden ありがとうございました(講演者について) 22 倉貫義人 株式会社ソニックガーデン代表取締役 https://kuranuki.sonicgarden.jp ブログ 連絡先 kuranuki@sonicgarden.jp