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塩をひとふり、素材の味を引き出す ふりかえりランゲージ 2023.04.08 ふりかえりカンファレンス 2023 ふりかえりに味変を

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河野圭一郎(かわのけいいちろう)@kawanotron Scrum Alliance®認定スクラムマスター 2011年頃よりアジャイルを学び始める ベンチャー企業での自社サービス開発 中小企業での受託開発 大企業での自社サービス開発を経て 2021年秋、星野リゾートの情報システム部門に  スクラムマスターとして参画 2

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これまでも味変を紹介してきました 3 https://speakerdeck.com/kawanotron

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■ 言葉で世界は変わる ■ 場を和ます言葉 ■ ふりかえりで学びを促す言葉 ■ みなさんがよく使う言葉をいくつか紹介 今日話すこと 4

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言葉で世界は変わる 5

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スクラムフェス札幌2022で言葉について登壇した ■ 言葉で世界は変わる 6 書籍『LEADER’S LANGUAGE』をリスペクトして スクラムマスターの言葉遣いの事例を紹介した 「文化が大事」と言われるが、どうやって文化を作るのか? その答えの一つが自分が使う言葉を変えること 「人を育てる秘訣は、言葉遣いにある」 始めるのは私からだ。~中略~使う言葉を 変えたら、世界が変わったのだ。

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言葉をうまく使うことで学びを促す ■ 言葉で世界は変わる 7 世の中は人が認知することで成り立っている 認知は言葉によって行われる(社会構成主義) 同じモノゴトでも言葉によって認知が変わる 失敗したときに「なんで失敗したの?」というのと 「次に活かすにはどうしたらいい?」とでは 当事者の捉え方が変わってくる 前向きな言葉を使えば前向きになれる 後ろ向きな言葉を使えば後ろ向きになる

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場を和ませる言葉 8

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前回の資料がはてブに取り上げられてプチ炎上しました 「イラっとする」「嫌味」「質問が攻撃になる」 といったご意見をたくさん頂きました 前提がうまく伝えられていませんでした ちゃんと、場づくりしています!! ■ 場を和ませる言葉 9

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ポジティブ:3、ネガティブ:1の場づくり 生産性を高めるには心理的安全性を高めると良い しかし、心理的安全性が誤解されている、ぬるま湯ではない 心理的安全性の定義は 『対人リスクを恐れずに言いたいことが言える』 一方、ポジティブ心理学では ポジティブ:3、ネガティブ:1が生産性が高いとされている 真に心理的安全性を高めるためにこのバランスを意識する ■ 場を和ませる言葉 10

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常に明るいトーンで、笑いは必須ではない まずはポジティブ、なるべく明るいトーンで話すようにする 言葉も大切だけどノンバーバルコミュニケーションも大切 つい感情的になって無意識に暗いトーンで喋ってしまう 自分自身を俯瞰して、感情を脇に置いて、明るく喋る 普段からポジティブな雰囲気を意識して作る ただ、ムリはしなくていい、笑いを取る必要はない ムードメーカーがいればその人に任せる ■ 場を和ませる言葉 11

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「よろしくお願いします」 挨拶は大切、いわゆるチェックインの機能がある 声を出し受け取ってもらうことでその場に入ることができる また、挨拶で声を出しておくとその後に声が出しやすくなる 「挨拶は必ずすべし」みたいなルール(強制)よりも なるべくみんなが挨拶してくれるように雰囲気づくりをする 声の出し方とか間の作り方で挨拶してくれるのを促す 相手から挨拶が返ってくるようにしっかり間を作る 挨拶してくれない人がいてもいい ■ 場を和ませる言葉 12

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■ 場を和ませる言葉 「ありがとうございました」 ミーティングが終わったときの節目の挨拶 いわゆるチェックアウトの機能がある ふりかえりに限らずミーティングの最後は感謝で締める 感謝ってポジティブ これも、みんなが挨拶してくれるように 声の出し方とか間の作り方を意識する 13

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■ 場を和ませる言葉 「なるほど」 相手の話を一旦受け止めて承認する言葉 どんな意見でも受け取ってもらえると心理的安全性が高まる 自分とは違う意見が出たときに「なるほど」と一旦受け止める その後に「〇〇だとどうだろう?」と続けると Yes, and になる ※Yes And マインド  Yes But も一旦受け止めるが、その後に否定してしまう  Yes And だと受け止めた後、さらにより良くしていく 14

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「気になることはありますか?」 ポジティブだけでなくネガティブにも目を向けてもらう 「気になること」だと比較的気軽にネガティブが出せる 「問題はありますか?」「困ってることはありますか?」 だと身構えてしまって言い出し難くなる 朝会で「気になること」を聞くのがおすすめ 習慣になるといろんな場面で「気になること」を言ってくれる ポジティブとネガティブのバランスを取るの大事 ■ 場を和ませる言葉 15

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「これはどういうことですか?」 組織開発には「Use of self」というのがある 自らの行動を使って風土/文化を変えていく 自分が分からないことはどんどん聞いていく 分からない人の代わりにどんどん聞いていく 分からないことを聞く姿勢を見せることで 「分からないことがあってもいい」 「分からないことは聞いたらいいんだ」 という風土/文化が生まれる ■ 場を和ませる言葉 16

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「言い漏れたことはないですか?」 「これだけは言っておきたいことってないですか?」 タイミングが掴めず発言できなかった、とか ドット投票などで取り上げられなかったけど熱い想いがある そういうのを拾うために 話題が切り替わるタイミングでこれらの問いを必ずする そうすることで話を聞いてもらえるという安心感を醸成する ■ 場を和ませる言葉 17

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ふりかえりで学びを促す言葉 18

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氷山モデル 問いかけによって水面下にあるものを引き出す それにより新たな気づきや学びを得る 問いかけは素材の味を引き出す塩のようなもの 問いかけのパターンを覚えておくと ファシリテーターに慣れていない人も ファシリテーターでない人も チームの学びを促すことができる ■ ふりかえりで学びを促す言葉 19

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「具体的にはどういうことですか?」 「これってどういうことですか?」 「〇〇が良かった」のような抽象的な話が出てきがち 掘り下げて本質を理解するために具体例を挙げてもらう 話のとっかかりとして便利な言葉 こういう言葉を用意しておくと悩まずファシリテートできる ■ ふりかえりで学びを促す言葉 20

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■ ふりかえりで学びを促す言葉 「どうしてそうなったと思いますか?」 「そのときどういう行動をしてましたか?」 「その前には何をしてましたか?」 要因を掘り下げる問いかけ、なぜなぜ分析やタイムライン うまくいかなかったときによく使うけど うまくいったときに使うのがおすすめ うまくいくパターンを学べる どうすればうまくいくかを言語化し再現性を高める 当事者以外も真似できるようにする 21

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「次に同じことがあったらどうしますか?」 同じ過ちを繰り返さないために思考実験を促し学びを得る いろんな制約を抜きにして理想を語ってもらう そうすると逆に制約が浮き彫りになる 「これがなかったらうまくいったのに」とか それにより課題の本質に気づき根本解決に繋げる ■ ふりかえりで学びを促す言葉 22

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「〇〇さんがいないとしたらどうでしたか?」 〇〇さんすごいという属人的な話で終わってしまいがち 〇〇さんになることはできないが 〇〇さんがやっているコトは真似ができる ヒトよりもコトに、個人ではなく行動に意識を向ける 〇〇さんにできたコトが他の人でもできるようになるには? どうすればうまくいくかを言語化し再現性を高める 当事者以外も真似できるようにして脱属人化を促す ■ ふりかえりで学びを促す言葉 23

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「他の人はどう思ってましたか?」 特定の個人の話だけで終わらせてしまわないように 他の人を巻き込む問いかけ 当事者と他の人とで認識が違っていたりする お互いの認識のズレを顕在化させることで そういう見え方もあるんだと情報の非対称性を減らしつつ みんなの視座を高める ■ ふりかえりで学びを促す言葉 24

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「ここから学べることは何かありますか?」 良い問いが思い浮かばないときもある そういうときは焦らず単刀直入に聞いてしまう ■ ふりかえりで学びを促す言葉 25

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みなさんはどんな言葉を使いますか? 26

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これまで挙げたのは河野個人がよく使う言葉 自分なりのよく使う言葉を決めておくと良いかも みなさんがふりかえりでよく使う言葉を discord に投げてもらえますか? お互いに学び合えるといいなと思います ■ みなさんはどんな言葉を使いますか? 27

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ご清聴ありがとうございました 28