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日本の医療体験を、しなやかに。 © KAKEHASHI Inc. 開発組織のOKRの作り方 2024.05.11 @Scrum Fest Niigata 2024 湯前慶大

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© KAKEHASHI Inc. いきなり質問 目標設定、好きですか?

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© KAKEHASHI Inc. 自己紹介 湯前 慶大 (@yunon_phys) ● カケハシ(2023年3月〜) ● VPoE → 執行役員CTO ● 大学時代、新潟(松之山)で競技スキーの合 宿を良くしてました ● 日本酒好きですが、銘柄覚えられません

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© KAKEHASHI Inc. カケハシの紹介 Mission 日本の医療体験を、しなやかに。 Vision 明日の医療の基盤となる、エコシステムの実現。

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© KAKEHASHI Inc. カケハシの紹介

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© KAKEHASHI Inc. 本セッションの前提 ● 開発組織のOKRを2ヶ月前に作ったときに考えたこと・悩んだことを、鮮度 の高いうちに話します ● この1つ前の小田中さんのOKRに関する発表を聞いていなくても大丈夫なの で、安心してください ● 私がOKRを作るときに考えたことなので、あくまで事例の一つとして、 今 後何らかの目標を作るときの参考にしていただけると幸いです

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© KAKEHASHI Inc. 本題 こんなことを思ったことは ありませんか?

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© KAKEHASHI Inc. こんなこと思ったことない? ● 経営目標?事業目標?チーム目標?何それ?(知らない・ わかってない) ● 組織目標って曖昧だなあ・・・ ● 組織目標を自分の目標に落とし込むのムズすぎだろ・・・

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© KAKEHASHI Inc. こんなこと思ったことない? ● 経営目標?事業目標?チーム目標?何それ?(知らない・ わかってない) ● 組織目標って曖昧だなあ・・・ ● 組織目標を自分の目標に落とし込むのムズすぎだろ・・・ ※私が過去に思ったことです

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© KAKEHASHI Inc. でもね・・・ 転機は突然 やってくる

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© KAKEHASHI Inc. 転機

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© KAKEHASHI Inc. 規模の変化 開発組織の責任規模 30人 ↓ 150人

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© KAKEHASHI Inc. 研究によると・・・ “目標を定めて取り組むと、 従業員のパフォーマンスを改善できる” - Google re:Work https://rework.withgoogle.com/jp/guides/set-goals-with-okrs#introduction

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© KAKEHASHI Inc. この組織をまとめなきゃ 開発組織の OKRを作るぞー!!

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© KAKEHASHI Inc. OKRとは Objectives(目標)とKey Results(主要成果) Key Results ● 何を目指したいのか?と いう問いに対する答え ● 気後れするくらいの高い レベル ● 3-5個に絞る ● 目標までの到達度を測定 する指標 ● 定量的で計測可能なもの ● 1つのObjectiveに対し3個 ほど設定 Objectives

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© KAKEHASHI Inc. なんで? Why OKR? ● 既に一部使われているので説明コストがかからない ● OKRの考え方が好き ○ 目標と成果評価を同時に考えられる ○ 目標の60-70%の達成率が理想とされているので、   Moon Shot目標を立てやすい

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© KAKEHASHI Inc. じゃあ一旦 Objectiveを作ってみるか

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© KAKEHASHI Inc. O1: XXXXとしての価値を開発によって高める O2: カケハシのブランドのコアを形成する O3: 安定運用のための土台づくりをする O4: 中長期的に開発組織が強化される状態をつくる

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© KAKEHASHI Inc. 全然ワクワクしない・・・

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© KAKEHASHI Inc. 燃えないなあ・・・ ✓ みんなにとって挑戦しがいがある目標になってない ✓ やらなきゃいけないこと感強い ✓ 自分自身がその目標でワクワクしていない

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© KAKEHASHI Inc. 自分はこの仕事向いてない んじゃないか・・・

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© KAKEHASHI Inc. でもなんで簡単に 作れないんだろう?

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© KAKEHASHI Inc. これまでとの違い これまで これから 方向性を 決める人 ストレッチ度合い の調整 方向性が 決まっているか 決まっている 決まっていない 上司 自分 相談しやすい 自分で調整 そうか、初めてのことをやっているからうまくいかないんだ!

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© KAKEHASHI Inc. 気を取り直して・・・

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© KAKEHASHI Inc. そもそも ・開発組織とはどのような存在なのか? ・どのようなミッションを追っているのか? → これらをクリアにしないと良い目標は作れない

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© KAKEHASHI Inc. これだ・・・ 『CTOの頭の中:技術を財務で表現する』 https://note.com/singtacks/n/nb7a63ad40c17

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© KAKEHASHI Inc. そういうことか! ・開発組織とはどのような存在なのか? → 売上を作るための資産(システム)を作る部署 開発スピードが遅いというのが課題だったよな・・・ そうか、資産が貯まっていってないのか!

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© KAKEHASHI Inc. 開発のミッション:

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© KAKEHASHI Inc. 開発のミッション: 開発生産性を ものすごく上げる(ドヤ

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© KAKEHASHI Inc. えええ・・・

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© KAKEHASHI Inc. 前進はしているのだが・・・ 良い方向には行ってるはずなのだが、 具体性に欠ける 開発生産性って何なのかわからないし、 いつまでにどこまで上げれば良いのかわからないし、 上がったらどうなるのか想像出来ない・・・

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© KAKEHASHI Inc. 基本に立ち返る 月?月と言えば・・・

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© KAKEHASHI Inc. 画像: NASA

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© KAKEHASHI Inc. 有名な演説 First, I believe that this nation should commit itself to achieving the goal, before this decade is out, of landing a man on the Moon and returning him safely to the Earth. - John F. Kennedy まず私は、今後10年以内に人間を月に着陸させ、安全に地球に帰還 させるという目標の達成に我が国民が取り組むべきと確信していま す。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E8%A8%88%E7%94%BB

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© KAKEHASHI Inc. お手本見つけた 今後10年以内に  ← 期限が明確 人間を月に着陸させ  ← 何をするかが明確 安全に地球に帰還させる ← ゴールが明確 何よりワクワクする!! この演説をお手本にもう一回考え直そう

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© KAKEHASHI Inc. カケハシのミッション: 日本の医療体験を、しなやかに

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© KAKEHASHI Inc.

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© KAKEHASHI Inc. 僕らは確かにシステムを作っている でも、本当に作りたいのは医療体験そのもの 開発組織として、医療体験の向上に貢献できることはないか?

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© KAKEHASHI Inc. 開発組織のミッション 医療体験が日々進化する 世界の実現

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© KAKEHASHI Inc. どうやったら 日々進化していると言えるか?

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© KAKEHASHI Inc. 5年後にカケハシの あらゆるサービスの リリース頻度が 今の2倍になっている

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© KAKEHASHI Inc. ここまでの内容を元に OKRに置き換える

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© KAKEHASHI Inc. 医療体験が 日々進化する世界の実現 5年後にカケハシのあらゆるサービスの リリース頻度が今の2倍になっている

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© KAKEHASHI Inc. 2029年度に医療体験が 日々進化する世界を実現する 5年後にカケハシのあらゆるサービスの リリース頻度が今の2倍になっている

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© KAKEHASHI Inc. 2029年度に医療体験が 日々進化する世界を実現する 5年後にカケハシのあらゆるサービスの リリース頻度が今の2倍になっている 1年後にカケハシのあらゆるサービスの リリース頻度が今の15%改善されている

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© KAKEHASHI Inc. 2029年度に医療体験が 日々進化する世界を実現する 1年後にカケハシのあらゆるサービスの リリース頻度が今の15%改善されている Objective Key Result

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© KAKEHASHI Inc. ここまでが 2024年2-3月の話

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© KAKEHASHI Inc. 後日談

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© KAKEHASHI Inc. 最近の話 1年で15%改善するために数値をどう達成するか、というよりも、 今よりもっと早くリリース出来るようになる抜本的な解決案は何 か?、と大きな課題に向き合おうとしている。 KPIを達成するための短期的な小さな積み上げも大事だが、 現状の認識を理解した上で、中長期の目線に立った意思決定をする そのどんな動きがあるのかをちょっとだけご紹介

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© KAKEHASHI Inc. 自分が起こした行動 コミュニケーションコストを抑えて開発出来るように、アーキテク チャ・組織レベルからの見直しを始めている。 LeSSチーム チーム1 チーム2 チーム3 あるサービスを開発しているチーム は、かなり大きなチームになってい て、チームの中で仮想的なチームを 作って、LeSS(Large Scale Scrum) を適用している

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© KAKEHASHI Inc. 自分が起こした行動 課題: LeSSを適用するメリットとして、コミュニケーションのやり 方が整備されているので、人数を増やしてスケールしやすい。一方 で、チーム間での情報の同期コストが非常にかかってしまい、無視 出来ないレベルにまで到達している。それが結果的に、機能開発の スピードが失われ、リリースサイクルの低下につながっている。 LeSSチーム チーム1 チーム2 チーム3 同期コスト

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© KAKEHASHI Inc. 自分が起こした行動 解決案: アーキテクチャを抜本的に見直し、大規模チームを分割し、 チーム間のコミュニケーションをI/F経由に制限し、独立チームで動け るような体制にできないかを模索している(結果はまた別の機会で) LeSSチーム チーム1 チーム2 チーム3 チーム1 チーム2 チーム3 I/F

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© KAKEHASHI Inc. メンバーが起こした行動 ● メンバーが自主的に、どうやったらリリースサイクルを早めら れるかを検討する有志の場を開催した ● 各チームが現状どのようなリリース頻度になっているか、SRE チームが自主的に報告するようになった ● リリース頻度上げるならこの構成ではダメだということで、ア プリケーションの提供のやり方そのものを抜本的に変えるやり 方が進んでいる

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© KAKEHASHI Inc. その他の意見 ● 技術系ではない他の経営メンバーからも、方針に対してとても 好意的に受け取ってもらえている ● 開発組織ではないメンバーからワクワクしたという声をもらっ た ● もしリリース頻度を増やしたらこういうことが懸念で・・・と いう声をもらえるようになった

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© KAKEHASHI Inc. 開発組織の目標を作る上で何が大事だったのか? ● 会社のミッション・組織の貢献価値などから、クリアなゴールイ メージを描くこと ● いつまでに達成したいのかを明確にすること ● ワクワクする・キャッチーな言葉選び ● 網羅性を気にしすぎないこと

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© KAKEHASHI Inc. ご清聴 ありがとうございました

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