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受託で「楽しい開発」を突き詰めて
 価値を再定義してみた
 クラスメソッド株式会社 阿部信介
 Developers Summit 2021 Summer
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2 ご挨拶 短い時間ですが、何か一つでも みなさんの心に残るお話が できると嬉しいです。 本日はよろしくお願いします。

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3 今日お話ししたいこと

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4 これが

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5 こうなって

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6 ムネアツ台詞をいただくまでの話 「文化を作る仕事なんですね」

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7 エピソードとして触れるだけのもの ● 個人のキャリアパス(チャンスの掴み方とか) ● 新規事業の立ち上げ方(ツールセットとか) ● 受託の未来がどうあるべきか(正解はたくさんある)

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8 注意事項 ● 「その時に考えていたこと」を重視 ● 今日のお話は今のサービスの姿とは違うかも ● 同じ事業を推奨するわけではない

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9 自己紹介

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10 自己紹介 阿部 信介(Shinsuke Abe) ● クラスメソッド株式会社 ○ CX事業本部 内製化支援チーム ● マネージャ(事業担当) ● 開発マネージャの経験長い ● 好きなAWSサービス ○ Lambda https://dev.classmethod.jp/author/abe-shinsuke/

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11 略歴 ● パチンコ店向け設備データ管理プログラム開発 ● 中小SIerにてSESでのシステム開発 ● 教育系事業会社のシステム子会社にてアプリケーション 開発および開発リーダー ● ショッピングセンター管理システムの開発マネージャ ● クラスメソッド入社(2018年7月) ○ サーバーレス開発部マネージャ ○ CX事業本部で採用や評価プロセスの策定、メンテナンス ○ 現在、内製化支援チームのマネージャ

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12 クラスメソッドについて

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13 ブログとAWSの会社? 大体あってる

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14 受託開発やってたの? 事業領域は意外と広い

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15 受託開発やってたの? 所属部門はモロ受託開発事業

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16 内製化支援について

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18 内製化実現サービスはじめました ● 組織づくりを支援します ● ナレッジの定着を支援します ● もちろん技術面も支援します

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19 自走支援のためのプロフェッショナルサービス ● ロードマップとアクション 作り ● ハンドリングが目標 ● 支援内容はヒアリングで

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20 具体的にどういう支援をしているか(一部抜粋) ● スキルが属人化しているチームでナレッジ定着のための ロードマップ、仕組み作り ● 採用基準や募集要項の作成支援 ● 保守・運用体制構築支援(技術支援含む)

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21 前提知識おしまい

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22 プロローグ

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23 2020年10月、 長野県の会議室にて

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24 全てはここから始まった とあるミーティング後のホワイトボード

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25 部門マネージャミーティング ● テーマ「競争優位性をこ れからも維持できる か?」 ● 我々が求められているこ とを捉え直す

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26 クライアントが期待してることは? ● 顧客の課題を解決し ● ビジネスの成果をあげた い ● 専門家との共創 ● なるべく早く

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27 つまりどういうことか? この流れをとにかく早くしたい

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速く柔軟に市場投入する 28 求められるのは速さと柔軟性 VUCA Un- controllable Adaptation

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29 ビジネス環境を考えると 本当は内製できるのが一番いい

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30 でも 内製できる事業会社は多くない

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31 なぜ内製が難しいのか? 「IT人材白書2020」より 出典元:https://www.ipa.go.jp/files/000085256.pdf

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32 クライアントが期待してることは?(再掲) ● 顧客の課題を解決し ● ビジネスの成果をあげた い ● 専門家との共創 ● なるべく早く

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33 価格競争になっていない案件 できていた仕事はあった

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34 どういう案件だったか ● 技術力メインのはずがどんどん要望が出てきた ● それに答えていく過程で信頼関係が築かれた ● 事業に向かって一緒に伴走できる会社を求めていた ● クライアントの内製チームのような関係性

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35 楽しい開発でもあった(はず) ● チームのモチベーションは高い ● チャレンジングな課題がある ● 信頼されているのがわかる

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36 新しい取り組みの方向性(イメージ先行) よし、再現しよう

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37 思いつきで終わらせないために で、誰が担当するの?

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38 時を同じくして一人の男のジョインが決定 ● 高柳 謙(gaoryu) ● ファシリテーションを重視した組織開発を支 援 ● そのまま開発プロジェクトに入ってもらうの はもったいない ● 個々のプロジェクトだけでなく横断的にパ フォーマンス出して欲しい ● この人と一緒ならこのコンセプト実現できる と思った

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39 手をあげた

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40 サービス立ち上げまでのストーリー

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41 詳しいお話はブログにも 細かくどのようなことに取り 組んだかは、 ブログに書いています

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コンセプト決め 2021年1月〜2021年3月 ヒアリング プレスリリース 42 サービス立ち上げまでの流れ

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43 サービスコンセプトを決める

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44 使ったツール・フレームワーク類 リーンキャンバス 繰り返し作った チラシ作成

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45 ヒアリングや壁打ちを通じて ブラッシュアップ

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46 ヒアリング(事業部内) ● 部内の各チームに ● 「内製化」の印象 ● 現場での課題感 ● コンセプトへの期待感

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47 壁打ち(他部門) ● 部門長に特攻 ● 内製や自走への思い ● チラシの感想

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48 ヒアリングや壁打ちで見えたクライアントのこと ● やりたいことや進め方が わからない ● 技術がわかる人がいない /評価できない ● やってくれることのイメー ジがわからない

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49 どういう関係だったか ● 「もっと踏み込んで欲し い」 ● 「もっと活用してほしい」 ● できるかどうかは担当者 次第

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関連する話になるように準備 50 他部門への壁打ちをどう準備したか? オープンな 議論の場 他部門の キーワード キーワードを 説明の導入に

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51 この活動中に考えていたこと ● オープンにフィードバック をもらう ● 自分たちで決める ● 理想から入る

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52 活動の痕跡

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53 価値の核心に据えたこと

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54 ヒアリングや壁打ちで見えたクライアントのこと ● やりたいことや進め方が わからない ● 技術がわかる人がいない /評価できない ● やってくれることのイメー ジがわからない

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55 やりたいことや進め方がわからない ● 予測ができない ● 正解がたくさんある ● 探索的な進め方を知らな い ● スピード感が出ない

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56 戦略例:OODAループ

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57 やりたいことや進め方がわからない ● 予測ができない ● 正解がたくさんある ● 探索的な進め方を知らな い ● スピード感が出ない

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58 技術がわかる人がいない・評価できない ● 今やってることが最適な のかわからない ● 仕事の違いがわからない ● 採用・評価の基準がない

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59 やってくれることのイメージがわからない ● 自走支援に期待してる ● どこまでできればいいか わからない ● 何をお願いすればいいか わからない ?

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60 どういう関係だったか(再掲) ● 「もっと踏み込んで欲し い」 ● 「もっと活用してほしい」 ● できるかどうかは担当者 次第

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61 ぶっちゃけ・・・ ● 今でもお金はもらえる ● 我々の社会的価値は高 まらない ● それでいい?嫌だ!

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62 どういう関係でいたいのか ● 目的を共有している ● それぞれがリーダー ● お互いを信頼している ● そして事業が成長する

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63 これはきっと楽しい

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「楽しさ」の要素 64 内発的動機付け 自主性 成長 目的 https://www.ted.com/talks/dan_pink_the_puzzle_of_motivation/up-next?language=ja

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65 自社の事例を読む 双方が評価している事例

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66 自社の事例を読む ● 「らしくできた」事例 ● 何が評価されているか ● 技術だけではなかった ● 一緒に作る姿勢 受発注者が積極的に連携して いっしょに作ってほしい 一緒に考え、時には進め方を相 談できる

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67 ここで見えてくる「らしさ」は何か?

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68 Classmethod Leadership Principle 我々の価値観の中核 リーダーシッ プ パートナー シップ ダイバー シティ プロフェッ ショナル 感謝 顧客視点 フィードバッ ク 情報発信 やってみる 楽しむ

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69 「らしさ」の言語化 ● 「らしく」成果を出す人の 特徴 ● 内部からも外部からも評 価されてる ● トップダウンの押し付けで はない

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この三つが色濃く出ていた 70 「らしくできた」事例には リーダー シップ プロフェッショ ナル 顧客視点

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71 サービスのあり方 クラスメソッド「らしく」 クライアントと楽しく仕事をする

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技術サービスの届け方を変える 72 クライアントと楽しく仕事をするためには? ボトルネックを 学ぶ 技術を活かす ためのプラン ワンチームを 目指す

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73 社内向けキャッチコピー 事業にクラメソをインストール

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74 価値の核心 ● 我々の文化 ○ Classmethod Leadership Principle ● 経営理念 ○ オープンな発想と高い技術力により、すべての人々の創造活 動に貢献し続ける ● 積み重ねてきた技術力 ○ 「それ試してます」と言える技術力

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75 やっていて辛かったこと それでもやれた理由

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76 この章でお話しすること この章で話すことは ブログに書いています

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77 リーンキャンバス(1回目) 何か気分が上がらない

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理想から物事を考えることに対する恐れ 78 なぜ気分が上がらなかったのか? 考えが 小さくなった 巻き込む人を 少なくしたい できなかった 時どうする?

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79 簡単に言うと これ、俺らがやる意味は? ってなった

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80 リーンキャンバス(1回目) 教科書的でありきたりな内容 掘り下げが 足りてない課題 どこかで聞いたよ うな提案 本当に 独自性ある?

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81 コンフォートゾーンを出る ● 自分たちは技術、 ビジネスは事業 ● 変えることへの恐怖 ● まだ大丈夫

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82 コンフォートゾーンを出る ● 自分たちは技術、 ビジネスは事業 ● 変えることへの恐怖 ● まだ大丈夫 ● 実際にクライアントは求 めている ● 誰かがいつかやる ● 後からで追いつけるか

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83 というわけで リーンキャンバスを 作り直すことにした

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84 リーンキャンバス(2回目) 気分が上がってきた 自分たちと クライアント双方の 課題が見えた 自分たちの 今までの積み上げ を分析できた 自分たちと クライアントの 理想の姿

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85 未知の領域ではあるが 気分が上がったことで 「やれる」という気になった

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最初の一歩を踏み出しやすい環境 86 チャレンジする決断ができた理由 「今日のご飯」 「明日のご飯」 「明後日のご飯」 経営方針 失敗を詰めるより は、その失敗を糧 にしてその後どうす るか 情報をオープンにし てフィードバックを 歓迎する文化 未来志向 フィードバック

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87 環境に助けられた 私に特別チャレンジ精神が あったわけではありません

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この環境を整備してください 88 今日この場にお越しのマネージャの方へ 「今日のご飯」 「明日のご飯」 「明後日のご飯」 経営方針 失敗を詰めるより は、その失敗を糧 にしてその後どうす るか 情報をオープンにし てフィードバックを 歓迎する文化 未来志向 フィードバック

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89 そしてできたもの

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90 内製化達成のためのステップ 何ができるようなればいいか、というモデル

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91 自分たちが何をしていくべきか ● 現状とゴールの可視化 ● クライアントに合わせた 支援内容 ● 進め方がわからない、に 併走する

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92 プレスリリース

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93 出しちゃったので腹を括る これで利益が出るように諸々考える

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94 得られたもの

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95 得られたもの ● 我々が提供する価値と向き合う時間 ● クライアントとの新しい関係 ● 事業を立ち上げるという経験

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96 これからの覚悟 ● クライアントへの説明責任 ● 時間をかけて取り組む ● 多くのことができるようにチームで学ぶ

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97 「文化を作る仕事なんですね」

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98 「文化を作る仕事なんですね」 ● ある商談でのムネアツ台 詞 ● お客様からのお言葉 ● 伝わった(嬉しい)

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99 これから

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100 スケールするビジネスモデルを作る ● チームとやり方に投資する ● 一緒にやる人たちを増やす ● チームで学び続ける

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101 次の目標 クライアントと一緒に この取り組みの話をしたい

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102 以上です お時間いただき ありがとうございました。 皆さんにとって参考になる話が 一つでもあれば幸いです。

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105 本スライドのイラストについて ● 自作のもの以外は、Loose Drowingのイラストを利用して います ● 説明のイメージを補足しやすくなりました ● 感謝いたします