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リモートワークにおける ファシリテーションの方法論 増補版 ーミーティング・プロジェクト・組織ー 2023年10月

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増補版のための序文(2023年10月) 2 2020年の新型コロナウイルスの世界的流行は、私たちの 働き方を大きく変える契機となりました。 空間を共にしながら働くという前提は崩れ、在宅やコワー キングなど、各自が離れた場所から仕事をしていくスタイ ル(リモートワーク)は特別なものではなくなりました。 当時、社会的に移動制限が行われたことによって、オンラ インミーティングやリモートワークが普及し、逆説的に 「移動からの自由」というものが生まれました。そして、 移動から自由になることによって、「働き方そのものも自 由」につながっていったのがこの3年間の大きな変化と言 えるかもしれません。 しかし、一般的に「自由」の裏側には「自由であることの 難しさ」が必ずあるように、リモートワークにおいても自 由な働き方ができるからこその難しさが存在します。たと えば、従来は働き方やコミュニケーションの取り方の価値 観は暗黙的に共有され、その中で仕事をしていました。そ の価値観をあらためて問い直す機会はあまりありませんで した。 しかし、働き方やコミュニケーションの形態が多様になる ことによって、その価値観の前提からすり合わせることが 不可欠になってきたと感じています。 もし、その価値観のすり合わせをしなければ、「このプロ ジェクトはみんながこのような動きをするものだと思って いたが、なぜAさんはそのように動いてくれないのか」と いう不満を抱えることになり、プロジェクトで良い成果を 生み出していくことが難しくなってしまうでしょう。今回 「リモートワークのファシリテーションの方法論」を改訂 し、増補版を公開するのは、そのような問題意識によるも のです。 第1版の問いが「リモートワークをどう進めるか」であっ たとするならば、今回の増補版の問いは「リモートワーク の難しさをどうフォローするか」にあり、新たにコラムや Tipsなども追加しながら内容を見直しました。 本資料が、みなさまの「リモートワーク」、さらには 「働き方そのもの」をふりかえる道具になれば幸いです。

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目次 3 序 1. 2. 3. 4. 序文など ファシリテーション概論 ミーティングの ファシリテーション プロジェクトの ファシリテーション 組織の ファシリテーション ● 増補版のための序文 ● 目次 ● 本資料の執筆者 ● 本資料における定義と対象 ● ファシリテーションの全体像 ● リモートワーク時のファシリテーションで意識すべき5つのこと ● Web会議の特徴 ● 会議とはなにか ● Web会議をする際に意識すると良い4つのポイント ● Web会議の進め方 ● リモートワークのプロジェクトではどのようなファシリテーションが 求められるのか ● プロジェクトの進め方 ● リモートワークをより良いものにするために、組織の意味・役割を 捉え直す ● <共通言語>を生み出す土台・環境としての組織に必要な3つの要素 ● リモートワーク環境下での組織マネジメントで意識すべきこと

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序文(2020年5月)[再掲] 4 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの働き方を大きく変えようとしています。 空間を共にしながら働くという前提は崩れ、離れた場所から仕事をしていくというスタイルが新たな前提となりつ つあります。 この前提の変化は、短期的には「オンラインでミーティングをどう進めたらよいか」という問題を突きつけますが、 長期的には、「プロジェクトや組織そのものをどう運営していくべきか」という、より本質的な問題を顕在化させ ていくのではないかと考えています。 そこで今回、コパイロツトでは、民間企業や行政機関がテレワーク環境下において最適なファシリテーションを行 うことができるように「リモートワークにおけるファシリテーションの方法論」を公開することにいたしました。 その対象は「ミーティング」「プロジェクト」「組織」の3つで、いずれもコパイロツトがこれまでにご支援をし てきたプロジェクトマネジメントの実務で培った経験をもとにしたものです。 コロナの終息まで、長い時間がかかることが予想される状況の中で、 この資料がみなさまのミーティング・プロジェクト・組織を最適化する一つの素材になれば幸いです。 この資料は、今後も随時アップデートをしていきたいと考えています。 ぜひ、みなさまからのご意見・感想をお待ちしています。

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本資料の執筆者 5 株式会社コパイロツト プロジェクトファシリテーター プロジェクトイネーブラー 在野研究者 プロジェクト・組織の推進にPMとして関わりながら、 プロジェクト・組織の未来に必要なナレッジ・知を言語 化するサポートをしています。 対象分野は民間企業のDX領域が中心となりますが、シ ンクタンク・パブリックセクターでの勤務経験から、公 共政策の立案・自治体DXに関する業務も担当しています。 Twitter : @kedamatti Facebook : yoneyama.tomohiro 株式会社コパイロツト プロデューサー プロジェクトマネージャー 直近は大企業の新規事業・DX案件において、初期のコン セプト・ビジネスモデル企画からデリバリーまでの実行 支援領域のPMとして参画。 経営コンサルティング会社~ソーシャルビジネス(東日 本大震災の復興支援)の経験を活かし、大企業からベン チャー・非営利組織まで規模・業種問わず従事していま す。 米山知宏 多田知弥 © Koji Udo © Koji Udo

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株式会社コパイロツトとは 多種多様な目的やメンバー構成のチームにおいて プロジェクトを推進するため、 「コパイロツト(副操縦士)」は2005年に設立されました。 デジタル領域や新規事業開発のサポートをしながら、 プロジェクト推進できるチーム・組織づくりを プロジェクトチームと一緒に目指します。 6

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【宣伝①】リモートワークでのミーティングを効果的にするサービス! 7 コパイロツトが積み上げてきたプロジェクト推進の実践知を元に開発したクラウドサービス “SuperGoodMeetings” を提供しています。 本サービスの利用により、定例会議で決定した内容や今現在チームが何を目指しているのかが わかりやすくなり、プロジェクトの状況を把握しやすくなりますので、ぜひご利用ください。 SuperGoodMeetings サービスサイト https://supergoodmeetings.com/

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【宣伝②】支援実績/お問い合わせ 8 Project[主な支援実績] コパイロツトは、課題整理や戦略立案から参画し、プロジェクトを効果的に推進するための「プ ロジェクトマネジメント」「ファシリテーション」「ナレッジマネジメント」などのお手伝いを させていただきます。 これまでの実績・支援の詳細は、ぜひコパイロツトのサイトをご覧ください。 またお仕事のご依頼・ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。 お問い合わせ

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本資料における定義と対象 本資料において 「ファシリテーション」をどのように定義し、 何を対象として論じているかをまずご紹介します。 9

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本資料における「ファシリテーション」の定義 10 「ファシリテーション」は、しばしば「会議を進行する人」であったり「対話の場を運営する人」というイメージ で捉えられることがありますが、本資料では「より良いゴールを達成するために必要な一連の行為が適切に行われ る状態をつくること」と定義しています。 より良いゴールを達成するために必要な一連の行為が 適切に行われる状態をつくること ファシリテーター1人ではなく、関 係するメンバー全員で行っていくべ きもの 誰がやるのか 会議や対話の場の進行・運営だけで なく、より良いゴールを達成するた めに必要な一連の行為が対象 対象はなにか

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本資料における「ファシリテーション」の定義 11 ファシリテーターが頑張って関与せずとも、 自然と必要な議論や活動が行われる状態をつくることが ファシリテーションの本質 ファシリテーションは、会議の場だけでなく、あらゆる場所で必要な行為 ファシリテーターによる直接的働きかけのみならず、 「仕組み」をつくることもファシリテーション

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方法論の対象 12 組織のファシリテーション ファシリテーションの方法論として整理する対象は、 「ミーティング」「プロジェクト」「組織」の3つの視点です。 これら3つを対象にしているのは、実際の仕事においてはこれらが相互に 関係性を持っているためです。 リモートワーク環境下でも質の高い仕事をしていくためには、単にミーテ ィング(Web会議)だけではなく、プロジェクトや組織の運営方法も一緒 に考えていく必要があります。 1. 全体概論-ファシリテーション概論- 「ミーティング」「プロジェクト」「組織」の3つに共通する方法論 2. ミーティング ミーティングでの議論や意思決定をスムーズに行い、次のアクションにつ なげていくための方法論 3. プロジェクト プロジェクトの立ち上げから、推進、改善など、プロジェクトを状況に合 わせてスムーズに進めていくための方法論 4. 組織 リモートワーク環境下において、組織運営をスムーズに行っていくための 方法論 プロジェクト のファシリテーション ミーティング のファシリテーション 全体概論 1 2 3 4

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1. ファシリテーション概論 本章では、「ミーティング」「プロジェクト」「組織」に 共通して必要となるファシリテーションの あり方についてご紹介します。 リモートワーク環境下のファシリテーションで意識すべき 基本的なスタンスについてご理解いただければ幸いです。 13

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14 ファシリテーションの全体像:すべてはメンバーが納得する決定のためのプロセス ②発散 受け止めて引き出す ③収束 かみ合わせて整理する ④合意形成 まとめて分かち合う 協働意欲の創出 話しやすさの醸成 目的 ①環境づくり 場をつくりつなげる 全体感の整理 論点の絞り込み 対立意見の対処 納得して決定される コミュニケーション 対人系 インタラクション 論理系 傾聴・応答 観察・質問 構造化・可視化 ロジカル/システム シンキング コンフリクト マネジメント 考えやすい環境 決定への納得 両方 理解と共感 網羅的にすべて 幅広い論点 ✔確認 目的とゴール 安心と安全 ✔確認 決め方の決定 ✔確認 目的とゴール

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リモートワーク時のファシリテーションで意識すべき5つのこと 15 1. 議論・意思決定する際の人数を絞る 4. とにかく「言語化」 5. 判断を明確にする 3. 議論のための前提・情報を揃える 2. コミュニケーションを小分けにする

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1. 議論・意思決定する際の人数を絞る 16 Web会議は、対面の会議に比べて、参加者の反応が 分かりにくかったり、ちょっとした反応・発言がし にくかったりと独特の難しさがあります。 とはいえ、参加者の反応をいちいち確認していると、 全員の時間を無駄に使ってしまうため、議論・意思 決定する際の人数を絞ることが重要です。 その上で、絞られたメンバーの中で、意思決定者を 明確にすることも不可欠です。 人数が少なくなると議論がしやすくなるため、議論 が長くなってしまいがちです。意思決定者が明確に なっていれば、そういったことはありません。 そして、意思決定する際には、「全員賛成」を求め ず、明確な反対がない限り、意思決定者の判断で合 意するという割り切りも重要です。 まず、人数を絞る 意思決定者を明確にする 明確な反対がない限り、 意思決定者の判断で合意

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2. コミュニケーションを小分けにする 17 リモートワーク環境では、ちょっとした確認がしにくくなります。 そのため、必要に応じて、コミュニケーションを小分けにすることが重要です。 たとえば、コミュニケーションがずれるリスクを軽減するために、MTGを小分けにしましょう。 これまで週1回・2時間のMTGを開催していた場合に、リモートワーク環境ではそれを週2回・1時間ずつのMTGに 小分けにすると、メンバー間での認識のズレは少なくなります。 さらに、会議のアジェンダも小分けにしましょう。 大きなテーマをまとめて議論しようとせず、意思決定したいことを小さな単位に切り分け、一つずつ結論を出して いくと、議論をスムーズに行えます。 週1回・1時間のMTG 30分 30分 MTGを小分けにする 週2回に小分け 会議のアジェンダを小分けにする ○○について ○○は△△とし たいが良いか? ○○は△△とし たいが良いか? アジェンダを 小分け&具体化

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3. 議論のための前提・情報を揃える 18 対面の状況に比べてリモートワーク環境下では、隣の人が電話で話している声や雑談している声 は聞こえてこないため、「なんとなく情報・状況を共有できている」ということは起こりにくく なります。 また、リモートワークと出社、ウェブ会議と出社してのMTG参加というように、環境が異なる状 況では、関係者感での情報の偏りが生まれやすくなります。 そのため、リモートワーク環境下では、以下の視点を意識することが重要となります。 3-1. 誰もが定常的に情報にアクセスしやすい状態をつくる 3-2. 議論を始める前に、<前提>を確認する

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3-1. 誰もが定常的情報にアクセスしやすい状態をつくる 19 ● メンバー間で持っている情報に違いを産 まないことが大事 ● クラウド上でファイルを共有するなど、 メンバーが常に同じ情報を共有できてい る状態にしましょう 1)常に同じ情報を見られる状態を ● ある情報にアクセスするための回路を複 合的に設計する ● 情報間のリンク付けを丁寧に行ったり、 Wikiページを立ち上げたりと、必要な情 報にアクセスしやすい状態にしましょう 2)複合的なアクセス回路 ● とはいえ、オンライン上のやり取りは、 どうしても伝わりにくい部分もあります ● 伝わっていない前提で、何度も伝え続け る・共有し続けることが重要です 3)共有し続ける リモートワーク時のファシリテーションで意識すべきことの最後は、情報の整理・共有についてです。 当たり前のことかもしれませんが、適切に行えるかどうかによって、ミーティング・プロジェクト・組織の質が大 きく変わってきます。 まずは、1)関係するメンバーが常に同じ情報を見られる状態にした上で、2)必要な情報にアクセスするための回 路を複合的に設計しましょう。情報間のリンクを丁寧につけることや、必要に応じてWiki的なまとめページをつく り、情報を構造的に整理すると良いでしょう。さらに、3)伝わっていない前提で、都度、共有し続けることも重 要です。 それらのアプローチを丁寧に行うことによって、ちょっとした情報を確認する手間がなくなりますし、メンバー同 士で信頼感を持ちながら仕事を進められます。

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3-2. 議論を始める前に、「前提」を確認する 20 Web会議では、「対面よりも気軽に参加者を招待しやすいために、参加者間の認識がバラバラ」「わか らない部分や違和感を感じても議論を止めづらい」ということが、対面の会議よりも起こりがちです。 その結果、参加者間で議論の前提が噛み合わないまま会話が進行し、議論が深まらないというケースが 散見されます。 そのため、議論のために必要な前提の情報を、議論前にきちんと提示することが建設的な議論を深める ために必要不可欠となります。 共有すべき前提情報の例: ● 現在にいたるまでの経緯や背景 ● 判断/決定に必要な定性的/定量的な情報(判断材料) ● 議論/決定に適した参加者になっているか ● 全体の期日やそのアジェンダの決定がその他の事項にどう影響するか 参加者側も「前提が揃っていない」と感じたら、 ファシリテーターにに率先して伝える(教えて)あげることも重要です。

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4. とにかく「言語化」 21 リモートワークが基本となる働き方は、単に、対面での会話がWebベースに置き換わるわけでは なく、そもそものコミュニケーションのあり方自体に変化を求めています。 特に、従来、多くの組織でマネジメントの潤滑油として機能してきた「空気」が存在しづらくな るため、それを補完するものが不可欠です。その筆頭は「言語化」です。 次ページに、言語化について個人や組織として意識できる点を整理していますので、 ミーティング・プロジェクト・組織などそれぞれの場所で実施してみてください。

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4. とにかく「言語化」 22 ①議論する前に、ドラフトを持ち寄る ③指示を出す際は簡潔に ④言語化しやすい仕組みを 何かしら議論をする際は、手ぶらで議論に臨むことをや めて、何かしらのドラフト(たたき台)を持ち寄るよう にしましょう。 ドラフトがないと議論が空中戦になりやすく、議論の 質・コストに大きく影響を与えます。 指示を出す際は、だらだらとした説明をするのではなく、 「依頼事項」「期限」「目的」を箇条書きなどで明確に 伝えましょう。 何らかのアウトプットを依頼する場合にはフォーマット を提示して、アウトプットがブレるリスクを軽減してい くことも重要です。 リモートワーク環境下では、ちょっとした意見・違和感 を共有しにくくなるため、各自が感じていることを言語 化しやすい仕組みを設計しましょう。 たとえば、ふりかえりの場をプロジェクトや組織単位で 定期的に行うことも有効なアプローチの一つです。 ②議論をする際は、言語化しながら 実際に議論をする際には、何かしらの形で言語化をし、 内容を共有しながら議論を進めましょう。 同じ発言でも、聞き手の受け取り方は同じではありませ ん。小さな言葉の認識のズレを放置したままでいると、 議論の質も高まりませんし、ズレがあることすら気づか ない状況に陥るリスクすらあります。

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5. 判断を明確にする 23 ちょっとしたことが曖昧になりやすく、確認しにくいリモートワークでは、判断(Yes-No)を明確にすることを 意識しましょう。 小さなタスクの判断から、ミーティング、プロジェクト、組織の意思決定など、どのレベルの判断についても明確 にすることが、仕事をスムーズに進めていく上で重要です。 判断できないときもありますが、そのような場合は、少なくとも「判断できないこと」「判断できなかったこと」 を明確にしましょう。 そして、行った判断を適切に「言語化」(項目D.)し、「誰もが情報にアクセスしやすい状態」(項目C-1.)をつ くることで、ミーティング・プロジェクト・組織は機能しやすい状態になるでしょう。 ミーティングの判断 プロジェクトの判断 組織の判断

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2. ミーティングのファシリテーション 本章では、リモートワーク環境における ミーティング=Web会議をファシリテーションする際の 方法論についてご紹介します。 ファシリテーターが1人で頑張るのではなく、 会議参加メンバーが協力して、 より創造的な会議を作りましょう。 24

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Web会議の特徴 本資料の第1版(2020年5月)の公開から約3年が経ち、「Web会議」は日常のものとなりました。特段、 何かを意識したり準備することなく、自然とWeb会議を行うようになってきました。しかし、依然として 「Web会議」そのものの進行に苦労したり、「Webと対面参加のハイブリッド」に苦労している声を聞く ことも少なくありません。 「対面の会議」で重要なことは「Web会議」でも重要であり、なにか新しいことが必要になるわけではあ りません。しかし、もし適切な準備をしなかったならば、それを会議中にフォローする困難さは、対面の 会議以上になります。また、もし適切に議論を可視化しなければ、議論の混乱もより大きくなるでしょう。 では、具体的にどうしていくと良いか。 以降では、「会議準備」「会議実施」「会議終了時」「会議後」というそれぞれのフェーズごとにWeb会 議で意識できると良い点を整理していますので、参考にしていただければと思います。 25

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会議とはなにか 26 【インプット】 「議論すべきアジェンダ」と「タスクの成果」をインプットとして、 【意思決定】 必要な意思決定(Next Actionの明確化)を行い、 【記録】 それらを議事録に残すための場。 会議は「インプットをもとに、意思決定を行い、それを記録に残す場」であり、そのことはWeb会議も同様です。 このような会議をWeb会議でも適切に行なっていくためには、どのようなアプローチが必要になるでしょうか。

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Web会議をする際に意識すると良い4つのポイント[1/2] 27 ①話さないで済むのが最高の会議だ! Web会議が対面より話しづらい側面はあるため(慣れの問題 もあるように思いますが)、話さないといけない状況をなる べく減らすことがとても重要です。 特に、「各自の考えがあるのであれば、それを事前に言語化 しておく」ことが重要で、たとえば、1)会議のアジェンダ 設計をしっかりやること(参加者への事前共有も含めて)と、 2)ラフでも良いのでたたき台のメモを持ち寄ることが、 Web会議をより機能させるポイントと考えています。 もちろんこれは、「じっくり話す時間を取るな」ということ ではありません。プロジェクト開始時の意識合わせ、終了時 のふりかえりなど、じっくり話すべきことには十分な時間を 使いましょう。 ②Web会議ツールだけに期待するな! Web会議は、対面での会議に比べてお互いの状況や反応が把 握しにくいため、それぞれの状況・反応を伝えやすくする仕 組みもセットで取り入れると、議論の質が高まると考えてい ます。 たとえば、Web会議ツールと併用して、チャットツールやオ ンラインドキュメントツールを活用することで、「意見を伝 えるときに、認識の齟齬が起きにくい状態をつくれる」と思 いますし、さらに「誰かが話している間に意見を出すことが できる」メリットもあります。これらは、対面の打ち合わせ で使用する付せんの役割を代替してくれるもので、参加者の 議論をサポートしてくれます。

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Web会議をする際に意識すると良い4つのポイント[2/2] 28 ③リアクションが薄いことを恐れるな! Web会議は反応がわかりにくい部分はありますが、ファシリ テーターが過度にそれを気にし始めると、議論が進まなくな ってしまいます。意見がないか確認しつつも、リアクション がないということは反対ではないということだと判断して、 気にせずどんどん進めてしまおう。 同時に、参加者は、意見(特に反対意見)があるのであれば、 きちんと表明しましょう。意見が出しやすい場を作ることが ファシリテーターの役割の一つではありますが、それは、参 加者が意見を出さなかった責任がファシリテーターだけにあ るという話でもありません。 ④参加者全員で 会議を一緒にファシリテートしよう! ファシリテーターはどうしても自分が頑張らなければという 意識をもってしまいがちですが、参加者にお願いできること はどんどんお願いをすべきです。 事前の環境づくりや会議時のサポートなどは遠慮せずお願い して、ファシリテーターの負担を軽減することが大事ですし、 むしろ、ファシリテーターが会議時にやらなければならない ことをなるべく減らしておくことこそがファシリテーターの 役割であると言っても過言ではないかもしれません。

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Web会議の進め方 29 |会議準備| Web会議を開催する際に必要な 準備にはどのようなものがある でしょうか。 POINT ● 会議アジェンダの作成 ● 資料の共有 ● MTGで使用する道具の準備 ● Web会議や各種オンライン ツールのURL共有 |会議実施| 実際のWeb会議時には、何を意 識し、どのように進めていけば よいでしょうか。 POINT ● とにかく議論を可視化 ● 都度確認しつつも、反応がな ければ意思決定してしまう |会議終了時| 会議を終了するタイミングで実 施すべきことはどのようなこと でしょうか。 POINT ● 「決定事項」「Next Action (ToDo)」「次回MTG」を 確認する ● アウトプットイメージのすり 合わせ(※会議直後でも OK) ● ふりかえりを行う |会議後| Web会議が終わった後には、 何をしておくと良いでしょうか。 POINT ● 会議後すぐに、「決定事項」 「Next Action」「次回MTG 日程」を共有する。 ● 発言録は、会議中にメモして いたものだけでも良いので、 このタイミングで一緒に共有 する(精査する必要があった としても、あとで)

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【TIPS】Web会議における「アジェンダ」と「議事録」の扱い方 30 アジェンダ 議事録 ● 会議アジェンダの作成 ○ 資料やディスカッション用 ツールのURLも記載してお く ● 参加者へURLを事前共有 ● MTGの冒頭で、「アジェンダの 確認・調整」「前回ToDoの確 認」を行う ● 時間的に可能であれば、MTGの 最後に「ToDo確認」や「次回 MTGの主要アジェンダの確認」 を入れる ● 仮で良いので、次回MTGのアジ ェンダを記載しておく(ToDoを 元にアジェンダや議論内容の仮 決め) ● 議事録用ファイル(クラウド 上)の準備 ● 参加者へURLを事前共有 ● 参加者全員で議事録を取る ● 議論状況に応じて、適宜、議事 録を画面共有して、参加者間で 共通認識を作りやすい状態にす る ● 「決定事項」と「ToDo」を確認 次第、すぐにPJメンバーに共有 (これは、すぐにPJメンバーと 認識を合わせるため。議事の詳 細を追記・整理するのは、その 後で良い) 会議前 会議中 会議後 その他 ● 前回ToDoのリマインド ● Web会議URLの共有(原則、カ レンダーに貼り付ける) ● MTGで使用する道具の準備(デ ィスカッション用のMiroや Googleスライド) ● ディスカッションで別のツール (Miroなど)を使用する場合に は、Web会議のチャットでディ スカッション用ページのURLを 共有する ● 次回MTGのカレンダー調整 (Web会議URLの発行も含め) ● SGMs (SuperGoodM eetings)もし くはドキュメン トツール ● GoogleDocs ● ディスカッショ ン用のツール (MiroやGoogle スライドなど) 使用ツール・ フォーマット

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31 |会議準備|

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会議の準備で最も重要なこと 32 粗くても良いので、 アジェンダを言語化(可視化)してから会議を始める

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【会議準備】会議アジェンダの作成 33 ●会議前の準備で最も重要なアジェンダの作成 事前の準備として重要なのが「会議アジェンダの作成」 です。対面での会議ではもちろん、Web会議の場合には その重要性がさらに高まります。 アジェンダが曖昧なまま会議に臨むと、伝えにくく、聞 き手の反応がわかりにくい状況の中で、共通認識を作る ために目的や内容をいちいち説明しなければならず、非 常に手間がかかります。 アジェンダを事前に共有するのはもちろんのこと、理想 的には、参加者とすり合わせをして参加者全員が納得し ているアジェンダを予め用意できると良いでしょう。そ れが難しい場合には、会議の最初にアジェンダを確定さ せる時間をとるのも良いかもしれません。 ●アジェンダはメンバー共同で作成する アジェンダを作成する際には、常に最新の情報を共有で き、複数人が同時に編集可能なクラウド上のファイルを 使用することをおすすめします。 アジェンダは、会議の直前や、会議時に変更されるケー スもあります。ローカルでファイルを作成してために、 再度アジェンダをメールで参加者に送るなど、会議中に そのような作業が発生してしまうのは、望ましくありま せん。 可能であれば、常に同じ情報を共有し、同時に編集が可 能なクラウド上のファイルでアジェンダを作成すること をおすすめします。

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【会議準備】会議アジェンダとして定義すべきもの 34 会議アジェンダとして定義すべき要素にはいくつかのものがあります。 何をどこまで定義すべきかは、会議の内容や参加メンバーの関係性などによって変わってくるものですが、ここで は一般的視点から、定義することが望ましい項目を示します。 項目 内容 定義すべき優先度 アジェンダタイトル 何を議論したいか 必ず定義したい項目 種別 アジェンダの種類は何か(発散・収束・共有) ゴール(達成したい状態) 議論が終わった時にどういう状態にしたいか 必ず定義したい項目 ゴール(成果物) 議論が完了時に目視可能なアウトプットは何か 進行方法 議論をどのようにすすめるか 目的・理由 議論する理由・目的は何か 何分 議論をどの程度行うか 必ず定義したい項目 誰から誰に 担当者と対象者

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【会議準備】MTGアジェンダを作成するフォーマット 35 コパイロツトで使用しているMTGアジェンダのフォーマットをご紹介します。 MTGの状況に応じて、使いやすいものをご使用いただければと思います。 (それぞれファイルのリンクを掲載しておりますので、コピーしてお使いください) ●Googleスライド版 (1アジェンダを1スライドに記載) ●Googleスプレッドシート版 (会議のすべてのアジェンダを1シートに記載) ●Googleドキュメント版 (議事録もセットで作成できる簡易版) 利用 シーン ファイル ● 会議のすべてのアジェンダではなく、アジ ェンダ単位で作成したいとき ● スライド資料と同じファイル上でアジェン ダを作成したいとき ● 会議全体のアジェンダを作成し、アジェンダの全体 感を把握・共有したいとき ● 全体的な視点から、アジェンダの順番を入れ替えた り、時間調整をしたいとき ● アジェンダをなるべくシンプルに設計した いとき ● アジェンダと議事録をセットで管理したい とき アジェンダシートフォーマット(Googleス ライド版) アジェンダシートフォーマット(Googleスプレッドシ ート版) アジェンダシートフォーマット(GoogleDocs 版:議事録ファイルとセットにした簡易版) イメージ

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【コラム】そのアジェンダは本当にアジェンダになっていますか? 36 ●頻出する「○○について」というアジェンダ たくさんの会議に出席する中で、「○○について」というアジェンダを目にします。 単に話し手が話をして(共有して)終わり、 聞き手が話を聞いた後どういったアクションを求めているか不明瞭なものが散見されます。 そうしたアジェンダは前頁に記載した以下のような項目を事前もしくは議論の前提として 整理・提示されていないケースが多いです。 ● あるべき姿・Goal: 議論が終わった時にどういう状態にしたいか ● 完了の定義: 議論が完了した、としてよい条件は何か ● アウトプット: 議論が完了時に目視可能な出力物は何か アジェンダを持ち寄る人たちが事前にこうした項目を詰めておく事で 議論の質は格段に向上し、本当に必要な議論に時間を割くことができます。

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【会議準備】会議のアジェンダは、いつどのように作られるべきか 37 ●アジェンダづくりは、会議終了時点からはじめる アジェンダに対する考え方として、「参加メンバーに事前 に配布すること」の重要性がしばしば指摘されます。つま り、会議の主催者(オーナーやファシリテーター)が会議 に必要となる一連のアジェンダを定めて、それを事前に参 加メンバーに配布することが会議をスムーズに行う上では 重要であるという考え方です。 これは、会議を時間通りに終わらせる方法ではあるかもし れませんが、必ずしもプロジェクト自体の質を高める方法 ではなく、理想的には以下のように、参加メンバーと協働 でアジェンダを作れると良いのではないかと思います。 ●その理由 左記のプロセスでアジェンダを作るべき理由は以下のとお りです。 より創造的な会議にしていくために、会議参加者全員がア ジェンダづくりに関わりやすい状況を作りましょう。 ● 【理由1】アジェンダはメンバー全員で作るべ きもの ● 【理由2】必要なアジェンダは、プロジェクト の状況によって随時変わっていくもの ● 【理由3】アジェンダが提示されるまでの間の 時間が有効活用されない 詳細は、弊社のブログ(会議のアジェンダは、いつどの ように作られるべきか)をご覧いただければ幸いです。 ①ある会議の終了時点で、次回の会議の主要なアジェンダ を設計する ②そのアジェンダをベースに、次回会議までにいつでも・ 誰でも・どんなアジェンダでも追加できるようにする ③最終的には、次回会議の冒頭でアジェンダを確定する (このタイミングでのアジェンダ提示も許容する)

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Web会議では、会議のアジェンダを小分けにする 38 作成するアジェンダは「小分け」にできると議論がスムーズ になります。 アジェンダを小分けにするということには、2つの意味があり ます。 ①議論したい論点をシャープにする 1つ目は、議論したい論点をシャープにするということです。 議論したいこと・意思決定したいことが曖昧になればなるほ ど、議論は難しくなります。もしアジェンダが「〜〜につい て」という曖昧なものであった場合、まず行われるのは、具 体的に何について議論をするのかということについての議論 です。事前にシャープに定義しておけば不要だった議論が行 われるのは、時間ももったいなく、参加者もストレスを感じ てしまいます。 「〜について」というアジェンダではなく、「具体的に何を 必要としているのか」「どのような状態になったら議論を終 えて良いと考えているのか」というゴールを明確にしてから 会議にのぞむようにしましょう。 ②複数のアジェンダを混ぜない 2つ目は、複数のアジェンダを混ぜないということです。 議論の途中で、関係する論点が出てきたときも、それを一緒 に議論しようとせず、まずは当初設定していたアジェンダに ついて結論を出すようにしましょう。 仮に、議論したい論点をシャープにしても、途中から出てき た論点に振り回されてしまうと、議論は混乱してしまいます。 当初のアジェンダについてまず結論を出した上で、新しく出 てきた論点は別途議論するようにしましょう。もちろん、そ の際は、①で書いたように論点をシャープにしてから議論に 入ると良いでしょう。

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【会議準備】たたき台を用意する 39 粗くても良いので、 議論するテーマの「たたき台」を持ち寄る

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【会議準備】議論するテーマの「たたき台」を持ち寄る 40 ●Web会議では「たたき台」がより重要になる より効果的なWeb会議を開催する上でアジェンダとともに 重要になるのが、議論するテーマについてのたたき台を持 ち寄ることです。 Web会議で、たたき台が無いままに口頭だけで議論するの は、考えのイメージが伝わりにくく、議論をとても難しく します。対面の会議であれば、ホワイトボードや紙に書い て、イメージをその場で共有できますが、Web会議の場合 には、慣れていないことも多く、余計な時間を取られてし まいます。 そのため、「Web会議」で議論する場合には、何かしら のたたき台を作成した上で、議論するようにしましょう。 ●「たたき台」なので、質にはこだわるな! 用意するものは、あくまでも「たたき台」ですので、質に こだわる必要はありません。むしろ、質にこだわってはい けません。 Slackに一言メモを投稿する、手書きメモの写真を共有す る、など、どんなに小さなたたき台でも構いません。その 小さな一歩が、議論を圧倒的にスムーズにします。 また、たたき台ナシで議論してはいけないということでは ありません。議題によっては、たたき台を作ることが難し いものもあります。しかしながら、なるべく、一言メモで も良いので、議論するテーマに対する自分自身の考えを言 語化してから会議を行うことで、Web会議はよりスムーズ かつ生産性の高いものになると感じています。 たたき台の有無は議論の質・アウトプットに直結

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そして、たたき台の作成者へ感謝を 41 「たたき台」は、物事を動かす第一歩。 「たたき台」がなければ、物事は進まない。 たたき台作成者に感謝し、讃えよう。

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【会議準備】道具の準備 42 ZoomなどのWeb会議ツールだけではなく、 いくつかの道具を用意しておく チャットツール オンラインドキュメントツール オンラインホワイトボードツール 議事録をリアルタイムに共有する ために必須の道具 Web会議の音声環境が不安定だっ た場合にやり取りする場を決めて おく 意見を出し合ったり、構造的に整 理する場合の道具として用意して おく ● GoogleDocs ● オンライン版のWord ● Notion ● Slack ● Teams ● miro ● Googleスライド ● オンライン版のPowerPoint

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【会議準備】MTG以外の<時間>を活用する 【MTGの前】事前の個人検討 ● MTGで何かを検討する際には、参加者で議論 する前に個人個人で検討する時間を持つこと が大事 ● 個人ワークがない状態で議論しても「議論の 質」が深まらないため、MTG前に個人で思考 する時間が重要 43 【MTGの後】発酵する時間(次のMTGへ) ● MTGで議論したことをすぐに理解し、納得す ることは簡単ではない ● 思考が「発酵」する時間が必要 ● その発酵を上手に生み出すことが次回MTGへ の準備になり、次回MTGの議論の質を高める ことに繋がる MTG以外の<時間>を活用して、思考・検討の質を高める。 個人での思考 みんなで議論 今回のMTG 次回のMTG 発酵

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【コラム】WEB会議にこそ「余白」を持たせたい 44 ●効率の良いWeb会議だから一見無駄な時間も必要 移動時間も不要で、終わり次第退出も可能なWeb会議。時間の有効活用が可能です。 一方でweb会議によって失われた(補えていない)部分も多いと思います。 ● 参加者が集まるまで、その場の人で行っていた雑談 →実際は会議前の暖機運転の効果がありました。 ● 会議が終わったあとのちょっとした片付け、移動の合間の雑談 →会議中には話しづらかった本音などがポロっとでることも。 WEB会議の中での重要アジェンダだけとせず、少し軽めのアジェンダをいれてみたり、終わり際にふり かえりコメントを書いてもらって退出といったやり方もあります。 (もちろんたまにはリアルな開催を組み合わせてみることも) 効率的なWEB会議にこそ、あえてアジェンダに余白を持たせる事が大事です。

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45 |会議実施|

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【会議実施】基本的な会議の進め方 46 会議中 会議前 冒頭 議論 終了 会議後 アジェンダを全員 から集める アジェンダの過不 足を全員で確認 アジェンダ詳細を 見ながら議論 次の会議までのタ スクを共有 タスクを分解(必 要な場合) ア ジ ェ ン ダ タ ス ク タスクを 決定 次の会議のアジェ ンダ決定・共有 MTGでは、「アジェンダ」と「タスク」を明確にすることを意識しながら進めましょう。 特にWeb会議では、これらの確認を丁寧に行うことで、認識がずれにくく、会議後のアクションも適切に 行われる状態になります。 各アジェンダの前 提を揃える MTGの前提・位置 づけを揃える

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【会議実施】会議の冒頭で、その会議の<前提>を揃える 47 会議の冒頭で、その会議の<前提>を揃える 【過去】前回MTGの概要(決定事項や主な議論内容)をふりかえる 【未来】今回のMTGの後に何を予定しているのかという道筋を共有する 会議を始めるにあたっては、会議のアジェンダを確認するだけでなく、 その会議の位置づけや前回の会議からの流れなど、会議の<前提>を確認するようにしましょう。 会議の<前提>が揃っていなければ、必要なアジェンダが何かを判断しにくくなるだけではなく、参加者も自身の役 割を理解できず、他人事のような会議になるリスクが高まります。 会議の冒頭で以下のようなことを確認し、良い議論を行うための土台を整えましょう。

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【会議実施】参加者全員で会議をマネジメントしよう 48 ●ファシリテーター1人で頑張らない 会議においてファシリテーターの役割は重要ですが、一 方で、ファシリテーターが1人で頑張らなければならな いような会議も、あまり良い会議ではありません。 会議は、共通のゴールに向かって、参加全員でマネジメ ントし、作り上げていくものです。参加者はただ参加し ていれば良いわけではありません。 このことは、対面の会議でも同じですが、会議時のコミ ュニケーションやマネジメントがより難しくなるWeb会 議においては、対面の会議以上に重要なことです。 ●ファシリテーター以外も適切に役割分担を では、参加者全員でマネジメントする会議をどのように 作っていけばよいか。わかりやすいアプローチは、ファ シリテーター以外の参加者にもそれぞれ何かしらの役割 を持ってもらうことです。 たとえば、「議事録作成」や「タイムキーパー」などに 加え、Web会議時の環境構築(マイク環境、オンライン ツールなどのサポート)を担う役割も分担できると良い でしょう。 会議時に必要となる役割を次ページに整理していますの で、参考にしてみてください。

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【会議実施】会議時に必要となる役割 49 会議中 会議冒頭 会議終了 モデレータ ー コーディネータ ー ● アジェンダの合意 ● アジェンダ表示 ● 参加者の環境(発言 できるかどうかな ど)を確認 レコーダー ● 議事録作成、タスク管理ツール 更新 ● 決定事項と タスクの合意 ● 議論中アジェンダ詳細とタイマ ー表示 ● アジェンダ進行 ● タイムキープ ● 次回アジェンダの決 定 ● 各種ツール 画面表示 ● 議事録共有 役割 目的 アジェンダと進行 の管理 議事内容の 記録と共有 議論しやすい環境 構築 アクセラレ ーター ● アジェンダの改善 ● 議論形成サポート ● アジェンダの改善 議論促進、 成果の質向上 フ ァ シ リ ファシリテーター以外にも会議に必要な役割が複数あるため、 参加者内で各役割を分担し、進行していきましょう。

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【会議実施】必ず取り組みたいこと 50 とにかく議論を可視化しよう

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【会議実施】とにかく議論を可視化 [1/2] 51 ●なぜ可視化が必要か? 【理由1】MTGを空中戦にしないため ● 同じ認識で話している認識だが、言葉の定義レベ ルからズレている事が多い。 ● ▶対策:簡単なメモでも、箇条書きでも良い 【理由2】参加していない人や見返したい人のため ● 決定にいたる経緯が見えないと議論がぶり返され る ● ▶対策:議事録、発言録(決定事項やTODOを主 として)を残す ●状況に応じた可視化のボリューム感 実際にどの程度可視化すべきかというボリューム感につ いては、左記の目的に加えて、参加者や読者に必要な情 報量や、その議論の次の議論がどうなるのかの見立てに 応じて決まります。 決定にいたる経緯が見えないと納得感が不足する上、最 悪の場合、議論がぶり返されることになりますので、適 切なボリューム感で可視化するようにしましょう。

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【会議実施】とにかく議論を可視化 [2/2] 52 ●口頭のやり取りだけでは、正しく伝わらない Web会議でやるべきことを1つだけあげるとするならば、 それは「とにかく議論を可視化」することです。Web会 議においてもっとも重要なことだと感じています。 口頭だけでのやり取りでは、伝えたいことを正しく伝え ることができません。お互いの反応が分かりにくいWeb 会議ではなおさらその傾向が強まります。 アジェンダの準備に加えて、さらに「議論の可視化」を 行うことで、会議はより良いものになります。右記のよ うなアプローチで、会議で行われている議論を可視化し ましょう。 議論を可視化する際、GoogleDocsなどのオンラインドキュメントツールの 利用をおすすめします。1人が書く議事録を共有するだけでなく、複数の人 が同時に編集できるため、「議論の可視化」をより適切に行うことができ ます。 選択肢1:オンラインドキュメントツール 選択肢1のオンラインドキュメントツールを使用するのが難しい場合には、 誰か1人が取っている議事録をWeb会議の画面共有機能で共有するようにし ましょう。Wordでのメモでも良いですし、タブレットから手書きのメモを する形でも良いでしょう(Zoomのホワイトボード機能やJamboradなど) 選択肢2:Web会議の画面共有 上記のどちらも使用できない場合には、手書きのメモを写真にとって、議 論の過程で随時共有する形でも良いと思います。とにかく、なにかしらの 形で議論を可視化して、共有しましょう。 選択肢3:手書きメモを写真で共有

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【会議実施】議事録の重要性 ●議事録は何のために存在するか? 「議事録」とは、「議事の内容・審議経過・議決事項などを記 録したもの」(出典:デジタル大辞林)ですが、同じゴールを 目指しているプロジェクトチームとして、MTG後の行動・検 討をスムーズかつ高い質で行うためのもの。 そのため、チームとして適切な行動に繋がる形で議事録は取ら れる必要がある。 逆の言い方をすれば、「色々議論したけど、結局、何が決まっ たんだっけ、次に何をすればいいんだっけ?私はどうすれ ば?」というような迷子状態になってしまっているとするなら ば、適切な議事録が作成・共有されていない、ということにな る。 ●良い議事録とはなにか? 結論が明確に記載されていることが、良い議事録の必須条件。 ● 決定事項が明確になっている ● 取るべきアクションがあるのであれば、何を・誰が・ いつまでにやるのかが明確になっている ● 決定していないのであれば、決定していないことが明 確になっていること その上で、議事録の使われ方・共有される範囲などに応じて、 議論の経緯が適切な質・量で記録されていること。 良い議事録=良いマネジメントに直結する。 良い議事録を残し、適切に共有できれば、それだけでマネジメントが楽になる。 53

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【会議実施】議事録の作り方 議事録は、参加者全員で取って、MTG中に完成させる ● MTG中に議事録をある程度でも 作っておかないと、対応すべき ToDoを誰も対応していなかった り、対応している場合も、その 内容がズレてしまうリスクがあ るため ● MTG後に、あらためて議事録を 書くのは時間的にもつらい... (なるべくMTG中に完成させた い) ■必須項目 ● 決定事項 ● ToDo ■MTGに応じて取るもの ● 議論の詳細 ○ ただし、これは「発言録」 である必要はなく、主要な 内容がメモされていれば OK ○ また、「完璧」でなくて OK ○ 不明点があれば、「?」マ ークでもつけておいて、後 で確認するようにしましょ う Why:なぜ、そうするのか? What:何を取ればいいのか? ■MTG前の準備 ● GoogleDocsなど、参加者全員で 編集できる場所を用意する ■MTG中 ● 基本的には、ファシリテーター や、各アジェンダをメインで議 論している人以外でメモする ■MTGの最後orMTG直後 ● メンバー全員(難しければ、議 事録担当者やMTGオーナー)で、 MTG中に記載した「決定事項」 「ToDo」を確認・修正 How:どう取るのか? 54

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【コラム】簡単な議事録まとめ:会議の内容(議事録など)を1ファイルで管理 2020/4/1 MTG ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 2020/4/8 MTG ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 2020/4/15 MTG ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 2020/4/15 MTG ・・・ ・・・ 2020/4/8 MTG ・・・ ・・・ 2020/4/1 MTG ・・・ ・・・ ●1ファイルで各会議の内容を継ぎ足ししていく 会議の内容(議事録を取る)を残す際は、会議ごとにファイルを分けるのではなく、1つのファイルに 上書きしていきましょう。 1つのファイルにすることで、 ● 新たなファイルを作成・共有する手間がなくなる ● 過去の議論を参照しやすい ● 未来日付の議事録にメモ(議論したいことなど)を記載しやすい などの利点があると感じています。 経緯を確認しやす いため、「あの話 どこでしたっ け?」と複数ファ イルを探す事がな くなる 55

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【会議実施】議論をファシリテーションする際の基本 56 参加者に<書いてもらう>ファシリテーション 議論を口頭で導くのは難しい 一般的に、議論をファシリテーションする際に求められ る要素としては、「参加者に良い問いを投げかけて、意 見を出してもらう」「参加者全員が納得する結論に導 く」などがありますが、このような議論を口頭で導くの は簡単ではありません。 意見を出してもらえたとしても、各自が一言ずつのよう な状況ならば、参加者が納得しているのかどうかも分か らず、「このまま進めて良いのだろうか」という不安を 抱えながら進めてしまうことになります。 オンラインMTGの場合、対面のMTG以上に参加者の反応 もわかりにくいので、この不安がさらに助長されます。 <書いてもらう>ことで、自然と発散・収束していく そこで重要なのが、参加者に<書いてもらう>というこ とです。それも一度ではなく、「議題についてのそもそ もの問題意識や違和感はあるか?」「色々ある問題の中 でも何が特に重要な問題か?」「その問題の要因として どのようなことが考えられるか?」など、都度&何度も 書いてもらうということが重要です。 ファシリテーターが自分1人で議論を収束させる必要は ありません。上記のように参加者全員の意見が可視化さ れると、収束すべき方向性も自然と合意しやすくなりま す。 ファシリテーターとしては、参加者全員が主体的に関わ りやすい環境を作り、自然と収束しやすい状態を作るこ との方が重要です。

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57 【会議実施】各自の<テンション>を表明する 良い会議・良いプロジェクトにするためには、 メンバー各自が、自身の<テンション>を表明する テンション=今の率直な気持ち 現状とより良い状態の間のギャップ ちょっとしたアイデア・気になること・不安など、自分のなかの小さな声 必要なものは アジェンダにして 議論 相互理解 ナレッジとして残 しておくべきもの は言語化

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【TIPS】参加者の反応が悪い場合の対応 58 「投げかけてみても、誰からも反応が無いけど、みんなどう思ってるんだろう...」 「画面の顔出しもしてくれないので、伝わってるかどうか分からない...」 こんなときは、状況に応じて、以下のような対応をとってみましょう。 参加しているみんなは、 お互いに、この会議にお ける自分の役割を理解で きているかな... 参加しているだけの人が 多くて、話しにくくなっ てるかもしれないな... 私(ファシリテーター) 一人だけが話をしてる な... みんな、どう思ってるん だろうか? 意見が言いにくいのか な... 各自の役割や参加スタン スを確認する 参加者を減らす (参加メンバーを都度見 直せるように、アジェン ダに仮で「参加者見直 し」を入れておいて、た とえば月次で確認 ファシリテーターや議事 録担当などの役割を輪番 制にして、他人事になり にくい状況にする Miroやチャットなどに、 いま感じていること・思 っていることを書き出し てもらう 状 況 対 応 策

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【会議実施】一方で、強引に決めきる 59 ●対面の会議より、ワガママになって良い 前ページのように、参加メンバーの認識を確認し、理解 度を揃えながら議論を進めることは理想ですが、それが できない場面もあります。 「過度に気を使いすぎてしまい、時間はかかったけど何 も決まらない」という状況にならないために、多少ワガ ママでも以下のようなスタンスで「強引に決めてしま う」のも、ときには重要です。 「何かあったら対応するので、 一旦、これで進めさせてもらいますね」 「△△については、○○さん、お願いしますね」 何も決まらないよりは、多少ワガママでも進展があった ほうが良いですし、その判断によって問題が発生するの であれば、それはそのときに考えましょう。 ●決めやすくするための対処 決めやすくするために、「決める人」と「決めること」 を明確にしましょう。 これらが明確になっていれば、その会議で最終的な結論 がでなくとも、「決める人」に判断を一任してしまうの も一つのアプローチです。その場合は必ず締切を決めま しょう。 大事なことは、一歩でも前に進めることです。 最終的な結論が出なかったとしても、結論を出すために 必要な次のアクションだけは必ず決めましょう。 決める人を決める 決めるべきことを見直す

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60 |会議終了時|

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【会議終了時】「Next Action」と「次回MTGのアジェンダ」を確認する 61 会議終了時には、「Next Action」と「次回MTGのアジ ェンダ」を確認するようにしましょう。 「次回MTGのアジェンダ」のたたき台を終了時に明確に しておけると、次回の会議に向けた準備もスムーズに進 みます。 ●Next Actionの確認プロセス Next Actionを確認する基本的なプロセスは以下のとお りです。 1. 議事録(手書きメモなどでもOK)を見ながら確認 2. 内容、担当、期日を明確にする 3. 抜けがあれば、その場で追記する 中でも重要なのが、1点目です。口頭だけで確認をして いると、認識がズレるリスクが高まるため、必ず議事録 や手書きメモなど何かしら可視化されたものを元に確認 するようにしましょう。 ●次回MTGのアジェンダを作成する 次回MTGのアジェンダは、一般的には、会議が終わって から作り始められるものだと思われますが、会議終了時 点で作成できると、次回会議に向けた動きが非常にスム ーズになります。 まずは、会議終了時点で粗々のドラフトを作成した上で、 それをたたき台として次回MTGに向けてアジェンダをブ ラッシュアップしていけると良いでしょう。 その際、ファシリテーター1人で次回アジェンダ(ドラ フト)を作成しても良いですが、GoogleDocsなどの同時 編集可能なオンラインドキュメントツールが使用できる 場合には、参加メンバー全員で次回MTGアジェンダを作 成する時間をとっても良いのではないかと思います。 ※アジェンダの作り方については、前述の「【会議準備】会議のアジェンダは、 いつどのように作られるべきか」をご覧ください。

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【会議終了時】ふりかえりを行う 62 実施した会議やプロジェクトを改善していくためにも、最後に ふりかえりをして会議を終えるようにしましょう。 ●ふりかえりをする目的 ①会議の改善 会議の進め方は適切だったか、改善できる点はあったかなど、 参加メンバーで意見を出し合いましょう。特に、Web会議の場 合には、慣れていないメンバーも少なくないため、小まめにふ りかえるようにし、一つずつ改善していきましょう。 ②プロジェクトの改善 プロジェクトの課題については、実施した会議の中ですでに議 論されている場合も多いですが、一方で、まだ指摘されていな い課題もある可能性があります。 そのため、会議終了時点に、感じている課題があればあらため て出し合い、改善のアクションをとっていけると良いのではな いでしょうか。 ●どうやるか ふりかえりは、あらかじめフォーマットを決めた上で、チャッ トツール(Slackなど)か、オンラインホワイトボードツール (MiroやGoogleスライドなど)に記載してもらうと良いでし ょう。 書いてもらった人から退席してもらうのがおすすめです。そう することで、書いている間にちょっとした会話も生まれますし、 会議後の余韻や安心感を共有してWeb会議を終えることができ ます。 ●ふりかえりフォーマット(シンプルなサンプル) 良かったこ と 改善したい こと 会議につい て プロジェク トについて ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ Slackなどのチ ャットツール に投稿する場 合は、これら を箇条書きで 記載する

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【会議後】決定事項とNext Actionをすぐに共有する 64 会議後にやるべきことは、 「決定事項」と「Next Action」を すぐに共有し、見直せる状態をつくること ● プロジェクトをスピード感を持 って進めていくためには、会議 終了後、「決定事項」と「Next Action」はすぐに共有しましょ う。 ● 認識が間違っている可能性があ るのではないかと不安になる場 合には、その旨を明記して、メ ンバーに確認しましょう とにかくすぐ共有 ● 決定事項やNext Actionについて の議論が曖昧なまま終わっていた 場合には、仮案で良いので、明確 にした上で共有してしまいましょ う ● たとえば担当者が決まっていなか った場合には、議事録担当者とし ての案として担当者を指名するこ とで、次のアクションが取られや すくなります 曖昧なところは明確に ● 議事録に発言録を残す場合には、 まず会議時にとっていた発言録を そのまま共有してしまうことも一 つの方法です(社内会議など議事 録の精度がそこまで求められない 会議の場合) ● もし、精査が必要な場合には、決 定事項とNext Actionだけを先に 共有して、必要なアクションがす ぐに取られる状態にしましょう 発言録は後で

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65 【コラム】Web会議の参加者は人が増えやすい? ●Web会議の参加者は気づくと増えている その理由として ● スポット参加したが以降そのまま参加 ● 聞いておいてほしいという理由だけで参加 ● 忙しい人なので日程をとりあえず抑えたママ などのいろいろな理由があげられます。 気がつくと、20人、30人と参加している(画面非表示で実際は参加しているのか不明?)な 打ち合わせも多くありません。 MTGの参加人数が増えると、前述のフィードバックを得る事も難しくなりますし、 発信者が聞き手に対して気にかけるコストも自然とあがっていきます。 ・事前の資料づくり ・(必要以上の/繰り返される)前提の説明 ・参加者のフィードバック収集 スムーズなWeb会議運営のために、思い切って参加者を見直していきましょう。

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3. プロジェクトのファシリテーション 本章では、リモートワーク環境下でプロジェクトを ファシリテートする際の方法論についてご紹介します。 複雑化するプロジェクトをリモートで どのようにファシリテートすると良いでしょうか。 66

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リモートワークのプロジェクトでは、どのようなファシリテーションが求められるのか 67 「ミーティングのファシリテーション」に続いて、本章 では「リモートワークにおけるプロジェクトファシリテ ーション」の方法論についてご紹介します。 ●難しさの本質 リモートワーク環境下におけるプロジェクトファシリテ ーションの難しさは、表面的には、リモートによるコミ ュニケーションの取りにくさにありますが、その本質は、 コロナ以前から顕在化していた「プロジェクトの複雑 化」にあると考えています。 プロジェクトのゴール自体の不確実さ、多様なステーク ホルダーの関与、求められるスピードの速さというプロ ジェクトの性質自体が変化していた状況に加えて、プロ ジェクトのファシリテーションをオンラインベースでや らなければならないというところに、難しさの本質があ ります。 ●どのようなマネジメントが求められているのか? 今求められているのは、このような状況に対応したファ シリテーションです。 つまり、 ● 分からない中でも仮説を立案する ● 立案した仮説をスピーディーに意思決定する ● 意思決定したものを実行しながら、検証・改善し ていく ということを繰り返しながら、状況に臨機応変に対応す るファシリテーションをオンラインベースで行う、とい うことが、いま求められているのではないかと考えてい ます。 プロジェクトの複雑化 (コロナ以前からの社会の変化) プロジェクトのリモート化 (コロナによる社会の変化)

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プロジェクトの進め方 68 |PJの立ち上げ| プロジェクトの立ち上げ時には何をすべきで しょうか? POINT ● プロジェクト立ち上げ時に行うべきこと ● ゴールとマイルストーンの設計 ● プロジェクトを進めながら精緻化 |プロジェクトの推進| プロジェクトを推進する過程では、何を意識すべき でしょうか? POINT ● プロジェクトをリノベーション(再構築)する 場としての会議 ● 会議を小分けにする ● 小さなアウトプットを随時共有しながら、プロ うジェクトを推進 |ふりかえり| プロジェクトをふりかえる意味とは? POINT ● プロジェクトの定期的なふりかえりを通 じた学習

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69 |プロジェクトの立ち上げ|

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プロジェクトのストーリーを描く 70 中間ゴール2 中間ゴール1 プロジェクトストーリー 【ポイント】 各メンバーが自律的にアクションできる 粒度で記載する ● 最新情報に常にみんなで更新。形骸化させない ● メンバーが常に意識し、いつでも閲覧できる スーパー ゴール マイルストーン ● 期日 ● あるべき姿 プロジェクトを立ち上げる際は、まず、プロジェクトのストーリー(「ゴール」と「マイルストー ン」:ある一定の成果が見込める「あるべき姿」「期日」をもつ地点・状態)を描きましょう。 現状A 現状B

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プロジェクトの設計図は仮説(100%の完成はない) 71 ●粗いたたき台(仮説)を許容する プロジェクトの設計図(「ゴール」と「マイルストー ン」)に完璧な完成はありません。 100%の完成度を求めて、いつまでも動き出せないとい う状況は本末転倒です。まずは、最初のアクションが取 れる粗いたたき台(仮説)を許容しましょう。 その上で、プロジェクトを進めながら得られた情報をも とに、設計図を精緻化していきましょう。 ●設計図を常に共有・アップデートできる状態に そのため、ゴールやマイルストーンは、プロジェクトメ ンバーの誰もが常にアップデートできる状態にしておき ましょう。 リモートワークでは共通認識をつくる部分でコストがか かりがちになるため、クラウド上のドキュメントツール で最新の設計図を言語化するようにしましょう。 定例会議のアジェンダに、プロジェクトの設計図をアッ プデートするアジェンダを入れておくことも有効です。 プロジェクトの設計図は、 プロジェクトを進めながら精緻化していく (プロジェクトは常に変化していくもの)

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プロジェクトを進める上での前提や価値観を確認する 72 ● プロジェクトストーリーを描くこととと合わせてプロジェクトを始めるタイミングで重要なの は、プロジェクトが始まってしまうと問い直されにくい前提や価値観を確認することです ● 誰しも、プロジェクトが動き出してしまうと、どうしても目の前のタスクに追われてしまい、 本質的な視点を失ってしまいがちになるため、「そのプロジェクトとして確認しておくべき前 提や本質的な論点・問い」を共有しておけるとよいでしょう ● 下記のような前提・価値観を確認することで、前述のプロジェクトストーリーもさらに豊かな ものとなるでしょう 「なぜそのプロジェクトを 行うのか」というWhyを確 認する クライアントからの期待を 確認する 会社からの期待を確認する プロジェクトに対する個人 の思いを共有する プロジェクトを進める上で 大切にしたい「価値観」を 共有する このプロジェクトを通じて、 何を学びたいかを共有する

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【コラム】期待値のズレはトラブルのもと 73 ●勝手に期待して、勝手に期待されて起こるトラブルの処方箋 いろいろなプロジェクトを見ていると、個人間での期待値のズレがトラブルの原因である事が多くあり ます。 ● あの作業は誰々がやってくれると思っていた ● スピード感が全然合わない(遅い) ● 期待していたアウトプットとは異なる 人の働き方・動き方からアウトプットにいたるまで、期待値の共通認識がないことが原因となり、 発生しているように思います。 そのような場合 ● プロジェクトの開始時にメンバー(上司・部下関係なく)に期待することをそれぞれ言い合う ● プロジェクトの途中で、ふりかえりの場を持つ 日々こうした取り組みを行うことで、 勝手に期待して勝手に裏切られたようにストレスを感じる機会が減るのではと考えています。

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プロジェクトをリノベーション(再構築)する場としての会議 75 会議をプロジェクトの“リノベーション(再構築)の場”と定義する。 常に大きな変化があることを前提とし、 プロジェクトを常に見直す認識をもつ。 会議で、残すべきものは残し、変えるべきものは変える。 報告と確認 報告と確認 状況の共有 ↓ リノベーシ ョン アクション アクション 持ち帰って 検討 会議 会議 会議 「報告と確認の場」としての会議 「リノベーションの場」としての会議

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会議を小分けにする 76 これまでの会議の 頻度は2倍に、時間を半分に。 ●プロジェクトをリノベーションしやすい状態を 前ページで記載したように、会議は「プロジェクトをリ ノベーション(再構築)する場」と考えています。 そのため、リモートワークの状況においても、「プロジ ェクトが適切にリノベーションできているか」という観 点から会議を設計することが大切です。 ●これまでの会議を小分けにしてみる リモートワークでは、たとえば週1回の定例で行ってい た会議を週2回にするなど、小分けにするとプロジェク トをスムーズに進められると考えています。 このようにすることで、プロジェクトに問題があった場 合にも迅速に対処することができ、プロジェクトを最適 な形にリノベーションしやすい状態を作ることができま す。

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77 【コラム】会議を再設計すべきサイン ●こんな会議は再設計の検討対象 全てのケースにあてはまるわけではないが、以下のようなサインが頻発する会議は、 会議を小分けにする検討をしてもよいかもしれません。 ● 長時間の会議が続く ● いつも予定の会議時間をオーバーする ● ネクストアクションが決まらない ○ アクションが決まっても次の回までにやってこない ● 参加者から期待する反応・フィードバックが得られない ● アジェンダの話者以外の発言がない ○ 発言が特定の人に偏る 一方で、なんでもかんでも会議の時間を短くしたり、少なくすれば良いというものではありません。 状況によっては、じっくりと長い時間話す場を設けることも大事です。 あくまでも必要なことは会議の最適化。 何のためにどのようなコミュニケーションが必要なのかということを都度見直すようにしましょう。

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78 プロジェクトの会議体全体を再設計する プロジェクトのフェーズ・状況に合わせて、 プロジェクトの会議体全体を再設計する ●最適な形で設計した会議体もズレていく 多くのプロジェクトで、プロジェクト開始時に必要な会 議体が設計されているのではないかと思いますが、当初 最適な形で設計した会議体であっても、プロジェクトの フェーズや状況が変わるにつれて、最適なものではなく なっていきます。 そのため、フェーズが変わるタイミングなどで、都度、 会議体全体の設計を見直し、必要に応じて再設計するよ うにしましょう。 ●見直しの観点 ● それぞれの会議体のそもそもの目的 ○ 目的の見直しは必要ないか ○ 目的に沿った運営ができているか ● 開催頻度・時間 ● 参加者 ○ 不必要に増えてしまっていないか ● 会議体と会議体の関係や流れの適切さ ○ ある会議体のアウトプットが、別の会議体 のインプットに繋がっているか

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アウトプットベースでプロジェクトを推進しよう 79 小さなアウトプットを随時共有しながら プロジェクトを推進しよう ●リモートワークはちょっとした状況共有がしにくい リモートワークでは、すぐに話しかけられる環境ではな いため、どうしてもちょっとした確認・状況共有がしに くくなります。 その1つ1つは小さなものであったとしても、それが積み 重なれば、スケジュールが遅延したり、メンバー間での 信頼感が失われたりと、プロジェクトに大きな影響を与 える可能性もあります。 ●ラフなたたき台を随時共有しよう そのため、小さなアウトプット(ラフなたたき台)を随 時共有しながら、プロジェクトを推進していきましょう。 たとえば、1週間後に80%のものを共有するより、いま 10%のアイデアを共有する方が、プロジェクトメンバー も安心しますし、もっと良いアイデアをもらえるかもし れません。 自分だけで抱えようとせず、他のメンバーを頼りながら、 アウトプットを積み重ねていきましょう。

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プロジェクトの定期的なふりかえりを通じた学習 81 ●プロジェクト改善のための定期的なふりかえり 進行中のプロジェクトでは、プロジェクトをより良いものに改 善していくために、定期的なふりかえりを行うと良いでしょう。 少なくとも1ヶ月ごと、状況によってはもっと短いスパンで行 うことで、プロジェクトを改善しやすい状態を作れるのではな いかと思います。 ●もう一つの目的:学習とナレッジマネジメント ふりかえりには、もう1つの目的があります。それは「学習と ナレッジマネジメント」です。リモートワーク環境下では、リ アルな共通体験がしにくいため、チームとしての学びの質が低 下してしまうという問題があります。それは、長期的には組織 に大きなダメージを与えることになります。 そのため、右記のようなプロセスでふりかえりを行い、適切な 学習が行われる状態を作ることが不可欠です。特に、付せんで ふりかえりをして終わりではなく、経験したこと・分かったこ と・次やるならどうしたいか、ということを文章として残して おくことをおすすめします。このプロセスが学習プロセスその ものであり、他の人が追体験できるナレッジにもなります。 ふりかえりの目的は、実施しているプロジェクトを随時改善していくこと ですので、プロジェクト終了時だけではなく、進行中も定期的にふりかえ るようにしましょう。 ポイント1:定期的にふりかえる ふりかえりを行う際は、まず時間軸で事実を共有して、共通認識をつくる ようにしましょう。事実に対して共通認識をつくることが、ふりかえりで 最も重要なことです。 ポイント2:時間軸のふりかえりで共通認識を 付せんでふりかえりの意見を出して終わりではなく、経験したこと、分か ったこと・感じたこと、次やるならどうしたいか、ということを文章化し ましょう。文章化することで、表層的なものではなく、より深いふりかえ りを行うことができますし、有用なナレッジにもなります。 ポイント3:文章化を通じたふりかえり

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状況やタイミングにあわせたふりかえり 簡易的 ふりかえり 深い ふりかえり KPT AAR (After Action Review) タイムライン 目的 ふりかえりの流れ 実施タイミング 日常的な業務の改善点を洗い出したり、改善 のためのアクションを確認するためのふりか えり 一定期間ごとに、当初の計画に対する結果を 検証する仮説検証型のふりかえり プロジェクト全体もしくはフェーズを対象に、 主な出来事を時間軸で整理しながら、要素感 の因果関係・要因を確認する仮説発見型のふ りかえり 1. 直近の業務・プロジェクトについて、継続したい点 (Keep)、問題点(Problem)を洗い出す 2. 今後取り組むべきこと(Try)をチームで決定する 1. 当初の計画・仮説の確認 2. 実際に起きたことを確認 3. そのような結果になった要因を確認 4. 次に実施する場合の改善点を洗い出す 1. 時間軸に沿って、主な出来事を洗い出す 2. 問題点を確認する 3. 問題点が発生した要因、因果関係を洗い出す 4. 「このような場合にはこうすると良い」という仮説を検討 Weekly Monthly Quarterly / フェーズorPJ終 了後 YWT ・「Y:やったこと」「W:わかったこと」 「T:つぎにやること」を確認するもの ・KPTと比較すると、「わかったこと」= 「学習」にフォーカスしたアプローチ 1. Y(やったこと)を洗い出す 2. その経験から(W:わかったこと)を洗い出す 3. その上で、T(つぎにやること)を確認する テンション 今の気持ちを顕在化して会話することにより、 そのアイデアに対しての最初の行動を見つけ る 1. テンションを記載する(チャット、スライド等) 2. ファシリテーター「何が必要ですか?」 3. テンションをあげた人として満足・納得できる最初の行動 が見つかれば終了(≠最終解決) 82 ふりかえりにも様々なやり方があります。状況やタイミングにあわせて、最適なやり方を選択するようにしましょう。

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4. 組織のファシリテーション 本章では、リモートワーク環境下で組織を ファシリテートする際の方法論についてご紹介します。 「常に隣にいる」「常に目の前にいる」 という状況ではない中で、 組織として何をファシリテーション していくべきでしょうか。 83

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リモートワークをより良いものにするために、組織の意味・役割を捉え直す 84 本資料の第1版を公開した2020年5月は、いわば強制的にリモート環境での働き 方が求められたタイミングにおいて、「オンライン会議はどのように進めたら良 いのだろうか」ということに関する知見が必要とされていました。 その後数年経過した今、「オンライン会議」自体のやり方が問題になることはほ とんどなくなり、誰もが自然と行うことができるような状況になりました。仮に オンライン会議をスムーズに進められない場合であったとしても、少なくともオ ンライン会議を開催すること自体への抵抗感を持たれることはなくなってきたの ではないでしょうか。 リモートワークの問題はより外側へ しかし、これはリモートワークの問題が解決されたということではありません。 逆に、リモートワークが当たり前になっていく中で、人材の流動性、プロジェク トメンバーの多様性(外部パートナーの活用など)の高まりも相まって、「プロ ジェクトを一緒にやっているメンバー以外のことが全くわからない」「仕事の進 め方が今まで以上に属人化している」というような状況も生まれています。この ことは、MTGやプロジェクト自体にも悪影響を与えますし、中長期的に見ると、 組織の競争力低下につながってしまう可能性もあります。 プロジェクト 組織 MTG

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プロジェクト <共通言語>を生み出す土台・環境としての組織 85 では、そうした変化に合わせて、リモートワーク環境下においても仕事をスムーズに進めていくためには、組織は どのような役割を担うべきでしょうか。 それは一言で言えば、組織はその組織に関わる様々な人達のために<共通言語>を創造し続ける必要がある、とい うことです。リモートワークを通じて自由な働き方が可能になるためには、それを実現するための価値観・規範を 共有することが不可欠です。 組織の意味・価値は、形式的な組織構造(部署や役職などの固定的なもの)にあるのではありません。組織は、人 やプロジェクトが力を発揮する<土台・環境>として機能する必要があり、ファシリテーションという観点から言 えば、人やプロジェクトがより力を発揮するために、プロジェクトとプロジェクトをつなぎ、プロジェクトと個人 をつなぎ、個人と個人をつなぐ組織のファシリテーションが必要です。 <共通言語>を生み出す土台・環境としての組織 プロジェクト

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<共通言語>を生み出す土台・環境としての組織に必要な3つの要素 ①話す場 ②共通認識 ③学習・成長するための 環境・場づくり <共通言語>を生み出す土台・環境としての組織に必要な要素には以下の3つがあると考えています。 まず、「①話す場」として機能することで、組織の中に「②共通認識」が生まれます。そして、「②共通認識」がある ことで、「③学習・成長するための環境・場づくり」が機能します。このように①-③の要素が連動して機能すること で、リモートワークにおいても仕事がしやすく、成果を生み出しやすい環境を構築することができます。 こうした循環がおきている組織は、新しく入った人も馴染みやすく、定着しやすいという副次的効果も見込めます。

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リモートワーク環境下での組織マネジメントで意識すべきこと 87 |話す場/話せる場| まずは、「話す場」を様々な機会で設けること。 そのうえで、なるべく、お互いの知らなかった ことを知るような、偶発性を生み出すファシリ テーションを。 POINT ● お互いの考えや思いを知る ● アジェンダ無き雑談も重要 |共通認識| メンターやコーチ役とのコミュニケーションの 場の設計や、プロジェクトのメンバー設計(複 数名以上での体制構築/組み合わせの変更など) を通じて、共通認識を持ちやすい環境を。 POINT ● 情報量を揃えて、組織の全体像を理解しやす い状態を ● 組織の当たり前を言語化する ● 組織的意思決定(Yes-No)を明確に ● 論点を小分けにして、小さな意思決定を積み 重ねる |学習・成長ための場| まず、情報の透明性を確保したり、組織的意思 決定を明確にしたりするという基本が重要。 その上で、「必要なことは何度も伝える」とい う粘り強いコミュニケーションが不可欠。 POINT ● 組織的課題を提起し、改善していくための仕 組み ● 組織として学習していく ● 組織の<共通言語>や<ナレッジ>を増やし ていくためのアプローチ

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88 |話す場/話せる場をつくる|

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お互いの考えや思いを知る 89 リモートワーク環境下では、メンバーがお互いのことを 理解しにくくなります。これまでは、同じ場にいること でなんとなく共有されていたことが、チャットとWeb会 議だけでは共有されなくなるため、「お互いのことを理 解できていない(そもそも知ることができていない)」 という前提でマネジメントする必要があります。 お互いのことを知るためには、まず何よりも「お互いに 話をする場」が不可欠です。右記のような形で、様々な 場を複合的・複層的にもうけましょう。 その対話では、「仕事」のことだけではなく、「仕事以 外」のことも共有するようにしましょう。大事なのはお 互いのことを理解するということであり、話すテーマは 目の前のプロジェクトだけに限定する必要はありません。 お互いの考えや思いを共有することによって、価値観や バックグランドを知ることができ、仕事の中で行われる 振る舞い・判断・意思決定を理解・納得しやすくなりま す。 仕事 仕事以外 プロジェクト 組織 複合的・複層的な対話の場 【プロジェクト内】 ● 期待値セッション ● 朝会 ● ふりかえり 【プロジェクト外】 ● 1on1 ● 読書会(アクティ ブ・ブック・ダイア ローグなど) ● 食事会

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90 アジェンダ無き雑談も重要 ●アジェンダ無き雑談も重要 本資料の「2. ミーティングのファシリテーション」でも言及してきたように、 プロジェクトを良い形で進めていくためには、アジェンダを適切に設計したMTGが不可欠となります。 しかしながら、このことは「アジェンダがないMTGは意味がない」ということではありません。 むしろ、良いMTGには適切なアジェンダが重要であるということと同じくらい、アジェンダを用意しない雑談・ 対話・コミュニケーションも、プロジェクト運営・組織運営には重要なものです。 なぜなら、そのような時間がなければお互いのことを深く理解することはできず、仕事の中でも成果を出しにく いためです。 対面で仕事をしていたときには、たとえば、廊下ですれ違う際に一言二言会話をしたり、また、電車で移動する 際に仕事以外の雑談をする機会もありましたが、リモートワークでは、そのような時間は意図的に設定しない限 り、生まれません。 週1回30分の1on1など、どのような形でも良いので、一定時間話す時間を作ってみましょう。 それが、その人やその組織の未来にとっての大きな財産になるでしょう。

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91 |共通認識をつくる|

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情報量を揃えて、組織の全体像を理解しやすい状態を 92 リモートワーク環境下での組織マネジメントで意識すべきことの最後は、「情報量を揃える」ということです。 ここまで組織のマネジメントにおける、意思決定・仕組み化・違和感を共有する場の重要性について記載して きましたが、「情報量を揃える」ことはそれらを適切に行うための土台として不可欠なものです。メンバーが 把握している(把握することができる)情報量が揃うと、情報量を揃えるためだけのコミュニケーションコス トは不要になりますし、何より、余計な権力や忖度が生まれないのは非常に大きなメリットです。 下記などの情報をメンバーが常に参照できるようにして、組織の全体的な状況を理解しやすい状態をつくりま しょう。 可能な限りすべての会議の議事 録をオープンにして、いつどこ でどのような議論・意思決定が 行われているのかということを 見られる状態を作りましょう。 経営層の会議もオープンに! 議事録 売上やコストなどお金に関わる ことも、常に最新の状況を誰も が確認できるようにしましょう。 現状を正しく認識することが、 自律的・自発的な行動の源です。 お金 (売上・コスト) お互いについての情報量も揃え ることで、コミュニケーション がスムーズになります。 どんな仕事をしたいのか、どん な働き方をしたいのか、という ことを定期的に共有する場を作 りましょう。 各自の思い・考え

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組織の当たり前を言語化する 93 組織には、当たり前だと思われている暗黙的な慣習やルールが 存在します。それらは、組織を円滑に運営するための潤滑油と しての役割を担っていますが、暗黙的な共通認識を持ちづらい 環境になったときには、それらは暗黙的であるが故に、組織運 営が混乱する要因にもなります。 そのため、リモートワーク環境下では、組織の当たり前を一つ ずつ言語化していきましょう。たとえば、「言葉の意味」や 「仕組み」の言語化です。 ●当たり前の「言葉」の意味を言語化する たとえば「意思決定」や「決裁」。 これは、どの組織においても使われる言葉ですが(実際に使わ れる言葉は違うかもしれませんが)、誰が行うのか、意思決定 権者以外は意思決定にどう関わるのか、決定されたものに対し てどのように接するべきなのかなど、細かく見ていくと、実は 不明瞭なことが少なくありません。 ある行為に対する期待値のズレは、不要なコミュニケーション コストを生む原因にもなります。当たり前の言葉ほど、逆説的 に誤解やズレは生まれやすいため、意味を言語化すると良いで しょう。 ●仕組みを言語化する もう一つは、仕組みの言語化です。 何らかの決定は、当然、議事録などの文書に明記した上で共有 する必要がありますが、たとえば、その決定が「会議体」や 「ロール(組織・個人の役割)」に影響を与える場合には、会 議体とロールを明確にする(もしくはアップデートする)必要 があります。 会議体やロールを明確にすることは「組織の仕組み」をつくる ことであり、同時にそれは、より良い仕組みを作っていくため の土台になるものです。 これらはリモートワーク状況下でなくとも必要なことですが、 組織の全体像が分かりにくくなるリモートワークではより重要 になります。どの会議体で何を意思決定するのか、どのロール が何を担うのかを明確にして、組織運営を最適化しましょう。 どの会議体で何を意思決定するの かを明確にする 会議体 どのロール(組織・個人)が何を 担うのかを明確にする ロール

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組織的意思決定(Yes-No)を明確に 94 リモートワークが続くと、組織に対して「結局どう なっているのかよくわからない」と感じがちになり ます。 対面であれば「あれはどうなっていたっけ?」と気 軽に確認できますが、リモートのコミュニケーショ ンに慣れていない場合、それがしにくくなります。 しかし、その小さなズレは、のちのち大きな問題と なるリスクを抱えています。 そのため、組織的な意思決定をする場合、Yesなら Yes、NoならNoを明確にすることが不可欠です。 判断が間違っていることが問題ではなく、あいまい な状態にしてしまうことが問題です。判断をあいま いにすると、個人が思い込みで動いてしまいますし、 判断が検証されないままです。つまり、判断が改善 されるための学びも得られません。 Yes? No? グレーな判断を避ける

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論点を小分けにして、小さな意思決定を積み重ねる 95 No? 論点によってはYes-Noを明確に判断しにくいケースもあります。特に、リモート環境で組織についての議論をす る際にはそのような状況になりがちです。意思決定がしにくい場合には、論点を小分けにして、意思決定しやす い状態を作りましょう。 たとえば、社内プロジェクトの企画について議論するような場合、企画の全体について合意することが難しけれ ば、まずは「目的」だけについて合意を目指すアプローチもあります。 その上で、「意思決定できたこと」と「意思決定できていないこと」を明確にし、都度組織内に共有することで、 不要な混乱は起こりにくくなります。 Xについて Aは実行する Bは実行しない Cは未決

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96 |学習・成長のための場をつくる|

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組織的課題を提起し、改善していくための仕組み 97 No? 組織における各種の制度・仕組みは、当初はその状況における最適なものとして設計されていますが、時間が経 過すると、状況に合わなくなっていくこともあります。そのため、状況に合わせて制度や仕組みを柔軟に軌道修 正していくことが重要になります。 これは、プロジェクトを進める際に柔軟な対応が必要になることと同じです。前述で、「常に大きな変化がある ことを前提とし、プロジェクトを常に見直す認識をもつ」ことの重要性に触れましたが、それは組織でも不可欠 な視点です。 以下のような場・機会を設計し、組織的課題があるのであれば、それが提起され、改善されやすい状態をつくり ましょう。 ● 各自が感じている違和感な どがあれば、それを指摘・ 共有できる場 ● それによって、対処すべき 事項があることを「組織的 に感知」することができる 感知 ● 感知した課題を解決するた めの場 ● 組織的課題は複雑なものも 少なくなく、すぐに解決で きるものだけではないが、 まずは解決策について対話 できる場が不可欠 解決策の対話 ● 解決策をトライするととも に、フィードバックをもら う場 ● 解決策自体も、柔軟に軌道 修正していくことが重要 トライ&フィードバック

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組織として学習していく 98 組織として学習するということは、単に「みんなで学んでいこう」ということだけではなく、「組織」「プロジ ェクト」「個人」がそれぞれの視点で学ぶということです。 そこで重要になるのが、「組織」「プロジェクト」「個人」で学ぶべきことがリンクをして、それぞれの学びの 質を高めることです。 それぞれの学びが繋がっていくことで、「組織」の学びは「個人」や「プロジェクト」の学びの土台となり、よ り学習しやすい環境になります。 個人 プロジェクト 組織 業務に関する自分視点での気づき 他者の振る舞い・視点・知見 仕事の前提となる文化・価値観や制度・仕組み 対象 学習するもの

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組織の<共通言語>や<ナレッジ>を増やしていくためのアプローチ 99 組織の<共通言語>や<ナレッジ>を増やしていくためには、以下のような形でトップダウン的アプローチとボ トムアップ的アプローチを両方バランスよく用いることが重要です。 ベースとなる標準をトップダウンで言語化・共有しつつ、チームや個人の学習の質を高めるためにも、対話をし ながら、<共通言語>や<ナレッジ>をボトムアップで生み出していくことも極めて重要です。 業務・プロジェクトの効率化 業務・プロジェクトの質の向上 学習(チーム・個人の成長) 業務プロセスやフォーマットなどを定め て、業務・プロジェクトを効率的に行う ことを目指す 左記に加えて、自らふりかえりながら、 業務・プロジェクトの質の向上を目指す 仮説→検証をくりかえしながら、自ら必 要なナレッジを生み出していくことを目 指す 主な目的 概要 Who プレイヤーの 関わり方 How ナレッジの 流れ 有識者が持つナレッジを言語化し、 組織内に共有 各自・各プロジェクトによる 自律的な学習を通じて獲得したナレッジを共有 What アウトプット するものの方 向性 標準化 状況に応じたパターン トップダウン的 ボトムアップ的

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【コラム】組織のファシリテーションは時間軸を意識する 100 ●組織のファシリテーションは時間軸を意識する 組織のことをファシリテーションする際には、「時間軸」を意識しましょう。 プロジェクトの時間軸に比べて、組織の時間軸は長いものです。 ナレッジでもカルチャー(組織文化)でも、なにかを浸透させるのには時間がかかります。 この点、あるMTG1つをファシリテーションするのとは大きく異なります。 目線を少し先に向けて、一度ですぐに変わることを期待せず、 必要なことは何度も伝えていきましょう。 ちょっとした情報整理など、いつかの誰かの役に立つためのファシリテーションがとても重要です。

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COPILOTについて みなさまのプロジェクトのコパイロツト(副操縦士)となり 目的地へのプロセスをトータルでサポートします 101

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Project[主な支援実績] お問い合わせ 支援実績/お問い合わせ 102 コパイロツトは、課題整理や戦略立案から参画し、プロジェクトを効果的に推進するための 「プロジェクトマネジメント」「ファシリテーション」「ナレッジマネジメント」などの お手伝いをさせていただきます。 これまでの実績・支援の詳細は、ぜひコパイロツトのサイトをご覧ください。 またお仕事のご依頼・ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

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本資料のベースとなっているメソッドとサービス 103 多様性のあるメンバーのチームが、 不確実性の高い環境・状況において、 複雑なアウトプットのためのプロジェクトを 推進するためのメソッド。 ミーティングをマネジメントをすることで プロジェクトを推進するクラウドサービス。 Project Sprintの実践をサポートする機能を持つ。 株式会社コパイロツトが積み上げてきたプロジェクト推進の実践知を元に 汎用的なメソッドをまとめ、オープンソースとして公開しています。 さらに、メソッドを利用しやすくなるサービスも開発しています。 https://projectsprint.org/ https://supergoodmeetings.com/ サービス メソッド

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COPILOTとは 104 多種多様な目的やメンバー構成のプロジェクトに、 コパイロツトとして、プロジェクトマネージャーとして、ファシリテーターとして、チームで伴走します。 より質の高い本質的な成功へと導くため、企業のみなさまを含めたチーム・組織パフォーマンスの最大化をは かるとともに、ナレッジを活用した自律的な組織づくりを一丸となって目指します。 会社名 所在地 設立 資本金 代表者 ウェブサイト お問い合わせ tel / fax 株式会社コパイロツト 〒107-0062東京都港区南青山2-22-2 南青山篠崎ビル2F 2005年9月20日 6,000,000 円 代表取締役 定金 基 / サダカネモトイ https://copilot.jp/ [email protected] 03-5772-2940 / 03-5772-2941

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更新履歴 ● 2020/05 「リモートワークにおけるファシリテーションの方法論」を公開 ● 2023/10 「リモートワークにおけるファシリテーションの方法論 増補版」を公開 105