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AWS認定資格を勉強した先に何があったか 2024.11.29 SATOSHI KANEYASU

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2 自己紹介 氏名:兼安 聡 所属:株式会社サーバーワークス アプリケーションサービス部 在住:広島(フルリモート) 担当:DevOps、PM、SM 2024 Japan AWS Top Engineers (Database) 2024 Japan AWS All Certifications Engineers 認定スクラムマスター X:@satoshi256kbyte

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目次 1. そもそも資格を取得する目的とは 2. 自分なりのAWS認定の勉強方法 3.経験を積んだエンジニアに求められる能力 4. AWS認定資格を取得して得られたもの 5. 積んできた経験と資格勉強で得た知識を組み合わせる 6.まとめ

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4 前提条件 ➢私自身は就職してからほぼずっとSIerです。 ➢筆者の年齢は40代です。 ➢経歴 ➢ アプリケーションエンジニア/データベースエンジニア ➢ フロントエンドも兼ねる ➢ サーバー担当も兼ねる ➢ AWSに触れ、クラウド担当も兼ねる ➢ AWS認定全冠を契機に現職へ ➢ 現職でDevOps担当へ ➢転職またいでいますが、当時も現在もAWSパートナー企業に属していたので、元 からAWS認定を取得するの意味がある環境でした。 アプリ インフラ

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そもそも資格を取得する目的とは

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6 そもそも資格を取得する目的とは ➢その技術についての知識を深める ➢ムラのある知識を補完する ➢未経験の技術に触れる ➢他のエンジニアとの共通言語を持つ ➢やりたいことをアピールする

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7 そもそも資格を取得する目的とは ➢その技術についての知識を深める ➢ムラのある知識を補完する ➢未経験の技術に触れる ➢他のエンジニアとの共通言語を持つ ➢やりたいことをアピールする AWS認定資格を勉強する前は、付け焼き刃の知識では失敗したり周りの理解を 得るような出力が出せなかったのを悩んでいて、正しい知識を学び直したいと 思っていました。(一番悩んでいたのは2019年頃) アプリ インフラ

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8 そもそも資格を取得する目的とは ➢その技術についての知識を深める ➢ムラのある知識を補完する ➢未経験の技術に触れる ➢他のエンジニアとの共通言語を持つ ➢やりたいことをアピールする AWS認定を揃えていく中で他の目的も見出せるようになっていきました。

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自分なりのAWS認定の勉強法 AWS認定の勉強方法だけをテーマにしたときの発表資料

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10 自分なりのAWS認定の勉強法 ➢AWS認定試験の勉強を始めた当時は、AWS関連の仕事だけをしていたわけでは なかったので、頭の切り替えができなくなり、業務や家事に支障が出るのを避け るため、隙間時間は活用しなかった。 ➢隙間時間の勉強は合わないと判断した結果、早めに業務や家事を終わらせ、 まとまった時間を確保することを心掛けた。 ➢やる気が削がれるのを防ぐため、問題は5問・10問単位で解いていた。 ➢いきなり問題を解く。その後教科書と問題を行き来する。 画面を触るのは最後としていた。 ➢学習だけに着目した場合、問題と回答が一番情報が整理されている。 ➢画面は何かをなすのに画面を行き来する必要があり最も整理されていない。

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11 AWS認定取得後に見えたもの ➢全部取得すれば何かが起きる、新たな何かが見えると思っていた ➢結果として得たものは、どちからというと足らなかったものが補えて、以前より うまく回るようになった感覚だった。

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経験を積んだエンジニアに求められる能力

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13 経験を積んだエンジニアに求められる能力 ➢専門性 ➢教育力 ➢営業力 ➢調整力 異論はあると思います。

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14 経験を積んだエンジニアに求められる能力 ➢専門性 ➢教育力 ➢営業力 ➢調整力 自分に足らなかったのはこの2つ

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15 営業力とは ➢一般的な営業のスキルではなく、プリセールスのことを指しています。 ➢プリセールスは、一般的には営業の方が持ってきてくれた話(リード)を技術的 に実現可能なものに落とし込み、受注につなげる工程。 ➢以下のような能力が必要 ➢顧客の要件をヒアリングし、技術的な解決策を模索する ➢提案書を作成し、提案内容を顧客に説明する ➢技術的な裏付けを取りつつ、見積を作成する ➢見積内容を顧客に説明し、受注につなげる

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16 調整力とは ➢社内外の関係者や他のレイヤーのエンジニアと対話する能力。 ➢対話は主にインターフェースやスコープを策定するために行う。

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AWS認定資格を取得して得られたもの

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18 各AWS認定で得られたものの分類 資格名 得られたもの AWS Certified Solutions Architect – Professional 幅広い知識、ムラのある知識の補完、 他のエンジニアとの共通言語 AWS Certified DevOps Engineer – Professional 幅広い知識、ムラのある知識の補完、 他のエンジニアとの共通言語 AWS Certified Security – Specialty ムラのある知識の補完、他のエンジニアとの共通言語 AWS Certified Database – Specialty 専門分野の更なる知識 AWS Certified Machine Learning – Specialty 未経験の技術 AWS Certified Advanced Networking – Specialty ムラのある知識の補完、他のエンジニアとの共通言語、 未経験の技術 AWS Certified Data Analytics – Specialty 未経験の技術 AWS Certified SAP on AWS – Specialty 未経験の技術

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19 全体通して得られたもの ➢構築パターンを多数覚えたことにより、ヒアリングする能力、アイデアを出す能 力が向上し、プリセールスに役立つ。 ➢不足していた知識、歪だった知識を補完したことにより他レイヤーとの対話が円 滑になる。 ➢知っているキーワードが多いので、調査スピードが向上する、キャッチアップ能 力が向上する。

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20 未経験の技術の資格を取る意味 ➢勉強してみると、資格になっている=それだけでビジネスとして成立しうる分野 であるということに気付かされた。 ➢加えて、よくよく聞いてみるとその分野に明るい人がいないので取りこぼしてい た案件が存在したことも発見。 ➢自分の知っている分野にも目を向け視野を広げることは、自身にも組織にも意味 があるのでは理解した。

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21 特に思い入れがあるのはAWS DASとSAP on AWS ➢ AWS Certified Data Analytics – Specialty ➢ データ基盤/分析の話が中心 ➢ AWS Certified SAP on AWS – Specialty ➢ SAPと、オンプレのSAPをAWSに移行する話が中心 ➢ 以前はこれらについてあまり知らず、ビジネスの柱になるとも考えていなかっ たが、勉強して資格になるぐらいの知識=柱になりうる分野と認識を改めた

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積んできた経験と資格勉強で得た知識を組み合わせる

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23 積んできた経験と資格勉強で得た知識を組み合わせる ➢顧客から、オンプレミスで稼働しているWebシステムがあり、 拡張性が問題でビジネスがこれ以上展開できないのでクラウド化したいという相 談を受けたとします。 ➢開発は既存のエンジニアが引き続き行うという前提で、期限もあります。 ➢あなたならどのような提案をしますか?

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24 解答例

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25 この解答例にする理由 ➢単純にオンプレサーバーをAmazon EC2に移行は期待値外と予想し除外 ➢既存エンジニアの負荷とPJの期限を加味し、現実路線へ ➢学習コストを考え、サーバーレスは優先度を下げる ➢拡張性確保のために、ロードバランサー導入する ➢セッション管理・データベースを外出しが必要になる ➢これだけでもアプリの改修が必要のはず ➢ロードバランサーを導入すればエンドポイントがそちらに移る ここまでやっておけば後ろの分割が容易になる ➢従って、ここを最低ラインとする ➢コンテナを導入する手もがあるので、一応次点として用意しておく

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26 この解答例にする理由 ➢単純にオンプレサーバーをAmazon EC2に移行は期待値外と予想し除外 ➢既存エンジニアの負荷とPJの期限を加味し、現実路線へ ➢学習コストを考え、サーバーレスは優先度を下げる ➢拡張性確保のために、ロードバランサー導入する ➢セッション管理・データベースを外出しが必要になる ➢これだけでもアプリの改修が必要のはず ➢ロードバランサーを導入すればエンドポイントがそちらに移る ここまでやっておけば後ろの分割が容易になる ➢従って、ここを最低ラインとする ➢コンテナを導入する手もがあるので、一応次点として用意しておく 導き出される解答自体がAWS認定取得前後ではそう変わらない →ベストプラクティスは世に溢れるのでそうなる しかし、勉強を重ねて結果覚えた多数のパターンを吟味した上での 回答であれば説得力が違う。 そこに経験を重ねるとさらに重みが違う。 ここが営業力や調整力の成否となって現れる。

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まとめ

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28 まとめ ➢知らない技術の資格を勉強することで視野が広がることがある ➢実務からの学びだけでは知識にムラができることがある ➢知識のムラは対話のボトルネックになる可能性があり、 資格勉強はそれを解消する可能性を秘めている ➢ボトルネックはない方が個人にも組織にとっても良いと思う

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29 ありがとうございました

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