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新しいことを組織ではじめる そして、つづける 2024/08/28 EM Fest !

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イノベーション? リーダーシップ? マネジメント?

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今の自分なりの 理解と実践について 話していきます

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agenda 1. 自己紹介とイントロダクション 2. 自らはじめる 3. 業務化する 4. 組織化する 5. 誰かとはじめる 6. まとめ

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自己紹介 Kazuki Maeda 𝕏 @kzk_maeda SRE/DRE/Enabling/EM @atama plus AWS Community Builders AWS Startup Community Core Member

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アジェンダ

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現職2年ではじめてきたことの一例 データ基盤刷新 データチーム立ち上げ 開発生産性向上 改善活動 技術広報の推進 組織ミッション化 and so on… DevOpsの仕組み導入 生成AI R&D プロダクト導入検証

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現職2年ではじめてきたことの一例 データ基盤刷新 データチーム立ち上げ 開発生産性向上 改善活動 DevRelの推進 組織ミッション化 and so on… DevOpsの仕組み導入 生成AI R&D プロダクト導入検証 再現性をもって 進めていきたい

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どうやって再現していく? 何をゴールにする? どうやってはじめる? 業務化する 組織化する 自らはじめる どこからが業務? 最初から組織化しない? なぜ組織化する? どうやって巻き込む?

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自らはじめる 業務化する 組織化する 自らはじめる

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プロダクトの売り込み方法 提案書類で売り込む 訴求ポイントを綺麗にまとめて、 視覚に訴えることができる コンテキストを一致させることが できないと伝わらないことも プロトタイプで売り込む 実際に動くプロダクト価値に触れ、 体験に訴えることができる プロトタイプをつくるための相応の 労力が必要

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新しいことをはじめるときも 提案書類で売り込む 事前にデータや資料を準備して、 必要性を組織に説いていく 価値が伝わるまで、粘り強い提案・ 説得が必要 プロトタイプで売り込む 新しい組織活動のプロトタイプを やってみて、その効果を説く すでに小さく始まっているので 価値訴求がやりやすい

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組織活動の プロトタイピングって どういうこと?

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プロトタイピングの事例 データ基盤刷新 データチーム立ち上げ 開発生産性向上 改善活動 技術広報の推進 組織ミッション化 and so on… DevOpsの仕組み導入 生成AI R&D プロダクト導入検証

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事例 :DevOpsの 仕組み導入 課題: ● プロダクトのエラー対応がSREに偏っていた ● 開発者は知見がなく、手を出しづらい心理があった はじめたいこと: ● エラーの知見を貯める場所をつくる ● 開発者が自発的にエラー対応できる仕組みをつくる

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プロトタイプ: ● やることを宣言する ● known issuesを貯める場所をつくる ● 拾ったエラーを自分でガンガン貯めていく ● 価値が出せていることを自画自賛する(これ大事) 事例 :DevOpsの 仕組み導入

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自らはじめる ● 組織活動のプロトタイピングを、まずは自分一人でやってみる ● その時、はじめることをなるべく パブリックに宣言する( public commitment) ○ あくまで会社への貢献活動であるというコンセンサスを取っておく ○ 自らに責任を課し、努力する意思を強め、退路を断つ ○ 撤退するときでも学びを公開できる ● 小さく価値を出す、そして自画自賛する ○ この後につながってきます

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いい感じでできそう? じゃあ公式に提案しよう

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業務化する 業務化する 組織化する 自らはじめる

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業務って何だろう? プロトタイピング 自分の時間の中で小さく進める 会社のリソース利用は最小限 成果に対するリターンもない 業務 業務時間の中で責任を持って進める レポートラインへの説明責任 ミッションへの反映と評価が伴う

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提案して、業務にする ● public commitmentの下でプロトタイピングをしてきたので ○ 上長も寝耳に水ではない(はず) ○ 小さく価値を出しているので、提案しやすい ○ かかるリソースやリターンの解像度を高く持てている ● やってきた活動を改めて伝え、自分のミッションに組み込んでいこう ○ WCMとかOKRとか、各社のフレームワークに合わせて良い感じに ○ この時点では、まだ個人ミッションとして持つのを推奨 ● この瞬間から、業務としての責任が公に発生してきます

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業務化の事例 データ基盤刷新 データチーム立ち上げ 開発生産性向上 改善活動 技術広報の推進 組織ミッション化 and so on… DevOpsの仕組み導入 生成AI R&D プロダクト導入検証

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事例: 技術広報の 推進 課題: ● 採用プレゼンス向上のため、社外接点の構築が急務 はじめたいこと: ● 全員で技術広報に関わっていく仕組みの構築 ● 技術広報組織の立ち上げ プロトタイピング: ● まずは自分で登壇する、記事を書く ● リーチできている事例をつくっていく

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事例: 技術広報の 推進 業務化: ● 技術広報を拡大していくことを自分のミッションにす ることを上長と合意する ● 自分以外の人のリソースを使い始めるためにも必要 ● 一旦組織化の提案をして、落とし所として業務化を見 据えていた (door in the face)

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まだ組織化しないの? ● 新しい組織を作るのはそう簡単な判断ではない ○ 自分の組織としてのミッションはどうする? ○ 誰をメンバーとしてアサインする?できる? ○ 組織全体のどの位置に配置し、レポートラインはどうつくる? ● ただし、どこかでは組織化を目指さないといけない ○ サステナブルに提供できない価値は、長い目で見ると逆効果

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業務化できた? じゃあ分散させよう

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組織化する 業務化する 組織化する 自らはじめる

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個人業務と組織業務 個人業務 知見は自分の中にある 代理がいないので重要化できない 個人の熱量(と評価)が活動源泉 組織業務 知見は組織の集合知となる SPOFがいないので持続性がある チームのwillが活動源泉

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熱量を伝える ● 最初に始めたあなたと、巻き込まれた誰かの間には、熱量に崖がある ○ 場合によっては、この差を埋めるのは知識以上に重要 ● 組織化において最も腐心すべきは、如何に熱量を伝え、高めていくか すべては1人から始まる ビジョンに対するソースの情熱は、 協力者を引き寄せる究極の磁力だ。

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リスク志向の変遷 ● 1人ではじめる時は、リスク志向高め ● 組織化して業務に組み込むに向けて、リスク志向度を下げていく リスク志向高め 安定性高め 組織化 プロトタイピング 業務化 The Power of Risk

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リスク志向の低い人が あなたのイノベーションの 最大の支援者

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組織化の事例 データ基盤刷新 データチーム立ち上げ 開発生産性向上 改善活動 技術広報の推進 組織ミッション化 and so on… DevOpsの仕組み導入 生成AI R&D プロダクト導入検証

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事例: データチー ム 立ち上げ 課題: ● データ基盤運用や活用が組織化されていない はじめたいこと: ● 組織的なデータ活用の推進 プロトタイピング: ● データ基盤の課題を整理し、ミニマムの価値を提供 ○ クエリコストの最適化など 業務化: ● 自身が所属していたチームの中で、データ基盤系の ミッションは一手に担う

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事例: データチー ム 立ち上げ 組織化: ● データ基盤刷新という大きなプロジェクトを遂行する には、組織化が必須 ○ 相応のリソースが必要となるため ● 社内からデータエンジニアをスカウト ○ 幸運にもデータエンジニア志望者を獲得 ● データエンジニアとしてのスキル修得をサポートし、 実際の基盤刷新を実現 findy-tools

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価値を増幅させ、組織を大きくする ● おそらく最初はあなた + メンバー1人のミニマム構成 ● 実務レベルが上がってくると、メンバーが実質 SPOF状態になってくる ● 一方、そうなると相応の価値が出し続けられるようになっているはず ● より継続的に価値貢献できる状態を目指し、組織を大きくする

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再現性の話 活動のプロトタイピング パブリックコミットメント 小さな価値提供、自画自賛 業務化する 組織化する 自らはじめる リソースの公的活用 レポートラインへ説明責任 ミッションと評価の連動 持続的な業務体制の構築 メンバーへの熱量の伝播 成熟度とリスク志向の遷移 Phase: 重視: 成果:

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少し派生の話をします

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誰かとはじめる 業務化する 組織化する 誰かとはじめる

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誰かとはじめてみる ● 最初にはじめてみるステップの時点で、誰かを巻き込んでいくことが好ましいケースも ある ○ 実装に自分にない専門性が必要だったら? ○ ユーザー検証するのにPdMの協力は? ○ 法的リスクのクリアランスは? ● その場合、一番最初に必要になるのが人を巻き込むための熱量の伝播

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自らはじめる場合との差分 活動のプロトタイピング パブリックコミットメント + 熱量の伝播 /期待値調整 小さな価値提供、自画自賛 業務化する 組織化する 誰かとはじめる リソースの公的活用 レポートラインへ説明責任 ミッションと評価の連動 持続的な業務体制の構築 メンバーへの熱量の伝播 + 初期メンバーの納得感 成熟度とリスク志向の遷移 Phase: 重視: 成果:

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まとめ

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イノベーション? リーダーシップ? マネジメント?

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リーダーシップとマネジメント リーダーシップ ビジョンとイノベーション 変化と挑戦 リスクの受容と推進 マネジメント 計画と組織化 安定と効率 リスクの最小化と管理

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マネージャーだからできること ● 現場から起こそうとするイノベーションは、短期的な熱量を持ってはいるが、継続して 組織に根付かせていくのは難しい ● マネージャーである私たちは、組織設計の難しさとコツを知っている(はず) ● マネージャーからリーダーシップを発揮し、枠の外からイノベーションを起こし、 新しいことを組織ではじめ、そしてつづけていきましょう 業務化する 組織化する 自らはじめる

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新しいことを組織ではじめる そして、つづける

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No content

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おわり

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付録

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誰かがはじめる 業務化する 組織化する 誰かがはじめる

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常に自分がソースであり続ける? ● 続けない ● イノベーティブな組織をつくっていくには、誰もがソースになり得る方がいい ● 誰かが踏み出す一歩を強く後押しできる必要もある