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遺伝子組み換えに関する概要・全体像 遺伝子組み換え作物・食品について

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2 参照 / reference この資料で得られる情報 #1 遺伝子組み換えとは何か #2 遺伝子組み換え推進派の主張と反論 #3 遺伝子組み換えの何が危険なのか #4 なぜ遺伝子組み換えが今尚、進められているのか #5 世界と比較する日本の遺伝子組み換え事情 #6 日本人の殆どが遺伝子組み換えを口にしている #7 何故、遺伝子組み換え食品に気づけないのか #8 遺伝子組み換え食品を避けるために

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3 参照 / reference 遺伝子組み換え作物とは 遺伝子組換え技術を用いて 「遺伝的性質の改変」が行われた作物のこと

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4 参照 / reference 最大の特徴であり、議論を呼んでいる点 「自然界では起こり得ない改変」を行うこと ● ほうれん草の遺伝子を豚に組み込みヘルシーにする ● 寒さに強いヒラメなどの魚の遺伝子を、特定のイネ に導入して寒さに強くする 例 ライオンの遺伝子が馬に移行することは自然界ではありえないが、 遺伝子組み換えはそれを「人工的に引き起こす」ため、人体や生 態系に多大な危険を及ぼすのではないかと言われている

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5 参照 / reference 品種改良と遺伝子組み換えの違い 品種改良 遺伝子組み換え 共通 品種を掛け合わせること 違い 自然界で起こることで対応 例:イネとイネを掛け合わせ (同品種・近い種で掛け合わせ) 自然界で起こり得ないことで対応 例:カブトムシとかぼちゃを掛け合わせ (種の壁を超える人工的な変異) 遺伝子組み換えを、従来の品種改良と同じとする主張もありますが 「種の壁を超えた人工的な変異を行う」点で全く違うものとなります

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なぜ、遺伝子組み換え作物を推進するのか?

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7 参照 / reference 遺伝子組み換え推進派の主張 農業効率化のため 品質向上(発展途上国の栄養不足解消のため) 収量増加(人口増加等に対応するため)

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8 参照 / reference 除草作業と虫食い被害に対抗する遺伝子組み換え 農家の方が苦労すること 1 2 除草剤=農薬耐性の作物を開発 (遺伝子組み換え) 除草作業 虫食い被害 殺虫作用のある作物を開発 (遺伝子組み換え) 農薬をまけば、雑草は枯れて 農薬耐性のある作物だけが残る 殺虫作用のある作物には虫が 寄らなくなり、駆除作業を軽減 対策として 見込む効果 対策として 見込む効果

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9 参照 / reference スーパー雑草・昆虫が出現が対策を激化する 除草剤=農薬耐性の作物を開発 (遺伝子組み換え) 殺虫作用のある作物を開発 (遺伝子組み換え) 農薬をまけば、雑草は枯れて 農薬耐性のある作物だけが残る 殺虫作用のある作物には虫が 寄らなくなり、駆除作業を軽減 農薬に耐性のある スーパー雑草が出現 殺虫作用のある作物に耐性のある スーパー昆虫が出現 農薬の量と種類を増やす より殺虫性の高い作物を開発する 対策として 見込む効果 対策として 見込む効果

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10 参照 / reference スーパー雑草・昆虫の出現による負のスパイラル 農薬の散布 スーパー雑草・昆虫 の出現 農薬の量・種類を増やす 殺虫性の高い作物を開発する 人体への影響 土壌・環境汚染 農薬の種類や量の増加、土壌も弱くなり 長期的な効率化に繋がるか疑問 何より、人体や環境への懸念が強い

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11 参照 / reference 遺伝子組み換え推進派の主張 農業効率化のため 品質向上(発展途上国の栄養不足解消のため) 収量増加(人口増加等に対応するため)

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12 参照 / reference ビタミンA欠乏症を解決する遺伝子組み換え米? 発展途上国を中心としたビタミンA欠乏症が問題 (世界の約1億人がビタミンA欠乏症・年間約100万人が死亡・約50万人が失明すると言われる) ビタミンAを大量に含むと言われる 遺伝子組み換え米「ゴールデンライス」を開発

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13 参照 / reference ゴールデンライスの品質への疑問 スイートポテト 人参 モリンガ かぼちゃ トマト ゴールデンライス Βカロテンの含有量、作物別比較(μg/g) MASIPAG(フィリピンの学者と農民の連帯市民団体):http://blog.rederio.jp/archives/4731 実際のゴールデンライスのβカロテン量は他の作 物に比べて少なく、ゴールデンライスだけで必要 なβカロテン量を摂ろうとすると1日1kg以上食べ る必要があり、現実的ではない

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14 参照 / reference 除草剤耐性の遺伝子組み換え大豆にも疑問符 それでも遺伝子組み換え食品を食べますか?(アンドリュー・キンブレル)筑摩書房 P57-58 遺伝子組み換え大豆のラウンドアップ・レディの 栄養成分の中で、数種類の「植物性エストロゲン」 が12~14%も減少していた ※アメリカ「倫理と毒性センター」調べ

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15 参照 / reference 遺伝子組み換え推進派の主張 農業効率化のため 品質向上(発展途上国の栄養不足解消のため) 収量増加(人口増加等に対応するため)

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16 参照 / reference 遺伝子組み換え作物が食料不足を救う? 世界人口が2050年に100億人近くに達し、食料不足 になると言われている中、遺伝子組み換え作物は収 量を上げる作物として食料不足を解消するとの主張 があるが・・・

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17 参照 / reference 遺伝子組み換え作物では収量は増えない① ネブラスカ大学 ●アメリカ農務省の報告書を調査 ●遺伝子組み換え大豆の収量が 6~11%低下していることを確認 Ecologist Vol32(2002) ●アルゼンチンにおいて、遺伝子組 み換え大豆の収量が5~6%低下 したと報告 農業植物学研究所(NIAB) ●遺伝子組み換えナタネと甜菜の収 量は、そうでない作物と比べて 5~8%収量が低いと発表 英国土壌協会 ●北米における除草剤耐性大豆とナ タネの収量はそうでない作物と 比べて減少していると報告 遺伝子組み換え食品の真実(アンディ・リーズ)白水社 P86

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18 参照 / reference 遺伝子組み換え作物では収量は増えない② 全米家族農業者連合(NFFC)代表のビル・クリスティン(1998年) 「(遺伝子組み換え大豆の)ラウンドアップ・レディ大豆を導入すれば 農薬の使用量は減り、収穫量が増えると聞いたが、全くの嘘だった。」 遺伝子組み換え食品の真実(アンディ・リーズ)白水社 P86 ミシシッピ州裁判所 「農家のニューウェル・シムラル氏の収穫量が減ったのは、ラウンドアッ プ・レディ大豆が原因である。」と認定し、モンサント社に16万7452 ドルの損害賠償を命じた

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遺伝子組み換え作物が主張するメリット 農業効率化・品質向上・収量増加 そのどれもに疑問符が付く結果に

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20 参照 / reference 遺伝子組み換え作物の危険が及ぶ範囲 遺伝子組み換えのリスク・全体像 人体に与える影響 環境に与える影響 農家に与える影響 作物の多様性 に与える影響

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遺伝子組み換えのリスク・全体像 人体に与える影響 環境に与える影響 農家に与える影響 作物の多様性 に与える影響

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22 参照 / reference 人体に与える影響として懸念されていること 発がん性 アレルギー 精神疾患 免疫低下

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23 参照 / reference 人体に影響を与えるとされた実験事例(1) それでも遺伝子組み換え食品を食べますか?(アンドリュー・キンブレル)筑摩書房 P54-55 実験者 ●スコットランド政府から委託を受けたパズタイ博士とイーウェン博士 実験概要 ●一匹のラットには天然の殺虫成分を含んだ遺伝子組み換えジャガイモ もう一匹には通常のジャガイモを与え、比較をした 結果 ●遺伝子組み換えジャガイモを与えたラットの臓器が発達せず、新陳代 謝が低下し、免疫機能も低下していた 備考 ●英国の医学雑誌「ランセット」に1999年掲載 ●遺伝子組み換え企業から失墜キャンペーンがあったものの、20名以上 の学者が養護 ●2005年5月にモンサント社の作成した1100ページの秘密報告書が リークされ、遺伝子組換トウモロコシを与えたラットと、そうでない ラットでは、肺臓の重量と血球数に大きな差が出たことが明るみと なった。このリークが失墜キャンペーンによるパズタイ博士とイー ウェン博士の研究の汚名を晴らすことに繋がった

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24 参照 / reference 人体に影響を与えるとされた実験事例(2) バイオジャーナル2009年1月号 http://www5d.biglobe.ne.jp/~cbic/journal/no88/head.html 実験者 ●イタリア食品研究所のエレーナ・メンゲリ他 実験概要 ●殺虫性のある遺伝子組み換えトウモロコシを、マウスに30日間と90日 間与え、腸、上皮、脾臓、リンパ球を調べる(遺伝子組み換えでないト ウモロコシを与えたマウスも比較) 結果 ●遺伝子組み換えトウモロコシを与えたマウスは30 日間、90 日間与え たどちらのマウスにも、免疫系に異常が起きた。この結果について実験 者は、人間への影響が懸念されるとしている 備考 ●Journal of Agricultural and Foodchemistry 2008/11/14に掲載

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25 参照 / reference 人体に影響を与えるとされた実験事例(3) バイオジャーナル2009年1月号 http://www5d.biglobe.ne.jp/~cbic/journal/no88/head.html 実験者 ●ウィーン大学獣医学教授のユルゲン・ツェンテク他 実験概要 ●除草剤耐性、殺虫性のある二種の遺伝子組み換えトウモロコシをかけ合 わせたもので実験(マウスは遺伝子組み換えを与えたマウスと与えない マウスの二種で実験) ●長期摂取による影響を調べた 結果 ●かけ合わせた遺伝子組み換えトウモロコシを与え続けたマウスは、繁殖 を繰り返したのち、遺伝子組み換えを与えなかったマウスに比べて3~ 4世代後の子孫に数の減少が見られ、体重も軽く、ひ弱だった 備考 ●オーストリア政府による助成で行われた実験(オーストリア保 健省2008/11/11)

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26 参照 / reference 人体に影響を与えるとされた実験事例(4) 実験者 ●カナダ・オンタリオ州のグエルフ大学の研究者 実験概要 ●除草剤耐性の遺伝子組み換えトウモロコシを42日間鶏に与えた 結果 ●死亡率が2倍になり、成長もバラバラになるという結果 備考 ●2003年に発表 3月23日食品表示一元化検討会 中間論点整理に関する意見交換会資料 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/review_meeting_002/pdf/120402tsuika02.pdf

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27 参照 / reference 人体に影響を与えるとされた実験事例(5) 実験者 ●エジプト・タンタ医科大学の研究者 実験概要 ●殺虫性のある遺伝子組み換えトウモロコシを30%含むものをマウス群 に与えた。もう一方のマウス群には、通常のトウモロコシが与えられた 結果 ●遺伝子組み換えトウモロコシを与えたマウス群には、粘膜線が破壊され るなどの損傷が見られた。特に影響を受けたのが十二指腸と回腸の間に ある空腸で、損傷し、大きな変化が見られた 備考 ●Experimental and Toxicologic Pathology(実験的及び毒 物学的病理学)2016/68号に発表 ●原因として、Bt毒素の直接的な影響に加え、腸内細菌の減少に よる間接的な影響も考えられると結論 3月23日食品表示一元化検討会 中間論点整理に関する意見交換会資料 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/review_meeting_002/pdf/120402tsuika02.pdf

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遺伝子組み換えのリスク・全体像 人体に与える影響 環境に与える影響 農家に与える影響 作物の多様性 に与える影響

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29 参照 / reference 環境に与える影響の報告 バイオジャーナル2017年1月号 http://www5d.biglobe.ne.jp/~cbic/journal/no184/news2.html 英国NGO科学者団体 Institute of Science in Society:ISIS エヴァ・シリナートシンジ ●殺虫性のある遺伝子組み換え綿が土壌細菌の生 態系を攪乱(かくらん)していると発表 ●遺伝子組み換え綿とそうでない綿を比較(それ ぞれ三種類を用意) ●それぞれの根の細菌群を比較したところ、遺伝 子組み換え綿はそれぞれ44.4%、25.0%、 51.3%細菌が減少していた。 ●このまま遺伝子組み換え綿の栽培を続ければ、 害虫への抵抗力が低下し、作物の生育に影響を 及ぼすと指摘 ●The Ecologist 2016/11/24

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遺伝子組み換えのリスク・全体像 人体に与える影響 環境に与える影響 農家に与える影響 作物の多様性 に与える影響

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31 参照 / reference 遺伝子組組み換え特許による拘束 ●自家採種禁止(種の再利用禁止) ●1ヘクタールあたりのライセンス料支払い ●契約違反の場合、訴えられるが、周囲に このことを伝えてはならない ●独自の警察組織(モンサント・ポリス) が立ち入り検査を行う 遺伝子組み換え作物は特許申請されており モンサント社の契約には以下の縛りがある 「農民」記事データベース20030728-596-06 http://www.nouminren.ne.jp/dat/200307/2003072806.htm

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32 参照 / reference ● 経済負担 ・毎年の種取りを禁止し、購入を義務付けられる ・定期購入による費用負担の増大 ● 交雑による訴訟リスク ・遺伝子組み換え作物とそうでない作物が交雑するリスク ・隣の遺伝子組み換え作物の畑から交雑しても訴訟される ● 周辺農家の密告・農村共同体を破壊 ・モンサント社へ各農家が密告できる専用の連絡先がある ・周辺農家を密告し、他農家を侵害。不信が蔓延する 農家の様々な負担が問題となり、深刻化 「農民」記事データベース20030728-596-06 http://www.nouminren.ne.jp/dat/200307/2003072806.htm

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遺伝子組み換えのリスク・全体像 人体に与える影響 環境に与える影響 農家に与える影響 作物の多様性 に与える影響

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34 参照 / reference 種苗会社の推移と種苗数の減少。多様性に影響 1900年 2000年 2000社以上 200社程度 それでも遺伝子組み換え食品を食べますか?(アンドリュー・キンブレル)筑摩書房 P106 グローバル種子企業は自社の種苗を販売したいため、農家に提供する 種苗の種類も減少し、1900年に存在した種子の75%が消えたとされる

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35 参照 / reference 遺伝子組み換え作物の交雑による生物多様性の危惧 ・ 「農民」記事データベース20030721-595-07丨http://www.nouminren.ne.jp/dat/200307/2003072107.htm ・ 食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク http://gm-chubu.sakura.ne.jp/150712-zenkoku.htm ・ 独立行政法人農業環境技術研究所 http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/109/mgzn10908.html このような遺伝子組み換えによる交雑等が進み、生物多様性に影響があると危惧される。 その対抗として、生物多様性に悪影響を及ぼすおそれのあるバイオテクノロジー国際条約 (カルタヘナ議定書)がある。 ● カナダではある農家が遺伝子組み換え作物を許可なく栽培したとして告訴される ● 農家は見覚えがなく、調べると交雑によることだと判明。農家は敗訴 ● 類似の事例で訴訟された例は世界で500件以上と言われる ● 輸送中の遺伝子組み換えナタネがこぼれ落ち、愛知・三重県の国道などに影響 ● 汚染は100km以上に及ぶ ● 国内で多年草化し、世代交代までされ、アブラナ科作物、雑草との交雑を確認 ● メキシコでは遺伝子組み換えトウモロコシと在来種の交雑が指摘されている ● この問題は交雑の有無に関して大きな論争を巻き起こしたが2008年11月の 学術誌Natureでは交雑があったことが認められている

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36 参照 / reference なぜリスクの高い遺伝子組み換え作物が普及する? 農薬と除草剤耐性の 種子をセットで売る A 毎年の種取りを禁じ 購入を義務づける 農薬と種子のセット で二重の利益を得る 遺伝子組み換え作物 の特許を主張できる 「農民」記事データベース20030728-596-06 http://www.nouminren.ne.jp/dat/200307/2003072806.htm 遺伝子組み換え作物を提供している 種 子 企 業 に 大 き な 利 益 が あ る か ら 二重の利益 定期収益

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37 参照 / reference 世界で栽培される遺伝子組み換え作物マップ トウモロコシ 大豆 綿 ナタネ 甜菜 (テンサイ) アルファルファ パパイヤ ジャガイモ スクワッシュ サトウキビ リンゴ ナス アメリカ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ブラジル ● ● ● ● アルゼンチン ● ● ● カナダ ● ● ● ● ● ● インド ● パラグアイ ● ● ● 中国 ● ● パキスタン ● 南アフリカ ● ● ● ウルグアイ ● ● ボリビア ● オーストラリア ● ● フィリピン ● ミャンマー ● スーダン ● メキシコ ● スペイン ● コロンビア ● ● ベトナム ● ホンジュラス ● チリ ● ● ● ポルトガル ● バングラデシュ ● コスタリカ ● ● インドネシア ● エスワティニ ● バイテク情報普及協会 2018年における各国の栽培状況 https://cbijapan.com/wp-content/uploads/2019/09/2018_Japan_GM_import_190827-1.pdf

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先程のマップにあるよう遺伝子組み換え作物 はトウモロコシ、大豆、ナタネ、綿が大半。 日本では栽培はされていないが、次頁以降の ように承認・輸入・消費が世界トップクラス

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39 参照 / reference 日本は世界で最も遺伝子組み換えを承認する国 突出する日本政府の遺伝子組み換え承認件数(印鑰智哉様) http://blog.rederio.jp/archives/3144 遺伝子組み換えの承認数丨各国の推移 ■ 2015年11月 ■ 2017年1月 ■ 2018年1月 もともと世界トップの承認数であるが 2015~2018年にかけての伸び率もトップ ダントツの遺伝子組み換え承認国・日本

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40 参照 / reference 日本は組み換え作物輸入量も世界でトップクラス バイテク情報普及協会 日本の遺伝子組み換え作物の輸入推定量(2018) https://cbijapan.com/wp-content/uploads/2019/09/2018_Japan_GM_import_190827-1.pdf 作物の輸入量 (単位:千トン) 遺伝子組み換え 作物の推定輸入量 (単位:千トン) 遺伝子組み換え 作物の輸入比率 トウモロコシ 15,802 14,558 92% 大豆 3,236 3,053 94% ナタネ 2,337 2,082 89% 綿 103 95 92% 日本の遺伝子組み換え作物の輸入推定量(2018) 主要な(トウモロコシ、大豆、ナタネ、綿)遺伝子組み換え作物を日本は大量に輸入して いる。輸入量に占める遺伝子組み換え作物の割合はそれぞれ90%前後を超えており、 輸入量も世界トップクラスだと言われる=大量に遺伝子組み換えを消費していると言える

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41 参照 / reference 日本では1996年から輸入が開始され消費大国に 1973 1994 1996 2018 アメリカにて遺伝子組み換えの実験が成功 アメリカで世界初・商品化された遺伝子組み換え作物(トマト) 販売 日本で遺伝子組み換え食品の輸入開始 日本は遺伝子組み換え承認世界一、輸入・消費量もトップクラス

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42 参照 / reference トウモロコシ 大豆 綿 ナタネ 甜菜 (テンサイ) アルファルファ パパイヤ ジャガイモ スクワッシュ サトウキビ リンゴ ナス アメリカ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ブラジル ● ● ● ● アルゼンチン ● ● ● カナダ ● ● ● ● ● ● インド ● パラグアイ ● ● ● 中国 ● ● パキスタン ● 南アフリカ ● ● ● ウルグアイ ● ● ボリビア ● オーストラリア ● ● フィリピン ● ミャンマー ● スーダン ● メキシコ ● スペイン ● コロンビア ● ● ベトナム ● ホンジュラス ● チリ ● ● ● ポルトガル ● バングラデシュ ● コスタリカ ● ● インドネシア ● エスワティニ ● 日本で認められている遺伝子組み換え作物 日本では ①トウモロコシ ②大豆 ③綿 ④ナタネ ⑤甜菜 ⑥アルファルファ ⑦パパイヤ ⑧ジャガイモ の流通が認められている つまり、主要な遺伝子組 み換え作物はすべて流通 が可能となっている

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日本で流通している遺伝子組み換え作物の数 が8種だと知り「意外と少ない」と思われた かもしれませんが、そんなことはありません。 これら作物が、どのように加工され、私達が 食しているかを次頁以降で見ていくと、 どれ程、私達が日々の生活で摂取しているか 理解できます。

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44 参照 / reference トウモロコシ コーン油 コーンスターチ 植物油 マーガリン ショートニング ファストブレッド デンプン 果糖ぶどう糖液糖 水あめ 蔵造用アルコール デキストリン 醸造酢 みりん風調味料 ケーキ・クッキー・チョコ菓子など トウモロコシを原料につくられるもの ケーキ・クッキーなど 菓子パンなど 清涼飲料、アイス類など キャンディなど 日本酒など インスタントスープ カレールウ など ドレッシング、焼肉のたれなど 子どもにたべさせたくない 遺伝子組み換え食品(天笠啓祐・食べもの文化編集部)芽ばえ社 P24-25

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45 参照 / reference 大豆 大豆油 醤油 サラダ油 マーガリン ショートニング ファストブレッド マヨネーズ 植物たんぱく たんぱく加水分解物 ケーキ・クッキー・チョコ菓子など ケーキ・クッキーなど 菓子パンなど 大豆ハムなど カップラーメンなど スナック菓子、ビスケット アイスクリーム など 大豆たんぱく 大豆のレシチン ビタミンE 乳化剤 その他 あらゆる食材の調味料として スナック菓子など 子どもにたべさせたくない 遺伝子組み換え食品(天笠啓祐・食べもの文化編集部)芽ばえ社 P26-27 大豆を原料につくられるもの 揚げ物全般 あらゆる食材の調味料として

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46 参照 / reference ナタネ ナタネ油 ケーキ・クッキー・チョコ菓子など 揚げ物全般 子どもにたべさせたくない 遺伝子組み換え食品(天笠啓祐・食べもの文化編集部)芽ばえ社 P28-29 ナタネ・綿を原料につくられるもの 綿 綿実油 サラダ油 マーガリン マヨネーズ サラダ油 マーガリン マヨネーズ 素麺 揚げ物全般 ケーキ・クッキー・チョコ菓子など あらゆる食材の調味料として あらゆる食材の調味料として

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47 参照 / reference トレハロース 遺伝子組み換えは食品添加物にも使われる カラメル色素 キシリトール アスパルテーム-L カップラーメン、 シュークリームなど カップラーメン、 焼きおにぎりなど ガム・グミなど L-フェニルアラニン ネオテーム ビタミンC 調味料(アミノ酸等) キサンタンガム 各種アミノ酸 イノシン酸 グアニル酸 あらゆる食品の甘味料として ビタミンB2 あらゆる食品の甘味料として あらゆる食品の甘味料として 栄養補助食品 あらゆる食品の着色料として 炭酸飲料 あらゆる食品の酸化防止剤 スナック菓子、ビスケット サンドイッチ、レトルト食品 カップラーメンなど ジャム、飲料、ゼリー、アイ スクリームなど かつお節風味 あらゆる食品の調味料として バリン ロイシン セリン ヒスチシン イソロイシン など しいたけ風味 あらゆる食品の調味料として あらゆる食品の調味料として ・ 子どもにたべさせたくない 遺伝子組み換え食品(天笠啓祐・食べもの文化編集部)芽ばえ社 P30-3 ・ 遺伝子組み換え食品を避けるためのチェックシート みんなの食べ物編(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン)

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48 参照 / reference 子どもにたべさせたくない 遺伝子組み換え食品(天笠啓祐・食べもの文化編集部)芽ばえ社 P28-29 間接的に食すもの 卵 牛乳 チーズ・バター ヨーグルトなどの 乳製品 牛・豚・鳥などの 肉類 これら食材はそのもととなる家畜の飼料が遺伝子組み換え作物である ことが大半であり、間接的に多くの人が食していることになります (飼料で遺伝子組み換えを使っていない場合は、そのような表記がされます)

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何故、日本では遺伝子組み換え作物 を食べていることがわからないのか

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50 参照 / reference 気づけない理由(1)原材料の占める割合で限定 商品名 揚げかまぼこ 原材料 1:魚肉 2:植物油 3:野菜(ごぼう、にんじん) 4:でんぷん 5:砂糖 6:大豆たんぱく 7:食塩 食 品 の 原 材 料 表 示 は 重 量 の 多 い 順 か ら 記 載 さ れ る 遺伝子組み換えコーンスターチ の可能性があるが表示義務なし 遺伝子組み換え大豆 の可能性があるが表示義務なし 原材料の重量に 占める割合が上位3 番目以内しか 遺伝子組み換えの 表示をしなくて良い ルール サルでもわかる遺伝子組み換え(安田美絵) http://gmo.luna-organic.org/?page_id=614

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51 参照 / reference 気づけない理由(2)表示義務が無いものが多い トウモロコシを原料にするもの 大豆を原料にするもの ナタネ・綿を原料にするもの 添加物 卵・牛乳・乳製品・肉類 先程紹介した食品・食材・添加物類は表示義務がありません。これらが食品に入った際、 タンパク質が残らず、検査ができないことを理由にしています。しかし、世界では 表示義務を課している国が多く(P53参考)このことは、日本の姿勢を象徴しています。

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52 参照 / reference 気づけない理由(3)5%の混入を認める緩い基準 日本では・・・ 5% 迄、遺伝子組み換えの意図せぬ混入を認める 世界では・・・ 韓国・台湾 中国・オーストラリア EU 3.0 % 1.0 % 0.9 %

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53 参照 / reference 遺伝子組み換え表示に関する抜け道が多すぎる 表示義務のある 原材料の範囲 DNA・タンパク質が 検出できないものの表示 表示が免除される 意図しない混入率 日本 原材料における 上位3品目のみ ☓ (表示対象外) 5% 韓国 すべて ☓ (表示対象外) 3% 中国 すべて ○ (表示対象) 1% 台湾 すべて ○ (表示対象) 3% EU すべて ○ (表示対象) 0.9% オーストラリア 規定なし ○ (表示対象) 1% ここまで見てきた通り、日本は表示義務に様々な抜け道があり 消費者の知らない形で遺伝子組み換えを口にしやすい国になっている

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54 参照 / reference 遺伝子組み換えのリスクを知らせる、買わない ● 遺伝子組み換えの事実を多くの人に知らせる。 ※本スライドや記事が有用だと思った場合は、引用や転載など 自由にご活用下さい。冒頭のスライド一式からもDL可能です。 ● 遺伝子組み換えを避ける ・P44~48記載のものはなるべく避ける ※赤ちゃんの飲む粉ミルクにまでも入っています(表示なし) ・信頼できる農家・会社を見つけてそこから購入する ※気をつけている農家・会社は必ずアピールしています ・添加物を避ける(添加物は表示義務なく、また混入の可能性高い) ● 社会へ働きかける ・スーパーに遺伝子組み換えでない食品を確認したり、依頼する ・メーカーに直接問い合わせを入れる

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