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2022/05/13 阿久津岳志 機能横断型チームにおける技術改善 ~タイミーにおける1年間の取り組みを振り返る~ @sky_83325

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阿久津岳志 / @sky_83325 株式会社タイミー プロダクト本部 ワーカーチーム iOS Engineer

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タイミーのチーム体制 技術軸ではなく、バリューストリーム(顧客価値)単位でチームを構成し 開発しています デザイン、API設計、サーバーサイドの開発、フロントの開発、分析など全てのレイヤを1つのチームで解 決できる体制をとっています。

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チームの実例: マッチング領域 タイミーは以下のような体制でサービス開発をしています。 PdM(PO) デザイナー (トラベラー) スクラムマスター Backend Backend iOS iOS Android Android Analyst LeSS(Large Scale Scrum) Android Android Backend 開発チームA 開発チームB

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iOSに関することは全てiOSエンジニアが、 Androidに関することは全てAndroidエンジニアが、 サーバーサイドに関することは全てサーバーサイドエンジニ アが担当するという状況でした。 機能横断型でチームを作りつつも

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それが、最近は

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アナリストの方が 必要なトラッキングイベントを追加したのでPRレビューお願いします!

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アナリストの方が 昨日、Aさん(iOSエンジニア)が休みだったので 代わりにリリース申請しときました〜!

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Androidエンジニアの方が ここ仕様が変わったのでiOS側も変更しておきますね! PR投げたので確認お願いします!

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サーバーサイドの方が CSの部署の方から依頼来たので、新しくTestFlightのテスターの登録しときま すね〜!

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いかにして そのような状況に変化したのかを お話しします。 今日の発表では

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目次 ● 環境構築コストの削減 ● リリースプロセスの刷新 ● 各種オペレーションの自動化 ● まとめ

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目次 ● 環境構築コストの削減 ● リリースプロセスの刷新 ● 各種オペレーションの自動化 ● まとめ

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ツバメの会にて isowordsのSwiftPackageManagerを中心としたプロジェクト構成 面白いですよ 良さそうなのでやってみよう!

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外部ライブラリや各種CLIツールの管 理を全てSwiftPMで行うように 環境構築コストの削減

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外部ライブラリ/CLIツール 1年前は・・ 外部ライブラリの管理にはCarthage、CocoaPodsを利用し、 CLIツールの管理にはMintを利用していました。 そのため、それらのインストールのためにRubyやBundler、 Homebrewのインストールが必要になっていました。

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外部ライブラリ/CLIツール それを全てSwift Package Managerで管理するように Before 外部ライブラリ(RxSwift / Firebase / etc…) → CocoaPodsやCarthageで管理 CLIツール(SwiftGen / SwiftLint / etc…)→ Mintで管理 After 全てSwift Package Managerで管理するように

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社内ライブラリ 社内ライブラリもSwift Packageとして管理 外部ライブラリやCLIツールの管理をSwiftPackageManagerに移行したのに乗じて、 マルチモジュール開発のために作成していた社内ライブラリ(Feature Module)に関して もEmbedded FrameworkではなくSwift Packageとして管理するようにしました。

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脱XcodeGen 結果として、XcodeGenを剥がすことにも成功 Embedded Frameworkにおけるファイルの追加/削除は pbxproj ファイルで管理されるが、Swift Package内の変更は管理されません。 基本的な実装は全てSwift Package側で行うことで、pbxprojへの影響を限りなく少なくすることが出来ま す。 結果として、そのコンフリクト解決のために入れていたXcodeGenが不要になりました。

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環境構築コストの削減 その結果 ローカルの開発環境がXcodeにのみ依存するようになりました。 ※ ローカル環境でも一部の処理をするためにFastlaneを利用したいケースがあれば Rubyのインストールが必要になります。

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指定されたバージョンのXcodeだけ あれば開発可能になりました🎉🎉🎉

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環境構築も容易になりました Xcodeのみに依存した結果

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環境構築コストの削減 Before After 各種ライブラリやCLIツールの管理をXcodeに統合されているパッケージ管理システムであるSwiftPackageManagerを利用 することでプロジェクトの初期化処理が簡潔になりました。

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環境構築コストがゼロになった結果 コミッターが増えました 🎉🎉🎉

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環境構築コストの削減 環境構築が容易になったことでコミッターが増加 前職やプライベートでiOSの開発経験があるものの、タイミーでは他の職域で活躍している人が多数いま す。その方々が簡単なUX改善や、アナリティクスイベントの追加などのPRを投げてくれる事例がありまし た。 ※ もちろん、環境構築のコストが下がったことはこれらの1つの要因でしかなく、多くは彼らの努力(挑戦心/好奇心)によってもたらされたものかもしれませんが、 環境構築コストが下がったことによるコミットへの心理的ハードルの減少も少なからずあると思います。

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アナリストの方が 必要なトラッキングイベントを追加したのでPRレビューお願いします!

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Androidエンジニアの方が ここ仕様が変わったのでiOS側も変更しておきますね! PR投げたので確認お願いします!

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SwiftPMを中心としたプロジェクト構成に移行 タイミーのテックブログにも関連する内容の 記事を書きましたので、 こちらもご覧ください 大規模なマルチモジュール開発をSwiftPackageに 移行して運用してみた

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目次 ● 環境構築コストの削減 ● リリースプロセスの刷新 ● 各種オペレーションの自動化 ● まとめ

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たくさんの無駄が 省かれました リリースプロセスの刷新

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リリースプロセスを刷新 リリース作業をシンプルにするために以下を行いました - developブランチの廃止 - Semantic Versioningからの卒業 - マイルストーンでのリリース履歴管理を辞める

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リリースプロセスを刷新 Developブランチを廃止 ブランチ戦略をGit-flowからGitHub flowへ変更しました。 理由 1. Releaseブランチを設けているメリットが感じられなかった 2. ブランチが増えると、CI待ちの回数が増え、それを待つのが億劫だった

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リリースプロセスを刷新 Semantic Versioningからの卒業 日付を元にバージョンを決定するようにしました。(2022年5月13日 → ver22.05.13) 理由 1. SemanticVersioningを利用するメリットが見つからなかった 2. 機械的にバージョンを決定したかった

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リリースプロセスを刷新 マイルストーンでのリリース履歴管理を辞める 各リリースにどのPRが含まれているかをGitHubのマイルストーンを用いて管理していましたが、GitHub のRelease Noteを自動生成する処理に乗り換えた 理由 1. マイルストーンで担保したかったことを                       全て代替できたから

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たくさんの無駄を省いた結果、 GitHub Actionsの実行で 完結するようになりました リリースプロセスの刷新

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アナリストの方が 昨日、Aさん(iOSエンジニア)が休みだったので 代わりにリリース申請しときました〜!

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詳細は後日テックブログで リリースプロセスの刷新

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目次 ● 環境構築コストの削減 ● リリースプロセスの刷新 ● 各種オペレーションの自動化 ● まとめ

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定期的に必要な作業はMakefileに 処理をまとめています 各種オペレーションの自動化

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サーバーサイドの方が CSの部署の方から依頼来たので、新しくTestFlightのテスターの登録しときま すね〜!

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目次 ● 環境構築コストの削減 ● リリースプロセスの刷新 ● 各種オペレーションの自動化 ● まとめ

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まとめ iOS開発への参加コストを下げていきたい 他の職能の人がiOS開発へ参加しやすい/参加してみようと思ってもらえる状況を作るために - 環境構築のコストの削減 - リリース作業の自動化 - 各種オペレーションをコマンド化 してきました。

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まとめ Viewの開発コストを下げるために SwiftUI へ移行中 そして、今現在はよりiOS開発の参入コストを減らすために、SwiftUIへの移行中です - InterfaceBuilder時代 → コードレビューが実質不可 → 自己で研鑽することが多かった 🖥 - SwiftUI → コードレビューが可能 → チームでスキルを向上していける 🙌

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まとめ iOSエンジニアだけど - AndroidのViewの開発(JetpackCompose)ならわかる - 簡単なAPIの開発なら出来る Railsエンジニアだけど - iOSの運用(テスターの登録 etc..)なら手伝える - 簡単なiOSのバグであれば修正してリリースできる デザイナーだけど - 簡単なレイアウトのずれはiOS/Androidともに直せる

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もしこの発表を見てタイミーに興味を持った方がいればこちらご覧ください!

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Thank you