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ヘイトスピーチがある世界のコミュニケーション ―ネガティブなコミュニケーション資源をめぐって― 2024年日本コミュニケーション学会関東支部研究会 「コミュニケーション学とヘイトスピーチ」 2024.11.16 @二松学舎大学 二松学舎大学 谷島貫太 1

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自己紹介 名前:谷島貫太(KANTA Tanishima) 所属:二松学舎大学文学部 専門:技術哲学/メディア論 https://researchmap.jp/tanishimakanta https://speakerdeck.com/ktanishima 〇 最近の関心: ・指標(インデックス)をめぐる問題 ・メディアにおける流通の問題 ・デジタルアーカイブにおけるユーザー/主体概念の問題 2

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発表の構成 1. 本発表の問い 2. アイデンティティとヘイトスピーチ 2.1.アイデンティティ構築と言説実践 (理論的寄り道: Silversteinの非言及的指標性) 2.2. アイデンティティ構築プロセスの阻害としてのヘイトスピーチ 3. ヘイトスピーチとネガティブなコミュニケーション資源 3.1. 公共財としての〈安心〉とその破壊 3.2. ネガティブなコミュニケーション資源 3.3. 日常にのしかかるネガティブなコミュニケーション資源 4. まとめ 3

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1. 本発表の問い ヘイトスピーチがある世界におけるコミュニケーションを どのように捉えることができるか? ヘイトスピーチやカウンタースピーチという出来事のあとでも 日常のコミュニケーションをしつづけなければならない ☞ヘイトスピーチはコミュニケーション環境に何をもたらすのか? 4

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2.アイデンティティとヘイトスピーチ 5

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2.1. アイデンティティ構築と言説実践 ヘイトスピーチは他者のアイデンティティ基盤を攻撃する アイデンティティ構築の実践をめぐる議論から出発し その実践への攻撃的介入としてヘイトスピーチを位置付ける 〇 本発表の基本戦略 6

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2.1. アイデンティティ構築と言説実践 Bucholtz, M., & Hall, K. (2005). Identity and interaction: a sociocultural linguistic approach コミュニケーションにおいて指標がアイデンティティ構成identity-makingの 役割を果たしているという観点からエスノグラフィー的な研究を展開 アイデンティティ表示identity-markerではなく アイデンティティ構成identity-making(嶋田, 三上 2023) ※Bucholtz&Hallはidentity constructionという表現 言語変種と社会属性との関係の研究における、第一波・第二波では指標は言語における 社会属性のmarkerとして位置付けられていたのに対し第三波(その中心がBucholz& Hall 2005)では指標はidentity making/constructionの役割を果たすものと位置づ けられ、それに応じて指標性がより重要な概念として浮上してくる(Eckert 2012) 7

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理論的寄り道 8

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(Silversteinの非言及的指標性) ・非言及指示的指標 nonreferential indexes 「一つあるいはそれ以上の状況的(コンテクスト的)変数が持つ特定の価 値を指示するような発話の側面」(Silverstein 1976: 29, シルヴァスティ ン 2009a: 278) ☞ジェンダー指標、敬意指標、言語変種 ☞特定のジェンダーを指標する男性/女性らしい語尾、社会的関係性 を指標する「先生」「先輩」などの敬称、出身地を指標する方言 ・参照的指標 referential indexes 特定の対象を参照referする指標 ☞時間/空間/人称ダイクシス ☞「さっき」/「ここ」/「わたし」 ※実際にはSilversteinは命題的言明を特定の対象へと結びつける文 脈化作用全般を参照的指標として位置付ける 発話の特定のポジションへの投錨作用anchoring 9

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(Silversteinの非言及的指標性) ・指標的前提化作用 indexical presupposition 既存の社会的コンテクストや社会構造を前提とした上での 特定のポジションへの投錨 ☞仮面のセッティングが決まっている中でどの仮面をつける かの選択 ・指標的創出作用indexical creativity 「ある種の純粋指標的トークンの使用には、指標的前提化作用とは 対照的な、一般的な創出的(creative)、すなわち遂行的 (performative) 側面がある」(同上:284) ☞仮面のセッティングに介入し、セッティングを組み替える働き ※既存のセッティングに即して振舞うという選択自体に 規範強化的な遂行性がある、という解釈も 10

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(Silversteinの非言及的指標性) コミュニケーションの基底では、参加者がどのようなポジショ ンに投錨しそのコミュニケーションに参加するのかという、ダイ ナミックかつ多声的な介入が常に行われている ・そうした投錨作用を具体化しているのが指標 ・指標のうちには発話をめぐるポジションの多声的な ダイナミズムが凝縮されている ・指標に着目することでそれを読み取ることができる 11

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寄り道終了 12

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2.1. アイデンティティ構築と言説実践 コミュニケーションにおけるアイデンティティ構築の5つの原則 (Bucholtz and Hall 2005) Emergence(創発): アイデンティティは言語的・非言語的実践の結果であり、内的な 心理的現象ではなく、社会的・文化的な現象 Positionality(位置性): アイデンティティは年齢や性別などのマクロレベルのカテゴリ 、場面ごとのスタンス、地域固有の文化的ポジションなど、多層的に構成される Indexicality(指標性): アイデンティティは言語形式やスタイル、暗示、ラベル付けを通 じて指標的に構築される Relationality(関係性): アイデンティティは他者との類似や差異、正当性や権威など の関係性を通じて構築される Partialness(部分性): アイデンティティは一部は意図的であるものの、完全に意識さ れたものでなく、他者の認識やイデオロギー的プロセスの影響を受けるため常に変動的 13

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2.2. アイデンティティ構築と言説実践 ラベルとカテゴリー:アイデンティティを直接示す言語的なラベルやカテゴリー 含意や前提:暗黙の意味合いや、話し手の背景的な前提を介して間接的にア イデンティティを指し示す資源 スタンスの表示:感情や評価、知識の有無などを示すスタンスを取ることで、 話し手の態度や社会的立場を表す スタイルとコード選択:特定の社会集団や文化に関連づけられた言語スタイル やコードを選択することで、アイデンティティを指標的に構築する。 アイデンティティ構築における指標のタイプ (Bucholtz and Hall 2005) 社会的構造のさまざまなレベルでアイデンティティ構 築のための資源が指標によって動員される 14

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2.2.アイデンティティ構築プロセスの 阻害としてのヘイトスピーチ 〇 関係性原則 relationality principle Bucholtz and Hallはこの関係性を、指標を介して社会的資源 を動員しあうポリフォニックな折衝として捉える ヘイトスピーチは「折衝negotiation」ではなく、社会的な権力構 造を背景に他者のアイデンティティ基盤そのものを攻撃することで 自身のアイデンティティを構築する発話行為だと解釈可能では? 15

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2.2.アイデンティティ構築プロセスの 阻害としてのヘイトスピーチ ≠ヘイトスピーカーのアイデンティティ構築 ≠直接のターゲットが受ける危害 ≠カウンタースピーチなどの対抗的アイデンティティ構築 本発表の問い(再掲) ヘイトスピーチがコミュニケーション環境にもたらす影響を考える ちなみにアイデンティティ構築プロセスのアプローチでヘイトスピーチが扱 われる場合は、ヘイトスピーカーあるいはカウンタースピーカーのアイデン ティティ戦略という観点から議論されることが多い印象 Cf, (Saleem et al. 2017; Canakis 2018; Roach 2021) 16

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2.2.アイデンティティ構築プロセスの 阻害としてのヘイトスピーチ Langton, R. (2012). Beyond belief: Pragmatics in hate speech and Pornography. 「発話内行為 illocutionary act」としてのヘイトスピーチ ☞直接のターゲットだけでなく社会における信念体系に介入 ※ラングトンはそこでの介入対象を信念だけでなく態度や欲望にまで拡張 「直接」の当事者だけでなく社会全体にとって の問題としてのヘイトスピーチ 社会における人々の振る舞いの条件を体系的に組み替えていくものとしてのヘイトス ピーチについては、表現へのコミットメントという観点からのTirrell(1999; 2012)や、 Tirrellの議論をブランダムの推論主義にもとづき発展させた堀田(2024)も参照。 17

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2.2.アイデンティティ構築プロセスの 阻害としてのヘイトスピーチ 個別のヘイトスピーチは、コミュニケーションのための マクロな資源レパートリーをネガティブに組み替えてしまう ヘイトスピーチの直接の対象になっていなくてもコミュニ ケーションにおけるアイデンティティ構築プロセスにおいて 活用可能な資源レパートリーの劣化という点で、社会のメン バーが広く影響を受ける Langtonの議論を、信念や態度ではなくアイデンティティ構築の 社会的資源への介入へと捉え返す 18

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3. ヘイトスピーチと ネガティブなコミュニケーション資源 19

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3.1. 公共財としての〈安心〉とその破壊 ジェレミー・ウォルドロン 『ヘイトスピーチという危害』(原著2012年) 公共財commonsとしての〈安心〉 「日常生活の中で遭遇したり向き合わされたりする何百、何千という見知らぬ人々 によって、彼らがどのように扱われるはずであるかについての安心」(同書: 97) 「秩序ある社会というものは、この公共財を供給することに――すなわち、この安 心を一般的にかつ広く分散して供給することに、かつまたこの安心がそれにかかっ ている基本的な尊厳を承認し支持することに、体系的で構造的な関心を有すると 私には思われる。」(同書: 110) 公共財としての〈安心〉とそのベースとなる〈尊厳〉 を破壊するのがヘイトスピーチ ※この議論をプラグマティズムの文脈で発展させたものとしては和泉・朱・仲宗根(2018)参照。 20

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3.1. 公共財としての〈安心〉とその破壊 アイデンティティ構築プロセスにおけるリソースとしての 〈安心〉と〈尊厳〉とはなにか? 個別のレジスターを下支えする、メタレジスターとしての シティズンシップではないか コミュニケーションにおける 〈基本的人権〉のようなもの? ヘイトスピーチによる 〈コミュニケーションコモンズ破壊説〉 21

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3.1. 公共財としての〈安心〉とその破壊 ただし〈コミュニケーションコモンズ破壊説〉では不十分 ・水が汚染されたら全員が同じように困る ・しかしヘイトスピーチの場合、不利益の配分は圧 倒的に不均等 そこで新たな説を提案 22

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3.2.ネガティブなコミュニケーション資源 〈ネガティブなコミュニケーション資源産出説〉 ヘイトスピーチは、ネガティブなコミュニケーション資 源を産出することでコミュニケーション環境を不均等 に悪化させる ネガティブなコミュニケーション資源(NCR)は、各コ ミュニケーション参加者にそれぞれの仕方でネガティ ブな出発点を強制するという形で作用する 23

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3.2.ネガティブなコミュニケーション資源 ゴフマンのスティグマ論(ゴフマン 2024)との差異 ゴフマン:スティグマ化された人々による社会との相互 作用を考える NCR:スティグマが再生産されていく社会プロセス全体にお けるコミュニケーションの条件を考える スティグマ化された人たちのコミュニケーション(相互作用) スティグマ化された人たちとのコミュニケーション(相互作用)も含む 24

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3.2.ネガティブなコミュニケーション資源 〇 NCRと〈安心/尊厳〉 市民社会においては、コミュニケーションの最もベーシックなリソースとして シティズンシップにもとづく〈安心/尊厳〉リソースが利用可能 しかしNCRが存在していると、〈安心/尊厳〉リソース は自明のものとしては活用できなくなる NCRを清算するというコストを払わないと 〈安心/尊厳〉リソースにアクセスできない 25

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3.3.日常にのしかかるNCR 〇 同僚の中国人教員Y先生との事例 ・今年九月、中国の深圳市にて日本人の小学生男児が刺殺 される事件発生 ・Y先生はTwitterにて誹謗中傷を受ける ・FBの投稿でも、精神的にかなり疲弊している様子 ・ちょうどその時期、大学に出校した際にY先生とエレベーター で一緒になった 〇 若干の背景補足 ・Y先生は14歳から日本に住んでおり、日本での生活の方が長い ・中国政府に対してはきわめて批判的 ・Y先生と僕は非常に仲良くしていて研究会も一緒に行っている 26

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3.3.日常にのしかかるNCR 〇 考えうる選択肢例 1)事件については何も触れない 2)事情を分かっていると含ませて「大変ですね~」と軽く声をかける 3) 「SNSは地獄ですね~」と暗にSNSから距離を取った方がいいと助言する 4)もっと踏み込んで、「ああいう誹謗中傷は許せないですね」と声をかける 〇 当然の大前提 とても仲の良い関係だとしても、中国人と日本人という ポジショナリティを強烈に意識せざるをえない状況 27

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3.3.日常にのしかかるNCR 〈安心/尊厳〉を無前提では活用できない 〇 アウトな選択 5)「自分は日本人とか中国人とか気にしてないですから」 マイクロインバリデーション 「まず、それらのメッセージは、受け手に対して、人種に関する話題を議論や会話に持ち込 まないように要求するものとなる。また、有色人種は同化したり変容すべきであると表明す るものになる。しかしそれらは一方で、レイシストとして見られないための巧妙な防衛工作 として、他方で有色人種の人種にまつわる経験を否認するものとして、意図されている。」 (スー 2020: 80) 社会のなかのマジョリティメンバーは事実としてNCRを 無視できるが、その場合には、マイノリティへのしばしば 不可視化されたアグレッションが生み出される ※ヘイトスピーチとマイクロアグレッションの関係については池田(2024)参照 28

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3.3.日常にのしかかるNCR NCRは、社会の構成員がコミュニケーションを行う際に 不均等に割り振られるネガティブな手札として位置付けられる 〇 NCR概念のメリット 市民プレイヤー: NCRを比較的意識せずにすむマジョリティメンバーが、〈安心/尊厳〉に基づいたコ ミュニケーションを実現させるために本当は払わなければならないコスト(あるいはそ れを払わないことで生み出されるアグレッション)を意識化できる 観察者(研究者): 差別的社会構造を背景としたコミュニケーションにおいて、〈安心/尊厳〉に基づいた コミュニケーションが成立する手前での各プレイヤーのコミュニケーション行為を、 NCRへのそれぞれの(非)戦略的対応という観点から分析できる 「共通基盤common ground」(Stalnaker)が成立する 手前の暴力性をはらんだコミュニケーションゲーム 29

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3.3.日常にのしかかるNCR 〈安心/尊厳〉にもとづいたコミュニケーションを 円滑に実現するには ・NCRを少しでも減らす努力が求められる ・しかしNCRをまったくもたない社会は現実には困難なので、 NCRの配置をできるだけ正確に把握する努力をする(マイノリ ティは強制的に把握させられる) ・その上で個別のコミュニケーションにおいてNCRを丁寧に清 算していく努力がつねに求められる 30

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4.まとめ ・コミュニケーションが成立する基底では、指標を介してのポジション管 理/アドホックなアイデンティティ構築プロセスが作用している ・ヘイトスピーチは、そのプロセスを成立させるための前提を 攻撃するアクションである ・NCRという概念は、ヘイトスピーチが生み出すネガティブな効果を、社会 におけるコミュニケーション参加者に割り振られる半強制的な手札(コ ミュニケーションの資源)として位置付ける ・この概念により、〈安心/尊厳〉に基づいた(リベラル的主体による)コミュニケー ションが成立する手前に位置するコミュニケーション上の困難を可視化でき、そこ での各主体の振る舞いの戦略を微視的に分析することができる視座が手に入る 31

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参考文献 Bucholtz, M., & Hall, K. (2005). Identity and interaction: a sociocultural linguistic approach. Discourse Studies, 7(4–5), 585–614. Canakis, C. (2018). Contesting identity in the linguistic landscape of Belgrade: An ethnographic approach. Belgrade English Language and Literature Studies, 10(1), 229–258. Eckert, P. (2012). Three Waves of Variation Study: The Emergence of Meaning in the Study of Sociolinguistic Variation. Annual Review of Anthropology, 41(Volume 41, 2012), 87–100. ゴフマン, アーヴィング. (2024)スティグマの社会学 烙印を押されたアイデンティティ, 石黒毅(訳),せりか 書房. (Goffman, E. (1963). Stigma notes on the management of spoiled identity. Prentice Hall. 堀田義太郎. (2024). ヘイトスピーチ・推論主義・社会集団. 本多康作, 八重樫徹, 谷岡知美 (編著), ヘイトスピー チの何が問題なのか 言語哲学と法哲学の観点から(pp. 75–103). 法政大学出版局. 池田喬. (2024). ヘイトスピーチとマイクロアグレッション――相違点と共通点. 本多康作, 八重樫徹, 谷岡知美 (編著), ヘイトスピーチの何が問題なのか 言語哲学と法哲学の観点から(pp. 55–74). 法政大学出版局. 和泉悠, 朱喜哲, 仲宗根勝仁. (2018). ヘイトスピーチ――信頼の壊しかた. 小山虎(編著), 信頼を考える――リ ヴァイアサンから人工知能まで(pp. 281-304). 勁草書房. Langton, R. (2012). Beyond belief: Pragmatics in hate speech and Pornography1. In Speech and Harm (pp. 72–93). Oxford University Press. Roach, L. (2021). “You had me there. Right up to the bit you were racist”: A computer mediated discourse analysis of hate and counter speech in social media (Doctoral dissertation). Cardiff University, School of Social Sciences. 32

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参考文献 Saleem, H. M., Dillon, K. P., Benesch, S., & Ruths, D. (2017). A web of hate: Tackling hateful speech in online social spaces. In arXiv [cs.CL]. arXiv. http://arxiv.org/abs/1709.10159 嶋田珠巳, 三上剛史. (2023). 言語使用とアイデンティティ構成―社会言語学と現代社会論の交差―. 社会言語科学, 25(2), 9–24. シルヴァスティン, M. (2009)「転換子、言語範疇、そして文化記述」小山亘 (編著), 記号の思想 現 代言語人類学の一軌跡: シルヴァスティン論文集 (pp. 251-316). 三元社. Silverstein, Michael, 1976. “Shifters, linguistic categories, and cul皿aldescription.” In: Keith H. Basso and Henry A. Selby, eds., Meaning in Anthropology, pp. 11-55. University of New Mexico Press:Albuquerque. スー, D, W. (2020).日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション――人種、ジェンダー、性的指 向:マイノリティに向けられる無意識の差別, マイクロアグレッション研究会(訳), 明石書店. (Sue, D. W. (2010). Microaggressions in everyday life: Race, gender, and sexual orientation. John Wiley & Sons Inc.) Tirrell, L. (1999). Derogatory terms: Racism, sexism and the inferential role theory of meaning. https://philpapers.org/rec/tirdtr Tirrell, L. (2012). Genocidal language games. Speech and Harm: Controversies over Free Speech, 174–221. ウォルドロン, ジェレミー. (2015)ヘイトスピーチという危害, 谷澤正嗣, 川岸令和(訳), みすず書房. (Waldron, J. (2012). The harm in hate speech. Harvard University Press.) 33