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2030年のPCスペックを⼤雑把に予想してみる 武川 努 2020/07/17 Iret tech lab #001

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⾃⼰紹介 武川 努 所属︓アイレット株式会社 クラウドインテグレーション事業部 仕事︓AWS/GCPをつかったシステム構築・運⽤ 1

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あらすじ 概要 • CPU/メモリ/ストレージの歴史から2030年のPCスペックを予想 あらすじ • 2020年のPC • 2030年のPCの予想 • CPUの変遷と予想 • メモリの変遷と予想 • ストレージの変遷と予想 2

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今⽇はなせないこと ディスプレイ、サウンド ⼊⼒インタフェース(VR/AR/⾳声/キーボード/マウス) GPU/GPGPU ネットワーク。LAN/WAN/有線/無線 ソフトウェア(OS/⾔語/ミドルウェア) 電源、バッテリー 3

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2020年のPC 4 項目 5万円 Lenovo Ideacentre 720 30万円 Dell Optiplex 7071 CPU AMD Ryzen™ 3 2200G (3.5GHz 4コア) Intel® Core™ i7-9700 (4.7GHz 8 コア) メモリー 8GB DDR4 2666MHz 16GB DDR4 2666MHz ストレージ HDD 1TB 7200 回転 M.2 NVMe 512GB SSD グラフィッ クカード CPU内蔵(AMD Radeon Vega 8) NVIDIA GeForce® RTX 2080 8GB

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2030年のPC予想 5 価格 5万円 30万円 年 2020 2030 2020 2030 CPU x64 (3.5GHz 4コア) Arm (4 GHz 8コア) x64 (4.7GHz 8 コア) Arm (6 GHz 64 コア) メモリー 8GB DDR4 16GB GDDR6 16GB GDDR6 128GB GDDR8? ストレージ HDD 1TB SATA SSD 2TB PCIe 3.0? SSD 512GB M.2 NVMe SSD 50TB PCIe 9.0? その他 CPU内蔵 (AMD Radeon Vega 8) CPU内蔵GPU NVIDIA GeForce® RTX 2080 8GB CPU内蔵 GPU AI 画像処理

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CPUの変遷と予想 メモリの変遷と予想 ストレージの変遷と予想 6

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(CPUの前に)プロセスルール・トランジスタ数 • 半導体は⼩さく素⼦(配線)を作るほど⾼性能 • プロセスルール…⼤雑把には作成できる線のサイズ • プロセスルールが半分 -> トランジスタ数は4倍 • ムーアの法則:半導体の集積率は18か⽉で2倍 • 10年で約100倍 7

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CPUの変遷 8 https://en.wikipedia.org/wiki/Transistor_count より

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CPUの変遷 2 9 • AMDの躍進 – Epyc – Ryzen • Armプロセッサ – Apple A12X – Qualcomm Snapdragon – HiSilicon Kirin – Nvidia Tegra Xavir – Fujitsu A64FX (2018) – AWS Graviton2 (2019) AWSにおいて AMD EPYCサーバは M5a/C5a Graviton2は M6g/C6g で利用可能

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10年後のCPU予想 トランジスタ数が1000 - 2000億程度のチップが作れる x64 CPUであれば 512 - 1024 コア相当 I/O的に性能がつかいこなせない 画像処理・AI処理・メモリなどを組み込んだSoCが有利 x64 CPUよりも省電⼒、カスタマイズ性に優れるArm CPUが主流になる GAFAM製のCPUが⼀般的になるかもしれない クロック数は上がらない Armの8コア 4GHz プロセッサが5万円PCに積まれる Armの64コア 6GHz プロセッサが30万円PCに積まれる 10

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CPUの変遷と予想 メモリの変遷と予想 ストレージの変遷と予想 11

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メモリの変遷 https://jcmit.net/MemDiskPrice-xl95.xls より抜粋 12

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10年後のメモリ予想 13 • 寡占化の影響かコスト低 下の速度が緩い • CPUコア数の増⼤で通信速 度がボトルネックになる 可能性が⾼く、容量より ⾼速なメモリが必要とさ れる • GDDR/SoCが主流になりメ モリの増設ができなくな る? ༧૝ɿ •ສԁ1$ͷϝϞϦ͸(# •ສԁ1$ͷϝϞϦ͸(#

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CPUの変遷と予想 メモリの変遷と予想 ストレージの変遷と予想 14

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ストレージの変遷 https://jcmit.net/MemDiskPrice-xl95.xls より抜粋 15

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10年後のストレージ予想 16 • 2025年頃にHDDドライブ の価格優位性はなくなる? • ⾼速インタフェースの必 要性 • 新技術 (MRAM/ReRAM/Phase- Changed-Memory(PCM)) ༧૝ɿ •ສԁ1$ͷ44%͸5# •ສԁ1$͸(#TͷଳҬΛ ΋ͭ5#ͷ44%

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おまけ 17

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Quoraにあった2030年のPC予想 What will the CPU of 2030 likely be (e.g. faster clock speed, more cores, integrated GPU/CPU, etc.)? 18 ハイエンドのコンシューマ CPU は 256+コアクラスで、使用されるコア数に応じて約 2GHz から 5GHz で動作するようにな ります(実際の速度変化はありません)。Windowsの「何か」はまだメインのOSになるだろうし、Linuxはまだ何がメインにな るか悩むだろう......。 GPUはもちろんCPUの一部にはならないだろう。8kが当たり前になり、16kはすぐそこまで来ている。 RAMは128GBくらい。 10Gbit/sは光ファイバー接続の人には普通のインターネットの速度になるだろう。 8TBのクラウドス トレージで年間10ドルくらい、10Gbit/sなら意味がある。 2030年には、今は見えないブレイクスルーがあると思います。しかし、現在の状況からすると、CPUはより多くのコアを持 ち、GPUを含むようになると思います。クロックスピード的にはそれほど速くはならないでしょう。2030年の鍵となるのは、ソ フトウェアがどのように進化してすべてのコアを使用するようになるかだと思います。 Windows 10ではThreadripper 3990Xの64コアを完全に管理できないので、コア数を増やすことはあまり考えていません。 おそらく、生産技術を3,2ナノメートルにアップグレードして、クロックを上げていくでしょうが、ブーストモードのThreadripper をほとんど管理できないクーリングシステムに革命が起こるまでは、それはあまり意味がないでしょう。Lキャッシュは上が るだろう。Amdはほとんどの場合、統合されたGPUと6コアか8コアのRyzenをリリースするだろう。それ以上のことは考えら れない。

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2016-2019年のベンダ別CPUトランジスタ数 19 https://en.wikipedia.org/wiki/Transistor_count より

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雑感 PCについて • PCがなくなる? ≫ データ処理はスマホでおこなって、PCは⼊出⼒端末にかわる世界線 ≫ Chrome book のデスクトップ版 • I/O速度問題が深刻化 ≫ 64コアを使いこなす I/O をどう実現する︖ ≫ クロックを上げるか、並列度をあげるか、キャッシュレイヤをふやすか︖ この資料を作るにあたって • ⽇本語情報の少なさにびっくり • 過去の経験が⽬を曇らせている感がある • 予測の数字はいくらでも作れることを実感 • 正しさを保つためには予測の検証は常に必要 20