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プロジェクト炎上を予防するために メンバーひとりひとりができること NCDC Online Seminar NCDC株式会社 武⽅順平 2024/04/18

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NCDCのご紹介

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NCDCのサービス体系 Business 事業領域の推進 Design ユーザ視点での設計 Technology 技術による課題解決 Innovation • コンサルティング • 新規サービス企画 • PoC⽀援 • デザイン思考 • UX/UIデザイン • モバイル・Web先端技術 • IoT / AI / AR • クラウドインテグレーション

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はじめに

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5 みなさん、炎上したことはありますか?

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6 炎上、したくないですよね

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⾃⼰紹介:武⽅順平 l 所属:NCDC株式会社 l エンジニア:BtoB・BtoCのウェブアプリ開発 l PdM: PJ Insightの⽴ち上げ l 炎上経験:複数 7

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本⽇伝えたいこと l 不安は炎上のサイン l 不安を伝えることで炎上を減らせる l 不安を伝えやすくするには l 弊社での事例 8

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炎上と周辺概念の定義 プロジェクトの l 失敗:期間・予算・品質が⽬標未達 l 炎上:上記の回避が困難な状況 l デスマーチ:上記の中での過剰労働 9

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リスクと問題 l リスク:計画を阻害する起こりうる事柄 l 問題:計画を阻害するすでに発⽣した事柄 10 リスク 問題 顕在化 失敗 炎上

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リスクと問題 l リスク:計画を阻害する起こりうる事柄 l 問題:計画を阻害するすでに発⽣した事柄 11 リスク 問題 顕在化 失敗 炎上 コントロールしたい

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リスクマネジメントに必要なこと l 起こり得るリスクを洗い出す l リスクを評価する l リスクへの対応を考える 12

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システム開発の主なリスク l スケジュールの⽋陥 l ⾒積もりの失敗を含む l 要求の増⼤ l 開発中に要求が増える。市場が変化する l ⼈員の離脱 l 仕様の崩壊 l ⽣産性の低迷 13

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システム開発の主なリスク l スケジュールの⽋陥 l 要求の増⼤ l ⼈員の離脱 l 仕様の崩壊 l ⽣産性の低迷 14 → ほぼマネージャーの仕事

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15 メンバーができることはないの?

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16 あります

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メンバーにできること 不安を共有する → プロジェクトがうまくいく → チームが育つ 17 こともある

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18 どういうこと?

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システム開発の主なリスク l スケジュールの⽋陥 l 要求の増⼤ l ⼈員の離脱 l 仕様の崩壊 l ⽣産性の低迷 → 全てに備えるのは難しい →リスクに優先度が必要 19

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20 どのリスクの優先度が⾼いのか?

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リスクと問題 l リスク:計画を阻害する起こりうる事柄 l 問題:計画を阻害するすでに発⽣した事柄 21 リスク 問題 顕在化 失敗 炎上 コントロールしたい

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リスクの優先度 顕在化するリスクは対応が必要となる → 優先度が⾼い 顕在化しそうなリスクを知りたい 22

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理想のマネージャー l プロジェクトの内部事情(進捗・課題) → 把握している l プロジェクトの外部事情(市場・ステークホルダー) → 把握している l リスクの判断 → 適切である 23

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実際のマネージャー l プロジェクト内部事情 → 把握できていないことがある l プロジェクト外部事情 → 把握できていないことがある l リスクの判断 → 適切ではないことがある 24

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メンバーの⽅が詳しいこと l 専⾨性の⾼い知識 → プログラマなら特定の⾔語知識など l 作業の中で得られた知識 → 計画段階では⾒えなかった課題や解法 l 過去の経験から得た知⾒ → バックボーンの違い l リアルタイムの進捗状況 →報告を挟まない 25

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26 想像してください

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27 あなたは開発チームのメンバーです

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28 「ユーザー解約時の仕様が曖昧になっている」 「テスト⼯数が⾜りていないのでは?」 「このロジックだと本⼈に成り代われるのでは?」

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29 「ユーザー解約時の仕様が曖昧になっている」 「テスト⼯数が⾜りていないのでは?」 「このロジックだと本⼈に成り代われるのでは?」 → 業務の中での些細な違和感・不安

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不安は炎上リスクのサイン l 業務の中での些細な違和感・不安 → 顕在化が近い・部分的に顕在化している プロジェクトリスク 30

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不安は炎上リスクのサイン l 業務の中での些細な違和感・不安 → 顕在化が近い・部分的に顕在化している プロジェクトリスク l 顕在化が近いリスクを⾒つける⽅法 → メンバーの不安を共有する 31

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反論①:杞憂では? l 「⼀般によくあるリスク」というのが存在する → 過去の問題は今回もリスクになる l ⼀般でないリスク → 組織内での課題は変わらない 経験からの不安は根拠としてよい 32

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反論②:⾔わなくてもわかっているのでは? l 複数⼈が指摘すると確実性が⾼まる → 既知であることは⾔わない理由にならない 33

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ここまでのまとめ l プロジェクトのリスクを管理したい l マネージャーの不⾜知識をメンバーがサポート l 不安を伝えることでリスクを検知できる 34

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35 不安を伝えるとよいのでどんどん伝えましょう

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36 不安を伝えるとよいのでどんどん伝えましょう でも実際は…

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37 「ユーザー解約時の仕様が曖昧になっている」 「テスト⼯数が⾜りていないのでは?」 「このロジックだと本⼈に成り代われるのでは? 」

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38 どうしたのか

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39 「ユーザー解約時の仕様が曖昧になっている」 「テスト⼯数が⾜りていないのでは?」 「このロジックだと本⼈に成り代われるのでは? 」 → 「まさか24億円送ることはないだろう⚾」 → 「今から⼿戻りするのは許されないし」 → 「うまく⾏けばなんとかなるだろう」

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40 ⾔わなかった

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なぜ不安を伝えられなかったのか? 不安を伝えることで想定されるデメリット l 「⾯倒なことになる」 l 「仕事が増える」 l 「⾃分の責務ではない」 41

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不安を伝えるハードル 42

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マイナス意⾒を表明するハードル l プロジェクトへの不安 < 対⼈リスクへの不安 → 伝えられない → ⼼理的安全性が保たれていない 43

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⼼理的安全性を妨げる4つの要素 l 無知だと思われる(チームメンバーや上司に) l 無能だと思われる l 邪魔をしていると思われる l ネガティブだと思われる 44 エイミー・C・エドモンドソン「チームが機能するとはどういうことか」英治出版

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⼼理的安全性を妨げる4つの要素 l 無知だと思われる不安 l 無能だと思われる不安 l 邪魔をしていると思われる不安 l ネガティブだと思われる不安 45 →「仕様の理解が曖昧になっている」 →「⾒積もりが間違っていたかも」 →「ヘルプもらいたいけど他の⼈も忙しそう」 →「この機能の優先度は低いのでは?」

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不安を伝えるハードル 46

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ハードルを乗り越えてもらう① l 乗り越えるエネルギーを与える → 動機づけ 47

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不安共有による改善サイクル 48 プロジェクト メンバー チーム ①不安を共有 ②リスクに対応 ③不安が減る

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l 乗り越えるエネルギーを与える → 動機づけ → 不安を伝えたあとの⽅がストレスレベルが下がる認識 ハードルを乗り越えてもらう① 49

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ハードルを乗り越えてもらう② ハードルを下げる 50

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ハードルを乗り越えてもらう② ハードルを下げる → ⾔いにくい → ⾔いやすい仕組みを作ろう 51 「今のプロジェクトについての不安が3点ありまして いえ、まだ問題になってはいないのですが」

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ハードルを乗り越えてもらう② ハードルを下げる → 意志の⼒に依存しない → 習慣化・ルーチンの形成 52

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ハードルを乗り越えてもらう② ハードルを下げる → 習慣化・ルーチンの形成 🙅 むずかしいけど、がんばってね 🙆 ⾔いやすい仕組み作り 53

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まとめ:不安を伝えるには l ⼼理的安全性を育む l 不安を共有しやすい仕組みを作る → これでOK 54

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55 ここまで理想論

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こんなにうまくいくの? l 不安を共有してもらえない →「⼼理的安全性は1⽇で⽣えてくるものではない」 l リスクへの対応が失敗する 56

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不安共有による改善サイクル 57 プロジェクト メンバー チーム ①不安を共有 ②リスクに対応 ③不安が解消 されない ❌

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こんなにうまくいくの? l 不安を共有してもらえない →「⼼理的安全性は1⽇で⽣えてくるものではない」 l リスクへの対応が失敗する → 不安を共有しても成功体験に繋がらない → ⾔わないほうが良かった? 58

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希望もある l 不安にチームで向き合う経験 → 不安の共有は批判されるものではない、という認知 → この積み重ねが⼼理的安全性を育てる 59

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不安共有による改善サイクル 60 プロジェクト メンバー チーム ①不安を共有 ②リスクに対応 ③ 不安が解消 されない ❌

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不安共有による改善サイクル 61 プロジェクト メンバー チーム ① 不安を共有 ②リスクに対応 ③ 不安が解消 されない ②ʼ 不安を受容 ③ʼ ⼼理的安全 性を⾼める ❌

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希望もある l 失敗⾃体が学びになる → リスク対応の失敗経験を積む → チームの成⻑ 62

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弊社での事例 63

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弊社での事例 前提 l メンバー:30⼈程度(当時) l 5~10プロジェクト l 週次で全体MTG 64

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朝礼の場で週次のアンケートを⾏った 1. プロジェクトの不安を5段階評価 → 会議中にリアルタイムで⼊⼒ 2. 結果を確認 → 詳細を直接尋ねる 3. その場でアクションを設定 65

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なぜそうしたのか アンケートを投げるだけだと l 記⼊率を⾼めるのが難しい l 結果からさらなるヒヤリングが必要 → その場で記⼊してもらう l 各プロジェクトに閉じている情報 → 全体で取りこぼしがないように確認する 66

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気をつけたこと l ⼈事⽬的ではないことを周知 → プロジェクト改善が⽬的 l 回答結果でメンバーを評価しない → ネガティブな内容も書けるように 67

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結果どうなった? l 気が付かなかったリスクの発⾒ l スケジュールへの不安を発⾒し、調整 l 負担が⼤きいメンバーをフォロー l 不安の共有経験 l 同じ不安を別のメンバーも感じている 68

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アンケートの課題 l 全体の前では話しにくい → 関与する⼈数が増えると、対⼈リスクも増える l 「どうして不安に感じているの?」という質問が圧⼒ l Whyをその場で回答するのは難しい l 漠然とした不安のこともある l 規模が⼤きくなると実施に時間がかかってしまう → 仕組みの問題 69

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70 反省を活かして改善する

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全体の前では話しにくい → 全体の前で話すことをやめた 1. 回答結果を全体で確認せず、マネージャーが⼀次チェック 2. マネージャーは不明点をメンバーに確認しつつ、状況をま とめる 71

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対⼈リスクへの不安軽減 → ⽬的を再度共有 l プロジェクトのリスクを知ることが⽬的 l 個⼈の批判や⼈事評価を⽬的としているわけではない → 問いかけの仕⽅ l なぜ?(理由)ではなく l 何が起きているのか?(事実)を聞く 72

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規模が⼤きくなると実施に時間がかかる → プロジェクトごとの実施 73

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74 これらを踏まえてシステム化した

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プロジェクトごとにアンケートをとる メンバーは5段階評価・コメント → 開発中の些細な不安を共有 75

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回答を元にコミュニケーションを取る マネージャーは回答をもとにメンバーと会話 → リスクを把握する 76

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レポートを作成する PMは状況を報告する → ステークホルダーへ共有 77

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複数プロジェクトを⼀覧 情報をオープンにする → ⾵⼟の醸成 78

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まとめ l 炎上と不安 → 不安が炎上のサイン l 不安を伝えることで炎上を減らせる → メンバーが不安を伝える l 不安を伝えやすくするには l ⼼理的安全性を育てる l 話しやすい仕組みを取り⼊れる l 継続的な改善が必要 79

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81 PJ Insight でプロジェクトを継続的に改善 PJ Insight はプロジェクトが抱える潜在リスクをメンバーからのアンケートで 早期発見し、プロジェクトの本質を見抜き改善していくサービスです。 課題 不安 1on1 ⼯数調整 潜在リスクを可視化 リスクの解決行動 アンケートを送信 プロジェクトの改善 炎上防⽌ 品質 全体共有 コスト 納期

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82 PJ Insight で解決! で解決! 組織部⾨⻑・PMO 管理プロジェクトの状況を ⼀覧したい 適切なPMを アサインしたい 炎上前に事態を把握したい メンバーの本⾳を知りたい プロジェクトマネージャー(PM) 進捗管理だけでは不⼗分と 感じる ⼀⼈でプロジェクトを進め ることに不安 炎上リスクを 事前に察知したい メンバーの本⾳や不安を 知りたい プロジェクト進⾏中に出るこんなお悩みを・・・

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