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アンラーニングし続ける プロダクトマネジメント @Findy Lunch LT 株式会社グロービス Globis Digital Platform Director of Product 久津佑介

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2 自己紹介 久津 佑介 / Yusuke Hisatsu 株式会社グロービス Globis Digital Platform 学習サービス事業部 Director of Product @Nunerm プロダクトマネージャーカンファレンス実行委員会もやってます

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3 今日話したいこと プロダクトマネジメントにおいて 常に自分たちに疑いの目を向けて、 「その時の正解」を見つけられるようになろう

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4 これまでのPMキャリア リクルートテクノロジーズ CAMPFIRE GLOBIS Phase1 GLOBIS Phase2 GLOBIS Phase3 合理的 カオス 決める 整える ↑こういう感じで歩んできたよ、という話をします

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5 リクルート:合理的プロセス推進と「数字で決める」 リクルートテクノロジーズ CAMPFIRE GLOBIS Phase1 GLOBIS Phase2 GLOBIS Phase3 ● 巨大組織で合理的な文化 ● 事業は成熟期でKGI/KPIが明確 ● 基本的にソフトウェアプロダクト経験値が高い ● 決められたプロセスを早く確実に進める ● 時にはプロセスをハックする 前提 意思決定 プロセス 意思決定の 根拠 コミュニ ケーション ● KPIに基づく数字やファクトを多用 ● 組織が大きすぎて現場には降りられないので、 報告されやすくするために責任の明確化 ● しっかり納得させるレポーティング

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6 CAMPFIRE:合理的プロセス推進と「数字で決める」…? リクルートテクノロジーズ CAMPFIRE GLOBIS Phase1 GLOBIS Phase2 GLOBIS Phase3 ● 新規事業で何も定まっていない ● 10人程度の組織 ● ソフトウェアプロダクト経験がない人も多い 前提 ● 決められたプロセスを早く確実に進める ● 時にはプロセスをハックする 意思決定 プロセス 意思決定の 根拠 コミュニ ケーション ● KPIに基づく数字やファクトを多用 ● 組織が大きすぎて現場には降りられないので、 報告されやすくするために責任の明確化 ● しっかり納得させるレポーティング

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7 問題解決のためにやったこと ● プロダクトロードマップをビジュアライズしてチームへ浸透させた ● ユーザーインタビューを100回行って課題を抽出 ● ユーザーストーリーマッピングを行い課題を体系化 ● データ分析基盤を作ってダッシュボードを量産し、データドリブンで意思決定 ● リリース前にA/Bテストを必ず行い、成果への確実性を上げた ● アジャイルコーチを呼んで開発プロセスの再構築 無事に解決! 全然あきまへん

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8 CAMPFIRE:カオスのまま前に進める リクルートテクノロジーズ CAMPFIRE GLOBIS Phase1 GLOBIS Phase2 GLOBIS Phase3 ● 新規事業で何も定まっていない ● 10人程度の組織 ● ソフトウェアプロダクト経験がない人も多い ● プロセスは全く気にしない ● プロセスを合理化する時間も勿体無いので、曖 昧なまま進める 前提 意思決定 プロセス 意思決定の 根拠 コミュニ ケーション ● 不確実性が高すぎて数字は根拠にならないた め、まず動いてファクトを取りに行く ● 基本的に意見も合わないし噛み合わないので、 完璧な合意形成を目指さない ● 納得させることを諦める

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9 GLOIBS Phase1:これまでの経験の集大成だ…!? リクルートテクノロジーズ CAMPFIRE GLOBIS Phase1 GLOBIS Phase2 GLOBIS Phase3 ● 5つの開発チームが大規模スクラムを実施 ● (それ以外はよくわかってない) ● カオスのまま進めながら、合理的なプロセスを 作りあげるぞ! 前提 意思決定 プロセス 意思決定の 根拠 コミュニ ケーション ● すぐリサーチしてファクトベースの意思決定を する土壌を作るぞ! ● 効率的なコミュニケーションフローを作るぞ!

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10 問題解決のためにやったこと ● プロダクトロードマップをビジュアライズしてチームへ浸透させた ● ユーザーインタビューを100回行って課題を抽出 ● ユーザーストーリーマッピングを行い課題を体系化 ● データ分析基盤を作ってダッシュボードを量産し、データドリブンで意思決定 ● リリース前にA/Bテストを必ず行い、成果への確実性を上げた ● アジャイルコーチを呼んで開発プロセスの再構築 無事に解決! 何も上手くいかん

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11 GLOIBS Phase1:チーム間のハブ役に徹する リクルートテクノロジーズ CAMPFIRE GLOBIS Phase1 GLOBIS Phase2 GLOBIS Phase3 ● チームのサイロ化により、意思決定基準の乱発 ● 事業側の要望 vs 技術的負債解消 の対立構造 ● 意思決定のプロセスよりも、情報量を揃えるプ ロセス作り 前提 意思決定 プロセス 意思決定の 根拠 コミュニ ケーション ● とにかく前に進むこと ● 成功体験が積めるもの(信頼関係の構築) ● とにかく話を聞いて状況を理解し、必要な人に うまく伝達する ● 球を拾いまくる

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12 GLOIBS Phase2:任せる リクルートテクノロジーズ CAMPFIRE GLOBIS Phase1 GLOBIS Phase2 GLOBIS Phase3 ● チームのサイロ化問題は解決し新体制に ● チャレンジングな中長期の事業目標を設定 ● 久津は全体を見るDoPの役割に ● 各PMが担当領域の中で意思決定し、各々の判断 で調整・報告するプロセス 前提 意思決定 プロセス 意思決定の 根拠 コミュニ ケーション ● ユーザーの本質的な価値になっているかどうか ● リサーチや分析など多くの情報を扱って決める ● 積極的に権限委譲をして、自身はビジョンを語 る人 + 最終的に決める人に

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13 問題解決のためにやったこと ● プロダクトロードマップをビジュアライズしてチームへ浸透させた ● ユーザーインタビューを100回行って課題を抽出 ● ユーザーストーリーマッピングを行い課題を体系化 ● データ分析基盤を作ってダッシュボードを量産し、データドリブンで意思決定 ● リリース前にA/Bテストを必ず行い、成果への確実性を上げた ● アジャイルコーチを呼んで開発プロセスの再構築 無事に解決! 半年でダメダメに

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14 GLOIBS Phase3:基準を作る リクルートテクノロジーズ CAMPFIRE GLOBIS Phase1 GLOBIS Phase2 GLOBIS Phase3 ● 目標が曖昧すぎて目線がバラバラに ● 意思決定の根拠が多すぎて目線がバラバラに ● プロセスの更なる合理化 ● 「乗り越えるべき適度な壁」を作る 前提 意思決定 プロセス 意思決定の 根拠 コミュニ ケーション ● 数字で語れるものにフォーカスし単純化 ● 目線が合っているところは任せる ● 目線が合っていないところは積極的に介入し、 落ち着いたら離れる

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15 これまでやってきたこと 環境や状況が変わって 何かがうまくいかなくなったら 躊躇わずに今までのやり方を捨てて見直す

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16 問題解決のためにやったこと ● プロダクトロードマップをビジュアライズしてチームへ浸透させた ● ユーザーインタビューを100回行って課題を抽出 ● ユーザーストーリーマッピングを行い課題を体系化 ● データ分析基盤を作ってダッシュボードを量産し、データドリブンで意思決定 ● リリース前にA/Bテストを必ず行い、成果への確実性を上げた ● アジャイルコーチを呼んで開発プロセスの再構築 無事に解決! そんなに簡単にやり方を変えられるの?

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17 問題解決のためにやったこと ● プロダクトロードマップをビジュアライズしてチームへ浸透させた ● ユーザーインタビューを100回行って課題を抽出 ● ユーザーストーリーマッピングを行い課題を体系化 ● データ分析基盤を作ってダッシュボードを量産し、データドリブンで意思決定 ● リリース前にA/Bテストを必ず行い、成果への確実性を上げた ● アジャイルコーチを呼んで開発プロセスの再構築 無事に解決! めちゃくちゃ大変です

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18 どうやって変えるべきことを見つける? ● システム思考 ○ とにかく組織やプロダクトを俯瞰で見て、現状把握を徹底的に行う ○ 基本的には現場への執拗なヒアリングと構造化の繰り返し ■ 例:Value Stream Mapping ● 常識・定番を疑う ○ 世の中で常識・定番となっているものが、今最適なものなのか疑ってみる ○ 「そもそも我々はそれを活用する準備は整っているのか?」という問いを立てる ■ 例:データドリブン、JTBD、アジャイル、会議を減らすなど ● 他者評価をもらう ○ 「自分達のプロダクトマネジメントを他者に深掘りしてもらう」は効果的 ○ もし「うまくいかないことに対する言い訳」をしたら潜在的な改善ポイント

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19 どうやって変えるべきことを見つける? https://www.kandc.com/eng/interview/029/

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20 どうやって新しいやり方を見極める? ● トライアンドエラー ○ まずは小さくやって素早く評価する ○ うまくいかなかったら素直に「ごめんなさい」&「次はこうしよう」 ● 人の意見を鵜呑みにしすぎず、最後は自分の意思で決める ○ メンバーやステークホルダーの要望は必ずしも全て叶える必要はない ○ 正しく見極めるには、判断基準や引き出しを増やす必要はあるので、やはり 日々の情報収集や学習は大事 ○ 全て1人で抱え込む必要はなく、頼れるプロフェッショナルがいるなら頼る ■ 「現場に詳しいプロフェッショナルには全力で頼れ」 ■ 「現場に詳しくないプロフェッショナルの話は聞くな」

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21 どうやって新しいやり方を見極める?

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22 自己否定の恐怖を乗り越える ● 数ヶ月前に決めた方針を変えるのは確かに怖い(無能だと思われる恐怖) ● そんな時は「気にしない」のが一番 ● 「あのPMダメだな」と思われても、その後プロダクトが良くなれば忘れる ● 書籍「プロダクトマネージャーのしごと」より ○ 守りの姿勢(=自分のやり方に固執すること)に入ってはいけない ○ だからといって自己卑下をしてもいけない(誰もついてこなくなる) ● 「一度決めたら自信を持て、同時に疑いも持て、そして変える勇気も持て」

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23 今日話したいこと(再掲) プロダクトマネジメントにおいて 常に自分たちに疑いの目を向けて、 「その時の正解」を見つけられるようになろう

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24 宣伝 今日話したような感じで GLOBISのプロダクト開発は まだまだ発展途上です 視点を変えると、もっと良くなる余地があります このような環境で「学びの未来」を作りたい PMやエンジニアを絶賛募集中です!