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音声と点字で Windowsを操作できる NVDAの入門と最新情報 NVDA日本語チーム NVDAユーザ会広島 西本卓也 [email protected] @24motz 1

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スクリーンリーダーとは • 画面の情報をNon Visual に出力 – 音声合成 点字ディスプレイ – マウスを使わないで操作 • 活用方法 – 視覚障害 支援技術 – アクセシビリティに関する開発やテスト – 文書やデータの読み合わせや内容確認 – チャット書き込みの読み上げ 2

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NVDAの特長 • Windows XP から Windows 8 タッチ操作まで • オープンソース (GPL) • Firefox などのブラウズ利用 • Microsoft Office など主要ソフトウェア • 音声出力を画面上で確認 • USBメモリーで実行 • アドオンで機能拡張 • 開発が早い(言語 Python / C++) 3

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NVDAのリリースサイクル • Generally, final releases will be due on the closest feasible business day to 22 February, 22 May, 22 August and 22 November. – http://community.nvda-project.org/wiki/ReleaseProcess • 1年に4回(3か月ごとに)バージョンアップ – 日々バグ修正や改良を続ける – リリース予定日が来たらリリースする • フルタイムの開発者が1年中開発を続ける 4

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ユニバーサルデザイン • 米国リハビリテーション法508条改正 – 障害者が連邦政府機関を訴えてよいという話 • 正しい役割分担 – OS(誰でも使える) – アプリケーション(誰でも使える) – コンテンツ(誰でも使える) – スクリーンリーダー – 使う人の技能 5

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ユニバーサルなスクリーンリーダー • スクリーンリーダーの役割を広げすぎない – OS、アプリ、コンテンツも責任を果たすべき – ポータブル版(ビデオドライバ不要) • 他のソフトの欠陥を繕わない – OSのバグはOSベンダーが直すべき – アプリのバグはアプリ開発者が直すべき • 標準規格への対応(泥臭くない高機能) • 全世界の言語に一つのソフトで対応 – 言語ごとに機能を切り替えたりしない 6

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NVDAの歴史 • 2006年4月28日最初のリリース • 2007年1月 – Mozillaから支援:Firefoxウェブブラウザ対応 – 世界から開発者が参加し始める – 助成金や寄付金による非営利活動 • 2011年1月 ユーザーに募金を呼びかけ • 2012年~ 世界の当事者団体の資金援助 – 途上国支援、東アジア言語、PowerPoint 7

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NVDAの存在意義 • NV Access Limited (オーストラリア) – NVDA を開発する非営利組織 – 晴眼者と同じコストでコンピューターを利用したい – 政府や福祉団体だけが責任を負うべきでない • 晴眼者の開発者や指導者による利用 – 合理的配慮の根拠 – 日本でもWebアクセシビリティJISの裏付けとして 8

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NVDA日本語版の開発 • 2010年ごろから日本語版の配布を開始 – 試行錯誤の日々 – 本家版は2012.3から入力メソッド対応 • 2013.1jp で安定した日本語版が完成 – 音声合成、日本語文字入力、点字出力 • 本家版から半自動で日本語版ソース生成 – バージョン管理ツール (git) を活用 9

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NVDA日本語チームの活動 • NVDA本家版の日本語翻訳 • NVDA日本語独自版の開発 – 電子署名(本当は1年に約6万円) • 本家開発者へのバグ報告や要望 • コミュニティアドオンの翻訳 • 独自アドオンの開発 • イベント開催 10

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展望 • サブモジュールの日本語化が重要 – eSpeak – LibLouis • チュートリアル、教材 – www.nvda.jp 「説明」 – コミュニティ nvsupport.org, DemekinText • 今後 – 翻訳者の育成・海外コミュニティとの交流 11