Slide 1

Slide 1 text

データ分析は
 「次にどうするかを決めるため」
 にやること
 
 2021/09/21 


Slide 2

Slide 2 text

本資料について
 • 本資料は2021年9月に某社にて行った講演資料です
 • 講演のアーカイブはありません
 • 内容は全て発表開始時点における私見です。後日意見が変 わっているかもしれませんがご了承ください
 


Slide 3

Slide 3 text

自己紹介
 • 名前:しんゆう @data_analyst_
 • 最近の活動:データを使いやすくする人
      (データアーキテクトまたはデータ整備人)
 • ブログ:データ分析とインテリジェンス
      https://analytics-and-intelligence.net
 
 スライドが表示されているページの下段にある説明欄からもリンク があります


Slide 4

Slide 4 text

目次
 • 前提:「データ分析」はプロセスである
 • 「データ分析」は意思決定のために行う
 • 「データ分析」にまつわるいろいろな話
 
 


Slide 5

Slide 5 text

目次
 • 前提:「データ分析」はプロセスである
 • 「データ分析」は意思決定のために行う
 • 「データ分析」にまつわるいろいろな話
 
 


Slide 6

Slide 6 text

前提:「データ分析」はプロセスである
 • 本資料における「データ分析」とは「意思決定と分析のプロセス」 の「要求」から「伝達」フェーズをさす
 
 
 • つまり、目的を達成するための意思決定を助ける
 • 「データが与えられてそれを何とかする」
   =「処理」と「洞察」のフェーズではないので注意
 
 
 目的の 決定 要求 収集 処理 洞察 伝達 意思決定 と実行 フィード バック

Slide 7

Slide 7 text

料理に例えると
 • 意思決定と分析のプロセスは料理に例えるとわかりやすい
 • 「データ分析」とは「注文に応じた料理を作ること」
 


Slide 8

Slide 8 text

目次
 • 前提:「データ分析」はプロセスである
 • 「データ分析」は意思決定のために行う
 • 「データ分析」にまつわるいろいろな話
 


Slide 9

Slide 9 text

「データ分析」は意思決定のために行う • どんな言い方をしていても最終的には「次にどうするか意思決定 するため」であることは共通している(はず)
 • 例外:投資として事前に「データ」を作っておくことも「データ分析」 と呼ぶこともある。長期的には何かの意思決定に使われること が想定されている
 • 「処理」と「洞察」(あるいは「処理」だけ)をさして「データ分析」あ るいは「分析」と呼ぶこともあるが意思決定を無視していたらただ の「数字いじり」
 
 


Slide 10

Slide 10 text

データ分析は「予測や推論」 • 「データ分析」とは次のことを決めるためなので、未来のことを考 えているとも言える
 • 未来のことなので「予測や推論」が必要
 • 意思決定に必要なのは「過去の売上」ではなく「今後の売上はど うなるのか」
 • 過去の事実やニュースだけではいくら量があっても次にどうする か決められない
 


Slide 11

Slide 11 text

データ分析は「不確実性を減らす試み」 • もしデータ分析で完璧な予測が出来たら「確実」に決めることが できるがそんなことはできない
 • 完璧な予測ができないからとにかくやってみる、も違う
 • その中間にある「次にやることの不確実性を減らす試み」と表現 するのがよさそう
 


Slide 12

Slide 12 text

データ分析=どの道をいくとどうなるか • 見知らぬ土地で道が3通りある時、確実に間違いな道がわかれ ばそれを選択肢から外せばうまくいく確率は増える=不確実性 を減らす
 • 「どの道を行くか決める」ために「どの道をいくとどうなるのかを調 べる」のがデータ分析
 • 地図を捜す、地元の人に聞いてみる、実際に行ってみるなど方 法はいろいろ。地図がないこともれば、あっても間違っているか も
 
 


Slide 13

Slide 13 text

目次
 • 前提:「データ分析」はプロセスである
 • 「データ分析」は意思決定のために行う
 • 「データ分析」にまつわるいろいろな話
 


Slide 14

Slide 14 text

「データ分析」にまつわるいろいろな話 • 「データ分析とは何か」の話はおわり。ただ、これだけでは伝わり づらいと思う
 • そこで「データ分析」を題材にしていろいろな面から見ることでう まく捉えられるようにできないか、と考えた
 • 順番と重要度の関係はない。自分が受け入れられやすい話を選 んでもらえればいい
 • むしろここからが本番(?)
 
 
 


Slide 15

Slide 15 text

「データ分析」はだれでもやっていること
 • 「勘と経験と度胸(KKD)」ではなく「データ分析による意思決定」 と別物のように言われることもあるが間違い
 • 経験とはすなわちその人が持っている「データ」であり勘とは「洞 察」とも言える
 • つまり「データ分析」はだれでもやっていること
 • その時に自分の持っているデータ(経験)だけから考えるか、目 的にあわせてデータを外部から取ってくるかの違い
 • 自炊で全部済ませるか、レストランにも行くかはその人が何を求 めるか次第
 


Slide 16

Slide 16 text

決まっているなら実行したほうがいい • 表現や名称はともかく「データ分析」は「次にどうするかを決める ため」にやること
 • 言い換えると「次に何をするかが決まっている」=「意思決定が 終わっている」ならばさっさと実行したほうがいい
 • 「何かやらなければいけない」ではなく「現状維持」もまた意思決 定の1つ
 
 
 


Slide 17

Slide 17 text

• データ分析は「決めるため」なので実は「P」の一部
 
 
 
 • Cだけを「分析」と考えてしまうとPのための分析が抜ける=勘と 経験と度胸(KKD)で企画することになる
 • Pを作るための予測や調査がデータ分析
 
 PDCAとデータ分析 目的の 決定 要求 収集 処理 洞察 伝達 意思決定 と実行 フィード バック P D

Slide 18

Slide 18 text

• データ分析は「決めるため」なので実は「P」の一部
 
 
 
 • CはPの振り返りなので目的は決まっており「何をチェックするか」 から始まる
 • AはCに基づいての実行
 
 • 重要なことはPのためのデータ分析を忘れないこと
 PDCAとデータ分析 目的の 決定 要求 収集 処理 洞察 伝達 意思決定 と実行 フィード バック C A

Slide 19

Slide 19 text

全部「データ分析」のための手段
 • 個別に扱われがちだが全部「データ分析」のための手段
 ○ 数理モデリング/機械学習/クロス集計/〇〇法
 ○ A/Bテスト/効果測定/可視化
 ○ 定量/定性、〇〇分析/〇〇リサーチ
 ○ SQL/Python/R/各種プログラムやツール
 • 目的に合わせて手段を選ぶことが重要。自分ができなければ他 の人の力を借りる。自分ができる/やりたいことから初めてはい けない
 
 


Slide 20

Slide 20 text

「データ」と「インテリジェンス」の違い
 • 「データ分析」の別の表現もある
 • 「意思決定のために必要な情報」とは「特定の意思決定のため に洞察して得られた予測や推論」であり、それを「インテリジェン ス」と呼ぶ
 • 「情報」には「データ」と「インテリジェンス」がある
 • 「インテリジェンス」以外の「情報」は全て「データ」
 
 


Slide 21

Slide 21 text

データ分析=インテリジェンスを作る
 • 「データ分析」とは「データからインテリジェンスを作るプロセス」と もいえる
 
 
 
 
 データ全体は実質的に無限。一方で知りえることはその中のほんのわずか

Slide 22

Slide 22 text

「データ分析」だが「データ」を作っている • 「データ分析」といいつつも「インテリジェンス」ではなく「データ」を 作っている場合がある
 • 今ある課題に対する意思決定につながらないが、欲しいと思っ てからでは間に合わないので事前に分析を行う
 • 「特定の企業が作るデータ」は市場調査/競合調査/顧客満足 度調査/画像判別/基礎統計等
 • 注意:長期的には何かしらの意思決定のために使われることが 想定されている。誰かが「インテリジェンス」にしないなら「デー タ」を作っても貢献しない
 


Slide 23

Slide 23 text

都合のいい分析を要求されたら問いを変える • 「次にこうしたいからこういうデータが欲しい」に答えるなら「デー タ分析」とは別の何か
 • 自分が分析担当でその要求が「前回のキャンペーンがうまくいっ たように見せたい」なら「前回のキャンペーンがどうだったかを客 観的に調べる」と返す。良し悪しの判断は分析者ではなく意思決 定者にまかせる
 
 
 
 


Slide 24

Slide 24 text

目的を決めないデータ分析は無駄になる 目的や解くべき課題 知るべきこと 集めるデータ 処理の手法 • 目的を決めないで「データ分析」を初めても「目的や解くべき課 題」のためにならないかもしれない
 • 意思決定者と背景や優先順位を共有していないのにプロセスの 途中から始めた「データ分析」がうまくいったとしたら丸投げされ ているか、ただの偶然
 自分が使ってみたい手 法から初めてデータを集 めて分析しても解くべき 課題に繋がっていなけ れば無駄になるだけ 
 本当に必要なデータは こちらかもしれない


Slide 25

Slide 25 text

背景を共有しないと分析が無駄になる例 東京から熱海に行く 移動手段/宿/食事 移動手段ごとの違い 一覧にして比較 • いくら羽田発着の飛行機の情報が網羅されていても行く場所に よっては何の役にも立たない
 • どこか行きたいので任せた(丸投げ)、ちょうど北海道に行くつも りだった(偶然)なら使われるかも
 • 「分析したのに使われない」原因になっていないか注意
 
 熱海に行くのに羽田か ら飛行機にのる人は多 分いないのでどんな分 析も無駄になる
 新幹線/バス/車


Slide 26

Slide 26 text

まとめ • 正解は無い
 • データ分析について自分なりに考えたらよさそうなこと
 ○ 意思決定に必要なことはなにか(今回の話)
 ○ 求められている役割はどこか
 ○ 責任を全うするためには何が必要か
 • 概念だけでは実務には使えないので求められている役割に必要 なスキルを身に着けるようにしよう
 
 
 
 ご質問などあればお気軽にご連絡ください
 しんゆう @data_analyst_