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一般社団法人コード・フォー・ジャパン 関 治之 行政のデジタル化の 必要性と展望 1 本作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。 ご利用の際は、クレジット表記としてCode for Japan 関 治之 を付与願います。
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コロナ禍により、行政のDXが主眼に
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行政のデジタル化に注目が高まる https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2020/summary_ja.pdf を元に関が抜粋 1.「新たな日常」構築の原動力となる デジタル化への集中投資・実装とその環境整備 (デジタル・ニューディール) ポストコロナ時代の新しい未来 (経済財政運営と改革の基本方針2020より) 次世代型行政サービスの強力な推進 デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 新しい働き方・暮らし方 変化を加速するための制度・慣行の見直し
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https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2020/summary_ja.pdf を元に関が抜粋 2.「新たな日常」が実現される地方創生 3.「人」・イノベーションへの投資の強化 4.「新たな日常」を支える 包摂的な社会の実現 5.新たな世界秩序の下での活力ある日本経済の実現 東京集中→多核連携型 地域の躍動につながる産業 教育への投資 科学技術・イノベーションの加速 社会保障の再構築、データヘルス改革 社会的ファイナンスの活用 自由で公正なルールに基づく国際経済体制 サプライチェーンの多元化 SDGsを中心とした地球規模課題への貢献
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● Digital Transformation ○ Digitization とは違う。 ○ デジタル前提でサービス提供のあり方を変革すること ○ 「私はITのことはわからない」は禁句! ■ ITの話ではなく、顧客(市民)体験を起点に考えて業務 フローを組み替える話 DXってなんだろう?
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自治体DX推進の構造的課題
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ペーパーレスやRPAは手段にしかすぎない ● 自治体業務全体をシステムとして捉え、どこに対策を打つべき かを総合的に考える→これは外注できない ● 個別の施策のみを考えても意味がない ● 個別のチャレンジは各部門で主体的に。それを実行できる環 境づくりと全体最適化はトップダウンで。 ● システム投資をコストと見ずに、投資と見る ○ →費用対効果を測るためには、データが必要
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自治体DX推進の構造的課題 ハンコレス RPA オープンデータ 外部人材登用 調達改革 三層分離の見直し 人事制度改革 シビックテック 官民連携施策 研修等の見直し 広報・公聴改革 実証環境の整備 財務制度見直し システム共同調達 業務標準化 横串組織 システム投資
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DX推進にはスピード感が必要 ● 「早く失敗して、経験値と実感を得るこ と」こそが価値 ○ 後発になれば、だんだん失敗できなくなる ■ 複雑性の増大 ● 見えてくるものが増えると意思決定しにく くなる ○ 失敗は、なかなか共有されず分からない ■ 「きれいに見せよう」とすることから自由になろ う ■ 「失敗していいよ」は上役(究極は、首長)しか 言えない ネガティブループを発見し、改善させる
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スピードを手に入れるには? ● とはいえ、何をやればいいかは割と正解ルートがある ○ 「意思決定の速さ」を買う(連れてってもらう) ■ LINE ■ graffer+kintone ■ xID など ○ 既存ベンダーとの付き合い方を考え直す ■ 大手ベンダーの意思決定の遅さに引きずられない ■ 受託開発ベンダーではなく、サービス提供企業を通じて連携する ■ 既存SYSの更新が、いよいよ必要に ■ 次の5年を今から考える=各地域における保守業務が困難になっていくこ とを想定しておく→今のうちに共同調達等で手を打とう
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評価されないことはやりたくない ● 成果報酬は難しくても、権限を与えることはで きる ● 研修の見直しは必須 ● 民間なみのJob Description(職務記述書)を作 る時代 ● 早いPCやリモートワーク環境の整備も必要 ● 横串のコミュニケーションも重要 ● 外部人材登用も有用 目をつぶってはいけない、 人事の問題
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業務を見直すためのECRS原則 Eliminate やめられないか? Combine 一緒にできないか? Rearrange 再配置できないか? Simplify 単純化できないか? 検 討 順 そもそもなんでその作業をやっているのか? 「前からやってるから」から脱却し、やらなくて良いならや めてしまう 他の部署の作業と一緒にやれないか? 分業していることを一緒にできないか? 事務を集約できないか? 他の部門でやったり、順番を入れ替えることで効率化で きないか? アウトソースできないか? もっと簡単にならないか?入力項目を減らせないか? IT を使って単純化できないか? その業務は何のためにやっているのか?を考え、ゼロベースで考えてみる
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どうしたら、失敗から学べるのか? ● 失敗のコストを下げる ○ 最初から失敗を計画に織り込む ○ 小さく始めて、徐々に大きくする ● 実施したことから、学習する仕組みを作る ○ 100%の失敗というものはありえない ● 若手(考えの若い職員)を中心にし、管理職はフォロワーシッ プを発揮する ○ 「責任は俺が取るから、思い切ってやってみろ」と言える か?
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とはいえ、失敗すると色々叩かれる・・・ 失敗した時のダメージを少なくするには ● 情報の透明性を上げる ○ わからないものは批判したくなる心理 ○ ちゃんとやっていれば理解してくれる人は多い ● 多様な視点からチェックをする ○ プロセスを共有し、外部の意見をもらう ● 早めに状況を把握し、軌道修正をする ○ 小さな失敗であれば、影響も少ない
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シビックテック・アプローチ: 公共モデルを「依存」から「共創」へ 市民 行政 要望・苦情 公共サービス 市民 行政 企業 NPO 大学 テクノロジー データ活用 場づくり 課題 解決 シビックテック・エコシステム: コミュニティで築いた関係性をもとに プロジェクトを創出 C4J コミュニティ エンジニア デザイナー 公務員 自治体 省庁 研究者 会社員 NPO 企業 学生 プロジェクト エンジニア × デザイナー 自治体 × エンジニア NPO × エンジニア 学生 × 企業 オープンにつながり、社会をアップデートする
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ともに考え、ともにつくる 18
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19 世界26カ国で「Code for xx」が活動
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20 全国、約80地域で「Code for xx」が活動
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21 各地で自らの地域を良くするための活動
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コロナ禍で生まれた様々なアクティビティ ダッシュボード 検索サイト アイデア募集 NPO支援 プロトタイピング
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自治 体 自治 体 自治 体 自治 体 自治 体 自治 体 国 市民 市民 市民 市民 市民
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他の団体 他県の対策 サイト 誰でも再利用可能な形で公開 東京都 Code for Japan 委託 COVID-19 対策サイト 開発 外部の開発者 広く協力を依頼 開発協力 他の団体 カスタマイズ 他県の対策 サイト 公開 ・多くの開発者が参加してサイトを改善 ・他県にも展開
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オープンソースとは? プログラムのソースコードを、断りなしに自由に使って良い という条件で広く公開すること。 公開することで、誰もが中身を確認することができるし、コ ピーして自分の目的に再利用することができる。 更に、東京都では一般技術者から要望を受け付けたり、 修正提案を受け付けたりすることも行った
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みなさんが使っている製品の多くは、多くのオープンソースソフト ウェアに依存している これもオープンソース Android phone ウェブサーバー ウェブブラウザ SSL通信
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世界中から貢献があった 3週間の間に 224 名が改善に協力 750 件の提案 671 件が取り入れられる 作成数 クローズ数 Issue数 1,364 1,283 Pull Request 数 2,628 2,604 これまでの累計(Bot等を除いた数)
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全都道府県に波及
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海外でもシビックテックが活発に https://note.com/hal_sk/n/nd5d71fa9ff5d 台湾、韓国ではマスク在庫 APIを公開、多くの民間アプリが生まれた https://www.reallygoodux.io/blog/korean-mobile-apps-coronavirus-covid-19
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総務省:新型コロナウイルス感染症対策サイトのためのデータ公開について より
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オープンソースへの投資は、社会的な知的資本の蓄 積に繋がる http://blog.cleverelephant.ca/2018/01/govt-oss-clusters.html
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全国の「地域情報化アドバイザー」(総務省)と「オープン データ伝道師」(内閣官房 IT総合戦略室)、 VLEDが協力し、標準データの定義書を作成。 各地での交渉に役立った https://www.code4japan.org/activity/stopcovid19
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東京都サイトでは、様々な情報が瞬時にまとめられた
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オープンソースは、市場への参加者を増やす ● 参入者を増やし、競争市場を 作れる ● 多様性を活かしながら、他自 治体とシステムを共有できる ● 特定ベンダーへの依存度を 下げられる ● 国民全体の知的財産として 転用できる このループから抜け出せる可能性
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https://www.businessinsider.jp/post-212276
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国土地理院はオープンソースを活用している
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本当に「お年寄りはデジタルを使いこなせない」のか?
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本当に「お年寄りはデジタルを使いこなせない」のか?
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それでも、デジタルに対応できない人はいる 自治体として、「誰一人取り残さない」ことは重要 デジタルオンリーにするわけではない! ● デジタル対応できる人は、デジタルにしてもらう ○ そちらのほうが、ユーザにとっても便利 ● バックエンドもデジタル化する ○ 職員は研修をして底上げする(仕事ですし) ○ アナログ業務は共同で外注してしまう手も ● デジタル化して空いた作業を、アナログな応対に当てる ○ 手続きのためのアナログ作業は、価値を産んでいない そのアナログ業務、 市民に対して価値を 生んでいますか?
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郵便局や事務センター などを活用し、自治体 間で共同して、業務最 適化を進めるチャンス
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DXは、種を育てることが一番 ● 行政職員含めた「自らつくる人のチーム」をつくる ベンチマークとしての経済産業省 DXオフィス チームのスキル・マインドセット サービス設計 継続的な改善 データ活用 デジタルファースト 証拠に基づく 政策立案 利用者目線 小さく始める 意思決定の 透明性
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データアカデミー 自治体 課題検討 仮説立案 分析評価 政策立案 評価 行政の中での データリテラシーを向上させる データ利活用研修
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課題解決7ステップ ① 課題・仮説 ② データ確認 ③ 分析手法 決定 ④ 分析実施 ⑤ 評価 ⑥ 政策立案 ⑦ 効果分析 課題と分析対象の決定 分析結果の判断 どんな課題を、どんなデータを使って表現す るのか? データはどのように集める /作るのか? どのような分析手段があるのか? などを検討 分析の難易度やツールの必要性 に応じて、自分で実施、他部署に 依頼、外注などを選択 分析結果を判断し、政策を立案 最初に決めた仮説は正しかったか? 効果を測定し、新たな課題設定に繋げる
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職員同士でともに学ぶ行政コミュニティ https://sunabar.code4japan.org
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まとめ ● DXとは、デジタル化ではなく、デジタル前提でサービス提供のあり方を変革すること ● DXは顧客体験を起点に考えて業務フローを組み替えることであり、 ITの話ではない。 ● ペーパーレスやRPAは手段にしかすぎない。いきなり手段から考えずに、 業務全体をシステムとし て考える必要がある ● 業務フローを考えることは、経営そのもの。トップがコミットして考える必要がある ● 個別のチャレンジは各部門で主体的に。それを実行できる環境づくりと全体最適化はトップダウン で ● 複雑系の環境では、失敗から学ぶことが大事。(失敗のマネジメント)経験から学ぶ環境づくりを ● シビックテックコミュニティを通じて、行政サービスをともに考え、ともにつくる ● 内部の仕様策定力を強化して、既存ベンダーとの付き合い方を見直そう ● オープンソースを活用することで、競争市場を作ると同時に自治体全体のコストを下げられる ● 「デジタル化=誰かを切り捨てる」ことではない