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紹介する本:虚数 1973年 原版出版、1998年 翻訳版 ジャンル:SF メタフィクション メタフィクション:⼩説というジャンル⾃体に⾔及・批評するような⼩説のこと 〈実在しない書物〉の序文を収録。 全編が、何冊かの書物の序文だけでできている。 その書物も、本物は実在しない。 ビット文学の歴史、未来言語による百科事典、細菌の未来学、 コンピュータGOLEMの講義録など 概要

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著者:スタニスワフ・レム ・ポーランドSFの第⼀⼈者 1921 - 2006 ・20世紀SF最⾼の作家の⼀⼈ ・IQ 180 ʰΤσϯʱ - Ұͭͷݸମ͕࿑ಇ෦෼ͱࢥߟ෦෼ʹ෼͔Ε͍ͯΔ੕ਓΛѻͬͨ ʰιϥϦεʱ - ւͦͷ΋ͷ͕௒஌ੑΛ΋ͭ༡੕Λѻͬͨ ʰ࠭യͷ࿭੕ʱ - ແੜ෺ͷਐԽ͕͍ͭʹڀۃͷܗଶ·Ͱࢸͬͨ෺ޠΛඳ͍ͨ 主な著作

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おすすめポイント 1)IQ 180の圧倒的な知性が予⾒するAIの未来 2)現実がSFに追いつく⽇ 3)エンジニア必⾒!⾃然⾔語解析がイメージできる

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諸君は、いまだキツネザルから⼗分な分岐をしていないため、抽象を志していると きも、なお具体を放棄することができないでいる。 その現象が如実に⾒えるのは、諸君が熱烈な⾃⼰愛をもっていることにあらわれて いる。諸君は歴史の黎明期に、はやくも⾃分たちの位置を周辺よりも⾼みにおくこ とを選択してしまったのだ。 ところが、いまやどうだ。 諸君はビッグバンの主⼈公ではなく、たんなる並みいる星のなかの、ごくごく⼀部 の知性体にすぎなくなってしまったのだ。のみならず、諸君はアミノ酸の配列でし かない。それなのに、諸君はいまだに諸君⾃⾝が「情報コード」の⼀部でしかない ことすらわかっていない。 まだ⾃分は⾃分だと思っている。そもそも遺伝コードすら、熱的混沌似包まれた⾃ ⼰反復的、⾃⼰更新的コードでしかないにもかかわらず、諸君はそれを⾃覚しよう としていないのだ。 - GOLEMの講義より

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ビット⽂学とは - ビット⽂学とは、⼈間の⼿によらないあらゆる作品を意味する。

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現実におけるビット⽂学

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モノエティックス (単創) ミメーシス (模倣) ソフォクリシス (システム哲学批判) ビット⽂学の発⽣と流れ 前期:共⼈間的創造 後期:超⼈間的創造 - 機械と⼈間の共存の結果 - 題材は、⼈間的な問題に結びついている - ⼈間的が理解可能な⽂章

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モノエティックス (単創) ミメーシス (模倣) ソフォクリシス (システム哲学批判) ヴァージョン (変節) ビット⽂学の発⽣と流れ 前期:共⼈間的創造 後期:超⼈間的創造 - 機械と⼈間の共存の結果 - 題材は、⼈間的な問題に結びついている - ⼈間的が理解可能な⽂章 - ⼈間の形態や論理影響下から抜け出ていったもの - ⼈間に理解しがたい

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モノエティックス (単創) ミメーシス (模倣) ソフォクリシス (システム哲学批判) 前期:共⼈間的創造 - 機械による新語の⽣成 - 初期機械に語形成の規則を学ば せた結果 - 機械による創作の萌芽 - 既存⽂書の延⻑や間の模倣 - 例.ドエトエフスキーの新作 - くるりの4.5th ALBUM - ⾃動翻訳の副産物としてうまれ た - 既存書の論理的な再構成 - 例.⼤哲学者の著作 - ルソー 社会契約論のまとめ - 模倣の⼿順から⽣じたもの

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モノエティックス (単創) ミメーシス (模倣) ソフォクリシス (システム哲学批判) ヴァージョン (変節) ビット⽂学の発⽣と流れ 前期:共⼈間的創造 後期:超⼈間的創造 - 機械と⼈間の共存の結果 - 題材は、⼈間的な問題に結びついている - ⼈間的が理解可能な⽂章 - ⼈間の形態や論理影響下から抜け出ていったもの - ⼈間に理解しがたい

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- ⼈間的なるものからの逸脱 - ⼈間からは⾔語以外の何も受け継いでいない - そのうち下級変節は、⼈間の理解できる形をかろうじて保つものを指す - 上級変節は、⼈間には到達できない創作 後期:超⼈間的創造 ヴァージョン(変節)

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共通項