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2018/12/10 ( 火) AWS re:Invent 報告会 by Yappli そんなに遠くない Chaos Engineering 株式会社 Speee 開発基盤ユニット 森岡周平 (@selmertsx)

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Chaos Engineering を 聞いたことがある人

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Chaos Engineering は 自分には縁遠いと思ってる方

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本日はそういった方を ターゲットにお話をします

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今日のお話 このセッションでChaos Engineering が身近に感じら れたので、その体験をおすそ分けしたい!

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今日の目的 Chaos Engineering とは何か理解できる Serverless の分野に Chaos Engineering を 適用する方法が分かる Chaos Engineering がちょびっと身近に感 じられる 気がついたら AWS の話よりもChaos Engineering の話メインに なってしまい、完全に趣味全開のお話になってしまいまし た...!!!

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Agenda 自己紹介 Chaos Engineering とは何か Chaos Engineering をServerelss の分野に適用する まとめ Chaos Engineering の概念について7 、Serverless での実践事例 が3 くらいの割合で話します。Session の中身を理解しやすくす るためにChaos Engineerings の原則について、セッションで話 されていた内容以外の情報も交えてお話をしていきます。

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自己紹介 名前: 森岡周平 所属部署: 開発基盤ユニット GitHub & Twitter アカウント: @selmertsx 主業務: IDaaS 関連の諸々をServerless で作る 技術: Ruby/Rails, TypeScript, AWS, GCP 最近の興味: AWS Amplify Console で サービスを作ってみたい

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最近作ってるIDaaS 関連システム 現在、クラウド人材管理ツールが人事マスター 人材管理ツールのデータに応じて、従業員が適切なサービス を適切な権限で見れるように、Serverless で自動化する ※ 人材管理ツールは人数課金で、かつ過去の履歴を保持しないためBigQuery に履歴を残す ※ 人材管理ツールは他社内サービスと密接に関わっており、安易にリプレイスできない

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Agenda 自己紹介 Chaos Engineering とは何か Chaos Engineering をServerelss の分野に適用する まとめ Chaos Engineering の概念について7 、Serverless での実践事例 が3 くらいの割合で話します。Session の中身を理解しやすくす るためにChaos Engineerings の原則について、セッションで話 されていた内容以外の情報も交えてお話をしていきます。

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Chaos Engineering の原則 意訳してみるとこんな感じ Chaos Engineering とは、分散システムが過酷な本番 環境でも耐えられる能力があるという確証を得るため の実験規範

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Chaos Engineering の実践方法 Net ix の論文も読んで整理してみた

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Net ix における Chaos Engineering 採用背景

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Net ix は Microservices を採用してる Effective Interprocess Communications in the Cloud: The Pros and Cons of Microservices Architectures AWS re:Invent 2014

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Microservices において Net ix が信頼性を高めるため 考えてきたアプローチ

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従来の信頼性向上のためのアプローチ システムへの INPUT (x) を網羅的にリストアップ x に対して適切な OUPUT(y) を実装する 想定される問題に対して、適切な対処を実装する ことで障害を回避する f(x) はruntime con g 、機能更新などで動的に変化

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Net ix のケース Microservices において、あるシステムのOUTPUT が他のシステムへのINPUT 挙動を網羅的に把握することが困難 「システム単体で正常に動いていること」 よりも 「何かあってもユーザーがコンテンツを視聴でき ること」 を実現する設計にしなければならない

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Net ix のケース その2 一部のサービスが利用できなくなったとしても 全体としては稼働するサービスを設計していく Chaos Engineering はその教育のための取り組み 過去に障害を起こしたINPUT を定期的に再現する VM instance が落ちる (chaos monkey) サービス間のレイテンシー (latency monkey) サービス間のリクエストの失敗 予期しないユーザーからのリクエスト リージョン全体の障害発生 (chaos kong)

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Production 環境に 障害(Failure) を注入する実験 = Chaos Experiments

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Chaos Engineering 支援ツールGremlin のデモから (re:Invent 2018)

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Chaos Experiments の補足説明 Steady State ( 正常な状態) をどう定義する のか? 実験の影響範囲はどうなっているの? なぜ実験を自動化しProduction 環境で行う のか?

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正常な状態 (Steady State) の定義 Steady State とは 「ユーザーから見えるサービス が正常に動作していることを示す指標」 Net ix では SPS (stream starts per second) で表現 障害が発生しても SPS に影響を与えないよう サー ビス全体を設計する

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実験の影響範囲を設定 Chaos Experiments は全ユーザに行う訳ではない 実験は一部のユーザーのみ抽出 して行う ( 実験群) 実験を受けないユーザーを 統制群 と呼ぶ 実験結果を、実験群と統制群で比較させる 比較する数値は主に SPS を利用する

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Production で行う & 自動化する Net ix では 1 日に100 回程度デプロイ をしている ユーザーの振る舞いを指標としているので、コー ドで実現されたインテグレーションテストでは代 替できない デプロイの度に、テスターによるリグレッション テストをすることは難しい

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Chaos Engineering まとめ Microservices 下の複雑化したシステムにおいては従来の方 法では安定性を保つことは困難である 過去、障害の原因となった外乱を自動で定期的にINPUT し それにサービスが耐え続けられるように設計・実装し続ける このときサービス1つ1つが正しく動いている より ユーザーが正常にサービスを利用できる を優先する これらの取り組みが Chaos Engineering である

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この話を聴いて、思っていた よりも Chaos Engineering は 突飛な話じゃないと思った人

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Agenda 自己紹介 Chaos Engineering とは何か Chaos Engineering をServerelss の分野に適用する まとめ Chaos Engineering の概念について7 、Serverless での実践事例 が3 くらいの割合で話します。Session の中身を理解しやすくす るためにChaos Engineerings の原則について、セッションで話 されていた内容以外の情報も交えてお話をしていきます。

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Serverless で Chaos Engineering Serverless こそ Chaos Engineering が重要である Auth 0 、DynamoDB などの外部サービスと連携す ることが多い 依存する外部要素が増えると、Latency の影響を受 ける機会も多くなる Lambda A からLambda B を呼び出すとき、両方 cold 状態であったら実行に非常に時間が掛かる

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対象のサービス (sample) 注入する障害 (Failure) Latency Injection Error Injection https://github.com/theburningmonk/lambda-latency-injection-demo

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Latency Injection の実装 HTTP Request の処理を上記のようにラップする con g はSSM Parameter Store に格納 デプロイなしで即座に反映が可能 API Gateway のCanary release を使って影響範囲を制御して も良さそうに見える ( 資料にはない)

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Error Injection HTTP 5xx Amazon DynamoDB の throughput を超える AWS Lambda の同時起動数を超える Injection のやり方 management console 上でLambda の同時期同数を 設定する

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Chaos Experiments にあたっての注意 Staging 環境で十分にテストすること マスキングした顧客データを持ってきてテスト することは可能である ロールバックプランを必ず用意しておくこと 必ず定時の中でやること 重要な日は避けること

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Agenda 自己紹介 Chaos Engineering とは何か Chaos Engineering をServerelss の分野に適用する まとめ Chaos Engineering の概念について7 、Serverless での実践事例 が3 くらいの割合で話します。Session の中身を理解しやすくす るためにChaos Engineerings の原則について、セッションで話 されていた内容以外の情報も交えてお話をしていきます。

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まとめと所感 Chaos Engineering をServerless の分野に適用した まだまだ手探り・力技感はあるものの、実現する ための肌感はつかめた 今後の予定 僕たちのServerless サービスでもエッセンスを取り 入れていく 障害を引き起こしたINPUT を保持しておいて、再 発しないようリグレッションテストをするなど 近いうちにそんな話しが出来たらいいっすな!