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ビジネス成長を最大化する サービスマネジメント 2019年6月19日 リクルートテクノロジーズ 仲江 健一

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2 自己紹介 ■経歴 2000年〜 独立系SIer 2012年〜 リクルートジョブズ入社  事業開発室(開発ディレクション、商品企画)  ITサービスマネジメントグループGM(2015年10月〜) 2017年〜 リクルートテクノロジーズ出向  SRE部 RJBグループGM(〜2018年9月)  SOE部 インフラディレクショングループGM(〜2019年3月)  SOE部 ライフイベント領域サーマネグループGM(2019年4月〜) 2019年〜 リクルート住まいカンパニー出向  NB統括本部 DDU インフラアーキグループGM(2019年4月〜) 仲江 健一 株式会社リクルートテクノロジーズ ITインテグレーション本部 サービスオペレーションエンジニアリング部 ライフイベント領域サーマネグループ

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リクルートのご紹介

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4 リクルートグループについて 創業 1960年3月31日 「大学新聞広告社」としてスタート グループ 従業員数 45,856名 (2019年3月31日時点) 連結売上高 23,107億円 (2018年4月1日〜2019年3月31日) 連結営業利益 2,230億円 (2018年4月1日〜2019年3月31日) グループ 企業数 344社 (子会社および関連会社、2019年3月31日時点) 目指す世界観 「あなた」を支える存在でありたい

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5 リクルートの事業内容 選択・意思決定を支援する情報サービスを提供 ライフイベント領域 進学 就職 結婚 転職 住宅購入 車購入 出産/育児 旅行 ビジネス支援 生活/地域情報 グルメ・美容 ライフスタイル領域

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6 ビジネスモデル リクルートには、ユーザーとクライアントという2つのお客様が存在します。 企業と人(B to C)、企業と企業(B to B)、人と人(C to C)、すべての間に立ち、 双方にとって最適なマッチングを図る「場」を提供しています。 ユーザーとクライアントを新しい接点で結び、 「まだ、ここにない、出会い。」の場を創造する。

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7 IR資料:「メディア&ソリューション事業のご紹介」より抜粋 ビジネス領域の拡大を推進中

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8 リクルートテクノロジーズについて リクルートグループのIT・ネットマーケティング領域のテクノロジー開発を担う会社です。 リクルート ホールディングス リクルートキャリア リクルート住まいカンパニー リクルートライフスタイル リクルートジョブズ リクルートマーケティングパートナーズ リクルートテクノロジーズ リクルートスタッフィング スタッフサービス・ホールディングス リクルートコミュニケーションズ メディア & ソリューション事業 (株)リクルート 人材派遣事業 Recruit Global Staffing B.V. HRテクノロジ― 事業 RGF OHR USA, Inc. その他海外派遣グループ会社 Indeed,Inc.

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9 リクルートテクノロジーズについて 企画統括本部 ITマネジメント販促領域本部 リクルートテクノロジーズ ITソリューション本部 プロダクトデザイン本部 経営企画、広報、経理/人事/総務などのコーポレート スタッフ機能。先端技術の研究開発部門(ATL)も配置 リクルートグループ共通の社内システムやインフラ、 セキュリティ関連ソリューションの企画・開発・運用 ITインテグレーション本部 ビジネス検討、UI/UXのデザイン、デザインマネジメン トの推進 ITエンジニアリング本部 各事業領域におけるプロダクトの開発(内製開発を含 む)、横断でのAP基盤の開発・運用 ICTソリューション本部 ITマネジメントHR領域本部 HR領域の事業と一体となり、開発ディレクションや開発 マネジメントを通じて日々のシステム改善を推進 販促領域の事業と一体となり、開発ディレクションや 開発マネジメントを通じて日々のシステム改善を推進 大規模開発やオフショア開発ソリューション、データ利 活用・ネットインフラも含む統合ソリューションの提供 リクルート内外のデータを活用したアドテクノロジーソ リューションの開発・運用

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本日お話させていただくこと

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11 インフラ運用部隊が サービスマネジメント組織に進化し ビジネス成長に貢献するまで

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12 サービスマネジメント組織立ち上げの背景 品質マネジメント機能の強化を目的に専門組織を組閣  次から次へと品質問題が顕在化  ビジネス成長のための活動時間が減っていく・・・

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13 サーマネ組織への期待値 インフラ アプリ サービス サービス基盤の維持運用 基盤レイヤーから横断で品質をマネジメントし 「安定稼働」を実現する 横断ガバナンス サーマネ マッチング プラット フォーム 業務支援 ソリュー ション R&D

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14 サービス提供価値を最大化するための条件 価値創出 & 磨き込み サービスの 安定供給 両者のバランスが取れている状態 選ばれ続けるサービスの実現

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15 安定稼働を牽引することで成長のための時間を最大化する サーマネ組織のミッション

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16 マネジメントスコープ サービス アプリ インフラ 顧客 ネットビジネス イ ン フ ラ マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム マ ネ ジ メ ン ト サ ー ビ ス マ ネ ジ メ ン ト 真のサービスマネジメント実現に必要な視界

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17 乗り越えなくてはならない壁 第1の壁 己を知る 第2の壁 開発 と 運用 第3の壁 IT組織 と Biz組織 持ち場意識を前提とした「思考の壁」は高い 「組織の壁」を乗り越えることでブレイクスルーを起こす インフラ視点 システム視点 サービス視点

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第一の壁(己を知る)

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19 インフラ運用組織の日常 業務の目的は? 構築と保守 サービス維持 障害対応 要件通りに 正しく作る <モニタリング> トラブルの 予兆/発生の検知 迅速な復旧

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20 目的は「サービス価値の最大化」 ビジネスゴール (組織ビジョンの達成) 共通の目標を達成するためのHOWが違うだけ 個人技(組織ミッション)+パスワーク(相互連携)が必要 商品 開発 運用 マーケ 営業 KGI(重要目標達成指標) KPI(重要業績評価指標)

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21 我々は何者か? プ ロ ダ ク ト ・ サ ー ビ ス の 進 化 プ ロ ダ ク ト ・ サ ー ビ ス の 安 定 稼 働 オフェンス (開発) ディフェンス (運用)  新たな価値を生み出す  生み出した価値の維持  安定性&効率性の追求 サーマネ 「運用」という立場からどう業績に貢献するか?

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22 目指す姿とミッション・バリューを言語化 減点方式の 仕事から脱却!! 安定稼働実現を リードすることで 業績へ貢献する

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23 ITサービスマネジメントとは? 顧客のニーズに合致した 適切なITサービスを提供する マネジメント活動全般のこと 引用元:Wikipedia

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24 ITILを正しく解釈する  誤ったスコープ インフラのみに閉じた視界で検討が進行  手段が目的化 ITILプロセスの白地を埋めることがゴール  何のためのサービスレベル定義? ビジネス成長に寄与しない”保身のためのSLA” 「ビジネス価値の最大化」を目的とした マネジメントプロセス構築でなければならない

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25 ITILを正しく解釈する フレームワークはあくまで参考書 自組織に適した形でチューニングすることで効果を発揮 <遂行機能> サービス運用 サービスレベル (品質担保ラインの定義) 障害 ガバナンス <統制機能> ガバナンス方針 セキュリティ ガバナンス IT戦略立案 (非商品) インシデント/ 問題管理 構成管理 財務管理/ EOSL管理・・ 変更/リリース管理 性能管理 サービス 安定稼働 業務 機能 セキュリ ティ管理 <活動コンポーネント> 2機能、10業務にてサービス継続性を担保する

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26 インフラ アプリ 統制 サーマネ セキュリティ 管理 障害管理 IT戦略立案 (非商品系) 遂行 他組織 サービス 運用 サービスレベル 管理 現在地を認識し、登る山を明確にする 「コアの磨き込み」と「運用統合&統制機能を装着」し サービスの安定稼働を牽引する存在になる 磨き込み 獲得 役割が明確になり 目指すゴールの 認識が揃った

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第二の壁(開発組織と運用組織) 第三の壁(ビジネス組織とIT組織)

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28 第1の壁は突破できたが・・ 商品企画 (サービス) IT組織 開発 (アプリ) 運用 (インフラ) Biz組織 第 2 の 壁 第 3 の 壁 ビジネスとしての機動力はまだまだ低い 組織間の連携不足 によるムダ あいまいな期待値に 応えるためのムダ

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29 第2の壁の補足(開発組織と運用組織) 開発 (アプリ) 運用 (インフラ) A商品 B商品 C商品 D商品 E商品 縦割り意識が生み出す非効率とナレッジの分散・・ 障害検知&復旧までのリードタイムが伸びる構造 <ムダ②>開発チーム間の連携不足 <ムダ①>アプリ/インフラ運用の連携不足

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30 第3の壁補足(ビジネス組織とIT組織) ビ ジ ネ ス 組 織 組 織 I T 保身のために過剰なバッファを積まざるを得ない 結果、新たな価値を創出するための活動時間が減少  いつまでも言語化されない期待品質  ミスには厳しいコミュニケーション

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31 打ち手 商品企画 (サービス) IT組織 開発 (アプリ) 運用 (インフラ) Biz組織 第 2 の 壁 第 3 の 壁 第3の壁 期 待 値 を 揃 え る た め の ル ー ル 整 備 ア プ リ と イ ン フ ラ が 一 体 化 し た 運 用 体 制 の 構 築 第2の壁 ア プ リ と イ ン フ ラ が 一 体 化 し た 運 用 体 制 の 構 築 第2の壁

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32 過剰品質を生み出す仕組み 過剰な品質担保の仕組みが積み上がっていく構造 疲弊・・ 障害発生 ビジネス組織 IT組織 再発防止要求 調査報告 こら! 大量の チェックシート 過剰な レビュープロセス リソースは有限

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33 【障害レベル定義】事象の重み付けを行う 深刻度に応じて対応レベルに濃淡をつけることで リソースを適切に配分する プロダクト影響有 プロダクト影響無 大規模 小規模 大規模 小規模 4 ◎ ― ― ― 3 ― ◎ ― ― 2 ― ― ◎ ― 1 ― ― ― ◎ レベル 種別 大 小  4段階に事象を格付け  暫定対応は即時、L3以上は3ヶ月以内に恒久/再発防止策 深刻度

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34 【重要機能定義】守るべきものを具体的に定める 全国トップ 応募画面 主要検索軸の品質担保はマスト 求人情報一覧 求人情報詳細 エリアトップ 例)検索機能 ※上記以外にも、定めた基準に該当する検索軸を重要機能として運用しています

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35 【運用体制】マネジメント機能を設置する 疑わしきは全て報告する文化の醸成とログの集中管理 LV3 対応指示 報告 障害検知 障害管理チーム 障害管理DB 蓄 積

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36 横のつながりが強化されることで 障害対応をスムーズに行うためのアイデアが湧き出る 横断障害発生時は情報が錯綜 するので旗振り役が欲しい アプリインフラ間のリリース 計画ってお互いにしらないね モニタリングツールがバラバ ラだから会話レベルを合わせ るのが大変・・ 縦割り意識が緩和されることで起こる変化 障害時の調査を効率的に行う 仕組みが必要! やろう!

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37 打ち手 商品企画 (サービス) IT組織 開発 (アプリ) 運用 (インフラ) Biz組織 第 2 の 壁 第 3 の 壁 第3の壁 期 待 値 を 揃 え る た め の ル ー ル 整 備 ア プ リ と イ ン フ ラ が 一 体 化 し た 運 用 体 制 の 構 築 第2の壁 第3の壁 期 待 値 を 揃 え る た め の ル ー ル 整 備

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38 【第2の壁】レイヤーの垣根を超えた日常的な融合の実現 People Process Product (人/組織) (プロセス) (ツール/基盤) 共通言語で語るためのツール整備と運用プロセスの構築

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39 即時検知→迅速な復旧を支えるツールを共通化 監視ツール ログ調査ツール Product (ツール/基盤)

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40 DATADOG:監視ツールの共通化 アプリ/インフラ双方がリソース状況を意識することで 異常シグナルの検知スピードが向上 Product (ツール/基盤)

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41 Kibana:ログ調査基盤の統一 有識者に頼った属人的な調査からの脱却 →迅速な原因の特定 Product (ツール/基盤)

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42 イベントの相互共有 Process (プロセス) 双方のリリースイベントを把握することで、 需要予測に基づく適切なインフラ拡張を実施できるように

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43 アプリとインフラが日常的にトラブルを共有議論する場 サーマネ 問題管理委員会 Process (プロセス) 組織横断で対応レベルの底上げを実現 活 用 蓄 積 対応ナレッジ インフラ チーム 全アプリ チーム 横 展 開 横 断 統 制

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44 品質状況の可視化 障害発生件数 障害発生区分 検知所要時間 復旧所要時間 障害混入時期 検知から復旧までのスピードと開発品質を可視化 ネクストアクションにつなげてもらう

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45 障害はゼロにはできない IT組織 原因究明と対処 大規模障害 経営ボード 内部統制 ビジネス組織 お客様対応検討 情報とりまとめ あらかじめ判断基準を定めておくことと 経営への定期的な品質レポーティングの重要性は高い ビジネス組織 お客様対応検討

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あらためて・・ 第三の壁(ビジネス組織とIT組織)

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47 「DevOps」に閉じたサービスマネジメントの限界  大規模障害発生時は、開発組織外で多くの意思決定が発生  ブレない判断基準と意思決定スピードが重要 誠意ある対応を行うためにはガイドライン整備が有効

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48 トラブル対応ガイドラインの整備  お客様への対応判断が商品責任者に集中  数々の意思決定ロジックを言語化 属人性を緩和することで 「個人」ではなく「組織」で動けるようにする

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49 アクションの明確化 影響度 継続時間 Cランク 影響度と継続時間に応じて 「いつ」「何をするか」を決めておく Bランク Aランク Sランク

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50 正しい経営判断の起点になる 経営モニタリング  品質状況の把握と要因分析  しかるべき改善計画の報告 品質改善施策 サービスレベル 改善 安定している運用こそ形骸化していないかを疑い 意味を問い続けることが重要 サービスレベル 改善

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51 ビジネスゴールを見据えて Biz × Dev × Ops が一体化 全体を俯瞰して自分の役割を解釈し 組織として本質的な活動を実現していく

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成果

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53 全社一体運営による成果 <障害対応時間> 2014年 2018年 ピーク時の 1/10 まで減少 障害時間減 = 価値向上時間の創出

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54 安定稼働が生み出す波及効果① スループット改善が大幅に進行 回帰試験 自動化 1回あたりリリース工数 1/2  開発組織内の業務割合が大きく変化 (改善時間:20%→60%)

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55 安定稼働が生み出す波及効果②  後手後手になりがちな「リスク対応」 Before After 確定デッド ライン 変動デッド ライン 不明デッド ライン 期限が迫ってる ので急がねば! デッドラインを3つに分類しリスクを管理 計画的に組織全体でリスクに向き合う デッドライン マネジメント

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56 仕事の報酬は「仕事」 得意分野ごとに分業することで 事業運営上のセキュリティリスクをマネジメント システムセキュリティ (サーマネ) オフィスセキュリティ (内部統制) 全社セキュリティ支援チーム

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まとめ

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58 まとめ 安定運用は1日にしてならず (根気強くコツコツ積み上げることが大事) 問題(障害)を機会(チャンス)と捉える (鉄は熱いうちに打つ。線を引かずにやるべきことをやる。) BizDevOpsの視点がサービスマネジメントを強くする (徹底的なサービス視点で横断的な課題解決を推進)

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59 商品企画 アプリ ユーザー インフラ サーマネ 「クリエイティブ」&「エキサイティング」な仕事 サービスマネジメントという仕事の醍醐味

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60 あ リクルートテクノロジーズ 検索 一緒にサービスマネジメント活動を行なってくれる仲間を募集中です!

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61 あ ご静聴ありがとうございました