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All rights reserved by Postman Inc 草薙 昭彦 テクノロジーエバンジェリスト AI 時代の API ファースト開発 #devsumi

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テクノロジーエバンジェリスト Postman 株式会社 草薙 昭彦 @postman_japan @nagix

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本日のトピック ● ソフトウェアの価値が転換する ● AI-Ready な API:仕様とテストの両輪 ● コンセプトを振り返る:なぜ今「API ファースト」なのか ● Postman:AI 時代の資産を構築するプラットフォーム ● 結びに代えて @postman_japan

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ソフトウェアの価値が 転換する @postman_japan

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2026年、私たちが目撃している「 UI の死」 @postman_japan ヘッドレス SaaS の時代? SaaS の価値は「使い勝手」から「接続性」へ ユーザーは画面を操作せず AI エージェントに目的を伝える

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ソフトウェア市場の主役が人間から AI へ 2030年にはソフトウェア市場の利 益の 60% 以上を AI エージェント が占める @postman_japan 参考: 大手金融機関によるソフトウェア市場予測( 2024) “ “ 大規模言語モデル( LLM)は、AI エージェントを介してワークフロー や API と接続する

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実装は安価になり、使い捨てられる ● AI によってコード生成が極限まで高速化した結果、 苦労して書いた実装コードそのものの希少価値は低下した @postman_japan

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仕様はガードレールにならない @postman_japan 仕様を形にすることも重要だが、そ れはエージェントに対するガード レール(強制力)にはならない

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テストコードの価値が「跳ね上がる」 @postman_japan 実装に価値はなくなるが、テスト コードさえあれば理論上その仕様 を再現できる テストこそが唯一の資産 になる時 代

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AI-Ready な API: 仕様とテストの両輪 @postman_japan

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AI エージェントを制御する二つの鍵 ● 仕様(Spec): AI に「何をすべきか」を正しく伝える地図 ● テスト(Test): AI が「正しく動いているか」を保証するガードレール @postman_japan

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AI エージェントの行動モデルと統計的な制約 ● ReAct (Reasoning and Acting) 行動モデル ○ 目標とコンテキストから出発し、推論と行動を繰り返して達成に向かう ● 動作は統計的・確率的 。コンテキストウィンドウという記憶の限界 LLM(頭脳) - 推論 - 計画立案 AI エージェント - LLM に問い合わせ - 外部ツール実行 - コンテキスト管理 インプット アウトプット @postman_japan

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API は AI 時代の最適な抽象化レイヤー ● API は、中身の複雑さを隠蔽し、AI が理解し やすいサイズにパッケージングされた「知能の ための手足」である ● AI は API を部品として扱うことで、コンテキス トウィンドウの制約を回避し、より複雑なシステ ムの構築が可能になる ● 開発者の仕事は低レイヤーの実装から高レイ ヤーの境界設計へシフトする @postman_japan 境界としての API 複雑なサービス実装 AI の意図 AI エージェント or AI 生成実装

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AI-Ready な API 設計の考慮ポイント ● 機械可読な標準仕様の採用 ● 型情報やスキーマ構造の明確化 ● 一貫性のある設計 ● セマンティックな命名 ● 説明やメタデータの充実 @postman_japan API コントラクト API 提供者 API 利用者 API リクエスト 参照 参照 API レスポンス OpenAPI 型 意味 OpenAPI 仕様の例:上の要素を備えた API 仕様は AI に明確なコンテキストを提供する MCP (Model Context Protocol) はさらに AI に最適化したプロトコル

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非決定的な AI を、決定的な仕様とテストで制御する ● 曖昧な仕様をテストケースで縛ることで、AI エージェントおよび AI が生成した実装 の誤操作を論理的に遮断する @postman_japan API クライアント側 自動テストのロジック(コード) を用意し、AI の出力が期待通 りかを常に検証するガード レールを作る。 API サーバー側 仕様に基づいた厳格なバリ デーションを行う。仕様にない 値が来たら、即座にエラーと 詳細な修正ヒントを返す。

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資産としてのテストシナリオ ● 複雑なビジネスロジックをテストシナリオとして記述し、AIに「これを通せ」と命じる開 発スタイル @postman_japan

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AI-Ready API の再定義 ● 「型(厳密性)」 「意味(セマンティクス)」「テスト (信頼性)」 が揃って初めて、AI は API を使 える @postman_japan 型 (厳密性) 意味 (セマンティクス) テスト (信頼性) AI-Ready

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コンセプトを振り返る: なぜ今「APIファースト」 なのか @postman_japan

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API ファーストの二つの側面 @postman_japan 開発アプローチ 実装より先に設計し、 API を「真実のソース」とする ビジネス戦略 API を機能の提供手段ではなく、 価値を生むプロダクトとして扱う

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API 仕様作成 モック作成 テスト作成 ドキュメント作成 API 実装 コーディング テスト API 統合 フィードバック 仮説検証 API 設計 API ファースト開発アプローチ ● 実装の前にフィードバックループを回して仕様を洗練させる ● 合意された仕様をもとに、実装、テストを独立・並行に進める @postman_japan

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API-as-a-Product(製品としての API) ● UI が消える世界では、外部(AI エージェ ント)があなたの会社を評価する唯一の 接点は API ○ API が使いにくい=プロダクトが存 在しないのと同じ ○ API を製品として磨くことが、AI 時 代のマーケティングであり、ビジネス 戦略になる @postman_japan

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実装(How)から設計( What)へ ● 実装(コード)は AI が生成できる。人間が担うべきは「何を提供するか」というプロダ クトとしての定義(仕様とテスト) @postman_japan

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Postman:AI 時代の資産を 構築するプラットフォーム @postman_japan

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Postman - AI 時代の資産「テストと仕様」の管理基盤 @postman_japan 標準化 ↑ (API 再利用の向上、 ドキュメントの標準化、テスト 自動化) API 機能障害 ↓ (ドキュメントの標準化、テス ト自動化、 ワークフロー効率化) 開発生産性 ↑ (仕様の再利用、 環境の標準化、API コレクションの共有) 統合 API 管理プラットフォーム 仕様設計 テスト ガバナンス CI/CD 標準化された API ライフサイクルと変更管理

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【設計】AI が理解可能な高精細な API 仕様の作成 ● 機械にも人間にも伝わる、最適な説明(description)やサンプル(example)を含む 仕様の編集と管理 @postman_japan SpecHub:ビジュアルな API 仕様編集・管理ツール

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【検証】AI のガードレールとしてのガバナンス ● セキュリティや一貫性が保たれているかを Linting で常に自動検証 @postman_japan 豊富なビルトインガバナンスルール カスタムルールの定義も可能 開発者が自律的にガバナンス状況を意識す る

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【テスト】資産としてのテストコレクション ● 仕様からテストスクリプトを自動生成 ● AI エージェントの動作の不確実さを許さない強固な API を作る @postman_japan テストシナリオの管理 AI がテストを生成

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【共有】AI エージェントへの接続 ● Postman に蓄積された「テスト済みの API 知見」を AI エージェントに直接受け渡 す @postman_japan Agent Mode:Postman に 組み込まれたエージェントに よる作業の自律実行 Postman プラットフォーム AI エージェント MCP 外部の AI エージェントによる Postman API 資産の活用 ファイル & ディレクトリ ファイルアクセス API 資産の同期

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デモ:AI-Ready な API 開発フロー @postman_japan

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結びに代えて @postman_japan

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実装者から「境界の設計者」へ ● コードを書く苦労から解放され、より本質的な価値の定義(仕様とテスト)に集中す る ● 私たちの役割は、AI という巨大な力を、API という契約(仕様とテスト)で導くこと @postman_japan

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まとめ ● UI が消える世界で、API は製品そのものになる ● AI 時代、実装の価値は下がっても「仕様とテスト」は資産として残り続ける ● Postman で、AI を制御し、価値を創出する API 開発を @postman_japan

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本を書きました @postman_japan

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API ファースト開発アプローチについて学べる書籍 https://amzn.asia/d/0SdTMlO @postman_japan

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ありがとうございました @postman_japan