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暗黙知を集積するプラットフォーム 「健常者エミュレータ事例集」の取り組み 2024-03-23 技術系集会合同LT大会 越境/みちのそら(@contradiction29)

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いかなる時代においても「知識」は⽣存するうえで不可⽋ そんな知識について考えてみる

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知識の種類その1:明⽂化された知識 ● 「乗⽤⾞に乗っている場合、⾚信号で⽌まれ」は明⽂化された知識 ○ 道路交通法第七条「道路を通⾏する歩⾏者等⼜は⾞両等は、信号機の表⽰する信 号⼜は警察官等の⼿信号等(前条第⼀項後段の場合においては、当該⼿信号等) に従わなければならない。」(罰則 第百⼗九条第⼀項第⼆号、同条第三項、第 百⼆⼗⼀条第⼀項第⼀号及び第⼆号) ○ 罰則規定もある

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試⾷⽤コーナーの「ご⾃由にどうぞ」で 本当にご⾃由に⾷べてはいけない これは明⽂化された知識か? →そうではない

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知識の種類その2:暗黙の知識 ● すべての知識が明⽂化されているわけではない ● 明⽂化:法律や政令、ルールとして書き下されており、なおかつその⽂章に アクセスできる状態が保証されていること ○ 例)法律、政令、ゲームのルール ● ⽂化的なコンテキスト、あるいは「常識」や「良識」に収まる範囲として、 明⽂化されることがない知識は多い ● 通常、こういった「暗黙の知識」は情緒的な発達の過程で培われる

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暗黙知を知らないとどうなる? ● 暗黙知を知らない結果として⽣じうるもの ○ 他者に対する損害:不快感を与える、⼈間関係が悪化する、場の空気を悪くする ○ ⾃分に対する損害:集団からの阻害、機会損失 ○ 訴訟沙汰、実害など、シャレにならないもの ● 暗黙知にアクセス可能かどうかはQOLに影響する ○ QOL = Quality of Life 暗黙知を知らないことによるデメリットは無視できるものではなく、個⼈の QOLを考えるうえで重要である

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問題提起 ● 暗黙知は通常、発達の過程やコミュニティ内部での情報交換により獲得さ れ、コミュニティ外部に出ることはない ● にもかかわらず、暗黙知の有無は個⼈のQOLに直結する ● 結果的に、発達の過程やコミュニティへのアクセス不⾜により暗黙知を獲得 できなかった層のQOLが減少してしまう → 暗黙知を共有する場所を作れないか? ⼈々が暗黙知を提供でき、知⾒を交換できるプラットフォームが作れないか?

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暗黙知を共有する場所を作るうえで解くべき課題 ● 「暗黙知」を⾔葉にできない ○ 本⼈にとってはトラウマに近いものもある ○ 経験学習のフレームワークとして知識を整理し、記事を作成できるようにすれば解消できる ● 仮に暗黙知を記事にできたとしても、それを共有する場所がない ○ ⾃分で作って解消できる

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実際に作ってみた 今⽇はそんな取り組みについて話してみたいと思います

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今⽇話すこと ● 「健常者エミュレータ事例集」の概要 ● 作られた経緯 ● 現状の課題とこれからの展望 「こういう取り組みがあったな」と記憶してくれれば幸いです

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⾃⼰紹介 ● 普段のお仕事 ○ Web系のスタートアップ企業に所属、エンジニア ○ 現在転職活動中 ● 「健常者エミュレータ事例集」の管理⼈ ● 普段はDS集会などにいる 越境(みちのそら) /@contradiction29

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今⽇話すこと ● 「健常者エミュレータ事例集」の概要 ● 作られた経緯 ● 現状の課題とこれからの展望

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「健常者エミュレータ事例集」概要 ● 「健常者エミュレータ事例集」とか 「健エミュ」で検索すると出てくる ● ざっくり説明すると... ○ ユーザーが暗黙知の記事を投稿し ○ ユーザーが記事を評価し ○ ユーザーがコメントできる ● TwitterのBotが活⽤されている ○ 投稿した記事を画像付きで共有

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実際の記事を⾒てみる

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ユーザーは記事に「いいね」 「よくないね」をできる 5W1H+Thenのフレームワーク に従い、前提条件を整理する 事実に基づく反省(Reflection) 反実仮想 書ききれなかったことの補⾜ タイトル=教訓の要約 「フレームワークに基づく内 省」を促す仕組み

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「やってはいけなかったこと」だけではない 「やってよかったこと」も暗黙知の対象

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5W1H+Thenのフレームワーク で拾いきれなかった前提を拾う 実際に起こったことに基づく反 省(Reflection) 反実仮想 状況説明→事実に基づく反省 (Reflection)→反実仮想→補⾜、の流 れは同じ

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他にも記事はいろいろ 気になったらあとで調べてね ←複数の記事をまとめた「メタ事例」

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ユーザーは投稿フォームから記事を投稿できる ● 順番に上から投稿フォームに必要な情報を⼊⼒すれば、 経験を整理しながら記事を作成できる ○ 経験学習フレームワークを⾃然に適⽤したうえでの記事作成が可能 ○ スマートフォン‧PC両⽅から投稿が可能 ● コード‧技術スタックなどは以下のレポジトリ参考 ○ https://github.com/sora32127/HPESubmitForm ↑投稿フォームの画⾯

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記事の投稿を促進する仕組み ユーザー 記事を投稿 健常者エミュレータ事例集 Xにポスト X ユーザーが記事を閲覧‧評価 SNSを利⽤した匿名的な集団模倣現象の創出

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数字で振り返る ● 2024-03-17時点の数字 ○ 累計投稿数 : 9033件 ○ 累計コメント数 : 20261件 ○ 累計PV数 : 800万程度 ● ←直近30⽇の推移

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今⽇話すこと ● 「健常者エミュレータ事例集」の概要 ● 作られた経緯 ● 現状の課題とこれからの展望

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健常者エミュレータ事例集を作った理由 ● 作った理由 ○ ⾃分が必要だったから ■ 作った当時は⼤学卒業直前 ■ 社会に出ていくことが不安だった ● 「何かを始める理由」と「続ける理由」は違ってもいい ● 作り続けている理由 ○ 話すと⻑くなるので割愛

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今⽇話すこと ● 「健常者エミュレータ事例集」の概要 ● 作られた経緯 ● 現状の課題とこれからの展望

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本体が最⼤の弱点

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現状の課題 ● インフラが貧弱 ○ Twitterからの流⼊が半分以上 ○ なのにTwitterでバズるとインフラがダウンする ○ たまにページ読み込みが遅くなる ● 機能が貧弱 ○ 認証体験がよくない ○ 記事のお気に⼊り機能、⾃分がいいねした記事の保存機能なども付けたい ○ 記事の編集がやりづらい ● セキュリティ ● UIもよくない ○ アクセシビリティにかける ○ スマートフォンでのUIが悪い

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今後の展望 ● ゼロベースで再構築し、ユーザーエクスペリエンスの向上を⽬指す ○ スマートフォン向けの機能強化、動作軽量化 ○ Cloudflareを活⽤したインフラの強化 ○ アクセシビリティの向上 ○ UGMとしての機能向上 ● 技術スタックの丸ごとの⼊れ替え ○ 技術選定‧Figmaでのデザイン構築まで済んでいる ○ 構築はこれから ○ 誰か⼿伝ってほしい (特にデザイナー) ● 参考:次の技術スタック ○ ⾔語‧フレームワーク:TypeScript, Remix ○ ビルド:Vite ○ インフラ:Cloudflare Pages ○ Backend as a Service : Supabase (Postgres SQL, 認証) ○ ORM : Drizzle

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⽬指すもの ● 健常者/⾮健常者の区分を問わない ○ 健常者と⾮健常者の境⽬はない。前提条件を共有できているか否かの違いしかない。 ○ 時と場合に応じて誰もが健常者となり、誰もが⾮健常者となる ● 投稿の動機も問わない ○ 知識が有益であるかどうかは、知識を世に放ったきっかけとは無関係 ○ ウケ狙い上等 ● 健常者と⾮健常者の差異を強調するよりも、共有された知識の理解と経験を 深めることに焦点を当て、暗黙知の共有を促進し、開かれた未来を⽬指す すべてのユーザーに開かれた暗黙知の共有プラットフォームであり続ける