Slide 1

Slide 1 text

1 東海高校 サタデープログラム AIで政治は 変わるのか? 〜 チームみらいの挑戦 〜 2026.6.27 衆議院議員 須田英太郎(チームみらい)

Slide 2

Slide 2 text

文化祭の出し物を多数決で決めて「モヤッ」 喫茶店 落ち着いて、おしゃれに VS お化け屋敷 みんなで盛り上がる 多数決で決めると、負けた側はモヤッ。 33人のクラスを300万倍 = 1億人 =「国の政治」 ©須田英太郎 2

Slide 3

Slide 3 text

多数決や投票は民主主義の「氷山の一角」 民主主義の本当の仕事は2つ 1 より良い答えを見つける みんなの知恵を持ち寄る 2 みんなが納得できる決め方 受け入れられる手続き ©須田英太郎 3

Slide 4

Slide 4 text

今日の問い 「より良い答え」と「みんなの納得」を実現するに は、どうしたらいいのだろうか。いま目覚ましく進化 しているAIで、それができないか? 今日の流れ 自己紹介 → ①AIの今 → ②AIと民主 主義 → ③小豆島の 現場 → まとめ ©須田英太郎 4

Slide 5

Slide 5 text

自己紹介 — 人文科学の視点で、技術をくらし・まちに 須田英太郎 衆議院議員(比例東海ブロック) チームみらい 国会対策委員長代理 まちづくりの会社を起業 文筆家 国会議員 0歳児の育児中 → 人文科学の視点から、テクノロジーをくらし・まちに役立てる 共著『モビリティと人の未来 ――自動運転は人を幸せにするか』 2016年〜2019年に大学院に通いながら、自動運転と社会を考えるウェブメディアを運営 し、内容をまとめた書籍 ©須田英太郎 5

Slide 6

Slide 6 text

原点は「現場で学び、考え、行動する」こと 撮影:須田英太郎 現場で学び、考え、行動する 開成中高 → 浪人 → 東京大学 法学部の道を離れて文化人類学へ転向。休学も2 回 ミャンマーで民主化運動・民族紛争を5年以上に わたりフィールドワーク ©須田英太郎 6

Slide 7

Slide 7 text

起業、小豆島で自動運転バスを走らせた 出典:産経新聞(2024年12月29日) まちづくりITスタートアップ scheme verge を起業 小豆島に拠点をかまえて島ぐらし 伊勢、知多半島、多治見、豊岡、直島、高松、江田 島、越前など各地のまちづくりに参画 「自動運転の事故より、 島がなくなることの方が怖い」 ©須田英太郎 7

Slide 8

Slide 8 text

現場で見えた制度の課題 → 国政へ 現場の課題を技術で解決するには、制度 の壁があった。 地域の現場の課題と、それを解決する技術の両方を見 てきた結果、制度を変えることの重要性にぶつかる。 政治の側に立って、テクノロジーを社会に実装する仕 事へ。 ©須田英太郎 8

Slide 9

Slide 9 text

9 PART 1 AIで、いま 何が起きているか — これは政治より前に、社会全体の話

Slide 10

Slide 10 text

AIの進化は、産業革命に匹敵する 2019 2021 2023 2025 約7か月で倍増 (直近は約4か月に加速) AIが自分だけでこなせる作 業の量が、増え続けている 出典:METR「Measuring AI Ability to Complete Long Tasks」(2025)。グラフはイメージ ©須田英太郎 10

Slide 11

Slide 11 text

今の中高生が就く仕事はこれまでと全然違う すでに起きているレイオフの波 米国のソフトウェアエンジニア求人は2020年比で 約4割減(Indeed, 2025年)。AIを背景にした人員 削減も拡大(Amazon:2026年1月に約1.6万人)。 今後加速する可能性も 事務・サポートなどホワイトカラー全般に波及。 とくにデータ入力/一般事務・秘書/銀行の窓口 /カスタマーサポートなどがなくなると言われて いる。 出典:世界経済フォーラム「The Future of Jobs Report 2025」/Indeed Hiring Lab(2025)/Amazon発表(2026年1月)ほか 一方で、人口減少が進む日本では、人手不足の解消も期待 ©須田英太郎 11

Slide 12

Slide 12 text

もうAIは「すぐ終わる作業」を頼む道具ではない これまで = 人が指示して“お願い”する道具 いま = AIエージェント 検索する 翻訳する 文章をつくる 欲しい道具を自分で作れる AIが自律的に作って動かす AI同士が連携して働く ©須田英太郎 12

Slide 13

Slide 13 text

【ライブデモ】東海高校の歴史サイトを、その場で作る ここから画面共有に切り替え AIに「東海高校の歴史を、イラストで 楽しく紹介するサイト」をその場で依頼します — スライドを離れ、実際の画面でライブにお見せします ©須田英太郎 13

Slide 14

Slide 14 text

バイブコーディング— 話すだけで、道具ができる 言葉で「こんなものが欲 しい」 → AIがコードを書く → アプリ・ツールが動く 専門知識がなくても、AIと自然な言葉で対話するだけで作れる → さっき頼んだ東海高校のサイト、もう完成(画面で披露) ©須田英太郎 14

Slide 15

Slide 15 text

15 PART 2 政治はAIで どう変わるか? — ブロードキャストから、ブロードリスニングへ

Slide 16

Slide 16 text

政治を「一方通行」から「双方向」へ ブロードキャスト 一人の声を多数へ発信 既存の意見募集 受け取り側がパンク ブロードリスニング 多くの声を上手に収集 図:西尾泰和「主観か客観かではなく、一人の主観から大勢の主観へ」 This work is marked with CC0 1.0 テクノロジーを使って、「発信」だけでなく「受信」をアップデート ©須田英太郎 16

Slide 17

Slide 17 text

全員にじっくり聞くのは、無理だった ここが、できなかった 少人数で深く 寄り合い・数人での話し合い 大人数で浅く 選挙の一票 深い 浅い ← 少人数 大人数 → ©須田英太郎 17

Slide 18

Slide 18 text

AIが、大人数で意見を伝え合うコストを劇的に下げる ◎ AIなら、ここができる 大人数 × 深い 少人数で深く 寄り合い・数人での話し合い 大人数で浅く 選挙の一票 深い 浅い ← 少人数 大人数 → ©須田英太郎 18

Slide 19

Slide 19 text

チームみらい結党 — 技術で民主主義をより良く 2024.7 都知事選 安野・約15万票 2025.7 参院選 国政政党化 比例 約151万票 2026.2 衆院選 11議席を獲得 比例 約381万票 須田も比例東海で初当選 ©須田英太郎 19

Slide 20

Slide 20 text

「聴く・磨く・伝える」をAIで広く・深く・速く ©安野貴博 ©須田英太郎 20

Slide 21

Slide 21 text

聴く — ブロードリスニングで民意の見える化 政策について、 意見をいただく → 皆さんの意見をかたまりごとに分析 見える化し政策改善に活かす ©須田英太郎 21

Slide 22

Slide 22 text

磨く —「喋れるマニフェスト」で、声を政策に反映 ©チームみらい 参院選の5/16〜7/19(約65日間)で 9,342件の変更提案 →346件が反映 マニフェストを見ながらAIに質 問・議論 意見はAIとの対話で政策提案の形 に 提出後は反映状況も追える ©須田英太郎 22

Slide 23

Slide 23 text

伝える — 「AIあんの」で24時間 質問に回答 出典:YouTube【チームみらい】AIあんのが、24時間皆さんからの質問にお答えします! ©須田英太郎 23

Slide 24

Slide 24 text

伝える — 「AIあんの」で24時間 質問に回答 AIあんのの実績(2025参議院選) YouTubeのAIあんの 17日間(7/3-7/19)で 約 24,000件 を回答 電話のAIあんの 17日間(7/3-7/19)で 1,350件以上 を回答 ©須田英太郎 24

Slide 25

Slide 25 text

磨く・伝える — みらい議会で国会議論をわかりやすく ©チームみらい 国会で審議中の法案を、ワンタップ で“やさしい説明”に のべ 約34万人 が利用 — テクノロジーで、誰も取り残さない ▶ ブラウザで開く:みらい議会 ©須田英太郎 25

Slide 26

Slide 26 text

聴く・磨く — AIインタビューで声を「深く」集める ©チームみらい AIが一人ひとりに「なぜ?」と 深掘り。賛成・反対だけでな く、当事者の体験・専門家の懸 念・現場の問題が積み上がる 3か月半で セッション 約5,000回 メッセージ 約3万件 ©須田英太郎 26

Slide 27

Slide 27 text

いただいた声を、実際の国会質疑に(下水道法) 八潮市の現場視察 +AIインタビュー → 声がデータに 「手続きが重い」 → 5/22 国会質疑 → 政府が答弁 八潮市の道路陥没(2025年1月・約120万人が 下水道使用制限)の現場を委員会で視察。 5/22に国会質疑。 主要幹線道路から、道路工事の手続きの デジタル化を進める答弁を引き出した ©須田英太郎 27

Slide 28

Slide 28 text

世界でも、同じ挑戦が起きている 台湾 vTaiwan 配車アプリUberをめぐる対立 対立|「安く便利に」を望むUber・利用者 vs「安全 と生活」を守るタクシー業界。 合意|全員の声をPol.isで集約し、プロ免許・保険を 条件にUberを認めるルールで決着、規制に反映。 アイルランド 市民会議 中絶の是非で割れた国論 対立|中絶を憲法で厳しく禁止。宗教・倫理観で賛 否が真っ二つ、長年膠着していた。 合意|くじ引きの市民99人が5か月熟議 → 国民投票 で約66.4%が賛成し、憲法を改正。 出典:congress.crowd.law(vTaiwan Case Study) ©須田英太郎 28

Slide 29

Slide 29 text

でも、これは「魔法」ではない デジタルに不慣れな方の声 を、どう聞くか ディープフェイク AIの偏り・誘導の危険 AIは“道具”にすぎない ©須田英太郎 29

Slide 30

Slide 30 text

国会議員が、AIでものづくりを体験する場をつくった 出典:日テレNEWS NNN(2026年6月25日) 国会議員向け「最新版!AIの使い方勉強会」 与野党 6党 が参加 2026年6月25日/国会内で開催 議員向け「AIの使い方勉強会」でバイブコーディングを体 験。各メディアでも報道された ©須田英太郎 30

Slide 31

Slide 31 text

「AIと民主主義」を、超党派で動かす 出典:NHK(2025年10月15日) AIと民主主義に関する超党派勉強会 与野党 7党 が参加 須田は事務局長代行を務める AIと民主主義のあり方・国会のDXを超党派で議論し、提言を取り まとめ中 ©須田英太郎 31

Slide 32

Slide 32 text

32 PART 3 では、AIは合意形成を “ぜんぶ”できるのか? — 小豆島での自動運転の合意形成の経験をもとに

Slide 33

Slide 33 text

小豆島の自動運転は、地道な合意形成の積み重ねだった 出典:産経新聞(2024年12月29日) 技術だけでは、バスは走らない 住民の皆さんの間での合意形成を、 一つずつ積み上げた 対話会/体験乗車/各地域の自治会への説明/自治体・タ クシー会社・バス会社との話し合い/警察への説明/広報 誌への掲載/メディアを通じた発信/中学・高校での説明 /地域の経済団体への説明…… この経験を「AIで代替できる部分/ 人間がやるべき部分」に分けて考え る ©須田英太郎 33

Slide 34

Slide 34 text

AIが担えること① — 聴いて整理し、合意点や折衷案を生む ① 声を整理する 大量の意見を構造化 ② 合意点を探る 共通項と双方配慮の案 ③ プランCを出す 賛成/反対の二択を超える ▶ ライブ実演 もし「喫茶店 vs お化け屋敷」で割れたら、AIはどんな案を出す? ©須田英太郎 34

Slide 35

Slide 35 text

AIが担えること② — 効果を検証する ©scheme verge 小豆島の自動運転バスの利用者にデジタルクーポンを配布 し、バスの利用前後の行き先を検証した 電子クーポンを 配布 → 利用履歴データ → 行き先を可視化 実験後の効果を、データで検証 — こうした分析はAIが得意 ※「何を成功とするか・どう解釈するか」を決めるのは、やはり人間 ©須田英太郎 35

Slide 36

Slide 36 text

人間がやるべきこと① — 信頼をつくり、安心して話せる「場」をつくる 内閣府 SIP「市民ダイアログ2018(第2回・小豆島)」©SIP-adus 信頼をつくる 実際に足を運び、「この人となら話し合ってもよい」と思っ てもらう、地道な信頼づくり 安心して話せる「場」をつくる 対立がヒートアップしても、感情に向き合い、安心して話せ る空気をつくる ©須田英太郎 36

Slide 37

Slide 37 text

人間がやるべきこと② — 価値の優先順位を決め、決断し、責任を負う 「どこに自動運転バスを走らせるか」を、最 終的に決めるのは、人間。 「何を一番大事にするか」という価値の優先順位を決め、最終的 に決断し、その結果に責任を負う。 =「正統性と責任」の問題 — 冒頭②「みんなの納得」のためにも重要 ©須田英太郎 37

Slide 38

Slide 38 text

AIは合意点さがし・整理・検証、 人は信頼・決断 ©scheme verge AI が増幅する 合意点さがし・整理・検証・折衷案づくり 人 が担う 信頼・価値判断・決断・責任 ©須田英太郎 38

Slide 39

Slide 39 text

まとめ:AIとデジタルで、政治はもっとよくなる 1 民主主義で大事なのは「みんなが納得できる決め方で、より良い答えを見 つける」こと 2 これまでは“手間”がかかりすぎて無理だった。その手間をAIが下げ始めた 3 私たちは、より広く深い議論ができる民主主義を実践で積み重ね始めるこ とができている — 一緒に、未来の政治をつくっていきましょう!! ©須田英太郎 39

Slide 40

Slide 40 text

おまけ:今日からできる、もっと良い話し合い 「これから〇〇に ついて話し合いま す。みんなの意見 を、賛成/反対で はなく『何を大事 にしているか』で 分類して、全員が 受け入れられそう な折衷案(プラン C)を3つ提案し て」 次に何かを決めるとき、 AIに頼んでみよう 賛成/反対で割らない 「大事にしていること」で整理 みんなが乗れる折衷案を出す ©須田英太郎 40

Slide 41

Slide 41 text

41 ご清聴 ありがとうございました @Btaros @eitaro.suda @eitaro.suda btaros @eitaro_suda ぜひフォローをお願いします!!

Slide 42

Slide 42 text

ライセンス|CC BY 4.0 CC CC BY 4.0 この資料は、クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際(CC BY 4.0)で提供します。 出典を表示すれば、複製・改変・再配布・商用利用ができます。 © 2026 須田英太郎 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja ※ 各種サービスの画面、各種ロゴ・商標(チームみらいのロゴを含む)、フォント、および報道機関の写真・記事、引用した図表・グラフ、企業等の提供 素材は各権利者に帰属し、本ライセンスの対象外です。 ©須田英太郎 42