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バイアスを凌ぐデザインとコード 異動直後にどうふるまうか kkaru 2025.04.25 デザインエンジニアMeetup #1

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kkaru @hikrrr 株式会社estie デザインエンジニア デザインエンジニアリングを追究したく、 2021年にestieへ入社しました。 2024年10月からSaaS「estie 案件管理」の 開発に携わっています。 つい最近、意匠権を3件取得しました! 自己紹介

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はじめに バイアスとは何か?

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ある特定の方向や考え方に偏った傾向や態度を示すことである。 偏見や先入観といった意味合いも含まれる。 また、統計学やデータ分析の分野では、測定や評価の誤差を指すことがある。 引用元:https://www.weblio.jp/content/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9 バイアスとは ― 語義 要するに「思い込み」「前提のズレ」「わかった気になっている状態」

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バイアスとは ― 現場にて プロジェクトを異動した直後には、誰もがバイアスにぶつかるはず 誤認しがち a ユーザーの目的・優先順$ a ユーザーの操作フロ2 a 事業戦略における担当プロダクトの位置付け など ※入社の直後は(相対的に)周りのサポートが手厚いので まぁ甘えればいいんじゃないすか

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バイアスとは プロダクトを 静かに腐らせる

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ふたつの段階 バイアスを凌ぐ バイアスを凌ぐ

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バイアスを乗り切る バイアスを上回る ふたつの段階

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ふたつの段階 Assigned On board 1st Release 2nd Release Kick off バイアスを乗り切る バイアスを上回る

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ふたつの段階 Assigned On board 1st Release 2nd Release Kick off バイアスを乗り切る バイアスを上回る 見聞きした情報を鵜呑みにする情けなさ 自分の誤解に対する絶望感

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バイアスを乗り切る

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バイアスを乗り切る 責任を果たす 乗り切る?いや、

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バイアスを乗り切る:責任を果たす ― 最初期 課題 いち早くチームと並走できるよう、自分の理解を追いつかせる 対策 いまの理解を仮説 → UIにして共有し、自分のバイアスを露見させる

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バイアスを乗り切る:責任を果たす ― 初期 課題 見えたギャップを、チームの認識共有のきっかけに変える 対策 ドラフト実装を意思決定の土台として機能させ、プロダクト全体の方向づけに貢献する

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バイアスを乗り切る:責任を果たす ― On board 課題 アウトカムをつくり出すプロセスそのものには寄与する 対策 チームの議論がユーザーの文脈にどれだけ近づくか?を意識してアウトプットを繰り返す

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バイアスを乗り切る:責任を果たす 価値を届ける側に立っていくために 理解の浅さを 共有可能なかたちに変えて 意思決定に参加する

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バイアスを上回る

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バイアスを上回る 思い込みを壊す どうやって上回る?

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バイアスを上回る:思い込みを壊す ― 対自分 課題 初期実装に染み込んだ思い込みを放置しない 対策 初期実装を「仮説の表明」として捉え、影響の大きい箇所から再検証する

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バイアスを上回る:思い込みを壊す ― 対チーム 課題 チーム内にある習慣や確証バイアスによって、設計判断が妨げられないようにする 対策 言葉だけで議論するより、プロトタイプで対話のきっかけをつくる

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バイアスを上回る:思い込みを壊す ― 対ユーザー 課題 認知がズレていると、ユーザーはプロダクトの価値にたどり着けなくなる 対策 UIの学習可能性を意識し、ユーザーの認知負荷やつまずきを定性・定量ともに検出する

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バイアスを上回る:思い込みを壊す 一度決めた“正しさ”が プロダクトの価値を遠ざける── なんてことを防ぐために 仮説を見直せる構造を持つ

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総論 ― バイアスを凌ぐとは 問い続けられる構造を設計し、それをチームで扱える状態にしておくこと t– 仮説を実装し、構造のズレを発見す ¦ わからないままではなく「仮説としての実装」によって理解と設計のズレをあぶり出‘ ¦ デザインエンジニアは、自らこの検証ループを回せ y– UIは意思決定の解像度を高める手e ¦ UIがユーザーの迷いや誤解を映すレイヤーであることを活かして、チームの意思決定精度を引き上げ ™– 設計を巻き戻せる状態こそ、バイアスを凌ぐ構¬ ¦ 正しさを前提に固定するのではなく、「問い直せる設計」ができるかどうかが、バイアスを超える鍵