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ローマ帝国と貨幣経済
▪ ローマ帝国における経済状態の変遷を見てゆく場合、貨
幣流通において主役を果たす銀貨(デナリウス)における
銀含有比率は一つの指標となり得る。
▪ 銀含有比率の変遷過程は、
1.アウグストゥス帝~3世紀初頭までは安定している。
2.3世紀前半以降(カラカラ帝~)、急激な下落傾向を見せる。
3.260年、実質価値としての銀貨の品位低下が底を打つ。
→少なくとも、3世紀において貨幣経済が完全なる破綻を来た
していたことは十分に推測され得る。