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Gemini と Looker で 営業 DX をドライブする Gemini at Work - Data for AI - Sansan株式会社 技術本部 研究開発部 前嶋 直樹

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前嶋 直樹 Sansan株式会社 技術本部 研究開発部 SocSci Group 研究員 - 東京⼤学⼤学院⼈⽂社会系研究科博⼠課程単位取得満期退学 - 当時の専⾨分野は社会学、特に社会ネットワーク分析 - 2018年に社会科学系データサイエンティストとして⼊社 - 現在は"Sansan Labs"の開発に従事

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Sansan株式会社の事業紹介 請求 ⼈や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる「働き⽅を変えるDXサービス」を提供 ビジネスフローにおけるさまざまな分野でサービスを展開 名刺管理 名刺DX 営業 営業DX 契約 契約DX 経理DX 個⼈向けDX 法⼈向けDX 必要な情報を すぐに⾒つけられる 情報の管理がしやすく すぐに共有できる 情報を分析・活⽤しやすく データに基づいた判断ができ る SansanのDXサービスの活⽤で変わる働き ⽅

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- 営業DXサービス「Sansan」に蓄積したビジネスの接点にまつわるデータがさまざまな切り⼝で分析・ 可視化される実験的な機能を、いち早く利⽤できるサービス。 - 2022年7⽉から2024年11⽉までの間に、計30個の新機能をリリース。⾼い開発⽣産性を追及。 - 近年では「AI企業検索」シリーズや「AI⼈脈チェック」など、LLMを活⽤したサービスにも注⼒。 Sansan Labs

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Sansan Labsによる営業DXを⽀援する様々な機能

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役職ごとの点数と名刺交換数を掛け合わせたものを合算し、直近2年間の顧客企業との関係性にどのような 推移があったのかを可視化する機能。 Sansan Labs「企業リレーションスコア」をLookerで再実装する 本機能のLookerでの再実装を通じて、 LookerとGeminiの使⽤感を開発者⽬線で検討した ※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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①Explore Assistant

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- Lookerの拡張機能であり、Geminiを使うことで⾃然⾔語によって対話的に Lookerのチャートを作成することが可能 - Lookerの開発者らによってOSSプロジェクトとして公開されている。 - 導⼊の⼿順は GitHubリポジトリ に詳細に解説されている。 - ユーザが⼊⼒したプロンプトとアウトプットであるLooker APIのクエリ パラメータの例が複数⽤意されており、これもとにfew-shot learningを⾏う。 - 例を加⼯したり、ファインチューニングすることも可能 - バックエンドとしてBigQueryとCloud Functionsの両⽅を利⽤可能。 - コンテキストとして与えられる情報 - LookML (各fieldについての情報など) - 上記のinput/outputの組み合わせの例 - ユーザが⼊⼒したプロンプト ①Explore Assistant

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Explore Assistantのアーキテクチャ https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/281897dc837e29

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Explore Assistantの初期画⾯

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可視化の形式を指定するとその通りにチャートを作成してくれる 例①:年間の名刺交換枚数の推移 ※今回の検証で⽤いていた名刺交換データは全て架空の企業・⼈物のレコードからなる疑似データである。

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チャートの形式を選択しない場合でも、Geminiが適した形式を判断 例②:累計の名刺交換数 ※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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グループ化を伴う集計にも対応 例③:名刺交換に占める役職の内訳を年単位で⽐較 ※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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作成したチャートは新規・既存のダッシュボードに簡単に保存可能 例④:「企業リレーションスコア」の可視化 ※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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- Lookerに馴染みのない開発者・データアナリストでも⾃然⾔語によって 簡単にデータの問い合わせやチャート作成が可能になる - 発表者⾃⾝も当初Lookerのメンタルモデル獲得に時間を要したが、 この機能によって習熟のスピードを上げることができた。 - チャット形式で⾼速な可視化の検証プロセスを回せるので、 ダッシュボードの開発⽣産性を⾼めることができる。 Explore Assistantの意義

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②Dashboard Summarization

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- Lookerの拡張機能であり、Geminiを⽤いてダッシュボードの内容を要約 する。ダッシュボードのタイルとして利⽤可能。 - Lookerの開発者らによってOSSプロジェクトとして公開されている。 - 導⼊の⼿順は GitHubリポジトリ に詳細に解説されている。 - こちらもプロンプトの改良やファインチューニングが可能 - LLMのコンテキストに含まれる内容 - LookML、ダッシュボードの概要やタイルのタイトルなどのメタデータ - BigQueryに送られるクエリ - BigQueryから返された実⾏結果 (CSV) ②Dashboard Summarization

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Dashboard Summarizationのアーキテクチャ https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/99082f4c43a6ed

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実⾏例 ※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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Gemini-1.5-Flashの出⼒ 要約対象のチャート この時系列データの特徴をよく捉えており、データの簡潔な解説 としては⼗分に思える。 ※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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Gemini-1.5-Pro(default) の出⼒ Proの場合、時系列データの推移に関する解説がより細かくなって いることに加えて、指標の定義まで理解した上での、原因の推測 にまで踏み込んだコメントになっている。 要約対象のチャート ※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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- ダッシュボードサービスに、⽣成AIによる動的でオンデマンドな解説と いう新たな顧客体験をプラスする。 - 「データの読み⽅が分からない」というありふれた問題に対して、 ⽣成AIによる要約が分析結果を理解するための⾜がかりを提供する。 - 開発者観点としては、ダッシュボードの概要やタイルのメモなどの ダッシュボードのメタデータが充実すればするほどコンテキストとして 利⽤できる情報が増えるので、メタデータ整備のインセンティブになる。 Dashboard Summarizationの意義

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③既存サービスへのLookerコンテンツの埋め込み

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- Lookerコンテンツはiframeを⽤いて外部Webサービスに埋め込むことが可能 - 埋め込みの⽅式は認証レベルの異なる3種類が⽤意されている - 公開埋め込み … 公開URLによる埋め込み - プライベート埋め込み … 期限のない⾮公開URLを発⾏し、Lookerへのログ インを要求する。認証されたユーザ権限の範囲内でのみコンテンツが閲覧 可能。 - 署名付き埋め込み … Lookerへのログインは不要だが、代わりに⾃社アプリ ケーション経由での認証を⾏う。Lookerから提供されるシークレットキーで 署名された、期限付きのURLを使った埋め込みとなる。 - 埋め込みに関わるセキュリティのベストプラクティスはGCPのドキュメント で詳細に解説されている。 ③既存サービスへのLookerコンテンツの埋め込み

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- 右図のように、既存のSansan LabsのWeb サイトにDashboard Summarizationを搭載 したダッシュボードを埋め込むことができた。 - 埋め込んだLookerダッシュボードにはカスタムテ ーマを設定することも可能。 - ダッシュボードの外観を埋め込み先の Webサービスにマッチさせることができる。 実際にSansan Labsにダッシュボードを埋め込んでみる ※Lookerのライセンスによってカスタムテーマのサポート有無が変わるので注意 https://cloud.google.com/looker/docs/themes-for-embedded-dashboards-and-explores ※今回の検証で用いていた名刺交換データは全て架空の企業・人物のレコードからなる疑似データである。

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- 研究開発部では、Sansan Labsの他に、データ分析レポートという形で、オンデマンドで顧客の データを分析し、スライドの形で提供するサービスも⾏っている。 - Gemini in Lookerの⼀機能であるLooker Studio Proのスライド⽣成機能を⽤いて、 どこまで資料作成の省⼒化や分析内容の強化が⾏えるかを今後検証していく予定。 今後の展望:Looker Studio Proを活⽤した顧客データ分析⽀援 https://cloud.google.com/blog/products/business-intelligence/ai-powered-slide-generation-and-formula-assistant-in-looker 名刺分析レポートの例(※全て架空の企業・⼈物のレコードからなる疑似データ)

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- 当社の提供する実験的サービスである「Sansan Labs」の⼀部をLooker で再実装する試みを通じて、GeminiとLookerの使⽤感を検討した。 - Gemini with Lookerの提供する2機能で期待される効果 - Explore Assistantで、Lookerの開発⽣産性向上が期待される。 - Dashboard Summaryで、分析結果を理解するための⾜がかりを提供できる。 - LookerのEmbed機能を⽤いれば、セキュアな形で顧客向けにダッシュボ ードを共有することも可能。 - カスタムテーマを⽤いて既存サービスの外観とマッチさせることも可能 - 今後はLabsに留まらず、Looker Studio ProのGeminiによるスライド⽣ 成機能で、顧客⽤分析レポートなど、広範な活⽤先を模索していく。 まとめ

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