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継続的な研究費獲得のための考え方 小田昌宏 名古屋大学 情報基盤センター/大学院情報学研究科

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基本的な外部資金と大型外部資金 • 基本的な外部資金 – 目標:論文,プロトタイプ開発 – 研究参加者は1人か少人数 • 大型外部資金 – 目標:学術の新たな潮流の開拓,社会的インパクト – 研究参加者は多数 • 目標達成が可能と信じさせる材料(業績)を 持っている必要あり 3 科研費 若手研究,基盤C JST ACT-I/ACT-X/さきがけ/創発 科研費 基盤S/学術変革 JST CREST 将来的な大型外部資金の獲得を見据え,若手の頃から準備していく 継続的な研究費獲得にもつながる

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若手期間に行うこと • 研究業績の蓄積 – 基本的な外部資金獲得を目指しながら業績の蓄積 • 基本的業績:国内/国際会議発表,論文掲載 • さらに欲しい業績:使われるモノを完成させる,研究代表者としての研究実施, 国際的共同研究の実施,招待講演,書籍執筆 – 動くモノ,他の人に使われるモノを完成させる. 開発した装置を現場で運用, 公開したソフトが多数利用された, などは良い業績 4

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外部資金獲得に向けた研究目標の設定 • 外部資金の性質に合わせて目標設定 • ボトムアップ型研究費(科研費) – 自分の興味に沿って自由に目標設定 – あまり注目されていないテーマの研究 (でも将来重要になると信じている)も実施できる • トップダウン型研究費(JST さきがけ/創発,AMED) – 設定された課題に沿った研究を提案する必要がある – 政府の方針や社会的に着目されている課題を把握しておく – 社会的インパクトにつながる目標を選定 5 どちらも 獲得を 目指したい

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若手期間に行うこと(1/2) • 研究者ネットワークの構築 – 自身が持つ研究者ネットワークが強みとなる – 国内/国際会議参加を通じて多くの人と積極的に交流 • 継続的に現地参加して発表する – ボスが持つ研究者ネットワークを活用させてもらう • 小講座制の研究グループは有利 • 国際的な共同研究実施 – 海外に長期滞在しての研究実施 – 自分とは異なる考え方,研究モチベーション,将来目標などを知る – 外から見ることで内の強みと弱みが見える 6

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若手期間に行うこと(2/2) • 外部資金獲得スキルの向上 – 明確で説得力ある研究提案書類の書き方を学ぶ • 研究に関する十分な知識は必須.さらに審査委員にアイディアを伝えるための 様々なテクニックを使って書く必要がある. – 採択経験のある人にお願いし,提案書を見せてもらう, 自分の提案書を評価してもらう. – 何度も応募し経験を積むことが重要 • あきらめない – 研究提案が不採択となっても内容をアップデートし何度もチャレンジ 7

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大型外部資金の獲得へ • 積み重ねた経験をもとにした研究課題設定 – 広範な研究領域に横たわる課題,これまで気づかれていない新たな課題 – 社会的に重視される課題(トップダウン型研究費) • 周辺研究領域の知見を得る – 様々な専門の研究者と組む可能性がある – 幅広い分野の情報収集,異分野の学会参加 • 研究者ネットワークの拡大 – 同じ専門分野の研究者はだいたい皆知っている状態.異分野へネットワーク拡大 を進める. • あきらめない – 不採択となっても何度もチャレンジ 8

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むすび • 大型外部資金の獲得を目指してどう準備するか • 研究成果の蓄積 – 論文化だけでなく他にない独自の成果を目指す – 研究者ネットワークの構築 – 国際的共同研究の実施 – あきらめない • 成果の蓄積と継続的な資金獲得チャレンジが 継続的な研究費獲得につながる 9