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やめるという決断がも たらした変化 Scrum Fest Kanazawa 2024 クリエーションライン株式会社 伊藤いづみ
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自己紹介 伊藤いづみ( izumii19,いづいづ) ■ クリエーションライン AgileCoE ■ スクラムマスター・アジャイルコーチとして現 場を支援中 ■ アジャイル札幌の運営メンバー ■ アイコンは大仏 ■ 好きな草はパクチー
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今日話したいこと ■ アジャイル札幌はスクフェス札幌やめました ■ やめたことで得た学び ■ とはいえ現場で実践していくのは難しい ■ 今回の学びを踏まえ、現場でできること
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アジャイル札幌 ■ アジャイルについてアツく語れる場を札幌につくろうという趣旨のもと誕生 したコミュニティ ■ 2024/6/29でめでたく13周年になりました
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スクラムフェス札幌 ■ 2020年からアジャイル札幌のメンバーが中心となって開催している地域 スクラムフェス ■ 3回目となる2022年には現地・オンライン合わせて300名を超える大規 模イベントとなり、参加者からもとても好評だった
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スクラムフェス札幌 しかし4回目は開催しないことを決意
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理由:運営である私たちが楽しめなくなったから ■ 3日間毎日キーノート、ハイブリッド開催、北海道ギフト、プロポーザルセッ ションなど ■ 多くの参加者に楽しんでもらいたい気持ちから、いつのまにかやることを 増やしてしまった ■ 運営メンバーは運営し切ることに精一杯だった ■ もちろん参加者が楽しんでくれるのはうれしい ■ でも「うれしい」と「楽しい」は違うことだと気付いた ■ 多くの運営スタッフはまた次もやりたいと思えなくなっていた
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そして 運営メンバーは燃え尽きたのだった
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2023年どうする? ■ ふと、アジャイル札幌を立ち上げたばかりの時の運営メンバーの会話を 思い出した ■ 「そのイベントの一番のファンは運営メンバー」 ■ 運営メンバーが楽しいと感じられるイベントを開催したい ■ もともとは「札幌の人々がそこに集い、アツく語る場 」を作りたかったのだ
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原点に戻ることを決めた ■ 4年目は「共に歩む仲間とつながる場を北海道に作る」 というテーマ1点 だけにフォーカス 2023年スクラムフェスニセコの開催趣意書 スタッフも参加者も一緒になって 「同じ場所に集まり、密度の濃い会話をし、共に歩む仲間とつながる」 ための宿泊型イベント 北海道で働くエンジニアをモチベートすることで北の大地にアジャイル旋風を巻き起こす
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やめたこと ■ ハイブリッド開催(現地のみに変更) ■ 大規模開催(60人だけに変更) ■ プロポーザルセッション ■ 並列トラック ■ 大好評だった北海道ギフトもやめた
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残したこと ■ キーノート ■ OST
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はじめたこと ■ 宿泊 ○ 飲食や懇親会、会場設営などはホテルにおまかせ ○ ニセコまでの交通手段も参加者におまかせ ■ みんなでもちよるワークショップ ○ 参加者のやりたいことをもちより、それが2日目のコンテンツになる
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この頃のお気持ちと行動 ■ 「たくさんの参加者を楽しませたい」という気持ちを手放した ■ やることを不用意に増やさないよう声をかけ合った ■ 趣旨を大きく変えたことで、参加者やスポンサーに受け入れられないかも という不安はあった
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この頃のお気持ちと行動 ■ 継続してきたことをやめるのはやっぱりさびしい ■ でも、自分達を大切にするための意味のある決断 ■ なにこの複雑な気持ち・・・
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無事2日間の日程を終えた
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はじめてこんなに 会話できました 全員参加型イベント良 かったです 全体を通してコミュニ ケーションが密にでき た
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コミュニティのつながり が広がった 初参加で サイコーの体験 うちのチーム全員に出 てほしい
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すごく勇気をもらいまし た スクフェス期間中 一番密なコミュニケー ションがとれた
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いろんなことをやめてみた結果① 物理的、心理的負担を減らすことができた ■ やることを減らしたので準備が辛くなかった ■ 当日は参加者にも運営をしてもらったので、運営スタッフが参加者になる ことができた ■ 参加人数を減らしたことで意思決定が楽になった ■ 準備が辛くない +当日楽しい=またやりたい
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いろんなことをやめてみた結果② イベントの一番の目的に集中し、目的を果たすことができた ■ 「共に歩む仲間とつながる場を北海道に作る」 ■ 参加者からも「交流が多かった」「また来たい」の声多数 ■ 新しいスタイルのイベントに戸惑う人もいたかもしれない ■ 私達も参加者としてめいいっぱい楽しんだ ■ 準備が辛くない+当日楽しい =またやりたい が発動
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いろんなことをやめてみた結果③ 心配をよそにスポンサーが集まった ■ 企業のメリットよりもコミュニティ応援が目的で引き受けてくれた気がする ■ 趣旨が変わっても、その趣旨に賛同してくれる人が集まる ■ 趣旨や目的を熱意をもって伝えることが大切(方針転換する際は特に)
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というわけで
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スクラムフェスニセコ 2024開催します! 2024年 11月1日(金)〜 2日(土)の 2日間
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「まあでもこれってコミュニティの話でしょ」
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「仕事ではなかなかこうは、ねぇ?」
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なのに、現場でこれを実現するのは容易ではないことも われわれはこの原則をよく理解しているはずなのに “シンプルさ(やらないことを最大化する)が本質である ” アジャイルソフトウェア開発宣言の背後にある 12の原則
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なぜビジネスでは難しいのか コミュニティとビジネスは全く違うから ■ コミュニティでは「失敗しても仕方ない」「最悪これ1回で終わってもいい」く らいの割り切った決断ができる ■ 一方ビジネスではそんな博打みたいな決断はできない ■ 様々な利害関係者の、様々な価値があり、様々な考え方がある ■ 多くの人が納得できるトレードオフが難しい ■ このようなビジネスの場において「やめましょう」という提案をすること自 体になんだか勇気がいる行為
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やめることは受け入れられにくい理由① やる価値は見えやすいが、やらない価値は見えにくい ■ 何かやめることは「引き算コーディネート」のようなもの、それをやめること で別な何かがフォーカスされる行為 ■ 何かをやめると同時に「別な価値」そこに見いだせなければ、たとえ価 値が合ったとしてもリスクのように感じる
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やめることは受け入れられにくい理由② ないよりある方が安心 ■ 「大は小を兼ねる」「一応」「念の為」という考え ■ あることは安心を生み、ないことは不安を生む
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やらないことを最大化することによる価値と向き合うのが私達 でも私達はアジャイル開発におけるプロフェッショナル “シンプルさ(やらないことを最大化する)が本質である ” アジャイルソフトウェア開発宣言の背後にある 12の原則
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スクフェス札幌をやめた経験を胸に 「やらないことを最大化する」と もう一度向き合う
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スクフェス札幌をやめた経験からの学び 自分たちはスーパーマンではないことを認め、 やめることの価値と向き合い、 上手にやめる
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人ではなく、やることをコントロールする ■ 人間は多くのことをやり続けられるようにできていない ■ ある日突然限界がくる、その前に持続可能な状態にもっていく ■ やることは意識して減らさないと自然と増えていく!(経験) 「頑張ればできそう」の精神で何かをやることは短期的には有効だが持続可 能ではない ロングスパンでは、自分たちの本質を受け入れてやることをコントロールする
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やめることの価値と本気で向き合う ■ 「全部必要なんだよね」は辞めることによる価値に向き合ってないだけか もしれない ■ 「大は小を兼ねる」「一応」「念の為」思考から勇気をもって脱却 ■ インセプションデッキで判断軸を作っておくと合意形成がしやすくなる 5分でわかった気になるインセプションデッキ @TAKAKING22
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上手にやめる ■ 今はやらない ○ 計画的に後回しにすることで今必要な機能を最優先とする ■ 必要がない ○ ムダなものを作り込まず、必要な機能へより注力する ■ 視点を切り替える ○ やめることで創出される新しい価値がある ■ リスクを受け入れてやめる ○ 許容範囲内でリスクを受け入れることで対策を考えられる ポジティブな側面を見える化する
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+勇気
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+勇気 「何かをやめましょう」の提案にネガティブ反応はつきもの 決してワクワクするような提案ではない
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でもわれわれはアジャイルの実践者だから ■ 「確約」「勇気」「尊敬」「公開」「集中」
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自分の意思を公開することが最初の一歩 ■ われわれは何かをやめたいわけではない ■ 限られた条件の中での最高を目指していて、そのために集中するべき 価値を定めたいのだ ■ そのために自分がよいと信じることを提案する ■ 時には率直に伝えること ■ 芯があることは、棘があることではない
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勇気が必要な時に思い出す魔法の言葉
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まとめ ■ 大きなイベントを思い切ってやめてみてたくさんの気づきがあった ■ コミュニティって仕事でできない実験ができる場所なので尊いなぁ ■ やめることがもたらす価値について気づけた ○ 自分たちの持続可能なペースを探る ○ やめることで起きる価値を本気で考える ○ 上手なやめ方をする ○ 勇気をだす ■ われわれは「勇気あるアジャイルの実践者」
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Thank You