“パスワードレス認証への道" ユーザー認証の変遷とパスキーの関係
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ritou
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“パスワードレス認証への道" ユーザー認証の変遷とパスキーの関係 @ritou 2025/4/17 #O ff ers_DeepDive
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このお話のGOAL: ユーザー認証 方 式の関係を理解する 2
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• NIST SP 800-63など各種ガイドラインでは当 人 認証(Authentication)と 表現されることが多い • サービスに登録している対象ユーザーを識別、クレデンシャルを検証す ることで当 人 性を確認すること ユーザー認証とは? 3
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①パスワード認証 4
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• 準備 • ユーザーがパスワードを覚えておく • サービスはパスワード(のハッシュ値など)を保存 • 認証 • メールアドレスや電話番号、ユーザーIDとパスワードをフォームに 入力 して送信 • 同時に検証 or 識別後にパスワードの検証 • 特徴 • 特定のデバイスを必要としない パスワード認証 5
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パスワード認証のユーザー側の要件に対する現状 • 推測困難なパスワードの利 用 • 推測可能なパスワードを利 用 • サービス毎に異なるパスワードを記憶 • 使い回す -> パスワードリスト攻撃 • 別々にすると忘れる -> リセットの 手 間、サービス側のコスト • 正規のサービスのみに 入力 • フィッシングサイトの判断は困難 パスワード認証 6
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パスワード認証のサービス側の要件に対する現状 • 推測困難なパスワードを受け 入 れる • 利 用 可能な 文 字種や最 大文 字数の制限 • パスワードを適切に管理する • 復元可能な状態での保存、漏洩 • 各種攻撃への対策 • フィッシング、ブルートフォース、パスワードリスト/スプレー等 パスワード認証 7
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②多要素認証とパスワードレス認証 8
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• 攻撃対象は 大手 サービスから中 小 規模のサービスまで • 大手 サービスでなければ価値がないわけではない • ユーザー識別 子 とパスワードのリストの精査 • 短期的な対策(=応急処置)としての追加認証 • 登録済みのメールアドレスや電話番号へのOTP送信 • ソフトウェアTOTP • 認証アプリ パスワード認証への攻撃が激化 9
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異なる認証要素を 用 いる認証 方 式の 足 し算 →多要素認証 OTP/TOTP/認証アプリ セキュリティキー or 別の認証要素を利 用 する認証 方 式を追加して パスワード認証突破時のハードルを設ける パスワード認証 + ←知識情報の利 用 ←所持情報の利 用 10
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多要素認証からパスワード認証を引き算 →シンプルなパスワードレス認証 SMS OTP Email OTP/マジックリンク or パスワード認証 + ←課題があるなら 最初から使わない ❌ メールアドレスや電話番号など 識別 子 を含む 方 式でシンプルなパスワードレス認証を実現 11
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多要素だけじゃダメですか? • 多要素認証で使われている 方 式 • メール, SMS OTP • TOTP • 認証アプリ • セキュリティキー 12
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多様化するフィッシング攻撃 • リアルタイム/中継型と呼ばれるフィッシング攻撃 • 偽サイトに 入力 された値を正規のサービスに送り、最終的 にログインセッションを奪う 13
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認証 方 式におけるフィッシング耐性 →システムによる判定 • パスワードマネージャーの 自 動 入力 機能 • 登録時のドメイン 比 較して 自 動 入力 を判定 • 判定ロジックはパスワードマネージャー依存 • 動作しない時に 手 動 入力 が可能 • ユーザーに利 用 を強制できない 14
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クレデンシャルの漏洩リスク • 登録/ログインのクレデンシャル 入力 時、通信経路: パスワー ド、OTP、TOTP • デバイス、サービスから漏洩: パスワード、TOTP Secret 15
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④FIDO認証 16
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FIDO認証 • パスワード認証の課題を解決することにフォーカス • 公開鍵暗号 方 式の利 用 • 端末のセキュアな領域にクレデンシャルを保存 • ブラウザの仲介によるフィッシング耐性 • デバイスのローカル認証と組み合わせて多要素認証を実現 17
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FIDO認証と公開鍵暗号 • デジタル署名の 生 成、検証の仕組みを利 用 • サービス側からのクレデンシャル漏洩リスクの軽減 • サービスから指定されたチャレンジの値を含むことでデジ タル署名の使い回しを困難に • フィッシング耐性とは無関係 18
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FIDO認証のフィッシング耐性 • サービスが指定したオリジンとの 比 較による対象判定 • 判定ロジックは標準化されたもの • 動作しない時、 手 動 入力 は困難 • ユーザーに利 用 を強制できる 19
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セキュリティキー • 多要素認証のための追加認証の 方 式(所持情報)として登場 • 所有者との紐付けを確認したい場 面 がある • PINなどのユーザー検証と組み合わせ • コンシューマ向けの課題 • 有料で購 入 する必要がある • 保存できるクレデンシャルの数に限界がある 20
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プラットフォーム認証器 • スマートフォンのセキュア領域にクレデンシャルを保存 • セキュリティキーよりも多数保存可能 • 端末紛失、機種変更時に全てのサービスに削除、再設定の 手 間が発 生 • 使い慣れた画 面 ロック解除と組み合わせて多要素認証を実現 • PIN、パターンロック、 生 体認証(顔、指紋) 21
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④パスキー認証 22
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パスキー認証 • パスワードマネージャーにクレデンシャルを保存し、複数端 末での同期を許容 • 秘密鍵の管理という観点でセキュリティ低下 • 端末紛失、機種変更時の 手 間を改善して実 用 的に • プラットフォーム謹製、およびサードパーティーなパスワー ドマネージャーが利 用 可能 23
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FIDO認証からパスキー認証へ 24
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パスキー認証=理想のユーザー認証? • これまではパスワード認証の課題にフォーカスしていた • 今後はパスキー認証の課題にフォーカスする必要性がある • このあたりの説明はAuth屋さんにお任せ 25
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ユーザー認証 方 式の関係 26 パスワード認証 多要素認証 FIDO認証 シンプルな パスワードレス認証 パスキー認証 別の認証要素 を 足 し算 パスワード認証 を引き算 パスワードマネージャー の管理による利便性向上 公開鍵暗号 方 式の利 用 と フィッシング耐性 セキュリティキー +ユーザー検証 パスワードレス認証
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まとめ • 認証 方 式の変遷は脅威と対策の繰り返しによるもの • 足 し算(多要素認証)、引き算(シンプルなパスワードレス) • 認証要素 + フィッシング耐性 • サービスを安全、便利に利 用 してもらうためには 身 元確認、ID連携な どと合わせて考える必要がある • マイナンバーカード、デジタル認証アプリ(OIDC)、Digital Identity Wallet 27
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終わり 28