Slide 1

Slide 1 text

“品質”は、電気⽺の夢を⾒るか? ⾼⽥ 佑樹 / @tackaaaada 2025.09.05 Findy QATT#3 — デカルトの四規則で始める「⾃動テスト導⼊前」の品質保証—

Slide 2

Slide 2 text

⾼⽥佑樹 @tackaaaada 2 ユニファ株式会社 プロダクトデベロップメント本部 開発⼆部 QA課 略歴 〜2015年:レコーディングスタジオのスタッフや家電の販売員 2015年〜2019年:SES事業会社で、IT業界デビュー 2019年〜2024年9⽉:ゲームの第三者検証会社にて従事 2024年10⽉〜現在:ユニファ株式会社でQAエンジニアとして従事 趣味:HIIT‧⾃重トレーニング、ドリップコーヒー (最近、フラワードリッパーにハマってます。)

Slide 3

Slide 3 text

3 ユニファ株式会社って、どんな会社? 保育施設向けの総合ICTサービス「ルクミー」を提供している会社です https://lookmee.jp/

Slide 4

Slide 4 text

4 ユニファ株式会社って、どんな会社? 保育施設向けの総合ICTサービス「ルクミー」を提供している会社です 園内の⼤量の写真‧⽂書記録を要約し こどもの育ちを簡単に振り返られるようにするプロダクト。 先⾏利⽤開放中。

Slide 5

Slide 5 text

5 まえがき 「テスト⾃動化、導⼊“前”(※)のお話」 ※:「本格的に運⽤する前」の状態を指します。

Slide 6

Slide 6 text

6 まえがき 実際の失敗‧知識から学んだ 「最初の⼀歩でつまずかないための思考の枠組み」 と 「やり続けるためのマインドの育て⽅」

Slide 7

Slide 7 text

7 セッションタイトルの元ネタ① 「アンドロイドは電気⽺の夢を⾒るか?」 フィリップ‧K‧ディック(著) 浅倉 久志(訳) 映画「ブレードランナー」の原作。 最近は、早川書房80周年を記念した 「Deluxe Edition」が、刊⾏したとのこと。 ※マットブラックの函+ホログラム箔の豪華版。 https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000610287/

Slide 8

Slide 8 text

8 セッションタイトルの元ネタ② 「⽅法叙説」 ルネ‧デカルト(著) ⼩林 義之(訳) 16世紀にいた、フランスの哲学者、数学者。 「我思う、ゆえに我あり」を、⾔った⼈。 「座標」を作ったことでも、有名。 今回は、この書籍から「第⼆部」に出てくる 「4つの規則(⽅法)」を、取り上げます。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000356074

Slide 9

Slide 9 text

アジェンダ ● 導⼊前に「整える」こと ● 何をどう「⼩さくはじめる」か ● 「抜けを出し切る」仕組み ● 品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 9

Slide 10

Slide 10 text

10 導⼊前に「整える」こと

Slide 11

Slide 11 text

導⼊前に「整える」こと 11 “◯◯”が無い

Slide 12

Slide 12 text

導⼊前に「整える」こと 12 “問い”が無い

Slide 13

Slide 13 text

導⼊前に「整える」こと 13 そもそも、「何が問題 / 課題」なのか(or “だった”のか)? 解決するために、「どこに問題 / 課題」があるのか?(or “あった”のか?) 「どうやって問題 / 課題」を、解決するのか?(or “すべき”か?)

Slide 14

Slide 14 text

導⼊前に「整える」こと 14 それらの問題 / 課題は、「答えを出せるもの」なのか?

Slide 15

Slide 15 text

導⼊前に「整える」こと 15 なぜテストを⾃動化したいのか、その理由や⽬的が具体化‧⾔語化できていない

Slide 16

Slide 16 text

導⼊前に「整える」こと 16 導⼊前に「整える」こと = “明証”の規則

Slide 17

Slide 17 text

導⼊前に「整える」こと 17 “第⼀の準則は、私が明証的に真であると認識するものだけを真として受け⼊れ ることであった。⾔いかえるなら、速断と偏⾒を注意深く避けること、また、懐 疑に付す事由のないほど明晰かつ判明に私の精神に現れるものだけを、私の判断 の内に含めることであった。” ルネ‧デカルト(著)⼩林 義之(訳):⽅法叙説 第⼆部 p.27 より抜粋

Slide 18

Slide 18 text

導⼊前に「整える」こと 18 「期待を明⽂化」する

Slide 19

Slide 19 text

導⼊前に「整える」こと 19 「⾃動テストに、“何を” “どのように” “どれくらい” 期待するのか?」

Slide 20

Slide 20 text

導⼊前に「整える」こと 20 品質の安定化:サービスを安⼼して利⽤してもらう 品質の標準化:(安定化から)価値提供の機会を増やす

Slide 21

Slide 21 text

導⼊前に「整える」こと 21 ● 発散会を開催 ● 出た意⾒を、グループ化 ● 「⾃分たちの期待」を選出 ● 「現状」「解決策」「結果」を洗い出す ● 「⾃分たちが⼀番期待するもの」を選出

Slide 22

Slide 22 text

導⼊前に「整える」こと 22 単純作業(⽂⾔確認などのテスト)は、どれくらいかかってる? テストデータの作成に、どれくらいかかってる? リグレッションテストに、どれくらいかかってる? etc… ↓ ⼯数などの、定量的な量を洗い出す ↓ 導⼊の「基準になり得るもの」を出す

Slide 23

Slide 23 text

導⼊前に「整える」こと 23 導⼊前に「整える」こと = “明証”の規則 ↓ 「期待を明⽂化」する:⽬的の明確化、現状を把握、導⼊の基準を⽰そう

Slide 24

Slide 24 text

何をどう「⼩さく始める」か 24

Slide 25

Slide 25 text

何をどう「⼩さく始める」か 25 「期待を明⽂化」する:⽬的の明確化、現状を把握、導⼊の基準を⽰そう

Slide 26

Slide 26 text

何をどう「⼩さく始める」か 26 えっ、どこまでやる?

Slide 27

Slide 27 text

何をどう「⼩さく始める」か 27 (⾃動テストする)テスト対象は? (⾃動テストする)テスト範囲は? (⾃動テストする)テスト粒度は? (⾃動テストする)テスト⼯数は? etc…

Slide 28

Slide 28 text

何をどう「⼩さく始める」か 28 導⼊“前”で、「どこまで知るべき?」

Slide 29

Slide 29 text

何をどう「⼩さく始める」か 29 何をどう「⼩さく始める」か = “分割” と “綜合”の規則

Slide 30

Slide 30 text

何をどう「⼩さく始める」か 30 “第⼆の準則は、調べている難問を、可能な限り、うまく解くのに必要なだけ、部 分に分割することであった。” ルネ‧デカルト(著)⼩林 義之(訳):⽅法叙説 第⼆部 p.27 より抜粋

Slide 31

Slide 31 text

何をどう「⼩さく始める」か 31 “第三の準則は、私の思考を順序に従って導くことであった。その際には、最も単 純で最も認識しやすい対象から始めて、少しずつ段階的に上昇し、最も複合的な 対象に到るのであり、⾃然には先後のない対象のあいだにも順序を仮定するので ある。” ルネ‧デカルト(著)⼩林 義之(訳):⽅法叙説 第⼆部 p.28 より抜粋

Slide 32

Slide 32 text

何をどう「⼩さく始める」か 32 「スモールスタート」で始めて、「ステップを踏んで、全体を掴もう」

Slide 33

Slide 33 text

何をどう「⼩さく始める」か 33 「スモールスタート」:簡単なテストから始める

Slide 34

Slide 34 text

何をどう「⼩さく始める」か 34 例)Playwrightで書いた、⼀番最初のテストコード(※) ※:⾼⽥が普段、⼿動テストケースで書く時に⽤いている「テストフォーマット」を適⽤して書いたもの

Slide 35

Slide 35 text

何をどう「⼩さく始める」か 35 「ステップを踏んで」:ちょっとずつ「⼯夫しながら」進める

Slide 36

Slide 36 text

何をどう「⼩さく始める」か 36 例)最初のテストコードから、ステップを踏んで書いたテストコード①(※) ※:TDD(Kentさん‧t_wadaさん)、BDD、DDD(ミノ駆動の仙塲さん)の⼿法から、そのエッセンスを取り⼊れて書いたもの(⼀部を掲載)

Slide 37

Slide 37 text

何をどう「⼩さく始める」か 37 例)最初のテストコードから、ステップを踏んで書いたテストコード②(※) ※:TDD(Kentさん‧t_wadaさん)、BDD、DDD(ミノ駆動の仙塲さん)の⼿法から、そのエッセンスを取り⼊れて書いたもの(⼀部を掲載)

Slide 38

Slide 38 text

何をどう「⼩さく始める」か 38 “筆者の個⼈的な哲学として、最⼩限のものを使える状態にすることから始めて、 徐々にその価値を⾼めていくのが、テストコードだけではなくソフトウェア開発 における定⽯だと考えているからです。” “ミニマムなものを先に作って、とりあえず全体の流れを通しておくと、後になっ て深刻な決定ミスに気づくようなことは少なくなります。” 末村 拓也(著):テスト⾃動化実践ガイド 第2部 第6章 p.115 より抜粋

Slide 39

Slide 39 text

何をどう「⼩さく始める」か 39 何をどう「⼩さく始める」か = “分割” と “綜合”の規則 ↓ 「スモールスタート」で始めて、「ステップを踏んで、全体を掴もう」

Slide 40

Slide 40 text

「抜けを出し切る」仕組み 40

Slide 41

Slide 41 text

「抜けを出し切る」仕組み 41 「抜けを出し切る」仕組み:“枚挙”の規則

Slide 42

Slide 42 text

「抜けを出し切る」仕組み 42 “そして、最後の準則は、私が何も⾒落とさなかったと確信できるほど、いたると ころで全⾯的に枚挙を⾏ない、全般的な⾒直しを⾏なうことであった。” ルネ‧デカルト(著)⼩林 義之(訳):⽅法叙説 第⼆部 p.28 より抜粋

Slide 43

Slide 43 text

「抜けを出し切る」仕組み 43 ● 情報が揃っている?:テスト内容、実⾏時間 etc.. ● どれくらい網羅してる?:ユーザーシナリオの何割? ● ⽐較してどうだった?:今までと、どう変化した? etc…

Slide 44

Slide 44 text

「抜けを出し切る」仕組み 44 「抜けを出し切る」仕組み:“枚挙”の規則 ↓ 必要⼗分な「証跡」を出そう(※) ※:現在、ここを「絶賛実⾏中」です

Slide 45

Slide 45 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 45

Slide 46

Slide 46 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 46 電気⽺:“本物らしさ” や “もっともらしさ”のメタファー

Slide 47

Slide 47 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 47 品質は、電気⽺の夢を⾒るか? ↓ 「(本物らしく)動いている」ことは、「価値を届ける」ことになるのか?

Slide 48

Slide 48 text

NO 48 品質は、電気⽺の夢を⾒ない ↓ 「(本物らしく)動いている」ことは、「価値を届ける」ことにならない 品質は「電気⽺の夢」を⾒る?

Slide 49

Slide 49 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 49 「(本物らしく)動いている」ことと「価値に適合する」ことは、別物

Slide 50

Slide 50 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 50 「(本物らしく)動いている」ことと「価値に適合する」ことは、別物 ↓ 「定量的な品質指標」と「定性的な品質指標」を切り分ける必要がある

Slide 51

Slide 51 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 51 品質 = 「⼈間的な判断」を機械(⾃動テスト/AI)がどこまで担えるか?という問い

Slide 52

Slide 52 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 52 「定量的な品質指標」:価値を「ユーザーに届けられる状態にあるのか?」 「定性的な品質指標」:価値は「ユーザーにどれくらい届けられているのか?」

Slide 53

Slide 53 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 53 価値適合性の「モニタリング」と「オブザーバビリティ」

Slide 54

Slide 54 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 54 01 02 03 04 明証 「期待を明⽂化」する ➔ ⽬的の明確化 ➔ 現状を把握 ➔ 導⼊の基準を⽰す 分割 「スモールスタート」で始める ➔ 簡単なテストから始める 枚挙 「抜けを出し切る」仕組み ➔ 必要⼗分な「証跡」を出す 綜合 「ステップを踏んで、全体を掴む」 ➔ 「⼯夫しながら」進める

Slide 55

Slide 55 text

品質は「電気⽺の夢」を⾒る? 55 「品質という “誰かにとっての価値” のストーリーを語る」 https://tech.unifa-e.com/entry/2025/03/24/070000:ユニファ開発者ブログ 2025.03.24 品質保証の”お作法” 〜テストプロセス解体新書〜より抜粋

Slide 56

Slide 56 text

56 ユニファ開発チーム、仲間を探しています お知らせ ユニファ株式会社 会社紹介資料(開発チーム版) / Unifa inc information for dev team - Speaker Deck

Slide 57

Slide 57 text

57 ご清聴、ありがとうございました!