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北海道胆振東部地震による 斜面崩壊の発生場 9/7撮影 石丸 聡・千木良雅弘・田近 淳・北海道立総合研究機構 地質研究所 日本地すべり学会北海道支部・日本応用地質学会北海道支部合同調査団 檜垣大助・木村 誇 協力:北海道水産林務部・㈱シン技術コンサル

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震央と崩壊発生地域 震央 樽前山 恵庭岳 地理院地図:斜面崩壊分布図 M6.7,深度37km 0 20km

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ルベシベ 幌内 厚幌 ショロマ 本郷 朝日 安平川上流 幌里 桜丘 土層すべり 岩盤すべり 10Km 厚真町役場 高丘 宇隆 瑞穂ダム

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ショロマ:初生岩盤すべり 幌内:岩盤すべり →河道閉塞 200m 400m ●岩盤すべりは航空レーザー データから判別できる 北海道庁水産林務部データを 地貌図で表現

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比高50mの尾根が400m移動 200m 幌内川 国土地理院 9/11撮影

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厚幌ダム右岸岩盤すべり 36.7m 36.6m 36.5m (ショロマ地区) 12/6 撮影

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岩盤すべりは層構造の発達した軽舞層 (頁岩,砂泥互層)で発生 震央 ショロマ ルベシベ 厚真町役場 軽舞層頁岩 幌内 10Km

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ルベシベ 幌内 厚幌 ショロマ 本郷 朝日 安平川上流 幌里 桜丘 土層すべり 岩盤すべり 10Km 厚真町役場 高丘 宇隆 瑞穂ダム

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500m 北海道庁水産林務部データを地貌図で表現 北部:安平川上流 中軸部:メナの沢 ●なぜ崩壊の形状が違うのか? ●発生箇所の地形的位置が違うのか?

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恵庭:En-a (2万年前) 厚真地域の 主な火山灰 En-a Ta-d 樽前:Ta-d (0.9万年前) cm cm cm 50 cm cm 支笏:Spfa1 (4.2万年前)

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斜面地形の形成時期 (寒冷期→温暖期) 田村(1996)を改変 温暖傾向となる晩氷期以降 に地形形成 最終氷期の寒冷期に 地形形成 f,d:谷頭斜面 En-aが厚く被覆 g:下部谷壁斜面 Ta-dが厚く被覆

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朝日地区の火山灰・土層すべり 9月7日撮影 下部谷壁斜面

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Ta-d火山灰層底面すべりの削痕 斜面堆積物上のTa-d最下部が削られ付着する.崩壊 直後のすべり面は水分を含みすべり易い状態だった.

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Ta-d火山灰層 底面をすべり面 とする土層崩壊 Ta-d基底部は細粒で水を 保持しやすく,また破砕し やすい特徴を持つ. Ta-d

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火山灰層の構造を残した移動体 朝日地区 幌里地区 Ta-d Ta-b Ta-d 1m Ta-d

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m m 上部斜面 下部斜面 安平川 谷頭斜面(En-a)の崩壊:安平川上流 A A’ B B’ m B B’ m A A’ m

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上部:浅い谷頭斜面 En-a:層厚130cm,すべり面はSpfa1まじり火山灰土 崩壊源は上部斜面のEn-a以上の土層 2万年前噴出 4.2万年前噴出

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上部斜面の堆積物 Spfa1まじり火山灰土の上部に ピンク火山灰土 En-a En-a 10cm 側壁 頭部 底面

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崩壊斜面の色に注目 防災科学技術研究所 木村 誇 作成 En-a 10cm 40 km 4 km ◼北部のEn-a層のすべりとみられる崩壊斜面 は黄色が卓越する ◼南部のTa-d層のすべりとみられる崩壊斜面 は赤色が卓越する 平成30年北海道胆振東部地震による斜面崩壊の発生場と分布特性 2018年9月11日9:42 撮影のSPOT-6衛星画像のパンシャープン画像(解像度1.5 m) ©Airbus DS/Spot Image 2018 En-a層底面にすべり面を もつ明黄褐色~淡黄色を 呈した崩壊地 En-a (2.5Y 7/6) Ta-d層底面にすべり面を もつ明褐色~明赤褐色を 呈した崩壊地 Ta-d2 (7.5YR 5/8) Ta-d1 (2.5Y 4/6) ? ?

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En-a崩壊 Ta-d崩壊

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地震による崩壊発生場と地上開度86°未満の分布 崩壊は、谷壁中腹の後氷期開析前線付近と背後の 火山灰被覆斜面, 上部谷壁斜面で発生 1968年十勝沖地震の震度分布(青森県1969) 震央:青森県東方 M=7.9 前日までの3日間 降水量:約200mm 上:崩壊発生個所の地形(檜垣ほか2014) 下:地形と火山灰被覆 (黒田,1968) θ:地上開度(横山,1999) 八戸地域の過去の地震時でも 八戸軽石層(1.5万年前) 八戸軽石層の崩壊 弘前大学 檜垣 大助 作成

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まとめ • 深い岩盤すべり:震源に近く層構造が発達した 地質(軽舞層)で発生 • 浅い土層すべり:厚く火山灰が斜面を覆うところ で発生、緩傾斜でも発生する • 主軸部の土層すべり:斜面上部から下部に残存 するTa-dで、傾斜の急な場所ほど発生しやすい • 北部の土層すべり:寒冷時期の厚いEn-aが残存 する谷頭斜面で発生 • 同じ土層すべりであっても、厚い火山灰の残る 地形的な位置が異なるため、崩壊形状が異なる