⾃⼰紹介|どんな研究をしているのか
⽣態リスク評価、確率的リスク分析、因果推論
Yij
θAlgae
σj
Means SD
θFish
Sensitivity differences among
taxonomic groups Normal distributions
Log(NOEC)
Parameters were estimated
by MCMC simulations
θInvertebrate
階層ベイズモデルとモンテカルロシミュレーションを
⽤いた化学物質の⽣態リスクの定量化とリスク⽐較
Hayashi & Kashiwagi (2009)
Hayashi & Kashiwagi (2010)
Monte Carlo Analysis
EPAF = F
µ
ECD
- µ
SSD
s
ECD
2 + s
SSD
2
æ
è
ç
ç
ö
ø
÷
÷
µ
ECD
µ
SSD
s
ECD
s
SSD
Calculation of predictive
distribution of EPAF
Posterior distributions of ECD
parameters
Posterior distributions of SSD
parameters
Results: Quantitative Risk Comparison
Median and 90% range of EPAF
log10(EPAF)
Large Risk→
←Small Risk
Chemicals
Ammonia
Copper
Nickel
Zinc
Hayashi and Kashiwagi (2011)
超ざっくり説明|”バックドアパス”とは?
n 因果構造を丘にある「⼈⼯池」でイメージする
迂遠かもしれませんが、因果の「流れ」のアナロジーと
して有効だと思うので少々お付き合いいただければ・・
X
Y
*降⾬の影響などは考えない
本講演を通して
X: 処理
Y: 結果
Z: 共変量
で表記します
*
Y=βX+γ+ε
⼈⼯池
⼈⼯池
⽔路
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超ざっくり説明|”バックドアパス”とは?
「バックドアパス」=『処理Xと結果Yの上
流側にある両者に影響を与える流れ』
■
X
Y
Z1
Z2
(X→Yの)
バックドアパス
上流側にある「Z1」に
インクをぶちまけると
XにもYにも到達する
(=両者に影響を与える)
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超ざっくり説明|”バックドアパス”とは?
「バックドアパス」=『処理Xと結果Yの上
流側にある両者に影響を与える流れ』
■
X
Y
Z1
Z2
(X→Yの)
バックドアパス
ではない!
上流側にある「Z1」に
インクをぶちまけても
Yにしか到達しない
(=両者には影響を与えない)
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超ざっくり説明|”バックドアパス”とは?
「バックドアパス」=『処理Xと結果Yの上
流側にある両者に影響を与える流れ』
■
X
Y
Z1
Z2
(X→Yの)
バックドアパス
ではない!
上流側にある「Z1」に
インクをぶちまけても
Xにしか到達しない
(=両者には影響を与えない)
*Xそのものを通してYへ繋がる
流れはノーカウント
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超ざっくり説明|”バックドアパス”とは?
「バックドアパス」=『処理Xと結果Yの上
流側にある両者に影響を与える流れ』
■
X
Y
Z1
Z2
(X→Yの)
バックドアパス
上流側にある「Z1」に
インクをぶちまけると
XにもYにも到達する
(=両者に影響を与える)
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超ざっくり説明|バックドアパスの何が問題?
上流側の変動に伴い”シンクロ”が⽣じる
■
X
Y
Z
X
Y
Zの変動によりX-Y間に
"シンクロ"が⽣じる
Zが⼤
Zが⼩
(X→Yの)
バックドアパス
このZの変動によるシンクロが”疑似相関”を⽣み、
X→Yの介⼊効果の推定にバイアスをもたらす
⾮因果的
連関
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超ざっくり説明|バックドアパスの何が問題?
参考:バックドアパスがない場合の例
■
X
Y
Z
X
Y
Zの変動でX-Y間に
“シンクロ”は⽣じない
Zが⼤
Zが⼩
バックドアパスがないとき、Zの変動はバイアス・
擬似相関の原因とならない
超ざっくり説明|パスが”開きっぱなし”とは?
バックドアパスが開きっぱなし=変数が固定
されずパスの流れが”ブロック”されていない
■
X
Y
Z
X
Y
Zの変動によりX-Y間に
"シンクロ"が⽣じる
Zが⼤
Zが⼩
(X→Yの)
バックドアパス
⾮因果的
連関
介⼊効果の推定のバイアスが調整されぬまま残る
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超ざっくり追記|固定により”開く”こともある
合流点を固定すると、“親”の間に双⽅向
パスが開く
■
バックドアパスが
“開いた”状態
X
Y
Z
(X→Yの)
バックドアパス
⼦
親
親
バックドアパスの
ない状態
X
Y
Z
Zを“固定
具体例でおさらい|3変量(X, Y, Z)の場合
3変量で⾒る”ほぼ
バックドア基準”
■
X
Y
Z
X
Y
Z
X
Z
Y
Zを加えよ Zを加えるな
*3変量の場合では、巷の”rule-of-thumb”的な変数選択
ルール以上のご利益はあまり感じられないかも
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具体例でおさらい|4変量の場合
4変量以上だと「道」を考える必要がある
■
X
Y
Z1
Z2 もし処理Xと結果Yの「両者の共通
原因」を”交絡変数”と呼ぶ場合
Z2は”交絡変数”かつ分岐点
Z1は”交絡変数”と呼ばれない
必ずモデルに追加すべき?
モデルに追加しなくてよい?
common cause
*Z2は観測不可能、Z1は観測済み
のときどうする?
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具体例でおさらい| 4変量の場合
変数ベースではなく”道“の開閉がキモ
■
このどの場合もバックドアパスは閉じられている
*どのケースもXとYの"シンクロ"の原因となりうる上流側の流れが遮断されている
X
Y
Z2
Z1 X
Y
X
Y
Z1
Z2 Z2
Z1
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4変量以上の場合|本質は”道”にあり
4変量以上の”道”:合流点の例
■
Z1
X
Z2
Y
Z3
Z1
X Y
Z3
X
Z2
Y
Z3
X→Y
Z1
Z2
X Y
Z3
Z1 Z2
バックドアパスが
"開いている"
バックドアパスは"閉まっている"
バックドアパスの”道”がブロック
されていることが肝要
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4変量以上の場合|本質は”道”にあり
4変量以上の”道”:中間点の場合
■
X
Y
Z2
Z1
Z1, Z2は中間点
絶対にモデルに追加
したらダメ?
中間点を⼊れるとXからの
因果効果⾃体が
ブロックされてしまうのでダメ!
(これは3変量の場合と同様)
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4変量以上の場合|本質は”道”にあり
4変量以上の”道”:中間点の場合
■
X
Y
Z1
Z2
全体としてX→Yの因果の"道"がブロックされないことが肝要
X
Y
X
Y
Z2
Z1 Z1
Z2
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4変量以上の場合|まとめ
X
Y
Z2
Z1 X
Y
X
Y
Z1
Z2 Z2
Z1
X
Y
Z1
Z2
X
Y
X
Y
Z2
Z1 Z1
Z2
バックドアパス
をブロックしろ
X→Yの道を
ブロックするな
もうほとんどバックドア基準
細かい論点をのぞけば
畢竟, 以下2つのメッセージに集約される
■
4変量以上の場合|まとめ(再掲)
X
Y
Z2
Z1 X
Y
X
Y
Z1
Z2 Z2
Z1
X
Y
Z1
Z2
X
Y
X
Y
Z2
Z1 Z1
Z2
バックドアパス
をブロックしろ
X→Yの道を
ブロックするな
もうほとんどバックドア基準
ものすごい細かい論点をのぞけば
畢竟, 以下2つのメッセージに集約される
■
条件(1)に対応
条件(2)に対応
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例題その1|どの変数を加えれば良い?
X
Y
Z1
Z2
Z3
Z1にインクをぶちまけると
XとYの両⽅にインクは到達する
バックドアパスの⾒極めに迷ったら、もし「その⼈⼯池にインクを
ぶちまけたらどうなるか」を考えてみよう!
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例題その1|どの変数を加えれば良い?
バックドアパスの⾒極めに迷ったら、もし「その⼈⼯池にインクを
ぶちまけたらどうなるか」を考えてみよう!
X
Y
Z1
Z2
Z3
Z2にインクを
ぶちまけると
XとYの両⽅に
インクは到達する
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例題その1|どの変数を加えれば良い?
バックドアパスの⾒極めに迷ったら、もし「その⼈⼯池にインクを
ぶちまけたらどうなるか」を考えてみよう!
X
Y
Z1
Z2
Z3
Z2からは
こういう
経路もある
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例題その1|どの変数を加えれば良い?
X
Y
Z1
Z2
Z3
バックドアパスの⾒極めに迷ったら、もし「その⼈⼯池にインクを
ぶちまけたらどうなるか」を考えてみよう!
全部で3つの
バックドアパス
がある
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例題その1|どの変数を加えれば良い?
X
Y
Z3
Z2
Z1
Z1, Z2をブロックすると3つの
バックドアパスが全て遮断される
バックドア基準を満たす最⼩の変数セットは「Z1, Z2」
*「Z1, Z2, Z3」もバックドア基準を満たします