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アプリビジネスとプラットフォーム規制の最新動向 2024.4.11 STORIA法律事務所 弁護士 杉浦健二 情報ネットワーク法学会・第10回ネット社会法務研究会

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© STORIA 弁護士杉浦 健二|[email protected] ▼略歴 企業勤務を経て2007年より弁護士登録 2015年STORIA法律事務所共同設立(神戸事務所・東京事務所) 経済産業省設置デジタルプラットフォーム取引相談窓口(アプリス トア利用事業者向け)法律顧問(2021-) ▼本セミナーに関連する著作等 『新アプリ法務ハンドブック』(共編著、日本加除出版、2022年) 『AIプロファイリングの法律問題─AI時代の個人情報・プライバ シー』(共編著、商事法務、2023年11月) 「フェーズで理解する アプリサービスの関連法」(ビジネス法務2023年9月号) ほか ▼近時の取材、コメント 「チャットGPT機能、入力情報の行方は 広がる外部サービス、 取り扱い規約ない例も」(朝日新聞・2023年7月9日1面) 「悩み相談・会議録…ChatGPT使う外部サービス、入力情報どこ へ」(朝日新聞デジタル・2023年6月18日) 「『日本は個人情報集めやすい』ChatGPT使うサービスの注意点」 (朝日新聞デジタル・2023年6月18日) 「ChatGPT完全攻略 最新決定版」(週刊ダイヤモンド・2023年6月 10・17日号) 「ChatGPTのオープンAIに注意喚起の行政指導 個人情報保護委」 (朝日新聞デジタル・2023年6月2日) ほか ▼主な取扱分野 個人情報保護法制を踏まえた個人データの利活用、アプリやウェブ サービスを中心としたオンラインビジネスをめぐる法的問題、AI・ データに関する法的問題を主に取り扱う。近年は生成AIビジネスの スキーム構築(ビジネスモデル審査、個人情報、著作権処理など) や社内利用ガイドライン作成に携わる機会が増えている。 弁護士法人STORIA https://storialaw.jp STORIA法律事務所 パートナー 1

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アプリビジネスとプラットフォーム規制の最新動向(70分) 1 アプリビジネスのしくみ 2 アプリビジネス市場の構造と実態 3 デジタルプラットフォーム取引透明化法 ・透明化法の概要 ・施行から3年、透明化法の成果 ・透明化法違反があった場合にデベロッパーが取りうる対応 ・残る競争法上の問題(内閣官房デジタル市場競争本部最終報告) 4 公取委によるスマホ競争促進法案 5 取引DPF消費者保護法 6 デベロッパーから見たアプリビジネスの留意点 ※本資料の記載内容は、本報告日において講師が把握する情報に基づくものであり、その最新性 を保証するものではありません。また分かりやすさの観点から説明を簡略化している場合があります。 2

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© STORIA 主な関連資料 経済産業省 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性についての評価(2024年2月) https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digitalplatform/evaluation.html 内閣官房デジタル市場競争本部事務局 モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 (2023年6 月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/index.html 公正取引委員会 デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書(2019年10月) https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/oct/191031_2.html 3

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1 アプリビジネスのしくみ 4

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© STORIA 前提①「アプリ」用語の整理 ネイティブアプリ(スマホアプリ) アプリストア(AppStoreやGooglePlayストア)からインストールするアプリ。 単に「アプリ」という場合、ネイティブアプリを指す場合が多い Webアプリ ChromeやSafari等のWebブラウザ上で動くアプリ。 インストール不要。 →ネイティブアプリとWebアプリ、双方でサービス提供されている場合も多い (X(旧Twitter)やFacebookなど) →本日は主にネイティブアプリの話 5

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© STORIA 前提②ネイティブアプリとWebアプリの違い 一般論として ネイティブアプリは ・アプリストアで配信できるため認知を獲得しやすい ・スマホのホーム画面に表示されるため、ユーザーに身近な存在となりやすい ・スマホ特有の機能を使える(プッシュ通知、カメラ、加速度センサー等) ・開発に手間がかかる(iOSやAndroidへの対応、アップデートにも要対応) ・アプリストアから審査を受けたり手数料を支払ったりする必要がある ・アプリストアの独自決済システム(アプリ内課金)を使う必要がある Webアプリは ・Web上で動作するため、動きが遅かったり回線の影響を受けやすい (ただし近年はネイティブアプリ類似の機能を有するWebアプリもある) ・アプリストアの審査を受けたり手数料を支払う必要がない ・任意の決済システムを使うことができる →本スライドでは特に断りのない限り、 アプリとは「ネイティブアプリ」を指すものとします 6

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© STORIA アプリビジネスにおける当事者 ・プラットフォームであるアプリストアを提供する「アプリストア提供者」 ・アプリストアにおいてアプリを配信する「アプリ提供者(デベロッパー)」 ・アプリをダウンロードして利用する「アプリ利用者(ユーザー)」 7 『新アプリ法務ハンドブック』P98 AppleのApp Store GoogleのGoogle Playストア

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© STORIA アプリビジネスにおける当事者 アプリストア提供者とデベロッパー間の契約関係に適用される規約が 「②デベロッパー向け規約」 AppStore App Developer Program使用許諾契約(DPLA) App Store レビューガイドライン 等 Google Play Store Google Play デベロッパー販売 / 配布契約等 ・法律とは異なる「場」独自のルールが定められている 8 AppleのApp Store GoogleのGoogle Playストア 透明化法は この部分を規律 『新アプリ法務ハンドブック』P98

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© STORIA デベロッパー向け規約の内容(Appleの場合) ・デベロッパーがアプリストアに支払う手数料は原則30% (前年の年間売上が100万米ドル以内の場合は15%) ・ユーザーがアプリをダウンロードした日から90日以内であれば、 Appleはユーザーに無条件で返金することができる(DPLA別紙2 6.3) ・アプリストアによる独自決済手段(アプリ内課金)の利用強制(レビューGL3.1) ・アプリ内通貨に有効期限を設けることができない(レビューGL3.1.1) ・SNSログインを設ける場合は「Appleでサインイン」も設けなければならない(レ ビューGL4.8)→2024年3月現在は削除 ・独自の審査ガイドラインをクリアする必要がある(App Reviewガイドライン) デベロッパー向け規約に違反するとアプリがリリースできなかったり(審査リジェ クト)アプリが事前の予告なく削除されたり(BAN)と、デベロッパーにとって重 大な不利益が生じる。 →デベロッパーにとっては、ある意味法令違反よりもリスクが大きい面がある (即時削除による事業停止リスク) 9

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© STORIA AppleのApp Reviewガイドライン(抜粋) 10 https://developer.apple.com/jp/app-store/review/guidelines/

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2 アプリビジネス市場の構造と実態 11

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© STORIA 両面市場とネットワーク効果 12 公正取引委員会・デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書 (2019)https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/oct/191031_2.html

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© STORIA モバイルコンテンツ市場とモバイルコマース市場は右肩上がりで成長 モバイルコンテンツ市場の大半をゲームが占める(約1.5兆円) 13 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/index.html

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© STORIA 日本で利用されるモバイルOSは Android と iOS 2社の寡占状態 14 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf

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© STORIA アプリストア(App Store、GooglePlayストア) アプリストア=スマホ等にアプリをインストールするためのツール Apple iPhoneにはApp Storeがプリインストールされている。App Store以外からはアプ リをインストールできない Google Android搭載スマホの大半にはGooglePlayストアがプリインストールされている。 ブラウザや他のアプリストアからのアプリのインストールが可能(ただし警告表示 が出る) アプリストアの審査 Apple/Googleとも審査ガイドラインを作成しており、審査を経ないとアプリを配 信することができない。 アプリを配信できるかどうかは、Apple/Googleの判断に左右される構造となって いる スマートフォンは、「端末→OS→アプリストア→アプリ」といった レイヤー構造による「モバイル・エコシステム」を構成している 15

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© STORIA Appleのモバイル・エコシステム 16 端末: iPhoneを自社で製造 OS: Apple が提供する iOS に限定 アプリストア: App Storeのみに限定 ブラウザ: Appleが提供するSafariがプリインス トールされ、デフォルトのブラウザと されている 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf

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© STORIA Googleのモバイル・エコシステム 17 端末とOS: Googleが 他社(OEM) にも Android のライセンス供与を行い、OEMも Androidを搭載した端末を提供してい る アプリストア: Appleと異なり、Google Playストア 以外のアプリストアを搭載することも 可能だが、ほとんどの場合Google Playストアがプリインストールされて いる ブラウザ: Chrome がプリインストールされたり デフォルト設定されたりしていること が多い 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf

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3 デジタルプラットフォーム取引透明化法の概要 18

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© STORIA 公取委の実態調査(2019)を経て、DPF透明化法が成立(2020) レイヤー構造のうち、特にOSとアプリストアは大手2社に寡占されている状況 ↓ 【公取委・実態調査報告書(2019)における主な指摘(アプリストア)】 ・デベロッパー向け規約を一方的に変更され、変更に同意しないと アプリストア上のサービスを制限されるため、同意せざるを得ない ・アプリストアが一定期間内に無条件で、ユーザーへの返金に応じてしまう ・他のアプリストアをダウンロードすることがOS上で制限されている ・手数料についてデベロッパーはアプリストア提供者より不利な立場にある ↓ EUのP2B規則を参考にして、デジタルプラットフォーム(DPF)の 透明性や公正性の向上を図ること等を目的としたDPF取引透明化法が 2020年5月に成立し、2021年2月1日より施行された。 ※P2B(Platform to Business)規則…オンライン仲介サービスとオンライン検索エンジンの 公正性及び透明性の促進に関するEU法規。2020年7月に適用開始 19 公正取引委員会・デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書 (2019)https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/oct/191031_2.html

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© STORIA https://www.meti.go.jp/policy/mono_info _service/digitalplatform/pdf/dppoint.pdf DPF取引透明化法の概要 ・「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」 (DPF取引透明化法)は、一定規模以上のデジタルプラットフォーム(特定DPF) の「透明性」と「公正性」の向上を図るための法律 ・対象となる事業は「アプリストア・オンラインモール・デジタル広告」の3分野 ・特定DPF提供者(アプリストア分野ではAppleとGoogle)による自主規制 +必要最小限の行政規制=共同規制(法3条) 【モニタリングレビューのサイクル】 ①特定DPF提供者は毎年度、自己評価を 付した報告書を提出 ②経産大臣は、デベロッパーや消費者、学識者 等の意見を聴取して透明性及び公正性について の評価を行い、③評価結果(大臣評価)を公表する ・特定DPF提供者は、評価結果を踏まえて透明性及び公正性の自主的な向上に努め る義務がある(法9条6項) ・特定DPF提供者は、経産大臣の定める指針に基づき、デベロッパーとの間の相互 理解の促進を図るために体制の整備等をする義務がある(法7条) 20

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© STORIA 透明化法の規制対象は、一定の大規模プラットフォームに限定 21 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_platform_mo nitoring/pdf/2023_001_03_00.pdf

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© STORIA 透明化法に基づいてアプリストア提供者が負う情報開示義務 ①一定の「アプリストア提供条件」を開示する義務(5条2項) ・アカウント停止、アプリ削除や審査リジェクト等を行う基準 ・アプリ内課金の利用強制を行う場合はその内容等 ・検索結果やランキングの表示順の決定要素となる主要な事項 ※アルゴリズムやプログラム自体の開示は求められていない ・自社優遇を行う場合はその内容と理由 など ②アプリ削除や審査リジェクトをする場合→理由を通知する義務(5条3項) ・外国語で理由を通知する場合は、請求があれば日本語の訳文を開示する義務 ③アカウントを削除する場合→原則30日前までに理由を含めて通知する義務(5条4項) ・外国語で通知をする場合は、請求があれば日本語の訳文を開示する義務 ④アプリストア提供条件の変更を行う場合→原則15日前までに通知する義務(5条4項) ・外国語で通知をする場合は、請求があれば日本語の訳文を開示する義務 提供条件や一定の行為時における理由等の開示(透明性)が求められている 22

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© STORIA デベロッパーの悩みや意見を吸い上げる相談窓口 23 https://www.app-developers.meti.go.jp/

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© STORIA アプリストア向け相談窓口の実績 24 ●アプリストア向け相談窓口 に寄せられた情報提供件数は 1,407件(令和3年度) (電話やwebフォーム等を利 用して寄せられた相談・情報 提供が53件、相談窓口が行っ たヒアリング等により収集し た情報が1,354件) ●情報提供の内容別内訳 取引条件の変更が257件 (18%) 取引の一部拒絶(出品禁止等) が250件(18%) 検索順位・ランキング等が234 件(17%) 令和3年度におけるデジタルプラットフォーム取引相談窓口の運用状況について(アプリストア利用事業者向け) https://www.app-developers.meti.go.jp/consultation_desk/

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施行から3年、透明化法の成果(私見) 25

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© STORIA https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_platform_monitoring/pdf/2023_001_03_00.pdf モニタリング・レビューと特定DPF提供者の自主改善サイクル 26 特定DPF(アプリストア)が毎年の報告書作成・提出によって 「自己評価の契機」と、大臣評価による「外部評価」を得られ、 自主的な運営改善を図ることができる仕組み

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© STORIA 施行から3年、透明化法の成果(アプリストア分野) (私見)透明化法が施行されたことにより、アプリストアの透明性及び公正性に ついて、一定の向上が認められると考える。 ・モニタリング会合におけるアプリストア側からの意見聴取自体が、アプリストア の運営や手続きを透明化し、アプリストアの考え方を把握して相互理解を促進する ことができる場として機能している ・報告書の概要や大臣評価が「毎年」公表されるため、アプリストア側が自主的な 改善に向けた取組みを実施するインセンティブが働いている •令和6年2月報告書概要(Apple Inc.及びiTunes株式会社) •令和6年2月報告書概要(Google LLC) •令和6年2月大臣評価 ・経産省が設置する相談窓口(DPCD)に寄せられる相談がアプリストア側に伝え られることで、個別事案についても解決が図られる強い契機となっている ・デベロッパーが、相談窓口からの助言を受けてアプリストアへの異議申立て等を 行い、アカウント停止措置等が解消されたといった声(DPCD令和3年度運用状況) →共同規制の試みは、一定程度成功しているといえるのではないか 27

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© STORIA https://developer.apple.com/jp/news/?id=7j1f99yf 省略線は加筆 (具体例)Appleからデベロッパー向けの通知に「翻訳文は1か月以内に提供され る」旨の文言が入るようになった(2024年1月以降) 28

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透明化法違反があった場合に デベロッパーが取りうる対応 29

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© STORIA 透明化法違反があった場合にデベロッパーが取りうる対応 30 ①アプリストアが設置する苦情相談対応窓口に直接連絡する(参考) ②経産省が設置するデジタルプラットフォーム取引相談窓口(DPCD)に相談する ③経産大臣への申出(透明化法10条1項) 経産大臣による勧告、命令及び公正取引委員会に対する措置請求(同法6条、8 条、13条) ④民事訴訟 ・損害賠償請求(民415、民709)? ・債務不存在確認、契約上の地位確認を請求?

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© STORIA 透明化法違反行為の私法上の効力 (設例)デベロッパーAは、アプリストアから事前に通知を受けることなく、デベ ロッパーアカウントを削除された。デベロッパーAは、アプリストアに対し、当該 削除は、アカウント削除の30日前までに理由の通知を義務付ける透明化法5条4項2 号に違反していることを根拠として、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請 求に加えて、デベロッパーアカウントを有することの地位確認を請求できるか。 →透明化法は、消費者契約法や特定商取引法のように、違反した場合の私法上の効 力(民事効)について定めていない →「特定の行為を行う際の開示義務を果たさなかった場合の当該行為の有効性や、 開示請求や損害賠償等の民事上の請求の可否についても、行政法違反の民事効の問 題として、解釈に委ねられている」 (安平武彦「デジタルプラットフォームをめぐる規制の到達点と実務⑵」NBL1196号61頁) 31

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© STORIA 透明化法違反行為の私法上の効力 独禁法に違反した契約の私法上の効力について、 岐阜商工信用組合事件(最判昭和52年6月20日民集31巻4号449頁) 独禁法19条(事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない)に違反した契約の私法上の 効力については、その契約が公序良俗に反するとされるような場合は格別として、上告人の いうように同条が強行法規であるからとの理由で直ちに無効であると解すべきではない。 →独禁法違反に加えて公序良俗違反(民90条)がある場合は、私法上の効力も無 効となる →優越的地位の濫用が問題になった事案について、同様の規範に基づいて私法上無 効と判断した裁判例あり 日本機電事件(大阪地判平成元年6月5日判時1331号97頁)、フジオフード事件(大阪地判平成22年5 月25日判時2092号106頁)、セイコーマート販促協力金事件(札幌地判平成31年3月14日金商1567号 36頁) →透明化法違反行為の私法上の効力についても、直ちに無効と判断されるわけでは ないと考えられるが、個別の事案によっては、公序良俗違反(民法90条)として 無効と解釈される余地は残ると思われる(私見) 32

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© STORIA 透明化法違反行為の私法上の効力 ハードル①準拠法 アプリストアのデベロッパー向け規約では、準拠法が米国法(カリフォルニア州 法)と定められている →日本のデベロッパーが各アプリストアに対して、日本の民法に基づく主張(民法 90条、548の2第2項等)をすることには一定の困難が存する ハードル②国際裁判管轄 デベロッパー向け規約では、国際裁判管轄が米国の裁判所と定められている →デベロッパーとアプリストア間の契約について、消費者契約にあたり日本の裁判 所に国際裁判管轄が認められるとの主張は困難(民訴法3条の7第5項) →海外(日本)にある個人事業主等の零細事業者でも、デベロッパー向け規約に基 づく専属的国際裁判管轄に常に従わなければならないのか? 巨大DPF vs 零細事 業者間における「圧倒的な交渉力の差異」に鑑みて、何らかの手当てがあってもよ いのではないか? 33

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© STORIA 透明化法違反行為の私法上の効力 吉川栄一郎「米国におけるGoogle AdSenseオンライン標準契約約款の専属的国際 裁判管轄条項の有効性」(国際取引学会2024年3月第9号123頁)における示唆 ●The Bremen事件連邦最高裁判決(The Bremen v. Zapata Off-Shore Co., 407 U.S. 1 (1972) ) は、「専属的管轄条項は原則有効であるが、圧倒的な交渉力の差異のような理由が ある場合はこの限りでない」旨を示している ●GAFAほど強大で社会をコントロールする企業は、今まで現れたことが無いので ある。オンライン契約中の専属的裁判管轄条項であればそれを無効視しても良いと いえる事案に、今直面していると言えるのではないだろうか。 ※デベロッパー向け規約には広範な責任制限条項(免責条項)も存在する ・法律で認められる最大限の範囲内において、いかなる責任法理のもとでもデベロッパーに 対して責任を負わない(Google Play デベロッパー販売 / 配布契約13条) ・デベロッパに対するAppleの賠償責任総額は、50米ドルを上限とする (Apple Developer Program使用許諾契約13条) →日本のデベロッパーがアプリストアの行為を訴訟で争うことは困難な状況にある 34

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残る競争法上の問題 (内閣官房デジタル市場競争本部最終報告より) 35

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© STORIA モバイル・エコシステム全体に関する認識(最終報告より) 36 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf 参入障壁、間接ネットワーク効果、スイッチング・コストなどの特性により、 モバイル・エコシステムの主要なレイヤー、特にOSとアプリストアはApple とGoogleによる寡占状態 →その結果、様々な競争上の懸念が生じている

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© STORIA 懸念①決済・課金システムの利用義務付け 37 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf ・デベロッパーは、Apple及びGoogleの決済・課金システムを利用すること及び当該シス テムを通じて一定の手数料(30%、15%など)を支払うことが義務付けられている (最終報告における評価) ・決済・課金システムの利用義務付けは、代替的な決済サービスを提供する事業者の参入 を阻害し、デベロッパーによる多様な料金プランやサービス等の提供を妨げ、イノベー ションを減退させる。ユーザーの選択肢が奪われ、多様なサービスの提供を受けられない。 ・手数料負担がデベロッパの収益を圧迫して投資余力に悪影響を与え、イノベーションに よる新たな価値提供と競争の減退につながり得る。

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© STORIA 懸念②他の課金システム等の情報提供、誘導等の制限 38 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf ・アプリ内でユーザーにアプリ外でのデジタル商品の購入を促す表現を使用することや、 アプリ内にリンク(アウトリンク)掲示を制限している →ユーザーは、ウェブサイト上での他のプランや料金設定を知らないまま、アプリ内の情 報のみで購入の判断を行うことに (最終報告における評価) ・ユーザーにとって、いかなる決済・課金サービスを使うかという選択肢が狭められる ・AppleとGoogle以外の事業者が提供する決済・課金サービスの取引機会が著しく減少し、 ユーザーの利便性を向上させるなどのデベロッパによる多様なサービスを提供する取組に 悪影響

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© STORIA アプリからコンテンツ購入ができない例/アプリ内外の二重価格の例 39 Kindleアプリ(iOS) 日本経済新聞「動画配信、二重価格広がる アプリ経由はサイ トより高額」(2022年12月10日)より引用

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© STORIA 懸念③アプリストア間の競争(アプリ代替流通経路) 40 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf ・iPhoneでは、App Store以外からのアプリのインストールが原則認められていない ・アプリストアの手数料負担が大きく収益を圧迫している ・アプリストア審査の透明性、公正性についての懸念が指摘され、デベロッパは保守的に ならざるを得ず、イノベーションが阻害されている (最終報告における評価) ・Apple以外の事業者が、アプリストア事業に参入する機会が失われている ・App Storeにおける手数料に競争圧力が働いていない ・App Storeにおけるアプリ審査が必ずしも透明で公正でない ※ アプリ代替流通経路…OS提供事業者の提供するアプリストア以外の アプリストアやウェブサイトからアプリをダウンロードしインストールすること。 中間報告では「サイドローディング」と呼ばれていた。

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© STORIA 独占禁止法や透明化法では対応が困難 最終報告で指摘された、アプリストア関係における競争上の主な懸念点 ①アプリ内課金の利用義務付け ②アプリ内における他の課金システム等の情報提供、誘導等の制限 ③既存アプリストアに代わる「アプリ代替流通経路」など 複数のレイヤーにまたがるモバイル・エコシステムにおいては、 市場画定等、慎重な審査を必要とする独占禁止法(事後規制)では対応が困難 + プラットフォーム事業者が競争に悪影響を及ぼす危険性の高い行為類型が明らか になってきている中で、プラットフォーム事業者の自主的な取組のみで実効性を 確保することには限界があり、それを禁止したり何らかの義務付けを行ったりす ることが求められていることからすれば、特定の行為の禁止や義務付けを行う枠 組みがない現行の透明化法では、こうした行為への対応が困難である。そのため、 透明化法との関係においても、既存の対応策とは異なる対応策が必要であると考 えられる。 →事前に一定の行為類型の禁止や義務付けをする事前規制アプローチの必要性 41

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4 公取委によるスマホ競争促進法案 42

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© STORIA スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案(仮称) ・欧州デジタル市場法(DMA)をベースとした独占禁止法を補完する法律 現在開会中の通常国会での法案提出が予定されている ・スマートフォンの利用における「OS・アプリストア・ブラウザ・検索エンジ ン」を「特定ソフトウェア」と定義し、これらの競争を促進することが目的 ・一定規模以上の事業者を規制対象事業者として指定(≒透明化法) ・禁止事項(don’ts)と遵守事項(do’s)を定める「事前規制」アプローチ ・他の事業者によるアプリストア提供を妨げてはならない -セキュリティ、プライバシーの確保も両立 ・他の課金システム利用を妨げてはならない ・アウトリンクを妨げてはならない ・アプリストア利用条件や審査について不公正な取扱いをしてはならない ・自社サービスを競合他社のサービスよりも優先的に取り扱ってはならない -ランキング、表示順位 ・取得データを競合サービス提供のために使用してはならない など ・課徴金納付命令等の規定 ・継続的なコミュニケーションを通じた競争環境の整備(共同規制) 43

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© STORIA 令和6年3月27日付 事務総長定例会見記録 44 https://www.jftc.go.jp/houdou/teirei/2024/jan_mar/240327.html

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© STORIA スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案(仮称) 45 https://k-tai.watch.impress.co.jp/img/ktw/docs/1572/574/html/02_o.jpg.html

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© STORIA スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案(仮称) 【課題①】う回的行為への対応 韓国では2021年に「特定の支払方法の利用強制禁止」を定める改正電気通信事業法が成立 したものの、同法の施行にあたり、Appleは手数料を ・Appleのアプリ内課金システム(IAP)を利用した場合 30% ・他社の課金システムを利用した場合 26% と4%減のみとした(他社課金システムを使う場合でもAppleはあくまで手数料を徴収)。 他社課金システムの利用料も加味すると、他社課金システムを選択するメリットを認めづら い状況となっている(オランダでも類似の状況)。 →「IAPの利用自体は強制していない」という、いわばう回的行為とも評価できる。 →新法では、 「他社の課金システムの利用を実質的に妨げてはならない」 といった規制の方向性があり得る (参考)欧州DMAに対応した、Appleの「コアテクノロジーフィー」導入 …どのアプリストアを使う場合でも、年間インストールが100万回を超えるインストールが あった場合、デベロッパーには1回あたり0.5ユーロの手数料の支払いを義務付け 46

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© STORIA スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案(仮称) 【課題②】許容されるべきアプリ代替流通経路の類型 ①AppStore上で他のアプリストアをDL ②他のアプリストアをiPhoneにプリインストール ③ウェブサイトからDLした他のアプリストア経由でアプリをDL ④ウェブサイトからアプリを直接DL ①②であればAppleの審査が及ぶ。最終報告では④までは義務付けないとしている 47 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/index.html

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© STORIA スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案(仮称) 【課題②】アプリ代替流通経路のセキュリティ確保 (参考)欧州デジタル市場法(DMA)に対応したAppleの新施策 ・Appleが公証したアプリストア運営者やデベロッパーが、 ウェブ上で配布するアプリストアやアプリは許容する →前スライド③と④のパターン+Appleがコントロールを及ぼす →AppStore以外から配布されるアプリにも、 一定の範囲でAppleの審査ガイドラインが適用される EUにおけるAppleの新デベロッパー向け規約を選択すれば、デベロッパーは AppStore以外のアプリストアでアプリを配布できることになる。 ただし新規約では、年間100万回を超えるインストール毎に0.5ユーロの手数料を 新たに義務付け(コア・テクノロジー・フィー) →本年3月25日、欧州委員会もDMA違反の疑いで調査開始 EUがAlphabet、アップル、Metaの調査を開始--デジタル市場法違反の疑いで →日本のスマホ新法においても、 DMA適用後の応酬の状況を慎重に観察すること が求められる 48 参考 https://www.apple.com/uk/newsroom/2024/01/apple-announces- changes-to-ios-safari-and-the-app-store-in-the-european-union/ https://developer.apple.com/jp/support/dma-and-apps-in-the-eu/

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5 取引DPF消費者保護法 49

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© STORIA 取引DPF消費者保護法の目的は「消費者保護」 オンラインモールを中心とした取引デジタルプラットフォームにおいて、危険商品 等の流通や、販売業者の特定ができず紛争解決が困難となる事例が発生: ・海外製モバイルバッテリーから発火し自宅が焼損した事案において、売主と連絡 が取れないため、DPFに対して売主情報の開示を求めるもDPFは拒否 →DPFには出店・出品の審査義務があること等を理由として損害賠償を求める訴訟 を提起するも棄却(確定) ・身元不明の偽ブランド品の販売業者で、特商法表示の内容も虚偽であった事例 50 『新アプリ法務ハンドブック』P98 透明化法 取引DPF 消費者保護法

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© STORIA 取引DPF消費者保護法の概要 ・「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」 (取引DPF消費者保護法)は、令和3年4月28日に成立、令和4年5月1日に施行 ・規制対象は、通信販売(売買契約又は役務提供契約)に係るDPF(オンライン モール、シェアリングエコノミー、フリマ、オークションなど) ・売主が事業者である取引DPFのみが規制対象(BtoC取引のみ。CtoCは規制外) ・透明化法のようにDPFの規模要件はない(零細DPFも対象となる) ・DPFは消費者が販売業者等と円滑に連絡できるよう措置を講じる努力義務(法3条) ・消費者は、販売業者等に対して1万円※ を超える金銭債権を有するときは、取引 DPF提供者に対し、販売業者等の情報(氏名や法人名、住所、電話番号、メルアド 等)の開示を請求することができる(法5条) ※商品等代金のみならず慰謝料等も含まれる 51 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_ transaction/digital_platform/assets/consumer_ transaction_cms101_231020_01.pdf

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© STORIA ・「取引 52 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/digital_platform/assets/consumer_transaction_cms101_240117_01.pdf

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© STORIA アプリと取引DPF消費者保護法 アプリの返金: 有償アプリやアプリ内課金については、一定の期間(Appleは90日以内、Google は48時間以内)にユーザーからの申出があれば、アプリストアは原則としてキャ ンセルや返金に応じる旨がデベロッパー向け規約上定められている →取引DPF法が想定するような、返金請求先となるデベロッパーの連絡先が不明で あることは問題となりづらい アプリにおいても、販売業者等との間で売買契約や役務提供契約ができるアプリ (オンラインモール、シェアリングエコノミー、フリマ、オークションなど)につ いては取引DPF法(販売業者等の情報開示請求、法5条)が機能しうる ※デベロッパー向け規約上、物理的な商品やサービスを販売するアプリについては そもそもアプリ内課金が使用できない(Apple規約、Google規約) 53

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6 デベロッパーから見たアプリビジネスの留意点 54

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© STORIA デベロッパー(アプリ提供者)から見たアプリビジネスの留意点 ・基本的にはウェブサービス法務と類似する ・アプリ特有の問題(特にデベロッパー向け規約への対応)が重要 ・デベロッパー向け規約への対応は、事業部側と法務側で担当があいまいになりが ちなので、担当者を明確にしておく ・今後は他のアプリストアや他の課金方法が解放される見込みのため、法改正やデ ベロッパー向け規約の改訂をキャッチアップしておく必要性大(収益に直結する) 55 杉浦健二「フェーズで理解するアプリサービスの関連法 【図表4】各フェーズにおける主な法的留意点」(ビジネス法務2023年9月号)20頁

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結びに代えて 56

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アプリビジネスとプラットフォーム規制の最新動向(70分) 1 アプリビジネスのしくみ 2 アプリビジネス市場の構造と実態 3 デジタルプラットフォーム取引透明化法 ・透明化法の概要 ・施行から3年、透明化法の成果 ・透明化法違反があった場合にデベロッパーが取りうる対応 ・残る競争法上の問題(内閣官房デジタル市場競争本部最終報告) 4 公取委によるスマホ競争促進法案 5 取引DPF消費者保護法 6 デベロッパーから見たアプリビジネスの留意点 ※本資料の記載内容は、本報告日において講師が把握する情報に基づくものであり、その最新性 を保証するものではありません。また分かりやすさの観点から説明を簡略化している場合があります。 57

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© STORIA 結びに代えて ●本日詳しく触れられなかったプラットフォームを規制する法律 ・情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法。プロ責法の名称変更) 一定の大規模PFを指定し、削除申出窓口の設置や、 削除申出に対して一定期間内に削除可否の通知を義務付けるなど、 削除対応の迅速化と透明化を目指す内容 ・欧州デジタルサービス法(DSA)-情プラ法が参考に ・欧州デジタル市場法(DMA)- スマホ新法が参考に 58

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© STORIA 結びに代えて ●透明化法は、年次モニタリングレビューによるアジャイルガバナンスによって、 事業者と行政による共同規制を実効化できるサイクルに入りつつある ●スマホ新法についても共同規制を導入することに加えて、 新法による適切な事前規制の執行+事後規制である独占禁止法の執行という 両輪の規制が求められる ●スマホ新法の施行によってアプリストアの開放等が実現した後で、 実際にどこまでの環境変化が生じるかは不透明 ただいずれにしても、まずは「競争がある状態」の実現がなされるべきではないか 59

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ご質問・お問い合わせ 弁護士 杉浦 健二 TEL 03-6711-5160 Mail [email protected] URL storialaw.jp X kenjisugiura01 STORIA法律事務所東京オフィス TEL: 03-6711-5160 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-6-1大手町ビル6階 STORIA法律事務所神戸オフィス TEL: 078-391-0232 〒650-0031 神戸市中央区東町123-1貿易ビル3階