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使われないダッシュボードを ⽣まないためのプロジェクト マネジメント Google Cloud Next Tokyo '24

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- ダッシュボード構築におけるよくある失敗 - ダッシュボード構築における5 つの Phase - プロジェクトマネジメントにおける Key Factor アジェンダ

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坂⼝ 遥 Yo Sakaguchi Sansan株式会社技術本部 研究開発部

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ダッシュボード構築における よくある失敗

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よくあるダッシュボード構築:パターン 1 4 依頼 依頼 営業/CS PdM / 営業企画 /事業企画 データエンジニア スプシで⾒てるんだけど、 データを⾃動更新したり、 ⾒た⽬をよくしたいから ダッシュボードにして! ダッシュボード作りたいけ ど、データが⾜りないから 新しく連携して!ついでに 必要なテーブルも作って!

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よくあるダッシュボード構築:パターン 1 5 営業/CS PdM / 営業企画 /事業企画 データエンジニア 提供 提供 とりあえず依頼内容をこなすか、、、 ダッシュボードの要件が あまりわからないけど、、

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よくあるダッシュボード構築:パターン 1 6 依頼 依頼 営業/CS PdM / 営業企画 /事業企画 データエンジニア なんか思ってたのとちょっ と違うのと、こういう要素 もほしいので改修してほし い! 頼んだ!

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よくあるダッシュボード構築:パターン 1 7 営業/CS PdM / 営業企画 /事業企画 データエンジニア この改修内容だと テーブルの構造を⼤きく変えないと いけない、、、

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よくあるダッシュボード構築:パターン 2 8 依頼 営業/CS PdM / 営業企画 /事業企画 データエンジニア 新しいダッシュボードを 作ろうと思っているので、 テーブルを作ってほしい!

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よくあるダッシュボード構築:パターン 2 9 営業/CS PdM / 営業企画 /事業企画 データエンジニア 提供 提供 こんなダッシュボードを 作ってみたのでよかったら 使ってください! とりあえず依頼内容をこなすか、、、 ダッシュボードの要件が あまりわからないけど、、

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よくあるダッシュボード構築:パターン 2 10 営業/CS PdM / 営業企画 /事業企画 データエンジニア 良さそうなダッシュボードだけど、 どこでどう使えばいいんだろう、、、

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積み上がる使われているかわからないダッシュボード 積み上がる似たようなテーブル それに伴い、肥⼤化する運⽤保守コスト - 現場ではダッシュボードを使って何かしたいという思いはある - ダッシュボード企画者は良いものを届けようと努⼒はしている - 実装者は依頼にスピーディーに答え、依頼内容を忠実に実装する その結果、、、 11

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なぜこうなってしまうのか?

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ダッシュボードはデータと合わせた⼀つのプロダクトと 捉え、ソフトウェア開発の御作法などを取り⼊れていく - BI ツールの発展によってダッシュボードを作るハードルはどんどん下がっている - ⼀⽅で、ダッシュボードそのものや、ダッシュボードの裏側のデータのライフサイクル は、下⼿するとサービスやプロダクトよりも⻑いことがある - そのため、容易に負債化してしまう ダッシュボードの捉え⽅/扱い⽅を変える 13

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ダッシュボード構築における 5 つの Phase

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Phase.0 探索、現状調査 Phase.1 要求定義、要件定義 Phase.2 PoC 開発、仮説検証 Phase.3 試運転、モデリング開始 Phase.4 本番稼働、運⽤保守 5 つの Phase とPhase ごとの有効なツール 15 Looker Studio Looker Looker Google Sheets

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Phase を進めていくにあたって、柔軟かつ保守性の⾼い Backend 群を選定する 16

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想定ユーザーにヒアリングを⾏うが、多くの場合、何も数値を⾒ていないということはな い。現場で使われている Google Sheets などに⼤きなヒントが隠されている Phase.0 探索、現状調査 17 覚悟を決めて、運⽤されている Google Sheets を解読する ヒアリングを⾏う対象は 幅広く

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要件において最も重要なことは、そのダッシュボードや数値を⾒てユーザーが 何をするのか、ということである Phase.1 要求定義、要件定義 18 誰が⾒るのか? Who When How Much いつ⾒るのか? どれくらいの頻度で ⾒るのか? どのような形で ⾒るのか? How What Why/So What 何の数値を ⾒るのか? ⾒た上でどんな アクションを取るのか?

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Quick and Dirty を⼀定許容し、⾼速で PDCA サイクルを回していく この Phase は Google Sheets や Looker Studio など変更が容易なものを採⽤する Phase.2 PoC 開発、仮説検証 19 Looker Studio Google Sheets Lake Table Lake Table Lake Table Lake Table DWH Table

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ユーザーからフィードバックをもらいつつ、DWH の要件を⾒極めていく データモデリングを⾏うことによって、ELT の柔軟性/保守性が増していく Phase.3 試運転、データ モデリング開始 20 Looker Studio Google Sheets Lake Table Lake Table Lake Table Lake Table DWH Table DWH Table DWH Table DWH Table Cloud Composer dbt

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本番稼働する前に、データ加⼯の責務と範囲を明確にする 可能な限り、データの加⼯処理は ETL/ELT に寄せた⽅が保守性は⾼くなる Phase.4 本番稼働、保守 21 Looker Studio Lake Table Lake Table Lake Table Lake Table DWH Table DWH Table DWH Table DWH Table Cloud Composer dbt Data mart

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プロジェクトマネジメントに おける Key Factor

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ステークホルダー マネジメント アジャイル ソフトウェア開発 ダッシュボードのアウトカム定義 ダッシュボード構築を成功に導くKey Factor 23

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プロジェクト マネジメント全般に⾔えることだが、キーマンの⾒極めと巻き込みは同様に 重要である。また、ボトムアップでのアプローチは可能だが、時間がかかる可能性がある ステークホルダー マネジメント 24 意思決定者 / エバンジェリストを プロジェクト⽴ち上げ当初から 巻き込む よりスピードを求めるな ら、トップダウンでアプ ローチする

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序盤の Phase において、ビジュアライズへのこだわりは⼀切不要。Quick and Dirty を許 容し、PDCA を⾼速で回し、不確実性をいかに削減できるかが重要になる アジャイルソフトウェア開発 25 表形式でも要件を 満たせることはある PDCA を回し、 不確実性を削減する 過度なビジュアライズへの こだわりは不要

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アクションに繋がらないダッシュボードに価値はない。アクションを取れたとしても、何 かしらのアウトカムを⽣み出せないのであれば、改善の余地がある。 “綺麗なダッシュボード” ができたら、プロジェクト終了では決してない ダッシュボードのアウトカム定義 26 作って終わり、ではなく ユーザーと共に ”育てていく” ユーザーのアクションに 繋がるダッシュボードを⽬指す

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主に CS・営業が担当顧客へのアプローチの際に活⽤している。 また、随時利⽤者からのフィードバックをもらい、改善を続けている。 Bill One での事例紹介 27 請求書受領/発⾏数の推移を元に アップセルの提案に繋げる

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Summary

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ダッシュボードやデータを加⼯する How は様々だが Phase に応じて使い分けることが重要である ユーザーと共にデータ活⽤によるアウトカムを、 ⼀歩ずつ愚直に積み上げていくことが最も近道な⽅法である Summary

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We are hiring! 研究開発部 採⽤情報 https://media.sansan-engineering.com/randd 30

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