HCIRリサーチユニット輪読会 2021
Fairness and Discrimination in Information
Access Systems
Ekstrand, M.D., Das, A., Burke, R., and Diaz, F.
Chapter 8: Next Steps for Fair Information Access
発表者:上保 秀夫(筑波大)
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目次
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お願い
専門用語の訳や解釈が正確でない可能性がありますの
でご注意ください。
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8.1 Directions for Future Research
公正な情報アクセス研究の概念と方法の範囲拡大
追加のドメイン、アプリケーション、問題の枠組み、および公正さに関す
る懸念の軸に
社会的な偏りや差別の顕在化には局所性が高いため、知見が他の文脈に応
用できるとは限らない
現時点では一般的な原理を導き出す知識を構築するために、広範囲のバイ
アスやアプリケーションを研究する必要がある
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8.1 Directions for Future Research
時間の経過に伴うバイアスの発生と進化に関する研究
多くの研究は情報アクセスシステムとその公正性の一回限りの一括評価に
焦点
しかし、システムの動作は時間の経過とともにダイナミックに変化
最初は公平なシステム → 時間の経過とともにユーザーの反応が偏った
り差別的になったりして不公平になる
最初は不公平なシステム → 全体の公平性を高めるような提案にユーザ
ーがよく反応して、より公平な状態になる
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8.1 Directions for Future Research
消費者と提供者の公正さ以外の公正さに関する懸念の定義と検討
本書では対象者の公正さを追加的な懸念事項の一つとして挙げたが、公正
さを考慮すべき追加的な利害関係者は他にもあるだろう。
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8.1 Directions for Future Research
情報アクセスにおける公平性への介入に対する人間の願望と反応
初期事例:Smith et al. (2020)、Harambam et al. (2019)
ユーザーやコンテンツ提供者が公平性に関してシステムに何を期待する
か、あるいは情報アクセスシステムに公平性を高める介入をした場合にユ
ーザーがどのように反応するかについては、ほとんど知られていない。
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8.1 Directions for Future Research
情報アクセスの公平性に関する適切なメトリクスの開発と適用
初期事例:期待露出 (Diaz et al., 2020)、ペアワイズフェアネス(Beutel et
al., 2019)
プロバイダのフェアネスに関する懸念を推論するための有用なフレー
ムワーク
オフラインおよびオンラインの研究において、メトリクスをどのように適
用し、解釈するのが最善であるかを理解するためには多くの研究が必要
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8.1 Directions for Future Research
情報アクセスのデータとモデルの出所に関する標準とベストプラクティス開発
データセットのためのデータシート(発表者注:メタデータ?)(Gebru,
et al, 2018)
データセットは、下流のユーザーがその適用性、限界、提案された使
用の適切性を適切に評価できるように、徹底的に注意深く文書化され
るべき
情報検索分野では、TRECやCLEFなどの評価データが重視されてきた歴史が
あるが文書化は限定的
推薦システムはさらに限定的(例外はある)
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8.1 Directions for Future Research
情報アクセスのデータとモデルの出所に関する標準とベストプラクティス開発
データソース、ランキングの原則、およびその他の情報を記述する(非パ
ーソナライズされた)ランキングのための「栄養ラベル」(Yangら, 2018)
データのプルーニングなどの長年のデータ管理の決定が、実験や推薦の結
果に深い影響を与える可能性(Beel and Brunel, 2019)
文書化すべき推薦データ、モデル、出力の特性を慎重に研究する必要
性
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8.1 Directions for Future Research
バイアスの多次元的で複雑な性質の理解
公平な情報アクセスに関する既存の文献やアルゴリズムのほとんどは、単
一の属性を分離して研究+二値に制限
グループメンバーシップの交差は単一グループでは説明できない差別や偏
見を生む
しかし多次元性は交差性の概念が呼び起こすダイナミクスを完全には捉え
られない
人間の社会的経験の複雑さをアルゴリズムによる公正さの計算に含める試
みが必要
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8.1 Directions for Future Research
情報アクセスにおける参加型デザインおよび研究
現代の大規模な情報アクセスシステムの設計、評価、研究にHCIやユーザ
ー中心設計を適用した例を見つけるのは困難である
Belkin and Robertson (1976)「(情報科学)とそれに影響を与える人々との
間に効果的な社会的関係を確立し、維持することが必要である。」
様々な種類の公正さを測定し提供する技術が蓄積されているが、影響を受
ける人々が実際に何を望んでいるのかについての真剣な理解は不足
Smithら(2020)とSonboliら(2021)は、推薦における公正さに対するユーザー
の意見を研究 → 生産者、subject、その他の影響を受けるステークホルダ
ーについても同様の研究が必要
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8.2 Recommendations for Studying Fairness
ここまで取り上げてきた研究や概念を基に、公平な情報アクセス(Fair
Information Access)の研究、調査、そして実践に取り組むアプローチをいくつ
か提案する。
目的の定義
目的の明確な操作可能化
「適切なデータ」の利用
限界の注意深い報告
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