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2024/07/10 StRE#1 スタートアップ企業のSREに立ちはだかる壁と乗り越え方 株式会社ニーリー プラットフォーム開発部 SREチーム 大木建人 NEALLE 信頼性とアジリティの両輪で進む スタートアップSRE 1

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ことスタートアップのSREは スピード感を持って成長するプロダクトと伴走すること が多々あると思います。 そのようなプロダクトと向き合い、 どのようにして伴走するのかは 大きな課題だと思います。 その中で我々はどのように伴走してきたのか の話をしたいと思います。 1|会社概要 2

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その中でテーマとして、 「信頼性とアジリティの両立」がありました。 1|会社概要 3

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About Me 1|会社概要 4

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5 氏名 所属 経歴 大木 建人 / Kento Ogi 株式会社ニーリー プロダクト統括本部 プラットフォーム開発G SREチーム 趣味 夏はボルダリング🧗 冬はスノーボード🏂 2018-2020  大学で強化学習の研究 & インターンでAWSにハマる 2020-2023  新卒で合同会社DMM.comへ入社 SRE 2023-  株式会社ニーリー SRE 自己紹介 @2357gi @2357gi

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6 プロダクト紹介

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7 爆速成長中💪 プロダクト紹介

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1|会社概要 8 最初は最速でローンチするためにオフショアで開発 AWS上にElastic Beanstalkで作成 運用でカバーする箇所は残ったが、 スピード感を持ってローンチすることができた 自社開発に移行 AWS環境の諸々を修正したり、 自社開発体制を整えたりしていた

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1|会社概要 9 リリースは、隔週に一度の深夜に社員が持ち回りで行っていた。 月イチでリリース当番が回ってくる、なかなか辛い体制だった。 また、デプロイフローもscript手実行によるファイルばら撒き Elastic Beanstalkのお守りもなかなか大変!! リリース辛すぎる!!! 明確なペイン!!!!! SREingよりも先に、 インフラのブラッシュアップや最適化を優先して実施することに

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10 ・Elastic Beanstalkの設定ファイルの肥大化 ・なんならEC2にRedisまで乗っている ・スケールアウトするとバッチが多重起動 ・SQLがボトルネックになりパフォーマンス問題が多発 などなど... Elastic Beanstalkのお守りが大変 を深ぼると...

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11 ・Elastic Beanstalkの設定ファイルの肥大化 ・なんならEC2にRedisまで乗っている ・スケールアウトするとバッチが多重起動 ・SQLがボトルネックになりパフォーマンス問題が多発 などなど... → ドラスティックにアーキテクチャの変更を決定 ECSへとお引越し! 合わせてGithub ActionsによるCDも整備! Elastic Beanstalkのお守りが大変 を深ぼると...

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1|会社概要 12 リリースタイミング ダウンタイム n年前 隔週の深夜 あり スタートアップ、ガンガンプロダクトアップデートさせたい 開発のフロー効率をあげたいという強い要望はあった CDは整備されても、リリースは隔週に一度の深夜だった 例えば、当時SEO対策のためにwebページの修正が頻繁に行われており、 その反映が隔週に一回なのはかなりしんどかった

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1|会社概要 13 リリースタイミング ダウンタイム n年前 隔週の深夜 あり 新しいリリース方式 いつでも なし デプロイフローの整備も実施 リリース内容によっては、 いつでもダウンタイムなしで リリースできるように! リリース回数グラフ 青が深夜リリース方式、赤が新しいリリース方式

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14 ECS化によりscript手実行でのデプロイも Github ActionsによるCDへ進化 デプロイ作業が楽になった また、デプロイフローの信頼性も向上した 明確なペイン!!!!!の解消!!!

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15 デプロイフローの信頼性も向上したし、 アーキテクチャも綺麗になったし、 フロー効率あげるぞ!アジリティの向上に繋げるぞ!!

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16 デプロイフローの信頼性も向上したし、 アーキテクチャも綺麗になったし、 フロー効率あげるぞ!アジリティの向上に繋げるぞ!! 開発サイクルを早くして! フロー効率向上!アジリティ向上!!

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1|会社概要 17 しかし... リリースには魔物が潜んでいる ゴゴゴゴゴ....

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1|会社概要 18 リリースで障害を起こしちゃった経験がある人いますか? リリースで障害を起こしちゃった人を見たことがある人いますか? ゴゴゴゴゴ....

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1|会社概要 19 リリースで障害を起こしちゃった人を 見たことがない人いますか? ゴゴゴゴゴ....

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1|会社概要 20 どれだけ信頼性が高いリリースフローであれど、 どれだけテストをすれど、 リリースをする限り魔の手からは逃れられない ゴゴゴゴゴ....

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1|会社概要 21 どれだけ信頼性が高いリリースフローであれど、 どれだけテストをすれど、 リリースをする限り魔の手からは逃れられない アジリティを高くすると信頼性が侵される.....? ゴゴゴゴゴ....

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1|会社概要 22 Q.アジリティを高くすると信頼性が侵される.....? A. 確かにリリースによってメトリクスの悪化が引き起こされる ことがあった →信頼性の低下に繋がっている ゴゴゴゴゴ....

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1|会社概要 23 信頼性 アジリティ 信頼性とアジリティは事業のフェーズによって重要度が変わる 我々の場合はまずアジリティの向上が重要だった デプロイフローのテコ入れを行い、 アジリティの向上に繋げることができた

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1|会社概要 24 信頼性 アジリティ しかし、 デプロイ回数が増えたことにより、 リリースによるレイテンシの悪化などが増加した

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1|会社概要 25 信頼性 アジリティ しかし、 デプロイ回数が増えたことにより、 リリースによるレイテンシの悪化などが増加した 信頼性にも向き合い、バランスを取る時が来た

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1|会社概要 26 アジリティはわかりやすい ・デプロイ回数 ・リードタイムモニタリング アジリティ

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1|会社概要 27 信頼性の定量的指標って何? 変更障害率? メトリクスの悪化? 選ばれたのは... 信頼性

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1|会社概要 28 信頼性の定量的指標って何? 変更障害率? メトリクスの悪化? 選ばれたのは... SLI/SLO 信頼性

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SLIを設定するときに 最初はCUJで策定することを考えた しかし、BtoBtoCサービスは CUJが複雑になってしまい、策定に難航した 1|会社概要 29 信頼性

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そこで、一旦ALBのメトリクスでのみSLIを設定した まずはスモールスタートでのSLI運用を開始した 1|会社概要 30 信頼性 SLIを設定するときに 最初はCUJで策定することを考えた しかし、BtoBtoCサービスは CUJが複雑になってしまい、策定に難航した SLIを決める

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SLI: バックエンドALBの可用性 5xx系の割合 1|会社概要 31 信頼性

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SLI: バックエンドALBの可用性 5xx系の割合 SLO: 現状の値を元に策定 理想の値を設定せず、 まずは運用できるものを目指した 1|会社概要 32 信頼性

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SLI/SLO、そして各種システムメトリクスが纏まったダッシュボードを作成し、 1.毎朝ダッシュボードを確認する 2.違和感があったら調査を行う といった運用を回すことができた 1|会社概要 33 SLI/SLOの運用

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SLI/SLOの運用として、 SLI/SLO、そして各種システムメトリクスが纏まったダッシュボードを作成し、 1.毎朝ダッシュボードを確認する 2.違和感があったら調査を行う といった運用を回すことができた デプロイに伴うレイテンシの悪化などにも 素早く気づき対応を行うことができた 1|会社概要 34

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数ヶ月後... SLI/SLOを施行し、何回かの見直しも実施した 運用もこなれてきたので、 CUJを元にしたSLIを設定することに。 1|会社概要 35

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私たちがサービスを提供する相手は ・不動産管理会社さん ・借主さん ・ニーリー社員 の3方向なので、それぞれに対するCUJを設定。 1|会社概要 36

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・借主さん 駐車場を探し、契約を行うことが目的 その目的を達成するUJをCUJとする ・不動産管理会社さん 駐車場と契約者を管理することが目的 その目的を達成するUJをCUJとする ・ニーリー社員 部署も幅広く、また機能も多いため悩ましい 1|会社概要 37

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・ニーリー社員 部署も幅広く、また機能も多いため悩ましい 全ての機能を見ると大変、重要なものだけ絞りたい 機能一覧 x 部署一覧 のマトリクスを作成 複数の部署で使用している機能を クリティカルな機能だと判断 それを我々にとってのCUJと定義 1|会社概要 38

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・不動産管理会社さん ・借主さん ・ニーリー社員 3方向に対してCUJを設定することを実現! 現在CUJベースのSLI/SLOを絶賛運用中 1|会社概要 39

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1|会社概要 40 SREとして信頼性とアジリティの向上の両方が求められる バランスを取るための信頼性の定量的指標としてのSLI/SLO SLI/SLOも最初から全てCUJで設定するのではなく、 スモールスタートで運用していくのがおすすめ スタートアップは特にアジリティが求められる SREとしては信頼性、アジリティ両方に向き合いながら いい感じにやっていこうね まとめ おしまい

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1|会社概要 41 おしまい テックブログ/Noteに深ぼった話があるので 合わせてぜひ読んでみてください