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今井翔太 さん著 「⽣成AIで世界はこう変わる」 を読んでの感想 2024/01/27 ChatGPT部 部⻑ ⼤城

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モチベーション & 今回の本 • ChatGPT部の2024年企画は 「ChatGPT関連書籍を読むこと」そし て「まだ書かれていないテーマがあれ ば(⾃費?)出版」 • 今回は⽇本のAIといえば、の松尾研究 室に所属されている今井翔太さんの書 籍 • ⽂庫サイズなのがお⼿軽。発売は 2024/1/7、読んでいるのは2024/1/27 現在。 • 出版社はSBクリエイティブさん (以下、書籍より抜粋しつつ感想記載) https://www.sbcr.jp/product/4815622978/

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著者紹介(書籍Webサイトより) • 著者紹介 • 著者・今井翔太 • 1994年、⽯川県⾦沢市⽣まれ。東京⼤学 ⼤学院⼯学系研究科技術経営戦略学専攻 松尾研究室 に所属。⼈⼯知能分野におけ る強化学習の研究、特にマルチエージェ ント強化学習の研究に従事。ChatGPT登 場以降は、⼤規模⾔語モデル等の⽣成AI における強化学習の活⽤に興味。著書に 『深層学習教科書 ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2 版』(翔泳社)、『AI⽩書2022』(⾓川 アスキー総合研究所)、訳書にR. Sutton 著『強化学習(第2版)』(森北出版) など。 https://www.sbcr.jp/product/4815622978/ 強化学習分野の研究者 (⽣成AIど真ん中な印象)

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感想サマリ • 2023/11からの1年間をさらっと追いかけるには最適な⼀冊。 個⼈的にはマストバイ。 • ⼀⽅で、「業務に使えるプロンプト集」みたいなものでは無いので 教養&この激動の1年を振り返る⽣成AI⽂脈の1冊。 • 技術的な背景なども含むため、そこは好き好き(私はよかった)。 また海外の事例や論⽂からの情報も豊富。 • 最後の章の今井さんの師匠である松尾先⽣との対談も⾯⽩い。 「ChatGPTの登場は研究者でも想像していなかったインパクト」が 感じられる(5年後の予想でもギリギリ、の感じ)

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⽬次⾒ながら感想 第1章 「⽣成AI⾰命」という歴史の転換点――⽣成AIは⼈類の脅威か? 救世主か? 第2章 ⽣成AIの背後にある技術――塗り替わるテクノロジーの現在地とは? 第3章 AIによって消える仕事・残る仕事――⽣成AIを労働の味⽅にするには? 第4章 AIが問い直す「創作」の価値――⽣成AIは創作ツールか? 創作者か? 第5章 ⽣成AIとともに歩む⼈類の未来――「⼈類の⾔語の獲得」以来の⾰命になるか? 特別師弟対談(対談相⼿:松尾豊⽒)

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⽬次⾒ながら感想 はじめに、に著者のスタンス・モチベーションが 記載されている 引⽤: ⽣成AIの技術とそれを取り巻く社会情勢は、1つの技 術に関するものとしては信じられないスピードで変化し ています。単に今ある技術やそれを利⽤したツールの使 い⽅、社会的状況を説明したとしても、すぐに陳腐化し てしまうでしょう。 そのため本書では、今後普遍的に重要だと考えられる⽣ 成AIの技術的基礎と、確実に起こるであろう社会的影 響の話題に集中して取り上げることにしました。

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⽬次⾒ながら感想 ⽣成AIのoutputの具体例など。 読者への前提知識の導⼊部分。 個⼈的にはChatGPTは「汎⽤技術(GPT)」? の部分がいいなと思った。個⼈的にも⾔語モデルの域を 出ていると思う。 以下引⽤: ⽣成AI、特にChatGPTのような⾔語⽣成AIは、「汎⽤技術 (GPT:GeneralPurposeTechnology)」と考えられます。汎 ⽤技術とはその名の通り、さまざまな領域で広範な応⽤が可能な 技術を指します。たとえば、電気やインターネットは汎⽤技術の 典型です。 (中略) ⾔語⽣成AIをGPTと⾒なす考えは、OpenAI社らによる 「GPTsareGPTs」というジョークのようなタイトルの研究論⽂ でも述べられています。「ChatGPT」という名前にある「GP T」とは、汎⽤技術を意味する「GPT」ではなく、 「GenerativePretrainedTransformer」を略したものなのですが、 要するにこの論⽂ではそれが汎⽤技術であると主張しているわけ です。

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参考:具体 的な⽣成AI ができるこ と 「⽣成AIで世界はこう変わる」より 1⽉出版で昨年11⽉頃 にでたGPT-4Visionまで フォローされていたのは さすが

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こちらの図のイメージが 今回発⽣していることの 体感値だと思う 「⽣成AIで世界はこう変わる」より 性能的な衝撃 の部分

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性能的な衝撃 の部分 対談のコメントにもそれ が現れている 「⽣成AIで世界はこう変わる」より 以下引⽤: 今井:最後に⻑期的な予測についてお尋ねしたいと ころでしたが、ここまでのお話を踏まえるとナンセ ンスな質問ですね。研究者の視点で⾔えば、ここか ら先はほとんど妄想の世界になりそうです。15年以 上先の世界は、もしかしたら「研究をしているのは ⼈間なのか?」というレベルの話にまでなっている かもしれません。

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⽬次⾒ながら感想 2章は技術的な側⾯・歴 史的な側⾯(詳細割愛) 「どうやって学習させて いるか」などは⾯⽩い

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⽬次⾒ながら感想 3章は仕事の話なので、 多分興味を持つ⼈はお多 い印象 「知的労働」ほど影響が ⼤きいという予測 ( 体感としてはあってる )

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参考:仕事への影 響の受けやすさ予 測への⾔及 「⽣成AIで世界はこう変わる」より

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⽬次⾒ながら感想 4章は主に画像⽣成AIに ついて 知的労働だけでなく、ク リエイティブの領域にも ⽣成AIは進出 (詳細割愛)

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⽬次⾒ながら感想 5章は松尾先⽣との対談 (詳細割愛) 1ヶ⽉で状況が変わる中、 15年以上先の予想は困難 (5年ですらおそらく現 在は難しい)

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プロンプト収集 • few shotプロンプティングを「少数例プロンプティング」 • ステップバイステップを「思考の連鎖」 などChatGPTを使ったことのない⼈向けに翻訳してわかりやす い⾔葉で表現されていたのが印象的でした

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振り返り:この書籍で書かれていない テーマとして • おそらく、哲学やユートピア・ディストピア関連 • ⼀部、教育のあり⽅についても⾔及があったもののメインではない ( 本書の⽬的からも外れている ) • 現状はとてもよくわかるので、「⼈類はどこを⽬指すべきか」と いった議論はおそらく今後重要になってくると予想 -> とはいえChatGPT部で扱うには壮⼤なテーマなので、何か書く としても教育⽅⾯とかかも?とは思いつつ。 今後も他の書籍も紐解きながら考えていきたいと思います。