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自己組織化と ダイナミックリチーミング 2025/4/22 Forkwell Library #90 株式会社アトラクタ 永瀬美穂

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『ダイナミックリチーミング 第2版  ―5つのパターンによる効果的なチーム編成』 書籍『ダイナミックリチーミング 第2版 ―5つのパターンによる効果的なチーム編成』の紹介 Heidi Helfand(著) 永瀬 美穂、吉羽 龍太郎、原田 騎郎、細澤 あゆみ(訳) 2025年3月26日発売 オライリー・ジャパン 320ページ 3,190円(税込) 3

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本書の構成 第I部 ダイナミックリチーミングとは何か? 第II部 ダイナミックリチーミングパターン 第III部 ダイナミックリチーミングをマスターするための戦術 4 書籍『ダイナミックリチーミング 第2版 ―5つのパターンによる効果的なチーム編成』の紹介

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本書の構成 第I部 ダイナミックリチーミングとは何か? →エコサイクルのメタファ、パナーキー、チーム配属の意思決定 第II部 ダイナミックリチーミングパターン 第III部 ダイナミックリチーミングをマスターするための戦術 5 書籍『ダイナミックリチーミング 第2版 ―5つのパターンによる効果的なチーム編成』の紹介

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本書の構成 第I部 ダイナミックリチーミングとは何か? →エコサイクルのメタファ、パナーキー、チーム配属の意思決定 第II部 ダイナミックリチーミングパターン →5つのリチーミングパターンと落とし穴、アンチパターン 第III部 ダイナミックリチーミングをマスターするための戦術 6 書籍『ダイナミックリチーミング 第2版 ―5つのパターンによる効果的なチーム編成』の紹介

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本書の構成 第I部 ダイナミックリチーミングとは何か? →エコサイクルのメタファ、パナーキー、チーム配属の意思決定 第II部 ダイナミックリチーミングパターン →5つのリチーミングパターンと落とし穴、アンチパターン 第III部 ダイナミックリチーミングをマスターするための戦術 →リチーミングの戦術、リチーミング後のプラクティス 7 書籍『ダイナミックリチーミング 第2版 ―5つのパターンによる効果的なチーム編成』の紹介

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想定する聴講者へのアプローチ 本書を読むことは決めているがその前に話を聞いておきたい人 →読むべきポイントと心構えが伝われば嬉しい 今日の話を聞いてよほど面白そうなら本書を読もうと思っている人 →自分が想定読者かどうかがわかれば嬉しい →せめて今日の話だけでも理解してくれれば嬉しい すでに本書を読んだ人 →本書がもっと身近に自分ごととして感じてもらえれば嬉しい 8 書籍『ダイナミックリチーミング 第2版 ―5つのパターンによる効果的なチーム編成』の紹介

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みなさんについて教えてください 9

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チーム作りに関わるリーダーやマネージャー? チームにアサインされるメンバー? あなたの立場はどちらに近いですか? 10 みなさんについて教えてください

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[ ] 効果的なチームがいれば人の入れ替えをして効果を広げる [ ] チームのパフォーマンスや年齢に偏りがあれば全体のバランスを見て分散させる [ ] 手が空いているメンバーがいたら他プロジェクトの仕事でもアサインしてあげる [ ] 効果が出ているチームでも人数が多すぎれば分割する [ ] あるチームでうまくいったプラクティスは標準化して他チームに適用する [ ] 定期的にプロジェクトの優先度を見直しリソースの再配置をする [ ] チームに有害なメンバーがいたらコーチやファシリテーターを入れて対話やレトロ スペクティブによって関係性を改善し状況を修復する いくつ経験がありますか?(そうありたいですか?) 11 みなさんについて教えてください

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ダイナミックリチーミングの背景 12

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2017年4月のサンディエゴで行われたGlobal Scrum Gatheringで出会う 著者Heidi Helfandさんたちとの縁 13 ダイナミックリチーミングの背景 RSGT2019 絶対 行くべき!! RSGT2024 RSGT2022 RSGT2018 RSGT=Regional Scrum Gathering Tokyo

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Scrum TokyoのYouTubeチャンネルで 公開中です 英語ですがそんなに難しくないと思う のでぜひご覧ください 14 ダイナミックリチーミングの背景 著者Heidi Helfandさんの講演動画 Regional Scrum Gathering Tokyo 2024での基調講演の動画 https://www.youtube.com/watch?v=RkKBa3Fztgs

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著者Heidi Helfandさんとわたし 15 エピソードを詳しく訳者あとがきに書きました (ブログで全文公開中) ダイナミックリチーミングの背景 https://miholovesq.hatenablog.com/entry/2025/02/07/185614 Global Scrum Gathering San Diego 2017にて

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なぜこんな話をするのか? 遠くの有名人ではなく、同時代に生きるソフトウェアコミュニティの一員からの アイデアであることにリアルさを感じてほしいから 著者の経験や取り組みや考えを、自分に関係のない海外の話ではなく、身近なも のとして受け止めて欲しいから アイデアの根底に一貫した人間中心の考えがあることを理解する必要があるから 16 ダイナミックリチーミングの背景

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疑問「アジャイルではチームを壊すなというけど?」 17 ダイナミックリチーミングの背景 自己組織化は、個人が指揮命令によってでは なく自らの判断で動き、チームが自律的かつ 有機的に機能すること。アジャイルなチーム は自己組織化から始まる。 自己組織的に動いているチームを壊すのは、 逆行するアイデアなのでは?

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疑問「アジャイルではチームを壊すなというけど?」 18 ダイナミックリチーミングの背景 第三者がいじるからダメなのであって 当事者がいじるなら自己組織化だし それこそがダイナミックリチーミング

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エコサイクルのメタファ 19 ダイナミックリチーミングの背景

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エコサイクルのメタファ 20 ダイナミックリチーミングの背景

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エコサイクルのメタファ 21 ダイナミックリチーミングの背景

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エコサイクルのメタファ 22 ダイナミックリチーミングの背景

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エコサイクルのメタファ 23 ダイナミックリチーミングの背景

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パナーキー 24 ダイナミックリチーミングの背景 「ダイナミックリチーミングエコサイクルにおいては、複数の異なるレベルで、 異なる速度やダイナミクスの変化が同時に何回も予測不可能な形で起こる」(p.8)

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ダイナミックリチーミングとは 25

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チーム変更は避けられないのだからうまくなっておこう 26 ダイナミックリチーミングとは 「好むと好まざるとに関わらず、チームは変化します」(p.1) 「チーム変更は避けられない。うまくなっておいたほうがよい」(p.249)

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ダイナミックリチーミングの包括的な定義(p.13) ダイナミック: (プロセスやシステムの)絶え間ない変化、活動、進歩によって 特徴づけられる。 リチーミング: (人を)仕事や活動に応じて、集めたり、分けたりする。 27 ダイナミックリチーミングとは

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チームは人からなるものであって人はリソースではない チームにはソーシャルダイナミクスがある チームやチームのダイナミクスは時間とともに変化する チームメンバー自身がチーム編成を変更する=自己組織化チームの本質 28 ダイナミックリチーミングとは

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チーム編成の意思決定はスペクトルである 29 ダイナミックリチーミングとは

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ダイナミックリチーミングと従来型の組織編成の違い ダイナミックリチーミング - メンバー自身がチームを組む - 個人の希望や成長を尊重する - ボトムアップ - 自然 - エッジでおこなう - 流動的 - フィードバックループがある 30 ダイナミックリチーミングとは 従来型の組織編成 - マネージャーがチームを組ませる - 組織の最適化を尊重する - トップダウン - 不自然 - 大きく全体をいじる - 定期的 - フィードバックループがない

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リチーミングパターンとアンチパターン 31

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リチーミングパターン 32 組織の成長に関するもの - ワンバイワン - グロウアンドスプリット 仕事の質に関するもの - アイソレーション - マージ - スイッチング それぞれに「落とし穴」がある リチーミングパターンとアンチパターン

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リチーミングパターン 33 組織の成長に関するもの - ワンバイワン - グロウアンドスプリット 仕事の質に関するもの - アイソレーション - マージ - スイッチング それぞれに「落とし穴」がある リチーミングパターンとアンチパターン

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リチーミングパターン 34 組織の成長に関するもの - ワンバイワン - グロウアンドスプリット 仕事の質に関するもの - アイソレーション - マージ - スイッチング それぞれに「落とし穴」がある リチーミングパターンとアンチパターン

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リチーミングパターン 35 組織の成長に関するもの - ワンバイワン - グロウアンドスプリット 仕事の質に関するもの - アイソレーション - マージ - スイッチング それぞれに「落とし穴」がある リチーミングパターンとアンチパターン

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リチーミングパターン 36 組織の成長に関するもの - ワンバイワン - グロウアンドスプリット 仕事の質に関するもの - アイソレーション - マージ - スイッチング それぞれに「落とし穴」がある リチーミングパターンとアンチパターン

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リチーミングパターン 37 組織の成長に関するもの - ワンバイワン - グロウアンドスプリット 仕事の質に関するもの - アイソレーション - マージ - スイッチング それぞれに「落とし穴」がある リチーミングパターンとアンチパターン

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アンチパターン パターンはうまくいったやりかた →挙げることができる アンチパターンはうまくいかなかった状態であってやりかたではない →すべてを挙げることはできない!(パターン以外は無限) →ダメな典型例を知ることはできる 38 リチーミングパターンとアンチパターン

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[ ] 効果的なチームがいれば人の入れ替えをして効果を広げる [ ] チームのパフォーマンスや年齢に偏りがあれば全体のバランスを見て分散させる [ ] 手が空いているメンバーがいたら他プロジェクトの仕事でもアサインしてあげる [ ] 効果が出ているチームでも人数が多すぎれば分割する [ ] あるチームでうまくいったプラクティスは標準化して他チームに適用する [ ] 定期的にプロジェクトの優先度を見直しリソースの再配置をする [ ] チームに有害なメンバーがいたらコーチやファシリテーターを入れて対話やレトロ スペクティブによって関係性を改善し状況を修復する いくつ経験がありますか?(そうありたいですか?) 39 リチーミングパターンとアンチパターン これらすべてアンチパターン

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「シャッフルは組織変更を軽く言い換えただけのもの」(p.151) 「分散させようとしてチーム全体を壊していました」(p.152) 「兼任アンチパターン」(p.153) 「生産的なチームを標準もしくはベストプラクティスで破壊する」(p.155) 「抽象化によるリチーミング」(p.160) 「いつものエクササイズ、組織におけるハックのようなもの」「根本原因には取 り組まず、摩擦の多い状況に包帯をして、和らげます」(p.162) アンチパターン 40 リチーミングパターンとアンチパターン

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挙げられたアンチパターンに共通することとその対策 地位も給与も遠いマネージャーが機械的なアプローチを使いチーム構成や変更を 判断してしまっている →インディビジュアルコントリビューターと一緒にやる →従業員がどう感じているかフィードバックループを形成する →「エッジのリチーミング」を使って実験する 41 リチーミングパターンとアンチパターン

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疑問「アジャイルではチームを壊すなというけど?」 42 リチーミングパターンとアンチパターン 第三者がいじるからダメなのであって 当事者がいじるなら自己組織化だし それこそがダイナミックリチーミング

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まとめ 43

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組織やチームを作っているのは人 リーダーやマネージャーは基本的には嫌がらせをしようとして人員配置をしてい るわけではない アイデアや能力がなければ善意によってこれが起こる 従来のマネジメントスタイルから学べば同じことが繰り返されてしまう 人には感情があること、チームにはダイナミクスがあり自然と変化していくもの であることを受け入れて、新しいマネジメントスタイルを追求すればよさそう 44 まとめ

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ダイナミックリチーミングはチーム作りの民主化 45 まとめ 「チームメンバー自身が」「今いるところから始めることです」(p.18) 「抽象化によるリチーミング」を避け「判断までの距離、判断を下す人までの距 離を短くする」(p.158) 「重要なのは、ふりかえりと学習です」(p.248) 「意思決定に人を巻き込みましょう」(p.249)

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