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Emacs × LSP × Steep omotesando.rb#101 <2024-09-05> @aki19035vc

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自己紹介 ❏ 藤崎 亮人 (a_fujisaki) ❏ @aki19035vc ❏ 所属: イタンジ株式会社 ❏ バックエンドエンジニア ❏ 物件基盤の開発責任者 ❏ Rails × 型 の話が好き ❏ 学生の頃(2016年くらい)からEmacs使ってます

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今日話すこと ❏ Emacs × LSP × Steep の話 ❏ EmacsでSteepを言語サーバとして使う時の困り事 ❏ 言語サーバとしてのSteepの良いところ・物足りないところ ❏ 2日ほど業務で実際に使用した感想 ❏ 型が(ほぼ)100%入っており、steep checkに1分30秒くらいかかる ❏ ちょっとしたデモ $ rails stats +----------------------+--------+--------+---------+---------+-----+-------+ | Name | Lines | LOC | Classes | Methods | M/C | LOC/M | +----------------------+--------+--------+---------+---------+-----+-------+ | Controllers | 745 | 492 | 28 | 67 | 2 | 5 | | Jobs | 297 | 170 | 11 | 19 | 1 | 6 | | Models | 18131 | 12031 | 382 | 917 | 2 | 11 | | Libraries | 5634 | 4125 | 41 | 87 | 2 | 45 | | Libs | 397 | 225 | 6 | 22 | 3 | 8 | | Serializers | 4382 | 2998 | 164 | 204 | 1 | 12 | | Validators | 1671 | 846 | 163 | 55 | 0 | 13 | | Batches | 99 | 62 | 3 | 8 | 2 | 5 | | Usecases | 12167 | 8281 | 226 | 676 | 2 | 10 | +----------------------+--------+--------+---------+---------+-----+-------+ | Total | 43523 | 29230 | 1024 | 2055 | 2 | 12 | +----------------------+--------+--------+---------+---------+-----+-------+ Code LOC: 29230 Test LOC: 0 Code to Test Ratio: 1:0.0

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用語の簡単な解説 ❏ Emacs ❏ 1970年代からあるテキストエディタ ❏ Emacs Lisp によって拡張できる ❏ Matzも使ってる ❏ LSPと言語サーバ ❏ Language Server Protocol => LSP ❏ コードの補完やシンタックスハイライト、エラーチェックなどの機能をエディタに提供する バックエンドプロセス ❏ Rubyだと Shopifyのruby-lsp や Solargraph が有名 ❏ Steep ❏ Rubyの型検査ツール ❏ 言語サーバとして使うこともできる

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使用するバージョンとかライブラリとか ❏ Emacs: 29.2 ❏ LSPクライアントにはlsp-modeを使用 ❏ Eglotやlsp-bridgeについては未検証 ❏ Ruby: 3.3 ❏ Steep: 1.7.1

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EmacsでSteepを言語サーバとして使うと、、、 ❏ 普通にやると上手くいかない ❏ lsp-mode付属のクライアントだと、ruby-lspやSolargraphといったメインとなる言語 サーバと同時に起動できない ❏ ruby-lspとSteepを頑張って同時起動できるようにしても、 ruby-lsp側の定義ジャンプ が使えなくなる ❏ Rubyファイルを開くとSteepが強制的に起動してしまう ❏ プロジェクトに Steepfileが存在しないとエラーになる ❏ ファイルを開くたびにエラーメッセージが表示されてしまう

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EmacsでSteepを言語サーバとして使えるようにする ❏ 付属のクライアントを無効化し、自前でクライアントを作成・登録し直す ❏ 他の言語サーバと同時起動できるようにする ❏ 任意のディレクトリ以下のRubyファイルのみ有効化できるようにする ❏ メインの言語サーバはSolargraphを使う ❏ Steepと同時起動しても定義ジャンプが競合せず使える 何をしてるか気になる方は .emacs.d/init.elを見てください。 後日、lsp-modeに含まれるsteepのクライアントを拡張する PRは作る予定です。 https://github.com/aki19035vc/.emacs.d/blob/8bd3e263b4d21d3ac59a41f5bde9df165621a137/init.el#L458-L472

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デモ: 定義ジャンプと型検査

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言語サーバとしての Steep ❏ 良いところ ❏ 型があるオブジェクトに対する補完が完璧 ❏ 型定義へのジャンプができる ❏ 実装と型が一致しない部分が視覚的に分かりやすい ❏ 物足りないところ (※ あくまで自分の環境での話) ❏ rbsファイルが変更される度にsteep checkが走っていそうで、完了するまで激重 ❏ 型検査に時間がかかるようなアプリケーションを開発しているとつらい、、、 ❏ デフォルトだとプロセスが 9個立ち上げているようで、 CPUリソースが枯渇する ❏ rbsファイルを短時間で何度も変更すると型チェックが行われなくなってしまう ❏ 言語サーバを再起動するまで止まったまま

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まとめ ❏ Emacs × LSP × Steep はちょっと頑張ればできる ❏ メソッド補完・リアルタイムな型検査による開発体験は素晴らしい ❏ 型検査に時間がかかるようなアプリケーションでは、Emacsが重たくなる → 総合的に見ると少しマイナス、、、 ❏ 今後の予定 ❏ 言語サーバ起動時にプロセス数を指定できそうなので、 Emascから起動する際に調整で きるようにして、プロセス数を抑える ❏ 型検査の実行頻度を減らせないか見てみる ❏ 敵情視察 (VS Code使ってみる)