Slide 1

Slide 1 text

1

Slide 2

Slide 2 text

2 交通情報の研究プロジェクトを行っています 行動変容と交通インフラの動的制御による スマートな都市交通基盤技術の研究開発 期間: 2021年度〜2024年度 予算: 8.6億円/3年(うち熊本は2割程度) 組織 所属・役職 代表者 担当分野 東京大 学 情報理工学系研究科 准教授 伊藤昌毅 交通情報、AI交通信号 生産技術研究所 教授 大口敬 交通工学、道路信号 空間情報科学研究センター・ 生産技術研究所 教授 瀬崎薫 情報ネットワーク、IoT、モバイ ル空間センシング 情報理工学系研究科 准教授 塚田学 ITS通信技術 工学系研究科 教授 中尾彰宏 次世代サイバーインフラ 生産技術研究所 教授 中野公彦 機械生体システム制御工学 生産技術研究所 教授 ペニントン マイルス デザイン先導イノベーション 生産技術研究所 准教授 本間健太郎 空間デザイン数理 トラフィックブレイン 代表取締役 太田恒平 ダイヤ改善、交通情報 MaaS Tech Japan 代表取締役 日高洋佑 MaaSデータ基盤 公共交通分野について、熊本をフィールドに研究中 国立研究開発法人情報通信研究機構 Beyond 5G研究開発促進事業

Slide 3

Slide 3 text

3

Slide 4

Slide 4 text

4 参加者 ご参加ありがとうございます! 会場 オンライン 参加者 約80 約140 登壇・ コメンテーター 18 4

Slide 5

Slide 5 text

5 質問は「sli.do」へ • 質問・コメントはスマホ or PC からsli.doへお寄せください • URL「sli.do」→ code「6077594」 • できれば匿名ではなく実名でご記入ください • 冒頭に宛名を「>○○先生」などと書いてください • 同趣旨の質問には ボタンを押してください。優先的に取り上げます • 回答や追加情報は返信として追記してください • 質疑は討議録と併せて公開します

Slide 6

Slide 6 text

6 (株)トラフィックブレイン 代表取締役 太田恒平 2024-11-15 都市交通決起集会 熊本都市圏 「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」をめざして

Slide 7

Slide 7 text

7 7 自己紹介 太田 恒平(おおた こうへい) 1983年11月06日生 41歳 • 仕事:交通データ分析・コンサルティング 特にバスの遅延改善、標準化・オープンデータ化 • 大学:東京大学 社会基盤学科 交通研究室 →新領域創成科学研究科 空間情報科学研究所 • 職歴:ナビタイムジャパン入社、2017年に起業 • ナビタイムでは経路探索エンジン開発責任者、交通コンサルティング事業創設 • 住処:熊本市内に住み始めました(住民票だけ東京に…) (株) トラフィックブレイン 代表取締役

Slide 8

Slide 8 text

8 企画背景 ◼熊本都市圏「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」の経験 • 社会問題化した渋滞への対策として、データに基づく公共交通強化を社会的イシューにしつつある ◼都市交通政策の停滞・形骸化は日本の地方中大都市圏の共通課題 • 渋滞解消など外部効果のための投資よりも、公費削減のための公共交通の効率化に傾きがち ◼熊本と似た状況の岡山で土木計画学研究発表会が開かれる • 公共交通分担率の低さ、渋滞の酷さは熊本と政令市最下位争い ◼広島も共通のテーマがあり、共通の学識(神田先生)が支援 • 都市も公共交通も規模は大きいが、路面電車の活用、複数バス事業者の協調、運賃の変革期…は同じ ◼学会に集まる学識と、現状共有、振り返り、打開策の模索をしたい • 分野・世代が少しずつ異なる専門家が力を合わせれば、きっと道は拓けるはず!

Slide 9

Slide 9 text

9 熊本の交通事情 政令市ワーストの渋滞 熊本駅は 街外れ 広大な 鉄道空白 寸止め 熊本電鉄 空港まで 1時間 市電は 1両で混雑 バスより遅い 鉄軌道が貧弱

Slide 10

Slide 10 text

10 熊本都市圏では渋滞が社会問題化 令和の時代に 渋滞が県知事選の争点に 郭智輝経済部長(日本の経済産業大臣に相当) 「以前から問題になっている道路の渋滞は改善されましたか? 第1工場ができただけでこんなに混雑するのでは、 この先どうなることでしょうか」 半導体政策に関わる台湾の高官 「第2ができたら、通勤時間は2時間、3時間にもなるのではないか。 工場の生産性にも関わり、第3の前向きな検討は到底できる状況では ない」と語る。 https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/822033 TSMC進出の活気も交通がネックに Bloomberg: TSMC効果で「億万長者」も、特需に沸く熊本の町を悩ます大渋滞 https://www.bloomberg.com/news/features/2023-06-08/chip-titan-tsmc-s-first-factory-in-japan-has-to-contend-with-horrible-traffic?utm_source=website 東洋経済:日本の半導体業界の焦点「TSMC第3工場」は熊本以外へ

Slide 11

Slide 11 text

11 こんなに渋滞が社会課題 になっている街はない! 大丈夫か熊本!?

Slide 12

Slide 12 text

12 Q. 熊本の渋滞はどうなっている? A.都心部から郊外までことごとく渋滞

Slide 13

Slide 13 text

13 平日7:30-8:00 の車の平均速度 2021年11-12月 -5 5-10 10-15 15-20 20-30 30-40 40-60 60- 平均時速 …徒歩 …ママチャリ ホンダ車の通信カーナビの GPSで測定した 「プローブデータ」を購入 全面的に渋滞しているので、車を減らすしかない

Slide 14

Slide 14 text

14 Q. 渋滞が酷いのはなぜですか? A.道路に対して車が多いから

Slide 15

Slide 15 text

15 渋滞と公共交通分担率 渋滞 ワースト 1位 道路の 平均速度 DID 地区 鉄道 +バス 鉄道 バス 自動 車 km/h % % % % 熊本市 16.1 9.7 3.5 6.2 50.7 岡山市 18.0 9.8 6.8 2.9 54.3 福岡市 20.7 32.0 20.8 11.2 26.3 浜松市 20.9 8.6 4.9 3.8 65.9 仙台市 21.2 26.6 18.4 8.2 40.3 新潟市 23.3 13.4 7.4 6.0 62.4 広島市 24.7 24.7 15.9 8.8 33.5 静岡市 28.5 13.3 8.7 4.6 44.1 北九州市 31.0 21.3 11.4 9.9 50.6 札幌市 33.4 34.5 28.3 6.1 34.7 名古屋市 33.3 30.0 3.3 32.1 大阪市 44.7 43.3 1.4 9.4 東京23区 61.1 58.6 2.4 5.5 交通手段分担率 (通勤通学) 交通分担 ワースト 2位 渋滞も公共交通分担率も 地方政令市ワーストクラス 鉄道分担 ワースト 1位 止まらない車依存と縮小均衡 鉄軌道は伸びている中、 バスが減便・利用減の 負のスパイラルから 抜け出せない 出典:熊本都市圏総合交通計画協議会 第4回委員会 資料 2,440万人 2,354万km 2023年度

Slide 16

Slide 16 text

16 数字で見る熊本・岡山・広島の公共交通 熊本と岡山は 地方政令市 ワーストを争う 広島は分担率も 速度も一段階上 交通分担率: 2015年度国勢調査に基づく 国交省都市局「都市モニタリングシート」 道路速度: 2015年度道路交通センサスに基づく 熊本都市道路ネットワーク検討会 資料 道路の 平均速度 DID 地区 鉄道 +バス 鉄道 バス 自動車 km/h % % % % 熊本市 74 111 16.1 9.7 3.5 6.2 50.7 岡山市 72 153 18.0 9.8 6.8 2.9 54.3 福岡市 154 257 20.7 32.0 20.8 11.2 26.3 浜松市 80 113 20.9 8.6 4.9 3.8 65.9 仙台市 108 161 21.2 26.6 18.4 8.2 40.3 新潟市 81 106 23.3 13.4 7.4 6.0 62.4 広島市 119 143 24.7 24.7 15.9 8.8 33.5 静岡市 71 988 28.5 13.3 8.7 4.6 44.1 北九州市 96 131 31.0 21.3 11.4 9.9 50.6 札幌市 207 236 33.4 34.5 28.3 6.1 34.7 名古屋市 301 6871 33.3 30.0 3.3 32.1 大阪市 416 1208 44.7 43.3 1.4 9.4 東京23区 927 3530 61.1 58.6 2.4 5.5 交通手段分担率 (通勤通学) 市 人口 [万人] 都市圏 人口 [万人] ❶ ❷ ❷ ➌ ❶ ➌ ④ ❶ ➌ ④ 路面 電車 延長 12.1km 4.7km 35.1km (宮島線込) 乗合バス 運行補助 (2019) 5.8億円 0.5億円 5.1億円

Slide 17

Slide 17 text

17 全国流動マップ 鉄軌道輸送密度 [百人/日] 2019年度鉄道統計年報 ・各社資料 ■新幹線 ■JR在来線 ■私鉄等 道路交通量 [百台/日] 2015年道路交通センサス ■高速道路 ■一般道

Slide 18

Slide 18 text

18 全国流動マップで見る熊本の車社会 輸送密度 [百人/日] 2012年パーソントリップ調査 ■JR在来線 ■私鉄等 2021年10月ICカード ■バス 北熊本 →黒髪町 2600人 水前寺⇔ 新水前寺 10,600人 味噌天神⇔交通局前 市電13400人 御代志 電車600人 バス700人 都心は公共交通も健闘、放射路線では早くも車 郊外は車一色 国道387号 17,300台 東BP 67,100台 国道3号 50,500台 水道町⇔通町筋 バス16,000人

Slide 19

Slide 19 text

19 「全国交通流動マップ」で福岡と比較 熊本都市圏:人口111万人 公共交通9.7%、車50.7%(中心市通勤通学) 福岡都市圏:人口257万人 公共交通32.0%、車26.3%(中心市通勤通学) 地下鉄輸送人員:47万人 1980年:都市高速 1981年:地下鉄 1984年:国鉄4本/h化 市電輸送人員:3万人 福岡は都市高速だけでなく鉄道を整備して都市を支えてきた 鉄軌道輸送密度 [百人] 2019年度鉄道統計年報・ 各社資料 ■新幹線 ■JR在来線 ■民鉄 道路交通量 [百台] 2015年道路交通センサス ■高速道路 ■一般道 https://qgis.t-brain.jp/traffic/

Slide 20

Slide 20 text

20 20 熊本を離れる喜び 熊本より福岡に就職したい? 華やか、便利…大学生の本音 2022.06.29 https://kumanichi.com/articles/707212 熊本にとって”ライバル”とも言える隣県の福岡を就職先に選んだ若者たちの本音に迫った 熊本県立大4年の女性(21)(福岡市の建設会社に就職予定) 地下鉄など交通インフラが整備された福岡。女性は「通勤時にひどい渋滞に 悩まなくて済むと考えると、熊本を離れる喜びも正直ある」 熊本市出身の男性(22)(福岡市のベンチャー企業の広告代理店) 年10回ほど遊びに行っていた福岡市を身近に感じていて、 街の華やかさのほか、交通や買い物など利便性の高さにひかれた 車の費用的ハードルは高まっており、公共交通は若者を惹きつけるツールになる

Slide 21

Slide 21 text

21 Q. どうすれば渋滞をなくせますか? おおざっぱにいえば A1. 道路を増やす、広げる →日本の地方のこれまでの主流。お金と時間がかかる。 A2. 車を減らす →世界のトレンド。私たちの研究テーマ。

Slide 22

Slide 22 text

22 22 熊本都市圏における研究の目標・取組 目指す姿 車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍 そのために 情報 計画 投資 ①遅延・渋滞改善 〜バスの遅れ5分以内へ〜 ②公共交通マーケティング 〜データに基づき潜在需要に働きかけサービスレベル設定〜 ③オープンMaaS 〜優れたサービスが広く使え先端技術が生まれる都市へ〜 ④交通投資再構築 〜独立採算・赤字補填・道路偏重から脱却〜 交通関係者 の行動変容 利用者 の行動変容 財政・経営・ 政治・有権者 の行動変容 車の分担率64%の1割(6%)が転換すれば、公共交通の分担率は6%から12%へ倍増

Slide 23

Slide 23 text

23 バス利用者2倍増の計画 with 共同経営推進室 主な施策案 バス利用 徒歩以外 トリップ /年 ターゲット 目標 シェア 現状 シェア 現状 トリップ/年 発着地 属性 目的 入学説明会、路線・ダイヤ見直し、割引策 6% 3.3% 73万 2254万 - 中高生 通学 説明会、路線・ダイヤ見直し 16% 9.6% 51万 538万 - 大学生 市電連携、共通定期、サイネージ 31% 24.8% 429万 1732万 中心部着 社会人 通勤 新規路線、乗継改善、乗継運賃 8% 3.8% 370万 9836万 他熊本市着 企業通勤バス 7% 1.0% 60万 6069万 熊本市外着 割引策 *8% 2.5% 529万 21286万 - 社会人 中高生 私用 体験会、ミニサイネージ *11% 10.6% 455万 4284万 熊本市発 高齢者 - 敬老パス、体験会 *7% 3.3% 64万 1966万 熊本市外発 9% 4.2% 2032万 47965万 合計 • 従来は、中心部への通勤と高齢者(特に熊本市おでかけIC)へ注力してきた • 通学・通勤・私用・高齢者のグループに分け、目標設定、施策立案、実行をしている。 • 研究PJとしては、データ分析(特に共通策)、システム開発を担当。

Slide 24

Slide 24 text

24 研究目標が社会目標へ 大西 熊本市長マニフェスト 熊本県渋滞解消推進本部 資料 木村 熊本県知事マニフェスト

Slide 25

Slide 25 text

25 熊本県知事・熊本市長 トップ会談 KAB:https://www.kab.co.jp/news/?NewsData=202407180930.php&path=video/202407180930.mp4&mode=1 Kkt:https://news.ntv.co.jp/n/kkt/category/society/kk0ffbe745805148b4afec77753b21c5f6

Slide 26

Slide 26 text

26 Q. 車1割削減で渋滞半減って本当? A.ホントです 熊本市中央区やセミコンで実測

Slide 27

Slide 27 text

27 date week5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 12月13日 平日 127 363 752 767 728 718 705 695 694 724 741 760 787 756 611 416 312 29 25 15 14 18 19 19 20 19 18 17 16 13 14 20 24 25 12月14日 平日 110 333 738 758 716 699 704 686 693 711 721 754 781 737 631 489 348 30 25 15 14 18 19 19 19 19 18 18 16 13 12 13 18 24 12月15日 平日 102 341 728 756 706 723 720 707 704 724 750 758 781 751 618 446 349 30 25 15 14 18 18 18 19 19 18 17 15 12 12 19 23 24 12月16日 平日 108 336 747 776 760 740 732 728 717 735 738 746 744 726 667 280 358 29 25 15 14 16 16 17 18 18 17 15 14 11 9.7 14 21 23 12月17日 平日 109 347 734 773 753 727 738 738 747 743 753 789 782 755 698 517 413 30 25 14 13 16 16 17 17 18 17 15 13 10 10 14 21 23 12月18日 土曜 115 255 523 639 697 740 735 758 755 752 761 753 750 722 601 465 380 28 27 23 21 19 17 16 15 15 15 15 15 12 13 17 21 23 12月19日 日祝88 143 289 456 570 631 661 693 700 684 707 712 683 581 447 369 291 29 28 26 24 21 19 19 18 18 17 17 17 17 19 23 24 25 12月20日 平日 111 345 723 748 712 698 711 709 716 730 744 759 777 722 628 423 319 29 25 15 14 18 18 18 18 18 17 16 15 13 13 19 24 25 12月21日 平日 113 330 718 737 716 730 707 697 698 710 719 753 774 745 626 430 349 30 25 15 14 17 18 18 19 19 18 17 15 12 13 19 23 24 12月22日 平日 108 325 702 735 710 728 727 719 718 734 744 766 772 750 631 441 349 29 25 16 14 18 17 17 17 18 17 16 15 12 12 19 23 24 12月23日 平日 110 324 711 755 743 738 733 737 730 755 760 770 775 739 656 472 362 30 26 14 14 16 17 17 17 18 16 16 14 11 11 17 23 24 12月24日 平日 111 326 700 743 738 766 773 761 760 778 796 766 712 692 683 523 358 30 25 15 14 16 15 14 15 15 14 12 11 8.3 7.7 11 19 24 12月25日 土曜 109 242 486 608 667 724 752 757 757 750 763 758 735 679 535 438 358 27 27 24 21 19 17 16 15 15 16 15 14 14 17 21 23 24 12月26日 日祝82 144 282 452 543 616 660 671 656 643 669 692 669 552 457 377 304 28 28 26 24 22 20 20 20 19 20 19 18 18 20 23 25 25 12月27日 平日 109 323 709 742 717 713 747 758 754 759 772 789 778 755 631 434 327 30 26 16 15 18 16 15 16 16 15 15 14 12 12 17 23 24 12月28日 平日 107 297 684 732 688 727 748 743 738 743 764 776 774 747 627 448 350 30 26 17 17 19 18 17 17 17 17 16 15 13 13 18 23 24 12月29日 平日 106 220 458 547 627 688 726 728 691 691 706 710 705 671 524 406 335 29 28 23 22 20 17 17 17 16 16 17 17 14 14 18 22 23 12月30日 日祝 108 167 334 458 567 664 698 687 684 698 703 683 671 600 465 367 308 29 28 25 23 20 18 18 19 19 18 18 17 17 18 21 23 24 12月31日 日祝94 134 214 325 451 584 664 659 649 649 615 573 514 411 286 219 183 28 27 26 25 22 20 19 19 20 19 20 20 22 22 25 26 26 熊本市中央区 2021年末の交通量と車速度(集計QV) 平均時間交通量(熊本市中央区のトラカンの1時間平均) 平均速度(熊本市中央区のプローブの1時間平均) 12/24午後に交通量が1割増加した蓄積と雨で夕方に麻痺 12/28朝の交通量5%減だけで朝ラッシュが無くなった 平日夕方は昼より交通量が1割増えるだけで渋滞する

Slide 28

Slide 28 text

28 0 5 10 15 20 25 30 0 100 200 300 400 500 600 700 800 雨なし速度 雨速度 熊本市中央区の集計QVで「車1割削減、渋滞半減」を検証 平均時間交通量[台/h] 平 均 速 度 [km/h] 交通量が 776 → 698台/h (10%↓) 速度は 13.5 → 17.9km/h (33%↑) 渋滞損失時間は (20km/h走行に対する追加時間) 115 → 63秒/台km (45%↓) ほぼ半減!

Slide 29

Slide 29 text

29 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 QVグラフ 6時台 7時台 8時台 [km/h] [台/h] 1,214 1137 1047 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 11/1-12/24 12/28(火) 11/22(月) 平日7時台交通量 6%減 14%減 [台/h] 12.3 24.1 21.4 0 5 10 15 20 25 30 11/1-12/24 12/28(火) 11/22(月) 平日7時台速度 95%増 73%増 [km/h] 606 574 399 0 100 200 300 400 500 600 700 11/1-12/24 12/27(月) 11/09(火) 平日7時台交通量 5%減 34%減 [台/h] 10.7 17.2 13.8 0 5 10 15 20 11/1-12/24 12/27(月) 11/09(火) 平日7時台速度 61%増 29%増 [km/h] 0 5 10 15 20 25 30 0 100 200 300 400 500 600 QVグラフ [km/h] [台/h] 6時台 7時台 8時台 ②国道57号 菊陽 東方向(片側2車線) ①県道30号 福原 東方向(片側1車線) ②国道57号 菊陽 東方向 ①県道30号 福原 東方向 平日朝7:00-8:00平均速度(2021/11-12月) 10%前後の交通量減少で数十%速度は向上。100台/時・車線 削減できれば充分。 セミコンの道路1本にも当てはまる「車1割削減、渋滞半減」

Slide 30

Slide 30 text

30 Q. 信号改善でどうにかならないか? A.熊本の信号に改善の余地は大きいが 限界も見える

Slide 31

Slide 31 text

31 中心市街地を分断する信号 辛島町 電停 160秒 通町筋 170秒 桜町南側 150秒 リムジンの遅れはほぼ中心部で発生 歩行者とバスの導線を遮る信号

Slide 32

Slide 32 text

32 熊本のサイクル長は日本一! 32 熊本 岐阜 秋田 長野 山口 三重 滋賀 兵庫 和歌山 岡山 鹿児島 大阪 石川 岩手 沖縄 長崎 徳島 大分 宮城 宮崎 京都 愛知 奈良 高知 広島 茨城 富山 香川 静岡 福岡 鳥取 群馬 栃木 山梨 愛媛 警視庁 千葉 福島 佐賀 福井 北海道(旭川) 北海道(札幌) 青森 北海道(函館) 新潟 北海道(釧路) 神奈川 島根 埼玉 山形 北海道(北見) 100 110 120 130 140 150 160 170 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000 11000 12000 13000 平均サイクル長[秒] 人口密度(データのある信号が含まれるDID地区のみ) 県警別 信号平均サイクル長 (DID地区内・朝8:00-8:15) 平均138秒 首都圏は 高密度だが 短サイクル 京阪神は 長サイクル 孤高の熊本 低密度なのに 長サイクルの謎 低密度相応に 短サイクル 熊本市中心部は軒並み180秒 全国信号サイクル長マップ https://bit.ly/3u8uvJJ 日本道路交通情報センターの オープンデータを地図上で可視化 青時間を長くしても先詰まりや レーン溢れが多く車にとっても非効率

Slide 33

Slide 33 text

33 歩行者と公共交通のための交通運用案 ❶交通量の少ない信号のサイクルを短縮 ❷辛島町〜水道町の一般車線を片側1車線とし 主要交差点(水道町・花畑・市役所)のサイクルも短縮 ➌鶴屋渋滞対策(市電通りへの溢れ防止等) 短縮 短縮 短縮 短縮 短縮 短縮 短縮 短縮 鶴屋渋滞 対策 短縮 一般車線 片側1車線化 桜町で496万人/年→1分短縮(30円)なら1.5億円の時短効果 参考:京都四条通の歩道拡幅 土木学会デザイン賞 Webサイトより 京都新聞 「四条通歩道拡幅6・5m、バス停4カ所に 京都市が整備へ」 • 「歩くまち・京都」を掲げる京都市が 車道を削りバスと歩行者中心の空間へ整備 • パーク&ライド、駐停車禁止なども設定 • 直後は渋滞が酷く「世紀の愚策」等と批判された • 混乱は1年でほぼ収束し、車は4割減った • 大阪御堂筋、神戸三宮、敦賀国道8号などの 事例にもつながった

Slide 34

Slide 34 text

34 セミコンでは研究をきっかけにスピーディーに信号改善が進んだ ①デイリーヤマザキ (南北方向を優先) ②柳水公民館 (早朝のサイクルを延長) ③竹迫 (右折を優先) ④福原グランド前 (早朝のサイクルを延長) 南から 西から 東大によるシミュレーションに基づき 金曜に提案したら月曜から県警が信号調整 76秒 ↓ 70秒 11秒 ↓ 15秒 48秒 ↓ 50秒 4箇所に改善を拡大し効果を生んだ しかし朝は効果に限界が見え、夕方は改善困難 県警本部交通規制課の次席、大津署の課長が特に熱心で大変心強い 2024/02に人事異動がありましたが、引き続きご協力お願いします スプリット変更を提案

Slide 35

Slide 35 text

35 Q. 公共交通をどう増やす? A.まずはバスを中心に検討中

Slide 36

Slide 36 text

36 バス共同経営の振り返り コロナ前の4年でも 走行キロ13.1%・輸送人員10.8%減 令和5年度第1回熊本市公共交通協議会全体会資料より 共同経営5社提供 民間協調だけでは大きな変化は起こせない • 共同経営計画や利用者2倍増に向けた取組みによって、一定程度の収支改 善効果は得られている。 • しかし、5社あわせて約40億円の路線収支赤字であるなど、依然として厳し い状況が続いている。 収支 • 共同経営計画による運行効率化によって、平日で10.6人の削減効果は得ら れている。 • しかし、運転士数はこの4年間で99人減少し、一部路線での減便などを余 儀なくされるなど、深刻な人材不足が続いている。 運転士 • 共同経営計画による運行効率化によって、平日で8.7台の車両数削減効果 は得られている。 • しかし、コロナ禍による厳しい財務状況の影響もあり、新車ではなく中古車での 更新が進められた結果、5社平均車齢はこの4年間で1.8年高くなっており、 今後の更新費用負担の増大が懸念される。 車両 このまま、公共交通が廃れていくしかないのか! 共通定期・ダイヤ改善などの施策や 情報共有・データ活用の効果はあるが 経営レベルのインパクトには至らない 共同経営推進室「共同経営の成果と限界について・利用者2倍構想の実現に向けて」より

Slide 37

Slide 37 text

37 バス利用者2倍増の計画 with 共同経営推進室 主な施策案 バス利用 徒歩以外 トリップ /年 ターゲット 目標 シェア 現状 シェア 現状 トリップ/年 発着地 属性 目的 入学説明会、路線・ダイヤ見直し、割引策 6% 3.3% 73万 2254万 - 中高生 通学 説明会、路線・ダイヤ見直し 16% 9.6% 51万 538万 - 大学生 市電連携、共通定期、サイネージ 31% 24.8% 429万 1732万 中心部着 社会人 通勤 新規路線、乗継改善、乗継運賃 8% 3.8% 370万 9836万 他熊本市着 企業通勤バス 7% 1.0% 60万 6069万 熊本市外着 割引策 *8% 2.5% 529万 21286万 - 社会人 中高生 私用 体験会、ミニサイネージ *11% 10.6% 455万 4284万 熊本市発 高齢者 - 敬老パス、体験会 *7% 3.3% 64万 1966万 熊本市外発 9% 4.2% 2032万 47965万 合計 • 従来は、中心部への通勤と高齢者(特に熊本市おでかけIC)へ注力してきた • 通学・通勤・私用・高齢者のチームに分け、目標設定、施策立案・実行をしてきた。 • 当研究PJでは、データ分析(特に共通策)、システム開発を担当してきた。

Slide 38

Slide 38 text

38 4グループに分けて短期策から始めている JCOMM2024発表資料より ◼活動概要 累計利用増 11万人 達成 2万人 達成 9万人 達成 35万人 達成 86万人 達成 通勤 通学 高齢者 私用 共通 通勤バス実証実験(セミコン) その他活動 ・セミコン通勤バス(増便 など) ・【大津町・Honda】通勤バス運行 ・県庁、市役所、バス会社MM ・ノーマイカーデー強化 ・企業定期券の販促強化 ・身障者就業者向けの利用促進 合格者説明会 その他活動 ・高校オープンスクールでのバス通学PR ・中学3年生へのバス通学PR(県教育委員会との連 携) ・熊本西高校との連携(特割定期券+情報提供充実 など) スマホ教室 その他活動 ・無料の日における高齢者利用促進 ・おでかけ促進会 ・熊本市内高齢者のおでかけカード保有率向上 ・お試し免許返納 ・高齢者サービスの周知拡大 MY時刻表 その他活動 ・発地側の情報提供 ・異業種連携(温浴施設、プロスポーツ、商業施設 など) ・ターゲットを絞った中・長距離区間割引 ・無料の日、オフピークサブスク等 ・まちなかフリーパス 共通定期券 180円均一運賃 時分適正化 IC定期券の区間内であれば 全てのバスが利用可能 熊本市内中心部でのバス運賃を熊本市電と 合わせて、公共交通利用全体の利便を増進 バスロケによる運行実績データを基に遅延状況を 可視化し、運行ダイヤの適正な見直しを実施 高校通学でバス利用してもらうために、 新高校1年生向けに、路線やダイヤの 検索方法を紹介 2023年度 7校で実施 説明会出席者 580名 定期券販売件数 318件 セミコンテクノパーク周辺の交通渋滞の 緩和に向けて、熊本県や沿線市、セミコ ン企業と連携して通勤バス実証運行を 実施 ソフトバンクが実施する高齢者 向けのスマホ体験教室の開催と 併せて、バスの乗車体験を開催 複数バス会社が停車するバス停 の時刻表を1枚のMY時刻表に 集約するサービスを実施 第1弾 平均 165名/日 第2弾 平均 52名/日 バス会社 高齢者を効率的 に集めたい ソフトバンク 体験教室の場所を 確保したい 福祉事業所 高齢者の 福祉を 向上したい 利用状況(2023.9~2024.3) ページビュー 61,572回 バス利用増加 13,515人 ■桜町BT~県庁前の場合 定期券金額そのままに 46%増便(105便→153便)

Slide 39

Slide 39 text

39 39 利用者2倍に向けたアプローチ サービス(路線・ダイヤ) × 所要時間(速達性・定時性) × 運賃(割引) × 認知(案内・PR) 縮小均衡を超えた人員確保 と増便には多大な費用 バスレーン等が必要 定時性は事業者の ダイヤ次第で改善可能 事業者負担では限界 政策的割引の確立へ 比較的低コストだが 効果はチリツモ 公的投資の覚悟が必要

Slide 40

Slide 40 text

40 Q. バスの遅れ、どうにかならないの? A1.ダイヤ調整でも待ち時間は減らせる A2.行政と連携すれば速達化も

Slide 41

Slide 41 text

41 バス遅延改善 中央値[分] 5分以内率 現状:平日朝夕・土曜日中に 5分以上の遅延が常態化 最大遅延時間(起点〜終点間での遅延の最大値)の中央値 DiaBrain:バスロケデータを基に 遅れの少ないダイヤを自動で設定 遅れ5分以内を目指し熊本5社で実施中 15:32 15:42 15:52 16:02 16:12 16:22 16:32 桜町バスターミナル 市役所前(熊本) 家庭裁判所前 新堀町 裁判所前(熊本市) 京町本丁 往生院前 出町三丁目 岩立小路 池田一丁目 池田二丁目 山伏塚 徳王 清水台団地入口 馬々鋏 五戸窪 大窪(熊本) 大窪二丁目 昇立 南原(熊本市北区) 四方寄 御馬下 北部まちづくりセンター前 鹿子木 古閑小屋 向坂 投刀塚 植木宮の前(市場前) 植木一丁目 植木(熊本) 植木三丁目 植木五丁目 北区役所前 植木病院・かがやき館前 植木駐車場 15:32 15:42 15:52 16:02 16:12 16:22 16:32 桜町BT 植木 駐車場 例)桜町BT→植木駐車場 15:32の便 旧ダイヤ 新ダイヤ 実績(2021年4〜9月) 時間調整 時間調整 時間調整 時間調整 実績に合わせて 便ごとにダイヤを 自動修正 2021年4-6月

Slide 42

Slide 42 text

42 バスレーンの検討 バスロケ速度の 中央値[km/h] ②浄行寺~子飼橋 ①産業道路 ③県庁通り・ 第二空港線 ■候補の考え方 1. 4車線以上 2. 既存のバスレーンと接続 3. バスの朝ピーク速度が10km/h未満 4. ピーク輸送力が400人/時以上 (利用が倍増すれば 一般車線の輸送力を上回る) ↓市長への提案をきっかけに 熊本市のバス機能強化部会にて 導入を検討中 道路管理者・県警と合意しながら 進めるには政治のリーダーシップ が不可欠!

Slide 43

Slide 43 text

43 遅延改善で利用は伸びるのか? ざっくり試算 熊本5社のバス待ち時間が1分短縮したら? 出発待ち時間短縮 38万時間/年 1分×輸送人員2273万[人/年] 利用者便益 3.2億円 /年 38万時間×時間価値840[円/分] 増収効果 1.3億円 /年 3.2億円×運賃弾力性0.4を援用 =年間収入51億円の2.5% ダイヤ、信号、バスレーンの組み合わせで積み上げたい

Slide 44

Slide 44 text

44 Q. でも本数が少ないから… A.増便すれば利用は増える

Slide 45

Slide 45 text

45 使える本数とは? 30分間隔 ≒ 30本/日が最低ライン 国交省 評価指標 30本/日 が基準 都市構造の評価に関するハンドブック(2014) https://www.mlit.go.jp/common/001104012.pdf 富山市公共交通活性化計画(2007): https://www.city.toyama.toyama.jp/data/open/cnt/3/3974/1/13.koutuu_kasseika_keikaku.pdf 車からの大転換には120本/日必要 時間帯 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 本数 1 6 12 10 6 6 6 6 6 6 6 8 10 8 6 6 4 4 3 計120本 熊本市公共交通グランドデザイン(2012年:初版) 時間帯ごとの本数の例

Slide 46

Slide 46 text

46 増便すれば利用者は増える 46 富山ライトレール 本数を3.5倍(曜日不明) ↓ 平日は2.2倍(感度0.49) 休日は5.3倍(感度1.75) 栃木県小山市 おーばす 11年で1.8倍の経費増 ↓ 利用2.0倍(感度1.2) 富山県朝日町 5年で便4.1倍 ↓ 利用2.8倍(感度0.6) 山形県鶴岡市 便数4倍 ↓ 利用3倍(感度0.7) ※ルートを再設計、 バス停を58→79に増設 一概には言えないが、 100%(2倍に)本数を増やせば50%利用増は見込める!?

Slide 47

Slide 47 text

47 サービスレベルの現状と定義 47 area trunk_name direction terminal_time_min terminal_time_max trip_count travel _time c06 c07 c08 c09 c10 c11 c12 c13 c14 c15 c16 c17 c18 c19 c20 c21 c22 c23 人数 収入 1_植木 1A_徳王 up 6:30 22:19 91 5,652 4 8 9 7 7 7 6 6 6 6 6 5 5 4 3 1 1 0 2,615 579,242 1_植木 1B_池田三丁目 up 7:28 22:38 23 496 0 2 1 1 2 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 1 0 342 49,894 2_合志・菊池 2A_高平橋 up 6:52 21:05 39 2,335 1 3 4 4 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 2 1 0 0 1,138 228,622 2_合志・菊池 2B_須屋小屋 up 6:42 22:52 24 1,927 2 2 2 2 1 2 1 1 0 1 1 2 1 2 2 1 1 0 827 211,034 2_合志・菊池 2C_城北校前 up 6:32 23:21 31 1,760 2 3 2 3 2 2 1 2 2 2 1 2 2 1 1 1 1 1 897 169,435 2_合志・菊池 2D_立田山 up 6:35 22:56 43 2,460 2 3 4 2 4 4 2 2 2 3 2 3 3 3 2 0 2 0 1,346 246,472 3_菊陽・大津 3A_高杉 up 6:48 22:03 41 1,831 1 2 3 4 2 3 2 3 3 3 3 3 3 2 2 1 1 0 1,006 185,372 3_菊陽・大津 3B_武蔵陸橋 up 6:58 22:33 36 1,862 1 2 4 2 2 3 2 2 2 3 3 3 2 2 1 1 1 0 957 179,801 3_菊陽・大津 3C_塚の本 up 6:33 21:00 29 1,489 1 3 1 3 3 2 2 2 2 2 2 1 2 1 1 1 0 0 833 154,294 3_菊陽・大津 3D_江南病院前 up 7:03 21:10 30 1,522 0 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 0 0 624 118,985 4_長嶺 4A_渡鹿四丁目 up 6:50 21:48 61 2,474 1 5 6 5 3 4 4 3 4 4 4 5 5 4 2 2 0 0 1,412 270,900 4_長嶺 4B_熊本学園大学入口 up 6:47 22:52 66 3,261 1 4 7 4 5 5 4 5 4 4 4 4 4 4 3 2 2 0 1,509 305,898 4_長嶺 4C_帯山小学校入口 up 6:55 22:44 77 3,496 1 7 8 6 5 5 4 4 4 4 6 6 5 3 4 2 3 0 1,660 290,352 4_長嶺 4D_京塚 up 6:17 22:56 95 4,381 5 9 10 7 6 5 6 6 6 5 5 6 5 6 3 2 3 0 2,451 417,513 5_益城・空港 5A_小楠公園前 up 6:40 22:45 73 3,884 2 7 9 5 5 5 5 4 5 5 5 3 3 3 3 2 2 0 2,033 396,261 5_益城・空港 5B_東野中学校前 up 7:17 20:18 21 1,681 0 2 4 1 1 1 1 2 1 1 1 1 2 2 1 0 0 0 512 115,456 6_嘉島 6A_下江津 up 6:54 21:17 17 873 1 5 4 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 1 1 0 0 360 73,507 6_嘉島 6B_江津三丁目 up 6:43 19:10 12 521 1 1 0 1 2 0 1 0 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 219 39,683 6_嘉島 6C_田井島(浜線バイパス) up 7:54 20:16 20 913 0 1 1 2 1 2 2 1 2 2 1 2 1 1 1 0 0 0 298 48,341 6_嘉島 6D_田迎(旧浜線) up 6:09 23:41 94 5,093 7 7 8 6 7 4 7 6 7 6 8 5 5 3 3 1 3 1 1,834 409,502 6_嘉島 6E_県立高等技術専門校前 up 6:48 21:08 27 1,083 1 3 2 2 2 2 1 2 1 1 2 2 2 2 1 1 0 0 371 63,821 7_宇土・宇城 7A_熊日前(国道) up 6:20 20:45 28 946 2 2 3 1 2 2 2 1 2 3 2 1 2 2 1 0 0 0 362 71,523 7_宇土・宇城 7B_熊日前(旧道) up 6:38 22:15 46 1,804 2 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 4 3 1 2 1 1 0 1,002 206,554 8_田崎・城山 8A_新土河原一丁目 up 6:30 22:30 32 966 1 1 0 1 3 3 2 3 2 4 1 3 2 2 1 2 1 0 165 33,049 8_田崎・城山 8B_島団地入口 up 6:37 19:26 16 505 1 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 209 45,301 8_田崎・城山 8C_野口町 up 6:36 21:37 44 1,775 2 4 4 3 3 3 3 3 3 3 4 2 3 3 0 1 0 0 704 158,219 8_田崎・城山 8D_野中公民館前 up 6:33 23:21 35 822 4 3 1 2 2 2 3 1 2 3 4 2 2 2 0 0 1 1 267 48,397 8_田崎・城山 8E_稲荷入口 up 6:57 19:57 25 1,074 1 3 1 2 2 1 2 2 1 1 3 2 1 3 0 0 0 0 300 62,678 8_田崎・城山 8F_高橋中間 up 6:26 21:11 31 987 2 4 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 0 0 563 108,426 平日 幹線Lv 初着 終発 往復 上下 便数 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 8 6:10 23:30 123 上 123 4 11 11 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 6 4 3 3 1 0 下 123 3 9 11 8 8 8 8 8 8 8 8 8 10 6 4 3 3 2 0 6 6:20 23:00 93 上 93 3 9 9 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 4 3 3 2 0 0 下 93 2 7 9 6 6 6 6 6 6 6 6 6 8 4 3 3 2 1 0 4 6:30 23:00 63 上 63 2 6 6 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 3 2 2 2 0 0 下 63 1 5 6 4 4 4 4 4 4 4 4 4 5 3 2 2 2 1 0 3 6:30 23:00 49 上 49 2 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 2 2 2 0 0 下 49 1 3 4 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 3 2 2 2 1 0 2 6:30 22:30 34 上 34 1 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 0 0 下 34 0 2 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 2 2 2 2 0 0 現状 平日 上り 定義 平日 利用状況を考慮しいずれかのレベルに割り当てる

Slide 48

Slide 48 text

48 増便・バスレーンシミュレーション(平日1日の例) 48 往復数 運転時間[h/日] 経費概算[円/日] 混雑 幹線部 輸送人員 収支概算[円/日] 方面 路線(断面) 短縮 [分] 適用 率 幹線 Lv 現行 増便 後 現行 増加 増加 率 現行 増加 1便人 数 現行 増便増 加 増便増 加率 レーン 増加 増加計 増加 率計 収入 現行 収支率 現行 収入 増加 収支率 増後 収支 増減 1A_徳王 8 91 123 177 62 35% 1,247千 439千 29.0 5,273 927 18% 0 927 18% 1,179千 95% 207千 82% -231千 1B_池田三丁目 2 23 34 14 7 48% 100千 48千 15.8 726 174 24% 0 174 24% 106千 106% 25千 89% -23千 2A_高平橋 3 50% 3 38 49 71 18 26% 503千 128千 28.6 2,171 314 14% 149 463 21% 435千 87% 93千 84% -35千 2B_須屋小屋 3 50% 3 24 49 65 65 100% 456千 457千 35.4 1,698 884 52% 155 1,039 61% 432千 95% 265千 76% -193千 2C_城北校前 3 100% 3 33 49 61 24 40% 426千 172千 28.0 1,846 448 24% 275 723 39% 351千 82% 138千 82% -35千 2D_立田山 3 100% 3 42 49 77 8 10% 539千 55千 30.3 2,541 212 8% 330 542 21% 465千 86% 99千 95% 44千 3A_高杉 3 100% 3 41 49 58 6 11% 406千 45千 25.5 2,088 204 10% 275 479 23% 384千 95% 88千 105% 43千 3B_武蔵陸橋 3 100% 3 38 49 64 14 21% 454千 97千 25.4 1,931 279 14% 265 545 28% 367千 81% 103千 85% 6千 3C_塚の本 3 100% 3 29 49 50 29 59% 349千 206千 25.4 1,475 509 34% 238 747 51% 283千 81% 143千 77% -63千 3D_江南病院前 3 100% 3 28 49 45 29 64% 318千 204千 20.7 1,160 435 38% 191 626 54% 223千 70% 120千 66% -83千 4A_渡鹿四丁目 5 100% 6 61 93 81 27 33% 568千 189千 22.5 2,739 718 26% 691 1,410 51% 523千 92% 269千 105% 81千 4B_熊本学園大学入口 5 100% 6 65 93 104 29 28% 733千 206千 22.3 2,905 626 22% 706 1,332 46% 593千 81% 272千 92% 66千 4C_帯山小学校入口 5 50% 8 78 123 118 59 50% 831千 416千 20.2 3,125 917 29% 404 1,322 42% 545千 66% 230千 62% -185千 4D_京塚 8 93 123 137 44 32% 964千 311千 25.7 4,776 770 16% 0 770 16% 813千 84% 131千 74% -180千 5A_小楠公園前 3 50% 6 75 93 130 28 21% 919千 196千 27.6 4,108 510 12% 277 787 19% 811千 88% 155千 87% -40千 5B_東野中学校前 2 21 34 55 34 62% 384千 238千 22.6 951 294 31% 0 294 31% 219千 57% 68千 46% -170千 6A_下江津 2 18 34 31 29 94% 215千 203千 21.2 741 349 47% 0 349 47% 149千 69% 70千 52% -133千 6B_江津三丁目 2 12 34 17 33 196% 118千 232千 17.0 390 382 98% 0 382 98% 71千 60% 70千 40% -162千 6C_田井島(浜線バイパス) 2 21 34 30 19 62% 213千 132千 14.6 613 190 31% 0 190 31% 101千 47% 31千 38% -101千 6D_田迎(旧浜線) 8 93 123 171 56 33% 1,201千 396千 19.8 3,668 605 16% 0 605 16% 815千 68% 134千 59% -262千 6E_県立高等技術専門校前 2 26 34 34 10 31% 237千 73千 13.1 683 105 15% 0 105 15% 118千 50% 18千 44% -55千 7A_熊日前(国道) 2 28 34 32 7 24% 223千 53千 13.2 726 86 12% 0 86 12% 144千 65% 17千 59% -36千 7B_熊日前(旧道) 4 46 63 61 24 38% 432千 166千 21.8 1,984 382 19% 0 382 19% 403千 93% 77千 80% -89千 8A_新土河原一丁目 2 32 34 31 2 8% 216千 17千 6.4 405 16 4% 0 16 4% 83千 39% 3千 37% -14千 8B_島団地入口 2 16 34 16 19 113% 116千 130千 12.7 407 229 56% 0 229 56% 88千 76% 49千 56% -81千 8C_野口町 3 44 49 57 7 11% 405千 46千 15.7 1,382 79 6% 0 79 6% 309千 76% 18千 72% -28千 8D_野中公民館前 2 36 34 27 -2 -6% 193千 -11千 7.3 522 -15 -3% 0 -15 -3% 93千 48% -3千 50% 8千 8E_稲荷入口 2 23 34 33 17 51% 233千 119千 13.4 601 154 26% 0 154 26% 125千 54% 32千 45% -87千 8F_高橋中間 3 31 49 33 19 58% 230千 134千 17.7 1,096 318 29% 0 318 29% 209千 91% 61千 74% -73千 1日集計 全幹線 1,202 1,698 1,878 723 39% 13,232千 5,098千 52,731 11,100 21% 3,958 15,058 29% 10,436千 79% 2,986千 73% -2,112千 terminal 桜町路線2,998 3,495 2,571 723 28% 18,115千 5,098千 65,527 11,100 17% 3,958 15,058 23% 12,494千 69% 2,986千 67% -2,112千 all 全路線 4,596 5,093 3,818 723 19% 26,901千 5,098千 81,442 11,100 14% 3,958 15,058 18% 15,374千 57% 2,986千 57% -2,112千 5_益城・ 空港 6_嘉島 7_宇土・ 宇城 8_田崎・ 城山 バスレーン 1_植木 2_合志・ 菊池 3_菊陽・ 大津 4_長嶺 増便率 反映 比例 ×増便感度(0.5) 短縮時間 運転時間削減 時短感度(4%/分)を乗算 41%・496便増 39%・510万円経費増 29%・1.5万人利用増 211万減益 299万増収

Slide 49

Slide 49 text

49 増便・バスレーンによる渋滞緩和の推計 ◼増便 • 熊本市の幹線8方面のバスを48%増便。日中は7.5〜30分間隔に設定 • 増便率の0.5倍の利用増を仮定(20%増便なら10%利用増) ◼バスレーン • 3箇所(産業道路、子飼橋-浄行寺、県庁通り)の所要時間を3~5分短縮と設定 • 所要時間×4%/分 の利用増を仮定(5分短縮なら20%利用増) ◼利用増・収支 • 年532万人(32%)、9.3億円減益 ◼渋滞解消効果 • 交通量:年403万人・0.7%削減(中央区は177万・2.2%削減) • 速度:14.0→15.1km/h(中央区平日8時)、走行時間:178万時間短縮 • 便益:47.6億円(公費支出の5.1倍の効果) 車1人削減あたり中央区1814円、他区824円 シナリオ 推計結果

Slide 50

Slide 50 text

50 Q. でも車持ってるし、バス電車は高いし… A. 車を持つよりおトクにすれば良い

Slide 51

Slide 51 text

51 究極の社会実験@2019年 熊本県内バス・電車無料の日 効果を分析する 産官学連携チームを作った 経費:2500万円(うち運賃補填1700万円) 利用者2.5倍、かかった経費の20倍の経済効果!? 運賃策で利用が増え、公共交通で街が元気になることを 直感的・定量的に示したエポックメイキングな日 その後は目的を見失い気味なまま 無料・100円の日で疲弊していないか? 日常の運賃を考えるべき時

Slide 52

Slide 52 text

52 利用者から見た運賃の理不尽 • JRよりバスは遅いのに高い、郊外から桜町まで片道1000円〜も • 乗継ごとに初乗りを取られる • 中高大生は大人運賃が基本 • 家族では人数分の運賃がかかる • 定期券はほぼ毎日利用しないと元が取れない • 車通勤の人がたまに公共交通で通勤すると自腹 • 熊本市民のみ、75歳以上になると急に8割引 • 免許が元々無い人は免許返納割引(2年間半額)にならない • フリーきっぷがいろいろあるが分かりづらい・ニッチ そうは言っても、事業者の持ち出しでは限界がある →公費投入による政策的割引を前提に再設計できないか?

Slide 53

Slide 53 text

53 参考)ウィーンの公共交通運賃 券種 期間 運賃 普通きっぷ (乗継可) 大人€2.4 6-15歳€1.2 65-歳€1.5 時間券 24時間 €8.0 48時間 €14.1 72時間 €17.1 日券 1日 €5.8 7日 €17.1 31日 €51.0 年券 365日 大人€365.0 65-歳€235.0 券種 対象者 期間 エリア 価格 Top youth pass 14-23歳 学生 年度 東オーストリア 地域 €82.0 Youth pass 〃 年度 授業日 自宅〜学校等 €19.6 Semester ticket -25歳 学生 夏or冬 学期 ウィーン市内 €75.0 Summer holidays monthly ticket 〃 夏休み ウィーン市内 €29.5 年間57,500円で 誰でも市内乗り放題 学生は年間12,900円で県内乗り放題 市営の地下鉄・路面電車・バス、旧国鉄、民間路面電車などを含めた統一的な運賃体系 市内なら乗り継いでも追加運賃は不要

Slide 54

Slide 54 text

54 乗継割引による渋滞緩和の推計 ◼乗継割引 • バス⇔バス、バス⇔市電/電鉄/JRの初乗り分を公費で補填 • 割引により乗継が2倍(現在約6%→12%)と仮定 • 乗継増加のうち7割が新たな公共交通利用と仮定 ◼利用増・収支 • 年207万人(10%)利用増、4.4億円減収補填 ◼渋滞解消効果(増便・バスレーンに加えて) • 速度:15.1→15.5km/h(中央区平日8時)、走行時間:61万時間短縮 • 便益:16.2億円(公費支出の3.7倍の効果) シナリオ 推計結果

Slide 55

Slide 55 text

55 熊本都市圏パス イメージ(太田私案) ◼対象者 • 熊本都市圏 全員 ◼区間 • 熊本都市圏内の路線 ◼期間 • 曜日、時間帯を問わず (定期 兼 オフピーク私用兼用) ◼価格 • 一般:8,000円/月、64,000円/年 • 水前寺公園→桜町BT1ヶ月定期: 240円×2(往復)×30日×0.6 = 8640円 • 学生:5,000円/月、40,000円/年 ◼財源 • 公費投入 ◼メリット • 雇用主:通常の定期と同程度の価格で支給でき る、駐車場の資産価値と張り合える • 従業員:会社に買ってもらった通勤定期で、 実質タダでどこにでも行ける、飲んで帰れる。 通勤用の車が不要 • 親:自転車に対抗できる価格設定、通塾などに も使える • 学生:親から買ってもらった通学定期で、 実質タダでどこにでも遊びに行ける ◼社会的便益 • 渋滞削減 (熊本市で1トリップ削減が約1182円の便益) • 自転車事故削減 • 送迎の負担軽減 運転手確保を前提に、実現を検討したい

Slide 56

Slide 56 text

56 空気に補助金より、利用者に政策的割引を by 共同経営推進室 令和元年度をベース ■セグメントの取組&徹底的な料金施策・インフラ整備により、都市圏の利用者を伸ばす マイカーからの転換を目指し「大幅な利用者負担軽減」と 「供給サービス増」の両輪を動かす 必要。これにより、社会的効果として渋滞解消やCO2削減等に貢献

Slide 57

Slide 57 text

57 半額パスが目標(1500枚)の4倍以上の大ヒット 県の6月補正予算(1500万円)の一部で実施予定も 不足するため追加予算手配中

Slide 58

Slide 58 text

58 58 運賃政策の転換点 道路運送法 熊本の課題 対象交通 (今や)超大都市交通 大都市交通 市場 採算・寡占市場 部分採算市場(採算ベースでは縮小均衡) 運賃提案者 交通事業者 主に自治体(事業者から提案中) 運賃承認者 運輸局 実質地方議会? 解決したい課題 事業者の暴利 交通渋滞(・運転手不足) 解決方法 総括原価方式 暴利を得てないからOK 交通分担からの逆算 公共交通が選ばれるための水準 外部性の考慮 なし 車からの転換が主眼 費用負担 利用者 (+実態は外部/内部補助) 利用者・行政(・渋滞源企業) による分担 主たる運賃形態 普通運賃(特に上限) 割引 (サブスク・高齢者・乗継…) 対象者ごとの差 一律が原則 積極的に差をつける 原価で決まるのではなく、社会課題解決のために決める運賃の方法論が必要

Slide 59

Slide 59 text

59 Q. 市電は大丈夫? A. 今は非常事態 A. 独立採算から脱皮して利用者「2倍」へ

Slide 60

Slide 60 text

60 市電の減便、混雑、トラブル TKU:https://www.fnn.jp/articles/-/722280 運転手不足減便・終電繰り上げ 相次ぐ運行トラブル 車両故障・運休 kkt:https://news.ntv.co.jp/n/kkt/category/society/kka9352d267039449796951d5875d665ca 積み残し・路上溢れの常態化 重大事故 7/26 脱線 重大インシデント(全国の3/4) 1/05 ドア開き走行 2/23 ドア開き走行 9/02 ドア開き走行 その他トラブル 3/08 連結外れ走行 5/02 信号無視 5/10 連結外れ走行 5/13 信号無視 5/20 行先ミス進行 6/21 ドア開き走行 7/01 信号無視 10/2 信号無視 11/9 信号無視 全員 非正規 ・ 平均年収 353万円 平日昼 熊本駅 10分毎 ・ 上熊本 20分毎 熊本駅発 終点行きの 日曜終電は 21:38

Slide 61

Slide 61 text

61 バスより遅い所要時間 ◼ 路線の問題 • 電停が多い (平均間隔370m) • 駅〜通町筋の 右左折が多い ◼ 運用の問題 • 信号待ちが長い • 混雑 • 前扉のみで降車 (⇔全扉で乗降) • 「安全性」のため 余裕時間増 • 減便が進んだことで 均等化・定時性重視 ◼ 負のスパイラル 減便 →混雑・定時性重視 →所要時間増 →運転手不足 →減便… (6.8km/h) (11km/h) (9.3km/h) (20km/h) 市街地ではバス・自転車より遅い 20年前より大幅に所要時間増 区間 距離 2003 → 2024 田崎橋 →交通局 +10分 上熊本 →交通局 +9分 交通局 →健軍町 +3分 6分 3分 7分 4分 5分 市街地での時間調整が多い

Slide 62

Slide 62 text

62 「減便は一時的」なのか? 2025年4月には運転手教育が完了し復活とされるが 今年度退職者が出ないのが前提 2022年度10名、2023年度は12名辞めている (2024年度も既に1名) 非正規職員化による低賃金(353万円)が 上下分離・正規職員化により上がる 見通しが示されても退職は止まっていない 熊本市交通局におけるインシデント等に関する検証委員会 第2回資料 上下分離方式導入に向けた制度設計書(説明資料)

Slide 63

Slide 63 text

63 独立採算・横ばい志向を打破し「利用者2倍」を目指したいが… 連節車導入も総輸送力は10%増に留める 利用者は7%増が目標 あくまで収支均衡 収支は現状維持が目標 補助金を除く営業収支率は86% 議会提出の軌道運送高度化実施計画では連接車5本、単車4本に縮小!?

Slide 64

Slide 64 text

64 遅れている日本の連接車・低床車導入 行ラベル 単車 連16m未 満 連16- 20m未満 連20- 25m未満 連25m以 上 総計 アルナ工機 31 23 21 3 78 新潟トランシス 30 23 53 近畿車輛 18 18 36 シーメンス 12 12 総計 31 23 69 3 53 179 熊本の3連接車(21.4m)は日本では大型・世界では小型 日本の導入実績 (1997-2024年) →28年で179本 全692本の26% 広電・宇都宮以外はほぼ20m未満 世界の導入実績 (2016/11-2019/11) →3年で1388本 25m以上がほとんど 低床率 20-25m 未満 25-35m 未満 35-50m 未満 50-60m 以下 総計 低床(50-100) 39 705 627 17 1,388 100 片運 112 214 326 両運 26 478 332 5 841 70 片運 30 30 両運 13 115 37 12 177 50 両運 14 14 高床 240 29 269 高床 両運 240 29 269 総計 39 945 656 17 1,657 日本でも、複数事業者からのまとまった発注を前提に 大手メーカーに標準車を開発・大量生産してもらいたい 打開策 熊本もこの波に乗り、32+4本×5億円=180億円 規模の投資で2035年頃までに残り全車置換+増備したい 延伸用は別途 公共交通の交通RACDA 作成資料より http://www.racda-okayama.org/archives/4445 年に数本 しか作れない

Slide 65

Slide 65 text

65 Q. 鉄道は? A. 鉄道も「2倍」をめざし できることは山ほどある

Slide 66

Slide 66 text

66 鉄軌道も「利用者2倍」へ 市電:オール3連接化・ 本数と速達性回復・バス結節 豊肥線:本数倍増・ 新駅・交換駅化 藤崎宮延伸 上熊本 連携 電鉄:終日15分毎 将来的にLRT化 空港アクセス 鉄道 原水 結節 御代志 結節 駅結節に バス網再構築 段階的に安く造れるBRTか、がっつり投資・乗入のLRTか 地下鉄? モノレール? ロープウェイ? 熊本都市圏の 動脈として 再構築したい

Slide 67

Slide 67 text

67 JRと私鉄の運行本数 JR豊肥本線 輸送密度11,465 熊本駅 熊本電鉄 輸送密度1,946 藤崎宮前駅 普通列車 49本 普通列車 45本 輸送密度は6倍だが どちらも日中30分間隔 輸送密度と運行本数(往復) ※豊肥本線・鹿児島本線(大牟田〜熊本)の本数は2024年3月の下りから概算 中川大 富山大学名誉教授・富山県地域交通政策監より提供図を太田修正 私鉄のサービス水準なら本数2倍・利用1.5倍へ

Slide 68

Slide 68 text

68 68 豊肥本線複線化の報道 TKU「豊肥線の機能強化 熊本県が快速列車や複線化を視野にJR九州と協議へ」https://www.tku.co.jp/news/?news_id=20240911-00000005

Slide 69

Slide 69 text

69 豊肥本線(熊本-肥後大津)増強のステップ 簡易試算 ステップ 運行間隔 [分] 快速 編成長 [両] 車両購入 地上設備 公費 負担 (67%) 事業者効果 渋滞解消効果 目標 時期 利用 増 収支 差 便益 公費 B/C 朝 昼 朝 昼 両数 金額 設備内容 金額 現況 12分 30分 2-4両 2-3両 ① 鹿児島 本線直通 12分 30分 2-4両 2-3両 3% +0.4億 2.3億/年 ∞ 1年 ② 増結増便 のみ 12分 20分 3-4両 2-3両 計 4両 8億 - - 5.3億 17% +0.4億 14億/年 51.0 2-3年 ③ 設備 小改良 10分 15分 4両 2-4両 計18両 36億 新駅)三里木-原水 安全側線)武蔵塚・原水 複線駅化)東海学園前 複線化)南熊本-平成 30億 44億 48% +0.1億 37億/年 21.9 3-5年 ④ 設備 大改良 8分 15分 少し 4両 2-4両 計26両 52億 新駅)竜田口-武蔵塚 複線駅化)新水前寺 複線化)肥後大津-原水 他 80億 88億 75% +0.6億 58億/年 19.0 7-10年 ⑤ 全線 複線化 6分 10分 頻発 4両 4両 計34両 68億 全線全駅複線 数百億? 数百億? ? ? ? ? 増便率の0.5乗、 新駅10%の利用増を仮定 償却期間20年と設定 (法定13年) 償却期間40年と設定 (法定約20-60年) 乗客の時短便益 を入れればさらに莫大 将来価値の割引などは未考慮な概算 全線複線化までしなくても、百億前後の投資でみちがえる

Slide 70

Slide 70 text

70 熊本電鉄の市電直結はどうするのか? 藤崎宮延伸・LRT化計画が やはり本命 上熊本連携が進むが 市電乗継は現状50人 熊本都市圏北部の命運を握る。官民・組織横断で決めないと電車・バス・地域が共倒れ 都市 人口 事業者 輸送密度 熊本 74万 熊本電鉄 1,946 浜松 78万 遠州鉄道 11,910 静岡 68万 静岡鉄道 16,235 松山 50万 伊予鉄道 (郊外線) 6,072 電車 バス 幹線道路 藤崎宮前 1,716 4,099 61,900 御代志 532 655 17,300 バスを下回る輸送実績 同格都市の私鉄の数分の一 熊本市の2011年の調査では、上熊本の 電鉄⇔市電乗り継ぎは1日50人 (電鉄利用の9%、市電利用の3%) 西環状の池上開通(2025年度)も契機になるのでは?

Slide 71

Slide 71 text

71 Q. TSMC進出で熊本の交通は大丈夫? A. セミコンの公共交通利用を 4倍にしないと地獄

Slide 72

Slide 72 text

72 セミコンを都市圏政策のパイロットPJ・ TDMのリーディングPJに 現状維持にも人数4倍、2000人、着席バス60便分の交通網が必要だった 物流のためにも道路整備は必要だが、マイカーを減らさないと泥沼 8,670 10,140 8,670 7,800 480 560 2,030 2,900 JASM無・無策 JASM有・無策 JASM有・維持 JASM有・目標 セミコン通勤者の交通手段の現状と今後 自動車 公共交通 徒歩自転車 計10,000 計11,700 渋滞現状維持の交通量 JASM1700人が車依存だと大渋滞! 現状維持にも4倍の公共交通利用が必要 今より車1割削減には6倍の公共交通利用! 今でも渋滞が社会問題化

Slide 73

Slide 73 text

73 熊本県の事業でバス実証運行をしているが…… 1回目(2023年1月) 1日・4路線・無料 利用者194人/4路線往復 2回目(2023年9月) 1週間・1路線・無料 利用者82人/1路線往復 光の森ルートは1.5倍に! 既存バスの増便、JASM貸切バスを含めて現在1000人程度。 まだ全然足りない。 3回目(2024年1-2月) 7週間・1路線・無料 利用者27人/1路線往復 2回目の1/3に…

Slide 74

Slide 74 text

74 制 度 鉄 道 道 路 バ ス ②新バス B.光の森 ②新バス C.東区 ②新バス D.大津 ③セミコン通勤バス BRT化 ②新バス A.合志 ①道路整備 中九州横断道 ①道路整備 合志ICアクセス ①道路整備 杉並木公園線 ④交差点改良 右折2車線化 ⑤鉄道 空港アクセス ⑤鉄道 菊陽新駅 ①道路整備 R443拡幅 ①道路整備 県道30号拡幅 ②新バス E.ホンダ通勤バス ④交差点改良 バス優先交差点 ⑤鉄道 豊肥線輸送力向上 ⑤鉄道 御代志で電鉄結節 道路・バス・鉄道・制度の継続的政策パッケージ化 ⑤通勤制度化 ホンダ周辺 ⑤通勤制度化 セミコン 高額・長期間 需要誘発で終わりがない 中九州横断道 県道30号拡幅 一般道新設 セミコンBRT・原水駅の拠点化 交差点車線増 バス路線新設(合志・光の森・ 東区・大津・ホンダ通勤) 速達・利便性が車に劣る バス優先交差点 面的なカバーに限界 独立採算の運行に限界 豊肥線輸送強化 単線で低頻度・時間増 御代志で電鉄結節 時差出勤エリアマネジメント 立地誘導・車規制・課税 相乗り・交通費等の制度設計 ハード整備は高額 セミコン通勤バスが混雑 朝はピークが集中 合意形成 施策案 施策 マップ 運転負担 環境負荷 課題 TSMC等の産業集積を長期的に支える交通を、総合的・効率的に作りあげる ①道路整備 R387拡幅 ①道路整備 菊陽空港線 ①道路整備 県道30号延伸 進行中!

Slide 75

Slide 75 text

75 道路整備と連携したBRT化 300億円で道路整備は 一般車レーンのみの計画 諸外国では「Queue Jump Lane」を導入 https://nacto.org/publication/transit-street-design- guide/intersections/intersection-design/queue-jump-lanes/ 北米都市交通運輸協会(NACTO) Transit Street Design Guide https://en.wikipedia.org/wiki/Queue_jump 交差点をまたぐ場合 先出し信号の場合 イメージ図 アメリカ マディソン https://t.ly/HDXR アメリカ シアトル https://vimeo.com/185180972 熊本県 説明会資料より 対象道路は空いても 車依存が進み周辺や駐車場は混雑 6車線中2車線をバス専用レーンとし 3連接EV・優先信号も導入しBRT化 3連節バス「日本に合わない」は大間違い! 世界各地で大流行する納得の理由とは 【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(14) フランスのメッス市に2013年導入の定員155人(40席)3連節バス(ベルギー製) https://merkmal-biz.jp/post/44386/2

Slide 76

Slide 76 text

76 Q. でも公共交通って民間事業でしょ? 運転手も不足してますよね? A. 公共インフラとして投資しましょう

Slide 77

Slide 77 text

77 運転手不足とは、給料不足と休養不足 運転手不足から脱却し、産業の魅力を取り戻せる収支モデル・制度を提案したい 産交グループ 熊本都市バス 熊本電鉄バス 熊本バス 月給 173,000円〜 174,200円〜 174,500円〜 164,000円〜 賞与 年2回 年2回 年2回 年2回 休日 年間84日 年間84日 年間82日 年間80日 http://careergarden.jp/b us-untenshu/salary/ 全国全産業正社員 平均492万円 出典:令和2年度 賃金構造基本統計調査 熊本大手5社バス運転手 平均373万円 全国バス運転手 平均428万円 熊本県バス会社新人運転手給与 出典:各社HP等 バス運転者の1日の拘束時間 厚労省)13時間を超えないものとし、 拘束時間を延長する場合、最大拘束時 間を15時間とします。

Slide 78

Slide 78 text

78 喫緊の運転手不足解消のために年10億円必要 完全週休2日制及び拘束時間8時間ルールの適用における追加必要運転士数と給与の試算 運転士数 運転士給与 5社平均 373万 県内平均 433.5万 完全週休二日制の適用 +346 百万 +56 百万 +575 百万 +95 百万 +587 百万 現状 人件費35億 拘束時間8時間ルールの適用 (総追加費用1,660百万円) 完全週休二日制の適用 (総追加費用978百万円) 5社総運転士数 951 1,044 +93 1,201 +250 在籍乗務員を県内平均給与まで引き上げるならば、575百万円。 完全週休二日制を導入しようとした場合には93人の運転士が追加で必要となり、402百万円追加。計978百万円 同様に、拘束時間8時間ルールを適用しようとした場合は、250人が運転士が追加で必要となり、682百万円追加、 計1,660百万円 共同経営推進室 「共同経営の成果と限界について ・利用者2倍構想の実現に向けて」より 計9.77億円

Slide 79

Slide 79 text

79 ヨーロッパでは行政が公共交通を主導し民間を活用 ウィーン工科大学 柴山多佳児,オーストリアの公共交通と新型コロナウイルス感染症拡大 遠藤俊太郎「「運輸連合」の機能と運営の実際-日本・熊本への示唆」 https://jmpo.kumamoto-toshibus.co.jp/wp-jmpo/wp-content/uploads/2021/05/20210511_運輸連合勉強会(第1回)_ENDO.pdf 「運輸連合」を介して行政主体で運営

Slide 80

Slide 80 text

80 Q. 財源はあるの? A. 道路も含めた交通予算は膨大。 将来の税収で返ってくる。

Slide 81

Slide 81 text

81 公共交通と道路の予算比較 バス5社(2019・熊本都市圏) 収入 支出 収支 収支率 49億 59億 -10億 83% 市電(2019) 経常収支 https://jmpo.kumamoto-toshibus.co.jp/opendata/opendata2-1/ 収入 支出 収支 収支率 17億 20億 -2.7億 86% 営業収支 http://www.kotsu- kumamoto.jp/kihon/pub/detail.aspx?c_id=56&id=1123&pg=1 熊本の収支率 欧米の収支率 自治体 地域 交通 道路 新広域 道路計画 合志市 0.78億 6.6億? - 熊本市 5.8億 184億 1600億/10年 熊本県 4.9億 372億 7000億/10年 熊本の交通行政予算 全国に先がけて、独立採算・道路偏重から脱却する必要がある 2019年度当初予算 増税か再配分か • 滋賀県の交通税創設は難航中 • 同じ「交通」の枠内での道路整備との予算 配分の方が市民の合意は得られるのでは? • 渋滞対策として、連続立体に近い理屈は立つ? • 国の補助/交付金制度の協力も必要

Slide 82

Slide 82 text

82 参考)富山市ではLRTへの投資が財政に返ってきている • 富山ライトレールは利用者が平日2.1倍、休日3.4倍に • 渋滞解消効果は201億円/30年(事前推計) • 買物や飲食の外出、立ち寄りが増加 • 車で来る人よりも年35.5万円(61%)多く 中心市街地で消費 • 中心市街地の人口が転入超過へV字回復 • 固定資産税+都市計画税が40億円/年(13%)増 • 「おでかけ定期券」で1日1794歩増加 • 医療費が1.1億円/年削減 財政に返ってきている 2005年から 顕著に上昇 都道府県最高地価 富山県の順位 (政令指定都市のない31県) 森雅志ら: 地方自治体による鉄軌道政策の成果と課題に関する 研究、実践政策学第8巻1号、pp5-20、2022 高齢者の外出の顕著な増加 ⇒健康増進・まちの賑わい 昼間は4倍以上 富山ライトレールによる時間帯別利用者増 富山大学 中川大先生 講演資料 より

Slide 83

Slide 83 text

83 Q. 交通計画はどうなっているのか? A. 都市公共交通政策が風化し 公共交通による渋滞解消を目指さなくなった

Slide 84

Slide 84 text

84 公共交通の2領域 計量計画研究所 何玏「都市交通政策の復権を求めて~活性化再生法時代をいま振り返る~」に加筆 https://drive.google.com/file/d/1OrO_9b5jnoGYRlFgoj_8IAXbvHT4uSed/view?usp=drive_link

Slide 85

Slide 85 text

85 国策からこぼれ落ちている都市型バス ◼都市型バスに乏しい財政措置 • ハード面から底上げした新バスシステム・オムニバスタウン事業の消滅 • 自治体間の「地域間幹線」が国補助の主体 • 幹線とは名ばかりで、輸送量最大150では10人×15便程度の閑散路線 • 政令市はフィーダー補助、交付金も冷遇 • 国補助に連動した車両補助も無いため、過疎地は新車、中心部は旧型車ばかり • 運行費や割引には金が付かないので、高額・低効率なハード整備偏重になる • 国補助が無いことで自治体内の財政的優先度が落ちてしまう • 道路にはたっぷり国費がつくのと対照的 ◼相変わらずの事業者依存 • 社会的にはサービス増が期待されるも、縮小均衡から抜けられない • サービス低下 → 利用低迷 → 車依存 → 渋滞 → 速達性低下 …の悪循環のまま と国のせいだけにせず、地域主体で悪循環から抜けなければならない

Slide 86

Slide 86 text

86 地域公共交通計画は「横ばい」目標 https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=48134&sub_id=1&flid=342435 熊本市ですら横ばい 熊本県も横ばい& 過疎地のコミュニティ交通重視

Slide 87

Slide 87 text

87 施策毎の効果が不明 熊本市 地域公共交通計画 熊本県 地域公共交通計画 都市公共交通政策としての目標、計画、施策を立て直すところから始める必要がある

Slide 88

Slide 88 text

88 88 人口数万人の郊外市町村にも、大都市圏の政策が必要 国交省 地域公共交通流の分類 都市交通流の分類

Slide 89

Slide 89 text

89 2000年のマスタープラン 公共交通利用の目標 1997年のパーソントリップ調査に基づく「熊本都市圏の都市交通マスタープラン(2000)」 公共交通利用倍増(13.5→25.1万)が目標だった

Slide 90

Slide 90 text

90 2000年のマスタープラン 公共交通サービスレベル・車抑制 ■公共交通 定時性・運行間隔の 高い目標があった ■道路交通 速度向上のために、車の抑制目標があった

Slide 91

Slide 91 text

91 目標値のスケールダウン 計画 実績 目標 2000年度 都交マスタープラン 1997年度:13.5万人 2020年度:25.1万人 倍増計画だった!! 2015年度 都交マスタープラン 2012年度:15.7万人 2035年度:17.0万人 15年でスケールダウン… 2018年度 総合交通戦略 2025年度:15.0万人 実行計画は横ばい… 2021年度 熊本市 地域公共交通計画 2015年度:15.2万人 2025年度:15.3万人 上位計画通り横ばい… 20年間の反省を活かし、今こそ再チャレンジを!

Slide 92

Slide 92 text

92 バックキャストによる王道を真面目にやるしかない スキーム 組織、契約、マネジメント 財源 待遇改善10億、増便10億、運賃割引10億、ハード… 必要なサービス 増便、政策的割引… バスレーン、車両刷新… 社会目標 車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍 必要な意思決定 組織論・効率化が先行しがちな熊本、日本 大西市長マニフェスト 再構築検討会 • バスの共同経営、市電の上下分離も 大幅な利用増を目指さない枠組みだった • 日本の他都市(松本市:エリア一括、広島市:共同運営) もスキーム先行で効率化や経営安定志向。 利用者の大幅増を志向していない 社会課題解決・サービス・財源論こそ 今は深めていくべき

Slide 93

Slide 93 text

93 全交通手段で「2倍」の投資規模のオーダー 交通 施策 初期投資 運用公費 利用増数 増加率 現状利用者 JR豊肥線 鹿児島線直通/増便/新駅2/一部複線化 140億 28,282 75% 37,709 空港アクセス鉄道 410億 4,900 13% JR鹿児島線 増便/新駅1 100億 15,757 50% 31,513 熊本電鉄 藤崎宮前〜市街延伸・LRT化・増便 227億 1億/年 4,600 107% 4,300 上熊本〜北熊本 市電直通・増便 50億 0.2億/年 430 10% 御代志〜セミコン〜原水 BRT 200億 1億/年 4,300 100% 熊本市電 待遇改善・運転手確保 1億/年 27,638 オール連節化+車庫増設 300億 5,528 20% A5分毎・B10分毎・深夜増便 1億/年 5,528 20% 余計時分短縮 -1億/年 829 3% 東町線延伸 141億 2,300 8% 南熊本延伸 200億 2,211 8% バス 待遇改善・運転手確保 10億/年 60,000 都市部1.5倍増便 + バスレーン 100億 9億/年 14,575 24% 新路線 2億/年 3,000 5% 遅延改善ダイヤ改正 720 1.2% オールEV化 500億 -2億/年 6,000 10% 全体 サブスク・半額パス等 10億/年 36,300 30% 121,000 乗継割引・上限運賃等 3億/年 6,050 5% 高齢者・若者割引等 3億/年 6,050 5% 濃色は公的根拠あり 淡色は研究試算あり アクセス鉄道新設より JR増強が圧倒的に効率的 上熊本連携の効果は僅か 本命は藤崎宮 セミコンBRTもポテンシャル大 延伸以前に運転手確保・ 連接車導入による 輸送力増が大前提 東町線は実態と異なる所要 時間で需要予測に疑義あり バスは初期投資が少ない 運行費増でV字回復 バスは初期投資が少ない 運行費増でV字回復

Slide 94

Slide 94 text

94 Q. 社会的合意をどう得ていくか? A. 真正面から公共交通への投資を訴え、 市民・政治の味方を増やしていく

Slide 95

Slide 95 text

95 データを肴に対話し、地域・分野内外に発信

Slide 96

Slide 96 text

96 県議会議員からの一般質問(R6.6.25 南部隼平 議員)

Slide 97

Slide 97 text

97 熊本市議会 特別委員会 溝上先生による意見陳述

Slide 98

Slide 98 text

98 熊本日日新聞では毎週交通特集

Slide 99

Slide 99 text

99 熊本「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」から12の学び 課題 設定 ①差し迫る地域課題=渋滞解消への貢献を語る 熊本では渋滞解消とTSMC対応 公共交通自体を目的化しない ②マジョリティの車利用者が共感できる話にする 渋滞が減れば車利用のマジョリティも嬉しい 「俺は電車・バスに乗らない」で終わらせない ③交通モードを決め打ちせず都市交通を語る 関係性上バス中心だが、鉄軌道・車も検討中 無闇に「まちづくり」や生活支援交通に広げない ④やってる感と立場に逃げず課題解決に忠実に 予算はありがたくいただくが流行言葉に自ら踊らされない ITか、研究か、儲かるか、ではなくやるべきことをやる 定量的 交通 計画 ⑤将来像を数字で、方略をバックキャストで示す 「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」は発明? 交通工学の裏付け、意外性と実現性 ⑥データをかき集めデータをやらない理由にしない 仕掛けてきたバスデータを回収、必要なら採る・買う、 既存統計・12年前のPTも使い倒す ⑦車依存からの脱却を分担率・便益・財源で語る 車1割減、公共交通2倍、 車1トリップ減で時短便益1182円・B/Cは5倍 ⑧サービスレベルと運賃を独立採算から解放し吟味 社会目標→分担率→サービスレベル・運賃 →予測→費用・便益→評価 ⑨できることから実践し、体感・腹落ちしてもらう 無料デー、バス遅延改善、信号改善… 推進 運動 ⑩既存組織・業務の機能不全は前提とし打破する 横ばい交通計画、共同経営の限界、 スコープが狭くルーチン化している各種会議… ⑪業界内外のキーパーソンを探し仲間を増やす 今釜さん→バス共同経営→市長・行政・事業者 県議・市民運動家 → 政治・市民 ⑫当然の疑問に真摯に向き合い言論を磨く 車社会からの疑問は丁寧に解く、 意思決定者の「やらない理由」と戦う材料づくり