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プロダクトを少人数でスケールさせてきた僕ら Rebase Tech #0 エンジニア幼年期の終わり 株式会社 Rebase 髙畠 裕二( @_ug_ )

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株式会社Rebase エンジニアリング 髙畠 裕二 (たかばたけ ゆうじ) プロフィール ● x.com/_ug_ ● SF 小説 ○ 三体、プロジェクト・ヘイル・メアリー、Philip K. Dick、Ken Liu、Ted Chiang ● 3人の子供 (2人目と3人目は双子) ○ みての通りフィボナッチ数 ○ 三体問題を含んでいます 主な仕事 ● 2014年の創業時から instabase を開発しています 自己紹介

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幼年期の終り アーサー・ C・クラーク ある日突然、世界中の都市の上空に、圧 倒的な技術力を持った未確認飛行物体が 襲来する。ただし、その未確認飛行物体 は、乗組員の姿も見せず、ただ数年間そこ に君臨するのみ。圧倒的な技術力を見せ つけられた人間は、まず基礎研究をやめ、 技術的進化を止めてしまう。

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ところでみなさん 2025年5月時点、こんな感覚はありますか? ● AI 先生が気持ちよく走れる高速道路を人間が 整備している感覚 ● 助手席にいると思った Copilot が気づけば彼 女 (MCP) を助手席に乗せて運転席に座って いる https://x.com/mametter/status/1662979669053050881

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かくゆう私はそうです 20年ほど前の僕 1. RedBull を注入 2. wired in 3. 一晩中開発 4. 大量のコードが生成 The Social Network

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でも実態は、 20年ほど前の僕 1. 今夜やればいいやと先延ばし 2. RedBull を注入 3. ニコ動でおもむろにニコニコ組曲を再生 4. 爆音で wired in 5. メカニカルキーボード (HHKB) で高速でカ チャカチャ 6. vim で一晩中開発 7. 脇道に逸れてハマる (yak shaving) 8. とにかく大量のラブレターコードが深夜のノ リで生成できて気持ちいい ニコニコ大百科より

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だったら全部 AI でいいのでは? そうでしょうか?🤔

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アリストテレス氏曰く かつてアリストテレスは、幸福とは単なる快楽や富の蓄積 ではなく、「徳に基づく魂の活動」であり、人間がもともと 持っている素質や能力を日々の行為によって開花させ、現 実化することを通じて、徳が身に付き、幸福になれると説 いた。

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チクセントミハイ氏曰く 幸福は外的要因から生まれるものではない。 それが単純作業の労働であっても、幸福と思 える人間とそうでない人間がいる。 つまり、他人からみて意味のないような行為でも、 フロー感覚を持つことで内面から喜びを感じること ができる。

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サティア・ナデラ氏曰く AIは魔法ではなく、人間の可能性を 10倍にする“ツール”にすぎない。だか らこそ、人の主体性と学ぶ力がすべて の中心になる。 PC が私たち全員を typist にしたよう に、AI は全人類を thinker にする。 そう。僕達は、人類の歴史上、キーボード をタイプをめっちゃする最後の世代。 Satya Nadella: Leading through the AI Revolution

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O'Reilly 氏曰く The End of Programming as We Know It 世界で最初のプログラマーは、それぞれ の計算に物理的な回路を組み立てて実 行していたし、それがバイナリーコードに なって、アセンブリになって人間の言語に 近くなり、Fortran や COBOL、それから C や C++、Java などの言語を使って、も はやアセンブリコードを気にしなくなった。 プログラマーはいままでと同じように、その抽 象レイヤーをまたひとつ上げるだけ。 The End of Programming as We Know It

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Hidden Figures 邦題はなぜか “Dream” 原題は「Hidden Figures(隠された人物た ち)」NASA が隠している情報 (まさかエイリ アン?) という意味を含んでいてかっこいいの に。 彼女たちは、FORTRAN を使って NASA のロケッ トの飛行軌道を「計算」した 手段: 当時 (1960年代)、黒人の女性が手作業の プログラムと膨大な計算を行った 結果: ロケットを宇宙へ飛ばした The Story of NASA’s Real “Hidden Figures”

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なぜエンジニアリングの領域が先に進行するのか? 「エンジニアリングの領域は、価値を直接的に創造できる仕事である。」 vs. 「一方で AI は設備投資、電気代、技術革新に膨大なコストがかかる。」 この2つを比べた時に、生み出す価値に倒れる領域であるから。

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なぜかは (たぶん) 誰もわかっていない サンティアゴ・ラモン・イ・カハルらは、人間の脳の中 の神経ネットワーク (ニューロン説) を提唱した。「実 は私たち人間と AI にそれほど大きな違いはない」と AI のゴッドファーザーであるジェフェリー・ヒントンが言 うほど、真似られた仕組みになっている。 結局、人間の脳の仕組みが未解明のように、世界の 研究者も AI についてはまだよくわかっていない (は ず)。 つまり世界中の人・会社が手探りの状態

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真 AI 時代。いまなにをしたらいいの? ● 「人間の」新入社員の方々と同じくらいオンボーディングをきちんとやる ● あらためて、Human in the Loop を考えてみる ○ Unlearning する ● 将来から現在をみたときに取り返しのつかないことを探す ○ model は日進月歩なので、早く飛びつくことを目的としない ○ 一方で、将来使うかもしれない raw データを取得して永続化するなど、将来取り返しのつかないことに対応す る ● 意思決定に非構造化されたデータを取り入れる ○ 構文予想にすぎない GPT は、非構造化データである Amazon レビューから「人がその商品のどこに何の感 情 を抱くか?」という意味論分類機を見出した ■ The Inside Story of ChatGPT’s Astonishing Potential: Greg Brockman

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アディー・オスマニ氏曰く アディー・オスマニ (Chrome の開発者) の「70% 問題」 最後の 30% がプログラマーの役割とし て必ず存在する。 “The goal isn’t to write more code faster, but to ship better software.” The 70% problem: Hard truths about AI-assisted coding

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ジョージ・ギルダー氏曰く テレコズム 情報過多は決まり文句となった。エネルギーから情報 に至るまで、あらゆる資源が豊富になるにつれ、経済 的な「希少性」の圧力は――最後に残るたった一つの 不足へと集中し、その欠乏こそがますます厳格に、支 配的になる。 情報経済を律する真の希少資源は「時間」である。 一瞬のかけら、一日の時間、人生の年数、記憶装置 のレイテンシ、人や企業が市場に出るまでの時間―― 価値はここに集約される AI がリソースを解放し、エンジニアはより希少な“思考時 間”へ投資できる

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Steve Yegge 氏曰く 頑固なエンジニアの終わり 高いデマンドに対して柔軟に適応し、 AI を身につけたジュニアエンジニア は、頑なにやり方を変えないシニアエ ンジニア (Stubborn Developer) より もアウトパフォームする可能性があ る。 最も賢いものが生き延びるのでもない。唯 一、生き残るのは変化できる者である。 by チャールズ・ダーウィン The Death of the Stubborn Developer

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幼年期の終り 幼年期が覚醒して新しい次元に進化する。 クラークが描いた“人類の次元跳躍”は、恐れよ り〈好奇心〉が導いた――技術と精神の調和 で。 学びをやめてはいけない!

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一緒にやりましょう Rebase は、コロナ時代を通して、人と人との交わりが希少になり、それが社会にとって とても大きな価値になると気づき、ミッションとビジョンを刷新しました。 それがミッション「Get Together」、ビジョン「Where it Starts」です。 AI 時代に、希少となるのは、まさに 30% の部分の「深い魔法」の部分です。 これからの時代の荒波を Trial & Error をしながら一緒に渡っていく方を募集していま す! 少しでも興味を持った方はご連絡ください!

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22 ご清聴ありがとうございました

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街中ですれ違う名前も知らない「あの人」も、「あなた」も誰もが無限の可能性を 持っている。そして、「あなた」がどんな場所に暮らしていても、どんなに他人から 無理だと言われても、諦めて欲しくない。 そんな想いから、 Rebaseは生まれました。挑戦の一歩を軽くすることで、人生に 大きな変化を生み出すサポートをしたい。 誰かの人生に彩を与える「ことのはじまり」を、一緒に作りませんか。 Let's work together! https://jobs.rebase.co.jp/