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若手ITエンジニアがキャリアプランを 考えるのは、しんどそうだったので カイゼンを試みた話 ウルシステムズ株式会社 森田 勝

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自己紹介 ウルシステムズ株式会社 森田 勝 ● エンタープライズ領域のITコンサル・エンジニア。 ● 基本プロジェクト単位で動く。 ● 最近はPM、提案活動、新卒採用・育成が中心の活動。 ● DXが、内製化が、新規サービスが、クラウドがみたいな話が多い。 ● なんか周りに若手が増えてきた。

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キャリアプラン?

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意味あんの?

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ずっと思ってました。

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そう思ってる若手もちらほら。

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キャリアプランが意味ないと感じる理由 ● 考えろとは言われるが、言ってくる人に限って目指したい人ではない。 ● 納得するよう考えて話してみるが、本当のところを言うメリットがない。 ● 預言者でもないあなたに未来は分からないので、勝手に決めないでほしい。 ● プラン通りになった試しがない。プランないのがプラン。 ● やりたいことないけど、やりたいことやっていたい。 ● そんなことより給料上げてほしい。

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まとめるとウザいから。 ※諸説あります。

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よほどの聖人やイケイケYoutuberは除いて

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人間そんなもん!

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言いたいこと ● やりたいこと・なりたい姿がない=悪は、思考停止なので無視してよし。 ● できることを増やして、市場価値が高くなる分には困らない。 ● やるべきことをやってるうちに、やりたいこと・なりたい姿が見えてくる。

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当たり前の話。

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小さい頃になりたかったものになってるか?

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なってたらこんなところにいない! ※言い過ぎました。

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でも、なんか

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やりたいことあった方がいい!

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気がする!

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よくある風景 若手「キャリアプランってどうやって考えるんですか?」 おっさん「結局、永遠の悩みで偶発的なものやんな」 若手「そういうのじゃなくて悩んでるんですよね」 おっさん「なんか悩む必要あんのそれ」 若手「あったほうがいいのかなぁって」 おっさん「適当に決めたらええやん(仕事しろ)」 若手「そうですね(◯ね)」

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認識の違い 若手:やりたいことあった方がいい ⇒実は、「やりたいことあった方がいい気がするが明確でないし、ゴール決めないと動け ないんだけど、どうしたらいいか分からない」と思っている。 おっさん:やるべきことをやる ⇒実は、「やるべきことをやると、できることが増えて、そのうちやりたいことも見えてくる からよくね」と思っている。

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やるべきことを体験している量の違い。

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若手の悩みポイント 30歳以下29名にキャリアプランの何が悩ましいかヒアリング。 ● 60~70% ○ 将来像の選択肢が頭に浮かばない ○ 将来像の構成要素が分からない ○ 将来像に向かうためのアクションが分からない ○ 誰と考えればよい結果が得られるのか分からない ○ 考えたキャリアプランに自信がない ● 40~60% ○ 何を基準に将来像を選べばよいか分からない ○ 何から手を付ければいいか分からない ○ キャリアプランを考える時間を確保できない ○ 遠い未来のことを考えることが苦痛 ○ キャリアプランを決めることが苦痛

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悩んでいる人はどう解決を試みているか? 悩みをどうやって解決しようとしているかヒアリング。 ● 分からないので目の前のことを頑張る。 ● やったことがないことをやってみたいと面談で伝えたり、どんなこと目指してやれば いいか聞いたりしている。 ● 自分なりに目標設定してみて、周りに宣言してみる。 ● 本を読んだり情報収集している。 ● 考えるのを辞める。 ● 解決できていたら苦労しない。

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しんどそう。

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Will/Can/Must

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● ◯(まる)3つで有名なフレーム。でも今回はピラミッドがいい気がする。 Will/Can/Must Will Must Can やりたいこと・なりたい姿 できること やるべきこと

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● しんどそうな現状に対してカイゼンを試みるための地図として採用。 Will/Can/Must Will Must Can やりたいこと・なりたい姿 できること やるべきこと

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カイゼンの試み①なりたい姿はこれ? ● なりたい姿の選択肢と技術要素を提示して、これねって決めてあげる作戦。 ● バックエンドとデータストアに興味が強いから、データレイクのアーキ設計だったり データの品質管理できる人を目指せば?目指すのであればインフラ周りも抑えよ う!のイメージ。 ● ヒアリング対象の方々に興味のある技術要素を選んでもらい、選択したものから将 来像や学んだ方がいいことを提示してみた。

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● ピラミッドでいうとWillから攻めてみる。 カイゼンの試み①なりたい姿はこれ? Must Can やりたいこと・なりたい姿 ←ここ できること やるべきこと Will

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カイゼンの試み①なりたい姿はこれ? 将来像や学んだ方がいいことを提示されてどうだったかヒアリング。 ● なぜこれを学んだ方がいいのかが分からない。 ● 提示された結果に馴染みがないのでピンとこない。 ● どういった特徴や適性から提示されているのか分からなかった。 ● 将来像は技術要素以外も絡んでくるので納得感がない。 ● 提示された結果をどう捉えたらいいか分からない。 ● 自分が期待した通りの結果だった。 ● 提示された方ではなく、提示されなかった方がいいなと思った。 ● 将来像を興味のある技術要素から提示してくれるのは面白い。 ● 将来像に関連する技術要素や技術間がどう関連するのかが知れるのは嬉しい。 ● 自分の興味を再確認できて良かった。

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カイゼンの試み①なりたい姿はこれ? まとめると ● 提示された将来像や技術要素に対して、根拠が分からなかったり、馴染みがないと ピンとこない。 ● 提示された将来像や技術要素は理解できるが、本人にある程度答えがあるので興 味からトップダウンで与えても納得感がない。 ● 提示された将来像や技術要素が、自分の興味やできることとどう関連しているのか に関心がある。

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占いみたいになった。

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そういうのじゃなさそう。

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カイゼンの試み②何ができるの? ● 学んできたことやプロジェクトでの経験を細かく見える化してもらう作戦。 ● 例えば、JavaのStreamやOptionalは業務で実装したことあるが、型推論はまだ 触ったことがない。のイメージ。 ● ヒアリング対象の方々にスキル・実績を可視化してもらった。

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● ピラミッドでいうとCanから攻めてみる。 カイゼンの試み②何ができるの? Will Must やりたいこと・なりたい姿 できること ←ここ やるべきこと Can

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一方、その頃おっさん達は? 「配属やアサインや採用の時に話は聞くものの、結局どこまで何をやれるのかよく分か らない。」 「ここは抑えていないと辛いポイントはあるにはあるけど言語化できてない。」 「例えば、AWSできると言っても経験の種類も濃淡もあるし。」 「現実、細かく厳密に確認はできないので、期待含めて何となくで判断するしかない場合 もある。」

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こういった声も踏まえて

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スキル・実績の解像度を上げるのは、 悪くはないよねってなったので

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アプリを作って検証してみた。

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カイゼンの試み②何ができるの? できることを細かく見える化したらどうなるか検証のために作ったアプリ。 ● スキルマップに実績を入力できる。 ● ひとまず身の回りで理解してそうな人が多いJavaでお試し。

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カイゼンの試み②何ができるの? 見える化してみてどうだったかをヒアリング。 ● ここまで学んできたよが見えると安心する。 ● 振り返りや棚卸しはモチベーションアップになるかも。 ● ここやったことないからやってみるかと思うかも。 ● 次の方向性を考えようと思える工夫があったほうがいい。 ● 次に何やったらいいか明確に提案してほしい。 ● こういったものをベースに目標設定してもらえると嬉しい。 ● 客観的に見てどうなのか、他の人どんな感じなのかが知りたい。 ● 自分が世の中でどの位の位置なのか、市場価値がどのくらいかを知りたい。 ● 見える化した後、どうしたらいいのか、どう役に立つのか分からない。

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カイゼンの試み②何ができるの? まとめると ● 過去を振り返ったり、棚卸したりするだけでもモチベーションに影響する。 ● スキル・実績を踏まえた次のアクションの提示が求められてる。 ● 自分のスキル・実績は客観的にどうで、次はどう積み上げればいいかを気にしてい る。

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とは言え、なんかありがたがられている。

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嬉しい!

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● 立ち返って、ここまでで言えることを整理。 Will/Can/Must Will Must Can やりたいこと・なりたい姿 できること やるべきこと

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ここまでで言えることを整理 カイゼンの試み①なりたい姿はこれ? ● Willは与えられて見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。 ● Willがない場合もあるし、ぼんやりとある場合もある。 ● Willは自分自身のCanではっきりしてくる。 カイゼンの試み②何ができるの? ● Canが何なのかを整理するだけでもよい。 ● Canを次何をどうやって増やそうを考えるのは喜ばれる。 ● Canの客観性や積み上げの手段としてMustをやる。

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Willは変わるし、 少しずつはっきりしていくもの。

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都合よく目の前に絶対的な選択肢はない。

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無理やりWillにいかない!

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Willはあまりにも不確実。

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とりあえずCanだけでもいい!

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なぜならCanが増えて、 市場価値が高くなる分には困らない!

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まずはMustを体験する!

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● ピラミッドの一番下から攻める。 Will/Can/Must Will Can やりたいこと・なりたい姿 できること やるべきこと ←ここ Must

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Willは積み上げていくうちに見えてくる!

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今後どうカイゼンしていくべきか マネージャー目線 ● やりたいこと、学びたいこと、色々体験できる環境を提供する。 ● Willがない場合もある前提で、どこをどう走ってもらいたいか示す。 ● やりたいこと・なりたい姿がなくても、走れていたらOKとする。 ● どんな選択肢も体験しないと分からないので、挑戦してもらう。 ● 組織や世の中に求められるから、やってみようと思う場合もある。

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今後どうカイゼンしていくべきか メンバー目線 ● やりたいがあるなら進む、ないならできること増やす方針で実績を作る。 ● Willがない場合でも、どこをどう走っていきたいか主張する。 ● やりたいこと・なりたい姿がなくても、走れている状態はキープする。 ● 選択肢を広げて何を選べばいいのか?だけでは、時間の無駄。 ● 組織や世の中に求められるから、やってみようでも理由として十分。

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今後どうカイゼンしていくべきか 例えば、 ● 仕事以外のプロジェクトを立ち上げてみる/参加してみる。 ● プロジェクトにやりたい人を募って、リードしてもらう/リードしてみる。 ● やったことのない技術に触れてもらう/挑戦してみる。 とかとか...

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どうせ酒飲んで寝たら忘れるので 繰り返します!

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無理やりWillからいかない!

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とりあえずCanだけでもいい!

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まずはMustを体験する!

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アプリの宣伝

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スキルマップアプリ Graphyee ● 個人で開発中、というかβ版公開中なので触れます。 https://graphyee.com

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フィードバックにご協力いただけたら 喜びます。カイゼンに役立てたいです!

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アプリと会社は一切関係ありません。 なので好き勝手書いてもらって大丈夫です!

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会社の宣伝

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ウルシステムズ株式会社 DX推進、内製化推進、アジャイル、クラウド、新規サービス企画・開発、業務プロセス改 革、エンジニア採用支援など色々やってます。 お問い合わせはこちら ⇒ https://www.ulsystems.co.jp/inquiry

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ウルシステムズ株式会社 Wantedlyやってます ⇒ https://www.wantedly.com/companies/ulsystems/stories

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ウルシステムズ株式会社 TECH BLOGやってます ⇒ https://note.com/ulsystems/m/m39a228ef549e

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以上です! ありがとうございました!