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AI活用の壁を超える! 開発組織への普及の秘訣 2025.03.14(金) AIが変えるソフトウェア開発 〜未来のアジャイルチームとは?〜 @SmartHR Space 荒川 涼太(kouryou) SmartHR アジャイルコーチ

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自己紹介 ● 荒川 涼太(kouryou) ● 2019年9月 SmartHR入社 ● エンジニアからアジャイルコーチに転身 ● 趣味は筋トレとウイスキー

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今日お話すること ● AI活用の組織への普及に効果的な方法 ○ SmartHRもまだまだ道半ばなので、現時点の取 り組みとその学びをお伝えします ● アジャイルチームの未来

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なぜアジャイルコーチが AI?

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アジャイルコーチが AI推進する理由 アジャイルコーチの役割 AIの可能性 組織の生産性向上 働き方の改善 開発の生産性向上 働き方が変わる アジャイルコーチは AIを推進する必要がある

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プロダクト開発における AI活用の社内推進

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当時(2025年1月)のSmartHRの開発組織の課題 ● コード生成 AIは結構使われているが、それ以外の 場面では使っている人が少ない ● 何に使えるのか、どう使ったらいいのかを知らない 人が多い ● 明確なAI活用の推進役が不在

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やったこと

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やったこと ● AIを安心して使える状態を作る ● 活用事例を増やす ● 活用事例を共有・再利用できる仕組みを作る

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やったこと ● AIを安心して使える状態を作る 👈 ● 活用事例を増やす ● 活用事例を共有・再利用できる仕組みを作る

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AIを安心して使える状態を作る プロダクト組織向けに AI活用ガイドラインを作成 ● 適切な使用方法 ● リスク管理 ● AIでできること・できないこと ● プロンプトエンジニアリングの基礎と注意事項

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やったこと ● AIを安心して使える状態を作る ● 活用事例を増やす 👈 ● 活用事例を共有・再利用できる仕組みを作る

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活用事例を増やす ● 有志のチームを募り、 AI活用に向けた実験をした ○ VSMを元に効率化できそうな業務を洗い出す ○ 週一回集まって進捗共有や相談をする ● 有志のチームから発展し、プロダクト組織全体で AI 活用定例を作った ○ 活用事例の共有と相談の場

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バリューストリームマッピング (VSM) プロダクト開発の流れを可視化した図 簡易的なVSMの例

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やったこと ● AIを安心して使える状態を作る ● 活用事例を増やす ● 活用事例を共有・再利用できる仕組みを作る 👈

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活用事例を共有・再利用できる仕組みを作る ● 有志のチームとスプレッドシートに活用事例を溜め ていった ● 良い結果が得られた事例は、社内のナレッジ共有 ツール(docbase)にindex化して他チームも参照し やすいようにした

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結果

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現在のプロダクト開発における AI活用事例 良い結果が出ている事例 9個 良い結果が出そうなので 実験中の事例 4個 試したけど上手くいかなかった事例 5個

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現在のプロダクト開発における AI活用事例(VSM版) 先程のVSMを用いて、 AI活用できている工程を赤で表 現しました。 …テスト周りが伸び代ですね!

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AI活用を推進して わかったこと 💡

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AIの推進も アジャイルの推進も 要は同じだった

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AIの推進とアジャイルの推進の共通点 ● 小さく始めるのが大事 ● コミュニティ・オブ・プラクティスが効果的 ● 経営層を巻き込めると組織全体に広がっていく

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小さく始めるのが大事 一部のチームから始めたのが効果的だった ● 最初に小さく試行錯誤できた ● プロダクト組織全体にスコープが広がっても、最初 のチームの人がコミュニティを盛り上げ続けてくれ る

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コミュニティ・オブ・プラクティスが効果的 コミュニティ・オブ・プラクティスとは、共通の関心を持つ 人々が集まり、持続的な相互交流を通じて知識や技能 を深め、新しいアイデアや解決策を生み出す集団のこ と。 今回はAI活用定例の参加メンバーが該当。

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コミュニティ・オブ・プラクティスが効果的 slackだけでなく、 AI活用定例という定期的な交流の場 が設けられたことで、以下の効果を得られた ● 学びの共有が増える ● 実験仲間が見つかる ● 障壁になっていることを気軽に相談できる

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経営層を巻き込めると組織全体に広がる 元々アジャイルコーチとして経営層と定期的にコミュニ ケーションを取っていたので ● アジャイルコーチが AI活用の推進役となることを合 意できた ● AI活用定例にも参加していただき、組織的なモメン タムを作れた

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今後やりたいこと

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今後やりたいこと ● 活用事例を共有・再利用できる仕組みをアップデー トしたい ○ システム化して共有のハードルを下げたい ● VSMのすべての工程に AIを活用したい ● 既存の業務の効率化だけでなく、根本的に開発業 務のあり方を AIファーストで変えていきたい

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AIが変えるソフトウェア開発 未来のアジャイルチームとは?

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※ここから先はただの個人の未来予想です。  懇親会で皆さんの未来予想も聞いてみたいです。

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これからは仕様書駆動開発になるのでは? 仕様書があれば AIにコンテキストを伝えられるので、プ ロダクトに必要な全てを生成できる ● デザイン ● コード ● テスト ● ヘルプページや問い合わせ対応

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アジャイル開発のあり方も変わる? 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html

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アジャイル開発のあり方も変わる? 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを 包括的なドキュメントから動くソフトウェアを

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アジャイル開発のあり方も変わる? 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを 包括的なドキュメントから動くソフトウェアを 包括的なドキュメントも AIを使えば 効率的に作れる!

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ずっとディスカバリーし続ける日々に? 開発工程をディスカバリー /デリバリーと区分すると、デ リバリーの時間が極端に短くなる。 ディスカバリーし続ける日々になるのでは? ● 毎日ユーザーに会う ● ニーズを特定したらその日のうちにデリバリー ● 翌日にユーザーから FBもらう

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少人数チームになっていく? ● クロスファンクショナルな 2~3人のチーム ○ ビジネスに強い開発者 (PO)とエンジニアリング に強い開発者 ○ 全員ユーザーに会い、コード生成も全部やる ● アジャイルフレームワークはより軽量に

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我々はどうこの先生きのこ るか 🍄

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まとめ

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まとめ ● AI活用推進もアジャイル推進と同様 ○ 小さく始めるのが大事 ○ コミュニティ・オブ・プラクティスが効果的 ○ 経営層を巻き込めると組織全体に広がる ● AIが進化した未来に備えよう!

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ご清聴 ありがとうございました!