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ITエンジニア特化型Q&Aサイト teratailを 言語、DB、クラウドなど フルリプレイスした話 レバレジーズ株式会社 リードエンジニア 竹下義晃

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自己紹介 レバレジーズ株式会社 テラテイルグループ リーダー 竹下義晃 経歴 2009/3 東京大学大学院 農学生命科学研究科 修了 2009/4 芸者東京株式会社 入社 2020/6 レバレジーズ株式会社 入社 一般社団法人 Japan Scala Association 理事 兼任 現在Webフロント、バックエンド、インフラ、データ分析など フルスタックエンジニアとして teratail開発に関わっています 前職では、アプリマーケターとして Traffic Run!など全米1位を獲得したハイパーカジュアルゲー ムのUA/MOを担当したことも

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目次 ● teratailとは ● リプレイス概要 ○ リプレイスの目的 ○ 技術スタックの比較 ● AWS Fargateによるサーバーレス化 ● AWS CDKによるIaC化 ● AWS Cloud9を活用したデータ移行 ● まとめ

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teratailとは

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ITエンジニア特化型Q&Aサイト 「teratail(テラテイル)」は、2014年7月にオープンしたエンジニアの問題解決プ ラットフォームです。 学生やプログラミング初心者から第一線で活躍する方々まで、幅広いエンジニア の問題解決をサポートしています。 https://teratail.com/

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リプレイス概要

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リプレイスの目的

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問題点 モノリシックで、長期に渡って改修を続けて来たことで、システム肥大化 小さな修正でも全体に波及する 機能追加やバグ修正のコストが高く なり、開発効率が低下 使用しているフレームワーク、PHPのVersionのサポート期限も 近づいていた

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リプレイスで達成したいこと ● 技術スタックを刷新し、開発効率を向上 ● 長期的にも開発効率を高い状態で維持 ● teratailをベースに、新サービスを展開する際にも既存の機能を活用可能に 今回のリプレイスのスコープ ● 技術的な部分がメイン ● UIはそのまま ● 機能も基本そのままで使用されてない機能は削ってスリムアップ

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技術スタックの比較

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使用技術の比較

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構成の比較

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全体構成

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今回のメイン 25分ではすべて説明しきれないので、今回は主にAWSの サービスを活用することで特に効果的だった部分に焦点を当 てて話して行きたいと思います。

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説明する部分 ● AWS Fargateによるサーバーレス化 ○ コスト効率UP ○ 運用効率UP ● AWS CDKによるIaC ○ インフラ構築の効率 UP ○ インフラ構築のブラックボックス化を防ぐ ● AWS Cloud9による旧DBから新DBへのデータ移行 ○ 複雑かつ困難な作業を効率よく

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AWS Fargateによる サーバーレス化

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AWS Fargateとは サーバーレスかつ従量課金のコンテナ向けコンピューティングエンジン 特徴 ● 管理不要 ● オートスケールなどの設定容易 ● ログ、メトリクス監視も容易 ● 従量課金なのでコストを最適化可能

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構成

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以前は kubernetesクラスターを利用していたが、オートスケールが無いため非ピーク時はリ ソースがあまり、ピーク時には足りなくなりかけていた バッチ処理を動かすと、アプリサーバーにも影響が出ることもあった サーバーでバグが発生した場合は、ソースコードを巻き戻して再デプロイ

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リソースの効率化 オートスケールかつ従量課金なので、ピーク時に合わせたハードウェアを用意する必 要なしなので、トータルコストダウン マイクロサービスごとの負荷に合わせてタスク数を調整 質問マイクロサービス タスク数4 お問い合わせマイクロサービス タスク数2 バッチ処理は新しいTaskで起動するので、アプリサーバーに影響はしない、かつ、実 行した分しか料金がかからない

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運用の効率化 フルマネージドなので、タスクが落ちても自動で復帰 オートスケールで自動で負荷に対応 デプロイも安全に行える 巻き戻しはタスク定義で一つ前のバージョンを指定して再デプロイするだけ

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AWS CDKによるIaC化

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AWS CDKとは AWS Cloud Development Kit AWSのIaCを行える強力なサービス ● プログラミング言語でインフラを定義できる ○ 型による実行前の整合性チェック ○ ライブラリ化によるノウハウの共有 ● デフォルト設定が優秀なので記述量が減る ● プログラミングの開発ノウハウを転用可能 ○ 抽象化、一般化、インターフェイス化による整理 ○ 自社ユースケースに合わせて宣言的なライブラリへの拡張 同様なツール ● AWS CloudFormation(CDKはCloudFormationのJsonを出力します) ● Terraform

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以前は itamaeによる構築、または、UIコンソールでの手動作成 前任者がやめ、手順書も揃ってなかったり、実態と乖離があったりして、構築 方法が半ブラックボックス化

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構成管理=ソースコード 構成がソースコードで管理され、そのままインフラが構築されるため、 ソースコードが構成資料かつ構築手順書となる staging,productionなど様々な環境で、かんたんに同じ構成を再現可能 変更時も差分を事前に確認して、安全に変更可能

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マイクロサービスとの相性 マイクロサービスが複数あるが、構成は大体似ている CDKなら、汎用化したStackを作っておくと、いくらでも同様の構成を構築可能 Staging,Productionを判定してスペック変更や、Amazon Simple Storage Service(S3)を使うサービスにはS3へのアクセスポリシーを追加などの小さな差 異を、ロジックで実現できる

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AWS Cloud9を活用した データ移行

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AWS Cloud9とは ブラウザ上で使用できる統合開発環境 ● VSCodeのGUIで操作が可能 ● 接続を切ると自動で停止状態になる ● 基本的なライブラリなどが導入済み

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データ移行の課題 クラウド跨ぎ => 新DBはVPCのPrivate Subnetに用意しているので、外部からはアクセス が容易ではない PostgreSQLからMySQLへ => バックアップからそのまま復元はできない 正規化や設計見直しによるテーブル構造の変化 => 単純にデータ移動するだけでは移行できない

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データ移行の課題

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解決策 AWS Cloud9の利用 VPC内に Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)インスタンスが作られるので、DBへのアクセス が可能 基本的なプログラム実行のためのライブラリがインストール済み 変換ルールベースのデータ移行ツールの開発 テーブル構造の変更、MySQL化を同時に行うことのできる移行ツールを開発

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AWS Cloud9を使う利点 実態はAmazon EC2だが、初期環境構築が非常に楽 ブラウザ上からGUIで操作が可能 => 対話的に実行が容易 => サーバープログラムを転用したメンテナンスプログラムを楽に実行可能 DBと同じVPC内で実行できるので、アクセス設定不要 時間が経つと勝手に休止状態になるので、スペックが良いマシンを立てて落とし 忘れていて請求が!ということが無い

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普通に移行プログラムを作成したときの問題点 問題点 * すべてのカラムが移行されたかを検証するにはコードを読む必要がある * コードが煩雑になりがち

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変換ルールベースのデータ移行ツール カラム単位で「変換操作」のルールを定義し、ルールを列挙したファイルを読み込むことでデータ 変換される 削除されたデータは、カラムの削除のルールを確認するだけでチェック可能 => テーブル構造が変わっても漏れなくデータ移行されていることが保証できる

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変換ルールベースのデータ移行ツール 実際は、ルール生成と変換の 2段階に分けている 単純な変換は自動でルール生成し、複雑なルールのみマニュアルで作成するだけで良 いようにして労力を減らしている

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まとめ

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AWSのサービス活用による運用の効率化 今回は主に ● AWS Fargate ● AWS CDK ● AWS Cloud9 に焦点を当てましたが、それ以外にも ● Amazon RDS - Amazon Aurora ● Amazon ElastiCache for Redis Cluster ● Amazon Opensearch Service Cluster ● Amazon CloudFront など、数多くのフルマネージドのサービスを組み合わせて活用することで 構築、運用、保守すべてが効率化しています。

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AWSのサービス活用による運用の効率化 ● 専属のインフラエンジニアがいなくても、十分に大規模サービス のインフラを運用していける ● アプリエンジニアがインフラまで面倒を見れるようになることで、 SREとしての働き方が容易に

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最後に

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レバレジーズで働きませんか? teratailやレバテック、看護のお仕事、WeXpatsなど、30を超える様々なサービス開発を 通じて社会貢献に努めています。 「顧客の創造を通じて関係者全員の幸福を追求し、各個人の成長を促す」を一緒に実現 していきませんか?