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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを活用しよう! ~WAFログ分析の課題と勘所~ 株式会社ココナラ システムプラットフォーム部 システムプラットフォームグループ 川崎 雄太

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 2 Agenda ココナラで抱えていたセキュリティの課題 SIEM on Amazon OpenSearch Serviceによる打ち手 AWS社とのコラボレーションによる対策推進 今後のテーマ まとめ 1 2 3 4 5

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 発表者紹介 3 川崎 雄太 Yuta Kawasaki 株式会社ココナラ システムプラットフォーム部 システムプラットフォームグループ Group Manager 2020年 株式会社ココナラ入社 プロダクトインフラ・SRE領域と社内情報システ ム領域を担当 2021年にCSIRT立ち上げから携わり、セキュリ ティの企画から運用まで従事

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一人ひとりが「自分のストーリー」を 生きていく世の中を作る

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 5 知識・スキル・経験を商品化して 「ECのように売買できる」マッチングプラットフォーム product ココナラの事業内容

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 6 スキルシェア領域において圧倒的No.1を目指す 知識・スキル・経験を商品化し、「ECのように売り買いできる」 マッチング型プラットフォーム。 6 スキルマーケット「ココナラ」とは?( 1/2)

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 各主要KPI共に継続的に増加 会員登録者数は 296万人以上(2022年5月時点) スキルマーケット「ココナラ」とは?( 2/2)

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラのセキュリティ組織(1/2) 8 「CSIRT」がプロダクト・社内情報システムの両方を見る ● 2021年9月にCSIRTを立ち上げた。 ○ それまではセキュリティ専門組織はなく、インフラ ・SREエンジニアが手の空いたときに対応 ● 2022年9月時点で3名の組織、プロダクト・社内情報システ ム両方のセキュリティ施策の企画からモニタリング運用まで 担当している。 ○ リソースが限られているので、優先度の高い施策を効 率的に遂行することが不可欠

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラのセキュリティ組織(2/2) 9 社員数は増加中、セキュリティの役割範囲はより広がる ※2021年8月の情報 「社員数が増加する =セキュリティリスク にさらされる機会が増 える」という構図のた め、CSIRTに求めら れる期待値も高 まっていく。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラで抱えていたセキュリティの課題 Chapter 01 10

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 2021年CSIRT立ち上げ時のセキュリティ課題 11 現状の認識が弱く、どの順番で何をすればよいか?が不明確 ● セキュリティの専門部署がなく、どのようにロードマップを描 き、合意形成し、計画して登っていけばよいか不明確。 ● セキュリティの課題がリストアップされておらず、「もぐらたた き」で対応をしていた。 ● 自己流でログの取得だけは行っていたが、プロアクティブ・ リアクティブな活用が出来ていない。 ○ 今回はここにフォーカス!

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【参考】セキュリティ課題の対応サマリ( 1/2) 12 内部脅威・外部脅威に分類し、状況の可視化を実現 ※2021年時点の状況 数字が小さいところが 対策できていない箇 所=優先して対応す べき事項。 例えば、DDoS攻撃 や脆弱性攻撃の対 策が不十分だった。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【参考】セキュリティ課題の対応サマリ( 2/2) 13 月次でセキュリティ課題の状況をモニタリングする運用を実現

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 話を戻しますが、 今回のテーマはこちらです。 14

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. セキュリティログの分析。 特に「WAFログ」にフォーカスして、課題 や勘所をお伝えします。 15

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceによ る打ち手 Chapter 02 16

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. セキュリティログ分析とは? (私個人の解釈で説明します) 17

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. セキュリティログ分析とは? 18 システムのコンディション把握と打ち手の創出をすること ● 分析、検知、監査、監視など目的は様々だが、「ある時点 のシステムの状態(コンディション)を把握」し、そこ から「対応が必要な場合の打ち手を創出する」こと を目的としている。 ● システムの規模が多くなればなるほど、ログの量が膨大と なるため、分析の仕組みが不可欠となる。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. では、WAFログのセキュリティ分析は何 が難しいか? 19

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. まずはそのままのデータ形式では、 人に読みやすくないこと。 20

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 21 ## WAFログのサンプル {"timestamp":1660500016184,"formatVersion":1,"webaclId":"arn:aws:wafv2:xxxxxxxxxx:x xxxxxxxxxxx:regional/webacl/coconala-xxx-xxx/fa1c1322-be20-40b4-bd60-57a76114df6 5","terminatingRuleId":"Default_Action","terminatingRuleType":"REGULAR","action":"ALL OW","terminatingRuleMatchDetails":[],"httpSourceName":"ALB","httpSourceId":"xxxxxxxx xxxx-app/coconala-xxxxxxxxx/62e94fe4ea5bbd7d","ruleGroupList": 〜〜中略〜〜 "requestHeadersInserted":null,"responseCodeSent":null,"httpRequest":{"clientIp":"xxx.xx x.xxx.xxx","country":"JP","headers":[{"name":"host","value":"coconala.com"},{"name":"acc ept","value":"application/octet-stream,image/x-icon,image/jpg,image/jpeg,image/png,ima ge/x-win-bitmap,image/ico,image/x-bmp,image/tiff,image/gif,image/bmp,image/x-xbitmap ,binary/octet-stream,image/x-ms-bmp"},{"name":"user-agent","value":"Coconala/x.xx.x (com.coconala.ios.portal; build:x.xx.x; iOS xx.x.x) 〜〜後略〜〜

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ??? なんとなくわかるところもあるが、 ほとんどわからない… 22

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 次に、ログの量が膨大。 ココナラでは1日で120GB以上。 人が1つ1つ確認するのは非現実的。 23

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. そこで「SIEM on Amazon OpenSearch Service」の出番。 ココナラではアクセス状況や攻撃・インシデン トの可視化・予測を行うことを 目的として導入した。 24

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceとは?(1/2) 25 AWSサービスのログ可視化やセキュリティ分析を可能にする ● SIEMはSecurity Infomation and Event Managementの 略であらゆるログの収集と一元管理を行い、相関分析に よる脅威検出とインシデントレスポンスをサポート。 ● オープンソースのOpenSearchとKibanaを用いて、上記を 実現している。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceとは?(2/2) 26

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceでモニタリングしているもの 27 主には以下の4つ、随時モニタリング可能なものを拡充中 ● AWS WAF ● Amazon Elastic Load Balancing ● Amazon GuardDuty ● AWS CloudTrail

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラのセキュリティ基盤イメージ図(代表的なサービスのみ記載) 28

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを用いたWAFログのモニタリング(1/7) 29 日次で傾向把握と分析、過去との比較からパターン化 ● 予めAWSサービスごとのダッシュボードが準備されている ため、所定のS3へログを格納するだけで、可視化・分析が 可能。可視化したデータを日次で分析。 ○ クロスアカウントのS3レプリケーションで実現 ● ココナラは国内を中心にサービスをしているため、国内・海 外のIPアドレスによるアクセス状況 / ブロック状況 / エ ラー発生状況などをモニタリングする。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを用いたWAFログのモニタリング(2/7) 30 システム全体のアクセス状況を把握

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを用いたWAFログのモニタリング(3/7) 31 システム全体のアクセス状況を把握

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを用いたWAFログのモニタリング(4/7) 32 アクセス状況の詳細を把握、分析

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを用いたWAFログのモニタリング(5/7) 33 アクセス状況の詳細を把握、分析

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを用いたWAFログのモニタリング(6/7) 34 WAFログ1行1行を人にわかりやすい形で確認

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを用いたWAFログのモニタリング(7/7) 35 WAFログ1行1行を人にわかりやすい形で確認

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラで実践しているセキュリティモニタリング運用 36 毎営業日モニタリングを実施し、アクションを創出する 毎営業日17:00時 点の情報で定点確 認(WAFログ以外 も含めて、レポート 作成) 問題があれば、毎 営業日18:00に CSIRTで集まり、 議論 当日〜翌日以降の アクションを決め て、チケット化

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【参考】ココナラにおけるセキュリティモニタリング( 1/2) 37 ログイン試行回数、侵入検知状況などもモニタリング

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【参考】ココナラにおけるセキュリティモニタリング( 2/2) 38 日次モニタリングを待たずに侵入行為やWAFブロック状況を検知

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceでのモニタリングの効果 39 2022年からモニタリング運用をローンチ、効果は上々 ● WAFのブロックルールに合致しない悪意のある or お行 儀の悪いアクセスをしているIPアドレスを30以上捕捉 し、ブロックを実施。 ○ 累計1,000万回以上のアクセスをブロックし、正規の ユーザーのアクセスを守っている ● また、AWS WAF Bot Controlを並用し、botのアクセス状況 (例えば、20%以上はbotアクセス)を把握。 ○ 詳細はAppendix参照

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. AWS社とのコラボレーションによる 対策推進 Chapter 03 40

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラが採用したアプローチ(1/2) 41 AWS社と定例MTGを設けることで、検討の加速度を上げる ● ココナラではAWS社と月例会や個別テーマの定例を設けて おり、その1つが「セキュリティ」をテーマにしたもの であった。 ● その中で「Well−Architectedツール」のレビューも実施して もらった。 ○ 「SEC4.セキュリティイベントをどのように検出 し、調査していますか?」がWAFログ分析

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラが採用したアプローチ(2/2) 42 SIEM on Amazon OpenSearch Serviceの個別ハンズオン実施 ● 1day / 3時間のハンズオンを個別に実施。 ○ ココナラの参加者はCSIRTとインフラ・SRE ● 以下のワークショップコンテンツに従って、環境構築から模 擬運用まで実践することで、PoC工数・期間を省き、本格運 用を開始。 ○ https://catalog.us-east-1.prod.workshops.aws/works hops/60a6ee4e-e32d-42f5-bd9b-4a2f7c135a72/en- US/01-introduction

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 今後のテーマ Chapter 04 43

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 今後のテーマ(1/2) 44 一度、導入して終わりではなく、継続したリファクタリングを行う ● 攻撃は日々進化しているため、防御策も日々チューニング / リファクタリングを行う必要がある。 ○ ソリューションは「導入する」よりも「導入後の運用」 が重要 ○ 「リアクティブ」だけでなく、「プロアクティブ」な仕掛 けが重要

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 今後のテーマ(2/2) 45 経営層にセキュリティ対策の必要性・効果を理解してもらう ● セキュリティ強化を進めていくためには、経営層の理解が 不可欠。 ○ 「インシデント発生時の対応費」 > 「セキュリティ対 策費」という構図を理解してもらい、経営層と一緒に セキュリティ対策を進めていく ● 予算は限られるので、効率的・効果的に対策を進めること が重要。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. まとめ Chapter 05 46

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. まとめ 47 WAFログ等からプロアクティブなアクションを創出、周りを巻き込む ● WAFログの内容を正しく理解すればリアクティブ / プロアク ティブなセキュリティ対策を実現可能。 ● AWS社が保持している膨大なノウハウを積極的に活用し、 二人三脚であるべき姿へ着実に登っていくことが効率的か つ効果的。 ● 経営層にセキュリティの重要性を認識してもらう。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 最後に… 48

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラでは、一緒に事業のグロースを 推進していただける様々な領域のエンジ ニアを募集しています。 49

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ユーザーのストーリーを テクノロジーでサポートする エントリーお待ちしてます! coconala engineer 採用 https://coconala.co.jp/recruit/engineer

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Fin

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. Appendix Chapter 06 52

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceの導入時に参考にした資料 53 ● SIEM on Amazon OpenSearch Serviceのリポジトリ ○ https://github.com/aws-samples/siem-on-amazon-op ensearch-service/blob/main/README_ja.md ● AWS社のハンズオン資料 ○ https://speakerdeck.com/prog893/startup-dot-fm-eas ier-log-analysis-with-siem-on-amazon-elasticsearch- service

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラのユーザーとボットのアクセス割合( AWS WAF Bot Controlの活用) 54 AWS WAF Bot Controlでモニ タリングしたところ、23.5%のア クセスがボットによるもの。(無 償の範囲で確認可能) ボットが「正常なクローラー」 なのか「悪意のあるボット」 なのか、などを識別をしてく れる。

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ココナラで運用しているAWS WAFのルール(一例) 55 ● 検索エンジンのクローラーのUA許可。 ● 海外のIPアドレスに対するレートベース。 ○ 同一IPアドレスから、閾値を超過するアクセスを検知し たら一定時間遮断する ● 日本国内のIPアドレスに対するレートベース。 ○ 同上

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Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. SIEM on Amazon OpenSearch Serviceを用いたモニタリング 56 ● リクエスト数の増減の確認 ○ ココナラは20:00 - 24:00ごろがアクセス数がピークとな り、深夜はアクセス数が下がる ● 普段と異なる波形を示している場合、WAFログ / ELBログ を突き合わせて、深堀り・傾向分析を実施 ○ アクセスしているパスの妥当性 ○ 単位時間あたりにアクセスしている回数の妥当性 ○ その他攻撃のようなアクセスをしていないか?など