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Web3のバリデーター運営の開始、運用、課題、今後の取り組みについて Ver1.0 橋本

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● イントロ ○ BLRD、ブロックチェーン、各種ブロックチェーン、バリデーター ● 目的 ○ 発表、バリデータプロジェクトの目的 ● 参入を阻む壁 ○ 用語理解 ○ 技術:電子署名、アドレス、ハッシュ ○ トークンの流れが難しい。 ○ 報酬の種類と管理(ガス代と利息) ○ サーバー運用 ● 今後の取り組み ● まとめ 2 目次

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● BLRD PTE LTD.はグリーの子会社 ○ ブロックチェーンに関わる仕事 ■ バリデータの運用によるトークン運用 ■ ゲーム開発 ● 橋本の役割 ○ BLRDのインフラ管理 3 イントロ

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● イーサリアム系 ○ Oasys ■ ゲーム用、イーサリアムの派生 :L1 ○ Polygon ■ イーサリアムのL2(イーサリアムの信頼の上に成り立っている ) ○ Ronin ■ ゲーム用、イーサリアムの L2(イーサリアムの信頼の上に成り立っている ) ● Avalanche ○ 汎用、複数のチェーンを前提としているチェーン :L1 ● Sui ○ Move系(旧Facebook由来)のチェーン:L1 4 バリデータの運用をしているチェーン L1=Layer 1 : 他のチェーンのよらず PoSやPoWでブロックを生成するチェーン。 L2=Layer 2:ブロックチェーンの最終的なハッシュをイーサリアムに書くもの       イーサリアムの信頼性の上に成り立っているチェーン。 LayerZeroやCosmos IBCはチェーン間の通信プロトコル。

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● 発表の目的 ○ BLRD PTE LTD.ではAvalanche, Oasys, Ronin(Axie), Polygon, Suiの各チェーンのバリ データー運営を行っています。 ○ ブロックチェーンには興味があるけど、開始にあたってのリスクがわからないとか、サーバーの管 理が難しいのではないかと不安があるのではないでしょうか。 ○ バリデーターの運用上のリスクや課題を挙げつつ、どのように解決していくのか、また今後の取り 組みについて話します。 ○ 今回の発表がバリデーターの新規参入者の助けになれば嬉しいです。 ● プロジェクトの目的 ○ Web3の技術に親しむ。(最終的には Web3のゲーム開発のため。) ○ バリデーターを立ち上げ Web3コミュニティに貢献する。 ○ Web3コミュニティからの支援を受ける。 ○ バリデーターを安定稼働させる。 ○ 資産を安全に運用する。 ○ 売り上げを把握する。 5 目的

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● イントロ ○ BLRD、ブロックチェーン、各種ブロックチェーン、バリデーター ● 目的 ○ 発表、バリデータプロジェクトの目的 ● 参入を阻む壁 ○ 用語理解 ■ 技術:電子署名、アドレス、ハッシュ ○ トークンの流れが難しい。 ○ 報酬の種類と管理(ガス代と利息) ○ サーバー運用 ● 今後の取り組み ● まとめ 6 目次

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● 用語理解 ○ 技術:電子署名、アドレス ● トークンの流れが難しい。 ● 報酬の種類と管理(ガス代と利息) ● サーバー運用 ● 資産管理 7 参入を阻む壁

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● ブロックチェーン ○ ブロックと呼ばれる単位で トランザクション(取引) を管理し、鎖(チェーン)のように連結して保管す る金融取引履歴などで利用される技術のこと。 ● 電子署名 ○ 秘密鍵を持って、改竄不可能なサインをする。 ● ウォレット ○ 電子署名をしてブロックチェーンの取引を行わせるもの ○ トークンの残高確認、トークンの送金などができる。 ○ 口座に対応するものはアドレスと言われる。 ● 暗号通貨(代替可能なトークン :ガストークンやERC-20) ● NFT(代替不可能なトークン :ERC-721) ● バリデーター ○ トランザクション(取引)を承認するサーバー、トランザクションの正当性を検証する。 8 用語理解

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9 電子署名 シードフレーズ アドレスA トランザクション (送金の命令) アドレスA アドレスB 派生物 電子署名 ハッシュ値 派生物 秘密鍵:P アドレスAの所有者 トランザクションの検 証者 検証 取引が所有者によって発行され たものか電子署名の検証で確認 できる。 注意点: 鍵は絶対に他人に見せてはいけない。

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● 用語理解 ○ 技術:電子署名、アドレス ● トークンの流れが難しい。 ● 報酬の種類と管理(ガス代と利息) ● サーバー運用 ● 資産管理 10 参入を阻む壁

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11 バリデータ業務のトークン 法定通貨(円) イーサリアムのETH AvalancheのC-ChainのWETH AvalancheのC-ChainのAVAX AvalancheのP-ChainのAVAX Avalancheのバリデータに関わるトークンの例

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12 バリデータ業務のトークンの流れ CEX 中央取引所 Bridge BLRDの 金庫番 法定通貨 (円) ETH イーサリアム ETH WETH Avalanche c-chain DEX 分散取引所 WETH AVAX Avalanche p-chain AVAX (PoSのための 担保金) バリデーターサーバー バリデータ報酬 PoS 注意点: ほとんどの作業に手数料 (Gas代)が発生!

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● 用語理解 ○ 技術:電子署名、アドレス ● トークンの流れが難しい。 ● 報酬の種類と管理(ガス代と利息) ● サーバー運用 ● 資産管理 13 参入を阻む壁

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報酬の種類と管理(ガス代と利息) ● バリデーター報酬の種類 ○ 掛け金の利息 ■ 掛け金 = PoSを採用しているブロックチェーンでブロックを生成確率 ■ 掛け金の利息(APY)はおおよそ5%〜10% ○ ユーザーのトランザクションの手数料 ■ ユーザーがトランザクションを動かした手数料がバリデーターに入る。 ○ デリゲーターの利息に対する手数料 ■ デリゲーター:バリデーターのサーバーを運用せず掛け金だけ入れているユーザー ● 管理 ○ 定期的に報酬回収が必要。 ■ 報酬は複利ではないので、定期的に利息を掛け金に上乗せする作業が必要。

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● 用語理解 ● 技術:電子署名、アドレス ● トークンの流れが難しい。 ● 報酬の種類と管理(ガス代と利息) ● サーバー運用 ● 資産管理 15 参入を阻む壁

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● サーバー運用で重要なものは何か? ○ SLAを守ること。チェーンに求められるスペックでサーバーを運用し続けることが大事。 ○ セキュリティ:資産が盗難されたくない。 ○ 費用:報酬に見合ったサーバーを使いたい。(黒字にしたい) ○ 定常作業:定期的に機能の更新や障害によるアップデートが必要。 SLAにも関係。 ● SLA ○ バックアップ ○ 障害復旧 ○ アップデート ○ 監視 ● セキュリティ ○ 鍵の管理 ● 費用 ○ サーバースペックと報酬 ● コミュニケーション 16 サーバー運用の課題

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● チェーンによってバラバラ ○ Oasys:特にないが障害中は報酬がない。 ○ Polygon: 95% ○ Ronin: 99% ○ Avalanche: 80% ○ Sui:何かあれば4時間以内に対応 ● SLA守るのは意外と難しい ○ データが2TBの時、EBS(125MB/s)でデータのコピーで5時間くらいかかる。 ○ SLA 95%なら1日あたり1時間くらいサービスが止められる? 17 SLA

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● バックアップ ○ 素直にフルバックアップをすると SLAを満たせない。 ○ ブロックチェーンのデータベースは LevelDBでファイルを閉じないとバックアップできない。 ○ 差分バックアップが必要。 (例えば、AMIのスナップショットだと厳しい。) ○ アクティブスタンバイを用意するとサーバーの費用が増える。 ● アップデート ○ アップデートの連絡方法がチェーンによりバラバラ、手順の整理や自動化が重要。 ● 監視 ○ メトリックの監視:チェーンごとに バラバラ ■ バリデーターの処理しているブロックの ID ■ サーバーの死活のメトリック ○ IOの負荷 ■ IOPSが数千に及ぶため調整が必要。 ● 障害対応 ○ バックアップから復旧 ○ バージョンアップやチェーンの巻き戻し 18 SLA守るためにすること

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● セキュリティで重要なのは鍵の管理 ○ バリデーターのPoSの署名用の鍵 ○ バリデーターの管理アカウント用の鍵 ● バリデーターのPoSの署名用の鍵 ○ サーバーにテキストファイルで鍵の保存が必要。 ● バリデーターの管理アカウント用の鍵 ○ PoSの掛け金および報酬管理用の鍵 ○ ハードウェアウォレットの使用が推奨 ■ 秘密鍵はオフラインで生成される。 ■ デバイスの外に鍵を持ち出せない。 ● マルチシグなど便利なウォレットのソリューションが使いにくい。 19 セキュリティ

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● サーバー運用で重要なものは何か? ○ SLAを守ること。チェーンに求められるスペックでサーバーを運用し続けることが大事。 ○ セキュリティ:資産が盗難されたくない。 ○ 費用:報酬に見合ったサーバーを使いたい。(黒字にしたい) ○ 定常作業:定期的に機能の更新や障害によるアップデートが必要。 SLAにも関係。 ● SLA ○ バックアップ ○ 障害復旧 ○ アップデート ○ 監視 ● セキュリティ ○ 鍵の管理 ● 費用 ○ サーバースペックと報酬 ● コミュニケーション 20 サーバー運用の課題

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● CPU ○ 電子署名の検証が多い。(あまりマルチコアは生かされない傾向) ○ 4coreから48coreまで。 ● Memory ○ 8GBから128GBまで。 ● ストレージ ○ 1TBから8TBまで。 ○ LevelDBのデータに数TBのブロックとその状態を保存 ○ 帯域やIOPSだけでなく、レイテンシーが重要 ○ ローカルストレージが好まれる。 ● ネットワーク ○ データアウトが定常的に多め(20Mb/s) ● 特徴 ○ クラウドのサーバーよりオンプレ向きの構成(コンテナで運用するにはストレージが大きい。) ○ ステートフルな構成 ○ 1台から4台構成までチェーンによって様々 ● 費用 ○ 月額:$600から$8000 ○ APY収入に賄うなら 月額コスト * 12 / APY 必要。$8000なら$1.9Mでサーバーコストとトントン。 ○ 高いのでアクティブスタンバイを置くのが難しい。 21 サーバーの特徴

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● コミュニケーションのツール ○ Discord、Telegram ○ 運営から障害対応やアップデートの連絡がくる。 ● 基本的に英語 ○ 業務にアサインできる人が制限される問題がある。 ● 対応している人がエンジニアや営業の人だったりまちまち。 ● 障害の場合の対応 ○ Discordの確認 ○ ログを確認して、場合によってログを送って運営の対応待ちが多い。 ○ アプリの開発と違って、直接デバッグすることない。 22 コミュニケーション

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● 用語理解 ● 技術:電子署名、アドレス ● トークンの流れが難しい。 ● 報酬の種類と管理(ガス代と利息) ● サーバー運用 ● 資産管理 23 参入を阻む壁

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● 毎月のオペレーション ○ 経理の方と売り上げの計上を実施 ○ 利息の引き出しと掛け金として再ステーク ○ 利益の引き出し方法がチェーンごとにバラバラ。 ● ガス代を確保しながら操作 ○ 全額掛け金として使うと取引できなくなるので、多少残しながら作業が必要。 ● 特定のツールでないと取引がよくわからないものがある。 ○ アドレスが取引の変わるチェーン (AvalancheのPチェーン) ■ トレースが難しい。 ● チェーンを跨いだトークンの移動に時間がかかる。毎月のオペレーションのボトルネック。 ○ EthereumからPolygonへの移動:30分 ○ PolygonからEthereumへの移動:3時間 24 資産管理

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● 個々のチェーンの運用のマニュアル化と複数人による運用 ● 運用の自動化 ● マネージドサービスの活用 ○ AWSではMySQLからAuroraへ。 ○ こういうのがweb3でも欲しい。 ○ なかなかでてこないが、 avalancheは出したが。 ○ そもそも分散していないので、個別に運用するのは無駄? ■ web3はみんな同じデータなのにバックアップを個別にとる必要? ● 低コスト化 ○ サーバーのボトルネック解析とサーバースペックの最適化 ● マルチクラウド化 ● ゲームのためのチェーンの立ち上げ ● 技術としての面白みと理解 ○ leveldb、golang/gc、bls12、スマコン、rust 25 今後の取り組み

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● 目的 ● ブロックチェーンの説明 ● 運用の課題と解決を共有 ● 今後の取り組みの紹介 26 まとめ

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