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変わりゆくAPI連携仕様との付き合い方 JJUG CCC 2021 Fall 太田拓也

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自己紹介 ● 太田拓也 ● 株式会社ラクス ● HR Tech SaaSの開発 ● Spring / Vue.js / Docker / AWS ● 最近はプライベートでReact, Firebaseを触ってます 22

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目次 ● API連携してますか? ○ API連携のメリット/デメリット ● デメリットとどう付き合うか ○ 前提知識 ○ 具体例と対策 ■ 仕様変更 ■ テスト ■ モデルの違い ● まとめ 33

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API連携してますか? 44

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API連携のメリット/デメリット ● メリット:開発コストの削減 ○ 既に開発された機能を利用することで、自社開発しなくて済む ● デメリット:連携先システムへの依存 ○ 障害の影響を受ける ○ 仕様変更の影響を受ける ○ テストしづらい ○ 同じようなドメインでもモデルが異なる可能性がある 55

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API連携のメリット/デメリット ● メリット:開発コストの削減 ○ 既に開発された機能を利用することで、自社開発しなくて済む ● デメリット:連携先システムへの依存 ○ 障害の影響を受ける ○ 仕様変更の影響を受ける ○ テストしづらい ○ 同じようなドメインでもモデルが異なる可能性がある 66

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補足:ドメインとモデル 77

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用語 ● ドメイン駆動設計の用語と解説(抜粋版) ○ https://qiita.com/nunulk/items/84438605eb4d75dbef00 ● ドメイン駆動設計における「良いモデル」と「悪いモデル」とは ○ https://logmi.jp/tech/articles/322831 ● wikipedia「ドメイン駆動設計」 ○ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E9%A7%86%E 5%8B%95%E8%A8%AD%E8%A8%88 用語 意味 ドメイン システムが解決しようとしている問題領域 モデル 問題解決のために、特定の物事の側面を抽象化したもの ドメイン駆動設計(DDD) ソフトウェアの設計手法であり、「複雑なドメインの設計は、モデルベースで行 うべき」であり、また「大半のソフトウェアプロジェクトでは、システムを実装する ための特定の技術ではなく、ドメインそのものとドメインのロジックに焦点を置 くべき」であるとする。この名称は、 Eric Evans が同名の著作で用いた 88

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同じようなドメインを対象としたモデルでも... ● 映画館のチケット料金ドメインモデリングの例 ○ https://togetter.com/li/1378684 ● モデリングによって、概念の構成単位や用語が異なる ● システムが異なれば、当然モデルも異なる 99

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(再掲)API連携のメリット/デメリット ● メリット:開発コストの削減 ○ 既に開発された機能を利用することで、自社開発しなくて済む ● デメリット:連携先システムへの依存 ○ 障害の影響を受ける ○ 仕様変更の影響を受ける ○ テストしづらい ○ 同じようなドメインでもモデルが異なる可能性がある 10 10

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(再掲)API連携のメリット/デメリット ● メリット:開発コストの削減 ○ 既に開発された機能を利用することで、自社開発しなくて済む ● デメリット:連携先システムへの依存 ○ 障害の影響を受ける ○ 仕様変更の影響を受ける ○ テストしづらい ○ 同じようなドメインでもモデルが異なる可能性がある 11 11

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デメリットとどう付き合うか 12 12

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前提知識 13 13

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サービスについて ● 人事労務管理のサービス ○ 従業員情報を収集し、届出書を作成できる ○ 主に電子申請部分でAPI連携を利用 ○ 初期リリース時には、電子申請機能は存在しなかった ● AWS ECS, RDS, S3を使ったシンプルな構成 ○ 今回のテーマには直接関係しないので、図などは省略 14 14

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チェックリスト 
 行政への提出 
 従業員情報の更新 
 チェックリスト 
 届出書の作成 
 チェックリスト 
 紙
 電子申請
 社内手続き 
 社内申請
 参照 入社手続き 
 退職手続き 
 ...
 参照 届出書
 提出方法
 モデル ● 社内手続きで作られたデータ が届出書の作成に使われる ● 紙と電子申請のデータは同じ データを元に作成される データの流れ 15 15

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具体例 16 16

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ケース1:仕様変更 17 17

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仕様変更 ● 届出書の性質上、法改正によって不定期に仕様が変わりうる ○ 項目が増えたり、減ったり、入力ルールが変わったり... ● APIの仕様も連動して変わることが多い ○ ほとんどの場合、猶予期間が設けられるが、いずれにしても期限が存 在する ● 物理的な届出書様式と、APIにおける電子申請の様式は1:1で対応してい るわけではない 18 18

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● 値オブジェクトで再利用性を高める 対策 19 19

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● 値オブジェクトとは ○ たとえば「色」や「量」のように、その属性だけが重要で、アイデンティ ティを考えることに意味のないオブジェクトもある。そうしたオブジェクト は、値オブジェクトに分類する。値オブジェクトとは、事物の性質を表 現するものである。値オブジェクトは状態を変更できないもの (immutable)として扱う 値オブジェクトで再利用性を高める ● DDD難民に捧げる Domain-Driven Designのエッセンス 第2回 DDDの基礎と実践 ○ https://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/technical/DDDEssence/chap2.html 20 20

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実装イメージ 21 21

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● 再利用性が高まり、仕様変更に強くなる ● ドメインの知識がコードに表現される ○ 先ほどの例では「郵便番号はハイフンつなぎで出力」という出力仕様が該当 値オブジェクトを使うと 22 22

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ケース2:テスト 23 23

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テスト ● 連携先がメンテ中だとCIがFailする ● バッチ処理を受け付けるAPIがあり、真面目にテストしようとすると、連携先の処理 結果まで確認する必要がある ○ 結果がわかるまで15分前後かかる ○ リードタイム大 ○ 事前のデータ準備を間違えたりすると、大きな手戻りに 24 24

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対策 ● APIとの通信を責務とするクラスをインターフェースとして作成し、設定に よって実装をモックと切り替えられるようにする ○ Springのapplication.ymlの仕組みで実装 ● システム間連携レベルの自動テストについては、モックを使わずに低頻度 で実行するようにし、極力リードタイムを抑えた形での継続的な品質担保を 行う 25 25

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実装イメージ 26 26

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実装イメージ 27 27

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モックを使うと ● CIがメンテの状況に左右されない ● テストケースに合わせて、APIの動作をこちらで規定できる ○ テストしやすい 28 28

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異なる性質のテストを組み合わせることで ● コストを極力抑えつつ、最低限の品質を担保できる ○ 副次的には連携先の意図せぬデグレを検知できたり 29 29

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ケース3:モデルの違い 30 30

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モデルの違い どちらの用語か 用語 意味 自サービス 社内手続き 社内申請で回収した情報から届出書を作成すること 自サービス 社内申請 従業員が人事労務に情報を提出すること 自サービス 届出書 行政へ提出するための書類 自サービス 電子申請の提出 届出書を行政に電子申請すること 連携先システム 申請書 各行政手続において、申請・届出事項を記入する様式のこと 特に〇〇(連携先システム名)においては、申請・届出事項を格納する XML様式のことを申請書と呼ぶ 連携先システム 手続 各行政手続に対応した電子申請の構成単位 連携先システム 一括申請 1件以上の手続を電子申請すること ※連携先システムについては、仕様書などから類推したものを含む 31 31

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チェックリスト 
 行政への提出 
 従業員情報の更新 
 チェックリスト 
 届出書の作成 
 チェックリスト 
 紙
 電子申請
 社内手続き 
 社内申請
 参照 入社手続き 
 退職手続き 
 ...
 参照 届出書
 提出方法
 (再掲)モデル データの流れ 32 32

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対策 ● 腐敗防止層を設ける ● 腐敗防止層とは ○ DDDの文脈で語られる、戦略的設計プラクティス「コンテキストマップ」の パターンの一つ ○ 既存システムと新たなシステムとの変換層を設けて、両者のドメインモデ ルを独立させる 33 33

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自サービス 連携先システム 実装イメージ 34 34 腐敗防止層 Id UserId

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腐敗防止層を使うと ● ややこしい用語を一定のモジュールに閉じ込めることができる ○ 混乱を防ぐ ● 用語の対応関係が整理できる 35 35

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まとめ 36 36

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まとめ ● API連携にはメリットもデメリットもある ● デメリットとうまく付き合うには、以下のような解決策がある ○ 値オブジェクト ○ インターフェース + テストの組み合わせ ○ 腐敗防止層 ● うまく活用してメリットを享受しよう! 37 37