JSTQB FL 幻のテスト技法「ユースケーステスト」を学ぶ / Use_case_testing

by nihonbuson

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JSTQB FL 最後の幻のテスト技法「ユースケーステスト」を学ぶブロッコリー

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自己紹介 ● 風間裕也（ブロッコリー） ● 所属 ○ 株式会社10X ○ 株式会社iCARE フェロー（QAE技術顧問） ○ B-Testing（個人事業主） ● 社外活動 ○ JaSST Review実行委員長 ○ WACATE実行委員長 ● 執筆活動 ○ 『Agile Testing Condensed』（翻訳） ○ 『Testing in DevOps』（翻訳） ○ 『The BDD Books Discovery』（翻訳） ● 猫派 SNS上のアイコン

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本セッションのゴール設計技法の一つである「ユースケース」と、それを用いたテスト技法「ユースケーステスト」について理解を深める ● ユースケース図が何かが分かる ● ユースケース記述が何かが分かる ● ユースケーステストが何かが分かる ● ユースケーステストの使い所が分かる

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ユースケーステストの全体像

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ユースケースとは ● ユースケースは，システム，サブシステム，又はクラスが提供する一貫した機能単位を表現する分類子の一種とする。 JIS X 4170：2009より ● ユースケーステストは、通常、システムテストレベルおよび受け入れテストレベルで適用する。 ISTQBテスト技術者資格制度 Advanced Level シラバス日本語版テストアナリスト Version 3.1.1.J03より ● 「どのように実現するか（設計・実装）」ではなく「何を作るか（要求・仕様）」に焦点を当てて表現できる。第97回：　ユースケーステスト（前編） - Kouichi Akiyama - noteより

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なぜ「JSTQB FL 幻のテスト技法」なのか ● 2018年版までのJSTQB FLではブラックボックステスト技法の1つに含まれていた ● WACATEでは1回も取り上げてこなかった ○ セッションの一部として取り上げたことはあった ● 2023年版のJSTQB FLからは削除されてしまった ○ JSTQB AL TAには記載あり

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ユースケーステストの全体像と目的ユースケース図ユースケース記述ユースケーステストざっくりとした認識合わせ詳細な工程を表現工程全体を行うテストを考える

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ユースケース図ユースケース図ユースケース記述ユースケーステスト

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ユースケース図とは ● ユースケース図は，アクタ及びユースケースをその関係とともに示す図とする。 JIS X 4170：2009より ● 開発者とユーザーが対話しながらシステム境界や必要なユースケースを表現し、「ああ、こういうのを作ればよい」と開発者が理解し、「こういうのが欲しいんだ」とユーザーが欲しいもののイメージを固めるもの。第97回：　ユースケーステスト（前編） - Kouichi Akiyama - noteより

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ユースケース図の目的 ● ざっくりと認識を合わせることが目的 ○ 詳細を網羅することは目的としない

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例題：DVDレンタルのシステム

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ユースケース図の例

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ユースケース図の例アクターサブジェクトユースケース

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ユースケース図の例アクターサブジェクトユースケースポイント：システムを直接操作する人を記載

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ユースケース図を書くメリット

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ユースケース図を書くメリット

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ユースケース図を書くメリット個々人が想像していたシステムのユースケースを具現化して比較できる

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ユースケース図のワーク ※当日イベント参加者のみ公開

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ユースケース記述ユースケース図ユースケース記述ユースケーステスト

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ユースケース記述とは ● ユースケースは、相互作用とアクティビティ、さらには事前条件、事後条件で記述できる。必要に応じて自然言語でも記述できる。 ISTQBテスト技術者資格制度Foundation Level シラバス日本語版 Version 2018V3.1.J03より ● ユースケース図に描かれているユースケース（楕円形）について一つずつユースケース記述を書く第97回：　ユースケーステスト（前編） - Kouichi Akiyama - noteより

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ユースケース記述の例先ほど書いたユースケース図の中の一つ「DVDを貸し出す」についてのユースケース記述の例を次ページに示す。ユースケース図の一部抜粋参考：第97回：　ユースケーステスト（前編） - Kouichi Akiyama - note

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ユースケース説明サンプルユースケース名機能名やサービス名 DVDを貸し出すアクター使用ユーザー一覧店員事前条件前提条件お客が会員証を持っていること基本フロー正常系の動作内部処理は書かない目的達成フローのみを記載する 1. 店員：会員証情報を入力する 2. システム：会員証の有効性と、　お客への貸出状況を確認する 3. 店員：DVDコードを入力する 4. システム：料金を示す 5. 店員：入金する 6. システム：レシートを発行する代替フロー・例外フロー基本フローから外れる処理を記載 2A. 会員証の有効期限切れ 3A. 貸出中の商品がある終了条件期待する結果お客にDVDを貸し出していること

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ユースケース記述を書くメリット ● ユースケース図では表現していない情報を表現できる ○ ユースケース図はシンプルさを目指しているため表現していないものがある ○ ユースケース図の「DVDを貸し出す」というユースケースでは表現し切れていない、会員証の有効期限確認という工程を表現している ● 要件リストや仕様書の曖昧性や不備に気が付くことができる ○ 代替フローや例外フローが如何に出てくるかによって決まる

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ユースケース記述を書くコツ ● 現実的なユーザトランザクション（分けることのできない一連の情報処理）の粒度で書く ○ Bad例） ■ 会員証番号入力ボタンを押す ■ 会員証の番号を入力する ■ 決定ボタンを押す ○ Good例） ■ 会員証情報を入力する ● アクターとシステムが基本的には交互に登場する

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ユースケース記述のワーク ※当日イベント参加者のみ公開

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ユースケーステストユースケース図ユースケース記述ユースケーステスト

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ユースケーステストは、ユースケースで具体的にした、コンポーネントまたはシステムの意図される使われ方をエミュレートするトランザクションベースおよびシナリオベースのテストを可能にする。 ISTQBテスト技術者資格制度 Advanced Level シラバス日本語版テストアナリスト Version 3.1.1.J03よりユースケーステストとは

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余談：シナリオテストとは ● ISTQB用語集の「ユースケーステスト」の項目では以下のように説明がされている ○ ブラックボックステスト技法の一つ。ユースケースの動作を実行するようにテストケースを設計する。 ○ 同義語：ユーザシナリオテスト, シナリオテスト ● シナリオテストをテスト設計技法のように捉えている人がいるが、個人的には記載形式の1つという認識

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余談：記載形式 ● 会員証情報の入力 ○ 会員証の有効性確認 ● DVDコードの入力 ○ DVD情報の提示 ● 料金提示 ● 入金 ● レシート発行 1. 会員証情報を入力する。 2. DVDコードを入力する。 3. 提示された料金をお客に伝える。 4. 入金する。 5. レシートを受け取る。マインドマップ形式箇条書き形式シナリオ形式

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ユースケーステストの作り方ユースケース記述を元に、基本フローの1個のテストケースと、代替・例外フローごとに1個のテストケースを含むように作成する。 ASTERセミナー標準テキスト[Ver3.1.1]よりユースケーステストは、 ● 基本フローを最後まで実施し、ユースケースの目的を達成する ● 基本フローの各ステップで代替フローや例外フローに寄り道する ○ 寄り道なので、基本フローに戻ってくる第98回：　ユースケーステスト（後編） - Kouichi Akiyama - noteより

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ユースケーステストの作成手順今回は、以下の順番でテストを作成する 1. ユースケース記述を元に、実装すべきフローを考える 2. 考えたそれぞれのフローを元にシナリオテストを作成する

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実装するフローを考える ● 一般的なパターン（正常系） ○ 1→2→3→ 4→5→6 ● 色々な寄り道パターン（準正常系） ○ 1→2→3→ 3A→4→5→6 ユースケースサンプルユースケース名 DVDを貸し出すアクター店員事前条件お客が会員証を持っていること基本フロー 1. 店員：会員証情報を入力する 2. システム：会員証の有効性と、　お客への貸出状況を確認する 3. 店員：DVDコードを入力する 4. システム：料金を示す 5. 店員：入金する 6. システム：レシートを発行する代替フロー例外フロー 2A. 会員証の有効期限切れ 3A. 貸出中の商品がある終了条件お客にDVDを貸し出していること

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流れ操作期待結果事前条件をセットお客は会員証を持っているー 1 正しい操作店員：会員証のバーコード　　　を入力する画面に会員情報が表示される 2 正しい操作店員：DVDのバーコードを　　　入力する画面にDVDタイトルと料金が表示 3 エラー発生貸出延滞中のDVDあり延滞中あり画面に遷移する 4 リカバリ操作店員：延滞中のDVDと　　　延長料金を受け取る延滞解除され支払画面に遷移する 5 正しい操作店員：今回のレンタル料金を　　　お客に提示し入金する金額受領済み画面に遷移する 6 成し遂げたい目的達成レシートとともに、レンタルDVDを貸し出す目的達成

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ユースケーステストを作成するメリット ● 「エラーにつながる失敗操作によって上手くリカバリーできたようで実は完全にはリカバリーできていなかった」という不具合を発見できる ○ 正しい操作であれ、エラーにつながる失敗操作であれ、単体テストが実施済みであることが前提 ○ ユースケーステストは一つの画面の中の単純な不具合を見つけることが目的ではない

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流れ操作期待結果事前条件をセットお客は会員証を持っているー 1 正しい操作店員：会員証のバーコード　　　を入力する画面に会員情報が表示される 2 正しい操作店員：DVDのバーコードを　　　入力する画面にDVDタイトルと料金が表示 3 エラー発生貸出延滞中のDVDあり延滞中あり画面に遷移する 4 リカバリ操作店員：延滞中のDVDと　　　延長料金を受け取る延滞解除され開始画面に遷移する 5 例外終了延長料金を受け取った段階で、一旦終了して、初めからやり直させるシナリオにするかもしれない

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ユースケーステストのワーク ※当日イベント参加者のみ公開

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おわりに

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まとめユースケース図ユースケース記述ユースケーステスト ● ユースケース図で、ざっくりと認識を合わせる ● ユースケース図では表現できていない詳細な工程は、ユースケース記述で表現する ● ユースケース記述を元にユースケーステストを書くことで、期待値が明確になり、うまくリカバリーできたようで実は完全にリカバリーできてない不具合を見つけ出す

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注意：実際の業務で活用する際のポイント ● ユースケースはUMLの1つであり、ユースケースのみで完結できるわけではありません。 ● 実際の業務では、ユースケースを書く前後に、以下の2つの作成を検討してください。 ○ ユビキタス言語をまとめた辞書（ドメイン辞書） ○ 概念を抽象化したもの（ドメインモデル） ● 詳しくは書籍『ユースケース駆動開発実践ガイド』を読んでください。

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参考文献 ● ユースケース駆動開発実践ガイド . 翔泳社 , 2007 . ● ISTQBテスト技術者資格制度 Advanced Level シラバス日本語版テストアナリスト Version 3.1.1.J03 ● 第97回：　ユースケーステスト（前編） - Kouichi Akiyama - note ● 第98回：　ユースケーステスト（後編） - Kouichi Akiyama - note ● ASTERセミナー標準テキスト[Ver3.1.1] ● シナリオテストについて考えてみる