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これが心理的安全性だったのか 〜IRIAMのあったかい組織文化〜 2023年 03月 02日 (木) 登壇者:今江 健悟 IRIAM事業部 エンジニアリング部 エンジニアリング第一グループ 株式会社 IRIAM

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自己紹介 今江 健悟 (Kengo Imae) IRIAM IRIAM事業部 エンジニアリング部 エンジニアリング第一グループ ● 2017年4月 株式会社ディー・エヌ・エー 入社 (17新卒) ● 2017年6月 運用中ゲームタイトルにjoin ○ 運営~新機能開発、新機能チーム リードエンジニア を経験 ● 2019年10月 新規開発中ゲームタイトルにjoin ○ Go言語、Google Cloud Platform(GCP)、Kubernetes、etc. ○ E.G.G. Japan(Expert of GCP for Gaming Japan)プログラム 修了 ● 2022年3月 ゲーム事業部 → IRIAM事業部に異動 経歴 登壇 2 Go+GCP+Kubernetesを活用したクラウドネイティブなゲームサーバ開発/運用事例, 2022/03/17, DeNA TechCon 2022 https://speakerdeck.com/dena_tech/yun-yong-shi-li-dena-techcon-2022

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3 心理的安全性が高い組織ってこんな感じだったのか! チームメンバー間の仲がよく、成功はお互いに賞賛しあって、 失敗/課題は積極的に議論して改善し、あと常に雑談してるーー。 ● 近年、心理的安全性が注目を集めていますが、それが満たされた環境を体験され た方はどれくらい居るでしょうか? ● IRIAMチームでの日々を通して、そんな心理的安全性について体感が伴う経験が 出来たので、見えてきたものに関して紹介します! 本発表で伝えたいこと

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アジェンダ IRIAMは2022年を通して組織規模が急拡大しましたが、チーム文化が崩壊せず、 良好な組織文化が維持されています。そんな心理的安全性の高い組織を作るために 行われている「思想/組織文化/取り組み」に関して、網羅的にお伝えできればと思います。 発表内容 4 ● IRIAMとは? ● IRIAM組織の特徴 ● IRIAMエンジニアの特徴 ● 具体的な取り組み ● アプリの文化がチームにも現れている話 心理的安全性の高さを体験できるーー、そんなIRIAMの秘密を紹介します!

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5 第1章:IRIAMとは?

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6 IRIAMについて IRIAM(イリアム)は、スマホひとつで いつでも・どこでも「キャラクターのライブ配信」 を楽しめるアプリです。

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さまざまなライブコミュニケーションが楽しめる!

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「キャラ」というフィルターが人の可能性を引き出す

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「キャラ」というフィルターが人の可能性を引き出す 「IRIAM」という環境がメンバーの可能性を引き出す ちょっと、大袈裟な言い方ですが、良い組織だとこれを起きてる気がします

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10 第2章:IRIAM組織の特徴

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IRIAM組織の特徴に関して 一言で言うと「めちゃめちゃ文化を大事に」しています ● IRIAMの思想やそれを説明するwikiが充実している ● 大量の情報をシャワーのように浴びて血肉にするためのサポートは後述 11

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IRIAMのミッション・バリュー(MVV)について 12 文化を大切にしているというのを繰り返していましたが、本当にIRIAMが大切にしているのは 「“チーム内の密なコミュニケーションがもたらす何か“」 のような気がしています。 要は「つながり」でそれがIRIAMのミッションにも現れてる。 現実のフィルター(人種・容姿など)を取り払い、技術と文化が織りなす魔法のフィルターをかけることで心でつながるコミュニティをいつまでも育みます

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IRIAMのミッション・バリュー(MVV)について IRIAMが大切にしている「価値観」= IRIAMらしさと言うべきもの

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IRIAMのミッション・バリュー(MVV)について ● IRIAMでは「コミュニティの熱量が全ての出発点」である ● 常にコミュニティに向かい続け、コミュニティの熱量を正しく育て上げる ● 個がチームの期待を超え続けることでコミュニティの熱量を上げる ● 「他者の期待を超える」ことでチームを奮い立たせることを大切にしている 自分の頑張りがコミュニティに影響し、熱量が増して、自分やそれ以外のメンバーが更に刺激されて活躍できるようになる ● コミュニティは変化を嫌がり現状維持を求めるが、本質に向き合って未来を描く ● 未来の設計図: IRIAMが MIRAIのアナグラム&ブランドカラーが青 というのも実はあったり コミュニティファースト - コミュニティを出発点にする - プルス・ウルトラ - チームの期待を超え続ける - ブループリント - コミュニティの青写真から考える - 14

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15 コミュニティや他者を重要視する ミッション 「つながり」に大きな価値を置いている バリュー これらのミッション・バリューがメンバーにあたえている影響とは?

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16 第3章:IRIAMエンジニアの特徴

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IRIAMエンジニアの特徴 1. ユーザーに 向き合う 2. 誰かの 背中を押す 3. 他者への 関心が高い 17 MVVを踏まえて、IRIAMエンジニアの特徴を紹介します!!

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1.ユーザーに向き合う 18 ユーザーとの距離が近い、社内で意思決定が完結する(ユーザーより 提携先に向かうみたいなことを避けられる)、みんなIRIAMが大好き 議論の終着点はコミュニティに立ち返る ● 何か意思決定をするときにコミュニティを見ない意思決定をしない、その変更がユーザーに対して どういう影響があるか常にみんなが意識している ● この改修を入れると我々はめちゃ嬉しいけど、ユーザーの体感が変わるのでは?みたいな議論が自然に行われる、運 営都合だけの開発を極力しない。 ■ 環境がユーザーに向き合う状態を作る IRIAMの文化で推奨されてる考え、ステークホルダーからのノイズがない、 いつも見てるユーザーさんの顔が脳内によぎるとか・・・、etc.

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2. 誰かの背中を押す 誰かの活躍が次の活躍の後押しをする ● みんなが誰かの良い活躍(win)に対して称賛する文化がある ● メンバーがお互いに助け合うことで背中を押し合える環境になっている。 (後ろの人が背中押してるが、その人の後ろにも人がいて循環してるみたいな) ● 「他者の期待を超える」ことでチームを奮い立たせる 自分の頑張りがコミュニティに影響し、熱量がまして、自分やそれ以外のメンバーが更に刺激されて活躍できるようになる プルス・ウルトラ - チームの期待を超え続ける - “他者の期待” を超えるという部分が重要。 漫画の主人公が、他のメンバーを奮い立たせている「あれ」が起きてる。

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3. 他者への関心が高い 20 全員が他者視点を大切にしている ● 困っている人を助ける、雑談を大事にする(他人への興味)、他者に対する心遣い/関心が高い組織になっている ● そのおかげで 全員が思ってることを発言しやすく、それに対して反応(チャット・スタンプ)が得られる実感がある ● 例えば、議論の場でもマサカリ(厳しい直言)をそのまま投げずに、相手が受け入れやすい伝え方を意識している (他者視点が欠けてるとマサカリが飛ぶ、痛い、血が出る) コミュニケーションの魔法がかかってる 困っている人を助ける・他者を招きいれる 雑談を大事にする・他者に対する心遣いを欠かさない みんなが思っていることを発言しやすい・timesが活発 (PR のコメントの心遣い、コードにコメント書いて理解度上げる)

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お互いに「リスペクト」しあってるのが根幹にある 21 これらの特徴をまとめると...

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IRIAMの組織文化 「つながり」を大切にする組織を支える、心理的安全性の秘密とは? 心理的安全性 「つながり」がもたらすなにか 「リスペクト」が前提にある組織 ● 活躍した人がいたら皆で賞賛する ● 困ってる人がいたらみんなで支える ● 人に興味を持つ ● 業務に関係ない雑談も大事にする だから・・・ 心理的安全性の土台は お互いに「リスペクト」しあって るのが根幹にある

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23 第4章:具体的な取り組み

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具体的な取り組み 24 コミュニティの力を活かしたオンボーディング MVVを身近なものにする(MVVスタンプ&OKR→BPA) お互いに賞賛する文化(Win-Session) 心理的安全性の向上やIRIAMの文化維持に役立ってる取り組みについて その他の取り組みについて

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コミュニティの力を活かしたオンボーディング 25 コミュニティでMVVの理解もアプリの理解も乗り越えて行く ● MVVを自分の言葉で語れるようになる、また文化を理解してそれを体現するためのサポート ● 補助線を作る、一人で進めるより経験値が増える、迎え入れるより一緒に乗り越える Weekly IRIAM IRIAM分から ない... 思想的にも アプリ的にも ・配信を見た感想を、join者同士で共有し合う場 ・同時期の新規ジョイン者で集まり、その週に見た配信に  ついてワイワイ話す ・自分が見た配信だけではなく、他の人がみている配信も  追体験することで、コミュニティの多様性を知る オンボーディングヒーローインタビュー(OHI) ・MVVの体現者になる道筋を提供する場(経営陣がサポート) ・トピック: MVVの感想、MVVに近いご自身の体験、  MVVを読んでわからなかったこと、今後取りたいアクション ・OHIは join初月とjoin3ヶ月後(オンボーディング終了時)に実施 例えば... あ。それって こういうことだよ 他人の経験を取り 込む なんだ、そういう ことだったのか 自分なりの解釈が 生まれる 問われると深ぼる 補助線を作る 一人で悩む...

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お互いに賞賛する文化(Win-Session) 26 Win-Session とは? (IRIAMのスタンプ文化&賞賛し合う文化の具体例) ● :win-engineer: スタンプを押す→集計用チャンネルに書き込みが載る→win-session で取り上げる ● 他人のwinを聞いていると「あー。この人は〇〇をやってるエンジニアさんなんだなー」みたい なことを理解できる副次的な効果もある IRIAMチームがめっちゃスタンプを押す文化なので、組織に合ってる仕組み 26 スタンプで集計 当日みんなで 眺める 日々のslackのやり取りで いいなと思ったものに win を付ける bot が集計してくれる 集計チャンネルを 確認しながら わいわいする

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MVVを身近なものにする(MVVスタンプ&OKR→BPA) MVVを普段から意識しやすくするための取り組み例 ● OKR→BPAに変更 ● MVVスタンプ MVVに相当する行動 にリアクションする OKR:Objective & KeyResult ( 目 標 と 主 要 な 成 果 ) BPA:Blueprint & Achievement ( 青 写 真 と 達 成 状 態 ) ● MVVをワードとして覚えることはできても、 ● そのワードの背景や真意はだんだんと頭から抜け落 ちていってしまう…(普段から意識するのが大事) ● OKRの定義がIRIAMにあった形に変わってきて乖離 が生まれてきた ● MVVで使われる用語を普段の仕事に取り入れる ← これ

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その他の取り組みについて ● 賑わっているtimesコミュニティ チームにjoinしたらtimesチャンネルを作る人が多い、雑談で相互理解が進みやすい ● 他部署のリーダーとの引き合わせ会 顔とSlackアイコンが一致する瞬間、一回でも会ってると話をする敷居が下がる、リモート環境で大事なこと ● Hackday: 隔週で何に時間を使っても良い日がある 新しい技術を学ぶ、改善をする、出社してわいわいするのも良し ● MVV表彰や全体Win-Sessionなど MVVを体現した人を表彰する(お手本を示す)やチーム毎の活躍を共有する(月1)

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29 第5章:アプリの文化がチームにも現れている話

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アプリの文化がチームにも現れている話 IRIAMの組織文化の特徴やさまざまな取り組みを話してきましたが、実はこれらの特徴はアプリ内の 文化が密接に関係していたりします ● 初見さん挨拶 ● あったかい文化 ● 推し活・応援 IRIAMには新しく来た人を 招き入れる文化がある ユーザーさんの言葉を借りると IRIAMは「あったかい」アプリ 他者を応援したり、自然と盛り上げる 土台がある

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アプリの文化がチームにも現れている話 IRIAMのアプリの文化がチームにも現れている ● みんなIRIAMのことが大好き、アプリが大好きな人が集まってる ● 初見さん挨拶、他者への興味が高い、ワイワイするの好き、歴史をちゃんと伝える とか 初見さん挨拶 チーム内で初見さんを 歓迎する雰囲気が醸成 されやすい気がする。 初見さんを大事にする アプリ内 チーム内 自枠へ初めて来た人 への挨拶文化 IRIAM初心者だと チュートリアルの説明 とかする 他者への興味が高い ワイワイするの好き 歴史をちゃんと伝える IRIAMのユーザーは いろんなライバーの ところに行ったり 枠周りする文化がある ライバーとリスナー の距離が近いので みんなで雑談、相談、 企画考えたりする 身内ネタや特定のノリ になったときに 「説明しよう!」みた いな光景がよくある みんなが、 他の人のことを 常に気をかけてる timesとか活発 Slackの雑談が活発 気軽に質問したり、 設計相談してる 雑談/議論しやすい 設計思想やIRIAMの 歴史のドキュメント化 コードに経緯を残す とか 歴史を伝承する

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32 まとめ

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まとめ 33 「お互いへのリスペクトが心理的安全性の土台になる」 ● 文化は浸透していなければ効果が現れない、そのコミュニティを観察して打ち手を考える ● MVVスタンプ=IRIAMチームがめっちゃスタンプを押す文化なので、組織に合ってる仕組み ● アプリの文化がチームにも現れている、またチームの文化によってアプリが作られていく ● コミュニティが大切にしている思いが、チームやアプリに染み出して好循環を産む ● コミュニティや他者を重要視する文化が、お互いにリスペクトし合う環境にしている ● IRIAMの良さはMVVに凝縮されていて、それを軸に組織が回っている 「文化を浸透させるためには、コミュニティを観察することが大切」 「アプリ⇄チームの相互作用が生まれている」 チームメンバー間の仲がよく、成功はお互いに賞賛しあって、 失敗/課題は積極的に議論して改善し、あと常に雑談してるーー。