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QGISで扱うラスタレイヤ ギルド:黎明の調べ ギルドマスター:sakuya_izayoi

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0.はじめに ・本日はQGISで扱うラスタ画像について少しお話させていただ きます。特に断りがない場合の背景図は、国土地理院の標準タ イルやシームレス写真です。 ・本日はWindowsパソコンを対象としているため、他のOSの方 は適宜読み替えてご対応いただきますようにお願いします。 ・ラスタ画像はできるだけ2バイト文字を使わないようにしてお くとエラーが少なくなると思います。 ・以上、よろしくお願いします。

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1.ラスタの入手方法 ラスタ画像の入手先は主に以下のものがあります。 ・数値標高モデル(国土地理院、ツールにより変換後の状態) ・人工衛星データ(LANDSATシリーズ、Sentinelシリーズ) ・自分で撮影した空中写真(ドローン等) ・航空機による空撮画像(各種航測会社さんによるもの)

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1.ラスタの入手方法 ラスタ画像の入手先は主に以下のものがあります。 ・数値標高モデル(国土地理院、ツールにより変換後の状態) ・人工衛星データ(LANDSATシリーズ、Sentinelシリーズ) 今回は、主に上記二つについて少し紹介します。

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2.数値標高モデルのダウンロード方法 ①.国土地理院のサイト https://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php にアクセスを行い、下図の赤枠内のボタンをクリックする。

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②.ダウンロードするデータの種類を選ぶ 右図の赤枠内は5mメッシュごとの標高値が得られるようになっている。5Aから 5Cの違いは計測精度であるが、5Aはその特性上、水域のデータの取得ができない ため、水域が対象内にあるとnull値となってしまうため注意が必要。 右図の青枠内は10mメッシュごとの標高値が得られるようになっている。(通常 の地図で見る等高線は10Bのデータだと思われる。) 今回は「5A」のデータをダウンロードする事にした。 入手データの詳細は https://fgd.gsi.go.jp/otherdata/spec/DEMgaiyo.pdf を参照の事。

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③.データを入手する場所を選択する その1 下図の画面からダウンロードしたい場所のメッシュ番号をクリックし、データをダウ ンロードする。赤枠内をクリックすると背景図の種類を変更する事ができる。今回は 愛知県のデータをダウンロードしようと思うため青枠内の5236番の付近にズームする。

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④.データを入手する場所を選択する その2 ズームした後に、名古屋市のメッシュをクリックする。クリックすると、左の方の選 択リストにメッシュが追加されていく。欲しいメッシュを選んだら、赤枠内「ダウン ロードファイル確認へ」をクリックする。

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⑤.データをダウンロードする その1 赤枠内の「このページをまとめてダウンロード」をクリックする。 そうするとログイン名を聞かれる画面になる。作ってない場合は登録を行って下さい。 なお、料金は不要なので、クレジットカード番号を聞かれたら偽サイトのため即刻や める事。

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⑥.データをダウンロードする その2 ダウンロードする際にはアンケートが表示されるため、ちゃんと答えてあげて下さい。 ある程度要望があれば改善などを行ってくれます。そのため、希望はジャンジャン伝 えておきましょう。 そして、ファイルですが、zipファイルとしてダウンロードされます。保存後にちゃ んとファイル名を付けておきましょう。今回ですと、5Aデータの名古屋なので、 「Nagoya_5A.zip」などでしょうか。 データをダウンロードしたらzipファイルを展開(解凍)しておいてください。 そうすると、展開(解凍)したフォルダ内にもzipファイルが入っています。その後、全 部解凍した後に、中身を一つのフォルダにまとめる作業が必要なのですが、ちょっと 面倒です。

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⑦.ファイル展開(解凍)の手順説明 ⑥で展開(解凍)したフォルダ内を見ると左図のようになっているはずです。まだ圧縮ファイルがいっぱいあり ます。これを全部展開する必要がありますが、結構面倒です。私の場合には、展開時に「Lhaz」を使ってます。 一気に中身のみを取り出せるので便利です。

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2.数値標高モデルの図化方法 ①.データ図化方法 株式会社エコリスさんのホームページ よりdemtoolをダウンロードする。 http://www.ecoris.co.jp/contents/demtool.html 上記にアクセスを行い、ダウンロードする。 「demtool_v〇_〇_〇.zip」を展開(解凍)すると「基盤地図情報標高DEM変換ツール」というフォルダが表れ ます。 「基盤地図情報標高DEM変換ツール」の中にある「変換結合.vbs」を起動してください。 後は説明に従って、変換を行います。途中で陰影起伏図を作るかどうするか聞かれるので、折角だから作っ てもらいましょう。最終的に「merge.tif」と「merge_shade.tif」ができたら完成です。

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②.データの表示方法 QGIS を起動します。 起動したら「merge.tif」をドラッグアンドドロップでQGISのキャンパス内に放り投げます。なお、 「merge_shade.tif」をついでにQGISのキャンパス内に放り投げても良いです。 QGISで表示させた状態は以下のようになります。

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3.等高線の作成 結構聞かれることも多いので、標高DEMから等高線を抽出する方法について解説します。 ①.「ラスタ」→「抽出」→「等高線」をクリックして、等高線作成機能を表示させます。

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②.等高線作成機能が表示されます。 等高線を作成するため の画像を選択 通常はバンド1を選択 等高線の間隔を設定す る。この場合は1mピッ チ。 出力された等高線の列 の名称を設定。半角英 数字10文字まで入力可 能。 個人的におすすめして おります。Dxf形式で 後々保存した際に便利。 「…」をクリックして、 ファイル保存場所を指 定。

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③.下図の赤枠内にチェックを入れて、「実行」ボタンをクリックします。計算が終わるとキャンパス内に 等高線が表示されます。

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④.等高線が出力されました。後は、レイヤのプロパティから「シンポロジ」タブの設定などを行って色分け を行って下さい。ただし、1mピッチで等高線を出力すると、データ量が大きくなるので、通常は5mピッチ や10mピッチで見て、欲しい部分だけもっと細かくするのをお勧めします。

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⑤.データが重かったため、10mピッチで出力しなおしました。この中から、50m間隔と100m間隔の等高線の 色を変えてみよう と思います。

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⑥ルール分け その① ・等高線のレイヤをダブルクリックするなどでプロパティを開きます。 ・「シンボロジー」⇒「ルールによる定義」とします(赤枠内)。 ・青枠内をダブルクリックしてルール編集画面を開きます。

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⑦ルール分け その② ・ラベルに50mと入力します。 ・フィルタは「“ELEV” - floor( “ELEV” / 50 ) * 50 = 0」を入力します。 ・色を、今回は「青色系」を選択しました。 数式の意味は以下の通り。 標高を表示したい数値で割り、端数を切り捨てて同じ数値 を乗じる。 (例:151/50=3.02 より切り捨てて3。 3×50=150) それを標高から引きます。 (例:151-150=1) 標高が抽出したい数値で割り切れる場合は端数が出ないの で、演算結果はゼロになります。ゼロとならない場合には、 表示しません。 (例:上記計算だと1なので表示しない)

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⑧ルール分け その③ ・最終的に、今回は下記のように設定しました。 ・50m間隔を青色、100m間隔を赤色、それ以外を灰色、基準のEL0mを黒色。

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2.数値標高モデルまとめ ・数値標高モデルとQGISを使用すると、等高線の抽出も案外簡 単にできる。 ・条件別の色分けにより、等高線を比較的自由に表示する種類を 選べる。 ・データを持ったGeotiffファイルがあれば、数値標高モデル以外 からでも、同じ方法で等高線を出力できる。(例えば、温度や 気圧等。)

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3.マルチスペクトル画像の扱い方 マルチスペクトル画像とは、一枚の画像の中に複数の波長のデータが記録されている画像の こ とです。有名なところでは、衛星画像で、近赤色バンド、赤色バンド、緑色バンド、青色 バンドなどのものがあります。 今回は、入手がしやすい衛星画像をもとに少し話したいと思います。 対象とする衛星はSentinel2(ESA:欧州宇宙機関)です。撮影対象は、諏訪湖にしてみました。 特に選んだ理由はありません。

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①衛星データをダウンロードします。Sentinel2をダウンロードする際には Copernicus Open Access Hub(https://scihub.copernicus.eu/dhus/#/home)を使うと便利です。 ②今回は諏訪湖の付近のデータをダウンロードしてみました(2022.11.3)。ダウンロードする ときは、下図の赤枠内が2Aとなっているものを選ぶと処理を行わなくて良いので楽。 ③各バンドを下に並べてみました。全部白黒ですね。それをQGISを用いていわゆる、通常の 人間の目で見ている画像に直しましょう。 1.青バンドB2(Blue) 2.緑バンドB3(Green) 3.赤バンドB4(Red) 4.近赤外バンドB8(IR)

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④QGISに先ほどの画像を全部取り込みます。取り込んだのちに、画像を任意の大きさで切り そろえておいた方が後々の処理が楽。

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⑤画像を合結合します。「ラスタ」⇒「その他」⇒「結合」を選択し、結合の画面を出します。 今回は、4バンドを持つマルチカラー画像を作成します。そのため、各ファイルを別のバンド に格納します。 下記緑枠内は忘れやすいため、必ず確認する。 結合する画像を選択 チェックを入れる 実行をクリック

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⑥画像を結合した結果を以下に示す。全体的に画像の色がおかしい。山間部は紅葉しているは ずなのに、青みが強い色となっている。そのため、バンドの入れ替えを実施する。結合したラ スタレイヤをダブルクリックして、プロパティを表示する。

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⑦結合したラスタレイヤのプロパティを表示する。そしてシンボロジーを見ると 赤バンドにバンド1、緑バンドにバンド2、青バンドにバンド3が設定されている。 今回の結合に使用した画像の場合、一番若いファイル名称はB02(青)であったため、赤バン ドに青バンドの画像が設定されている、そのため色合いがおかしなことになっている。 それぞれのバンド割りあてを変更することで、色合いを合わせる。

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⑧入れ替えた結果、山間部が紅葉しているという、現況に適した画像表示となったことがわか る。この画像をトゥルーカラー画像といいます。

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⑨バンドを入れ替えることでフォルスカラー画像とナチュラルカラー画像も作れます。それぞ れを下記に添付します。ラスタ画像の各バンドを入れ替えることで、それぞれ意味のある画像 も作成可能です(いちいち再計算させることなく組み合わせを変更可能)。特に、フォルスや ナチュラルであれば、水域や植生がはっきりとわかります。 トゥルーカラー画像 赤バンド:赤(B4) 緑バンド:緑(B3) 青バンド:青(B2) フォルスカラー画像 赤バンド:近赤(B8) 緑バンド:赤(B4) 青バンド:緑(B3) ナチュラルカラー画像 赤バンド:赤(B4) 緑バンド:近赤(B8) 青バンド:緑(B3)

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⑩せっかくなので正規化植物指数(NDVI)を算出します。式はNDVI=(B8-B4)/(B8+B4)です。 -1≦NDVI≦1 の範囲を示して、右のような特徴 があります。 QGISで行う場合、ラスタ計算機を使うと楽です。 「ラスタ」⇒「ラスタ計算機」

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⑪計算式は図の通りです。計算が終わると図が表示されます。白黒画像のため、色を設定しま す。画像のレイヤをダブルクリックして、プロパティを開きます。

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⑪色を設定します。全体的に黄緑色が多く、植物活性自体は 低めであることがわかります。また図の南側は、水田の刈り取られた跡が、黄色くなっている のがよくわかります。

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⑫NDVIなど、決まったカラーリングにしたい場合には、あらかじめ保存してあったqmlファイ ルを使って、カラーリング設定しようとします。しかし、適応やOKを押した瞬間に、右の図 のように、設定が崩れてしまうことが多々あります。

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⑬前述のことを回避するために、qmlファイルを読み込んだら、 ・「適用」や「OK」をクリックしないまま、図の左側で示した、「カラーマップをファイルにエクスポー ト」をして、現在のカラーマップ(カラーランプ)を保存します。 ・その後、右の図に示した「ファイルからカラーマップをロード」をクリックし、上記で保存したカラー マップファイルを読み込み、「適用」をクリックします。問題なければ「OK」をクリックします。 ・もし、色がまだおかしい場合はもう一度、 「ファイルからカラーマップをロード」をクリックし、カラー マップファイルをもう一度読み込みます。 色合い等を保存したい場合 色合い等を読み込みたい場合

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⑭カラーマップファイルは、簡単なテキストファイルであるため、様々な色で分析を行う際に 非常に便利です。 並びは 値 , 赤 , 緑 , 青 , 色指数の上限値(255) , 数値の範囲ラベル です。

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END ギルド:黎明の調べ ギルドマスター:sakuya_izayoi